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第13話
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その晩アゲハはサンドラと明日の対応策を話していた。
「アゲハ様がセレブリティのオーナーである事は当然秘密のまま話を、お薦めしたらいいのですね」
「そうそう、うちのアダムとギャバンを他国からお忍びで遊びに来てる高貴な人って設定で、客として入れておくからね」
「あの? 爵位詐称はバレれば一発処刑事項だったと思いますが?」
「ん? 詐称なんてしないよー高貴な人って言うだけだし、勝手に勘違いして貰うだけだから」
「研修の時にセレブリティのマネージャーに相手の身分や職業を聞くのは、最も失礼な事だから、絶対にそう言う会話をしてはいけないと、徹底して貰うしね」
「成程ぉアゲハ様は本当に悪だくみをされる時のお顔が楽しそうでございますね」
「サンドラもね!」
◇◆◇◆
翌日、サンドラがセブンスショップで待ち構えていると、大きな荷物を持ったミザリーがやって来た。
「ここのお店で使わないドレスやアクセサリーを買い取るって聞いたけど、間違いないわね?」
「いらっしゃいませお嬢様。随分沢山お持ちになられたんですね。そんな時はお申し付けくだされば、お買い上げに伺いますのに」
「あら? あなた、アゲハの専属侍女だった方じゃ無い?」
「はい、そうでございますが、お会いした事は御座いましたでしょうか?」
「私はコールマン男爵家のミザリーです」
「あ、アストラル家の時期伯爵様の奥方のミザリー様でございますか?」
「そ、それはちょっと問題があって今は男爵家に戻ったの、お陰で自由になるお金が足らなくてね、殆ど着て無いドレスばかりだから、高く買ってちょうだい」
「そうでございましたか、アゲハお嬢様はミザリー様に感謝されてましたよ?」
「そうなの?」
「あんなクズ男と結婚なんて絶対嫌だと、ずっと仰ってましたから……」
「ふーん…… ちょっと小耳に挟んだんですが、ここはセレブリティと繋がりがある様に伺ってますけど本当かしら?」
「はい、確かにこちらのお店から衣装などをお買い求めいただいている関係上、仲良くお付き合いさせて頂いておりますわ」
「ねぇ、私を紹介して貰えない?」
「セレブリティで働かれるおつもりですか?」
「そうよ、あそこが今一番有力貴族と縁を作れる場所だと聞いてるからね、うちの男爵家では相手にされない程だから」
「そうなんですか、でも亜人差別や、平民差別に関しては凄く厳しいと言われてますが、ミザリー様はその辺りはいかがでしょうか?」
「結婚相手を見つけるまでの腰かけだから、それぐらいの間は表面上我慢するわよ」
「我慢…… ですか?」
「そうね、獣人なんかと同じ扱いをされるとか、反吐が出そうですけど、それは全然普通の事でしょ?」
「そうですか…… 一応セレブリティのマネージャーには今日にでも話を伝えておきますから、お返事は明日のこれくらいの時間に、聞きに来てください」
「アゲハ様がセレブリティのオーナーである事は当然秘密のまま話を、お薦めしたらいいのですね」
「そうそう、うちのアダムとギャバンを他国からお忍びで遊びに来てる高貴な人って設定で、客として入れておくからね」
「あの? 爵位詐称はバレれば一発処刑事項だったと思いますが?」
「ん? 詐称なんてしないよー高貴な人って言うだけだし、勝手に勘違いして貰うだけだから」
「研修の時にセレブリティのマネージャーに相手の身分や職業を聞くのは、最も失礼な事だから、絶対にそう言う会話をしてはいけないと、徹底して貰うしね」
「成程ぉアゲハ様は本当に悪だくみをされる時のお顔が楽しそうでございますね」
「サンドラもね!」
◇◆◇◆
翌日、サンドラがセブンスショップで待ち構えていると、大きな荷物を持ったミザリーがやって来た。
「ここのお店で使わないドレスやアクセサリーを買い取るって聞いたけど、間違いないわね?」
「いらっしゃいませお嬢様。随分沢山お持ちになられたんですね。そんな時はお申し付けくだされば、お買い上げに伺いますのに」
「あら? あなた、アゲハの専属侍女だった方じゃ無い?」
「はい、そうでございますが、お会いした事は御座いましたでしょうか?」
「私はコールマン男爵家のミザリーです」
「あ、アストラル家の時期伯爵様の奥方のミザリー様でございますか?」
「そ、それはちょっと問題があって今は男爵家に戻ったの、お陰で自由になるお金が足らなくてね、殆ど着て無いドレスばかりだから、高く買ってちょうだい」
「そうでございましたか、アゲハお嬢様はミザリー様に感謝されてましたよ?」
「そうなの?」
「あんなクズ男と結婚なんて絶対嫌だと、ずっと仰ってましたから……」
「ふーん…… ちょっと小耳に挟んだんですが、ここはセレブリティと繋がりがある様に伺ってますけど本当かしら?」
「はい、確かにこちらのお店から衣装などをお買い求めいただいている関係上、仲良くお付き合いさせて頂いておりますわ」
「ねぇ、私を紹介して貰えない?」
「セレブリティで働かれるおつもりですか?」
「そうよ、あそこが今一番有力貴族と縁を作れる場所だと聞いてるからね、うちの男爵家では相手にされない程だから」
「そうなんですか、でも亜人差別や、平民差別に関しては凄く厳しいと言われてますが、ミザリー様はその辺りはいかがでしょうか?」
「結婚相手を見つけるまでの腰かけだから、それぐらいの間は表面上我慢するわよ」
「我慢…… ですか?」
「そうね、獣人なんかと同じ扱いをされるとか、反吐が出そうですけど、それは全然普通の事でしょ?」
「そうですか…… 一応セレブリティのマネージャーには今日にでも話を伝えておきますから、お返事は明日のこれくらいの時間に、聞きに来てください」
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