上 下
8 / 22

第8話

しおりを挟む
 高級クラブとしてスタートした『セレブリティ』は更なる進歩を求めて、次に目を付けたのは、カジノの導入だよ!

 事前に下調べをしたけど、賭け事の場を提供する事が違法だという認識が、この世界では無かった。

 この世界で一般的な賭け事は、ボクシングのような殴り合いだとか、剣を使った決闘という血なまぐさい物が中心で、前世の記憶にあるようなカードゲームなんかは存在していなかった。

 私はキャバ嬢の当時に、よく太客の会社社長たちに連れられて、カジノバーとかに出入りしてたから、基本的なルールは頭に入ってるんだよ!

 これでも前世では一応2流ではあったけど国立の4大卒だからね!
 早速、ゲーム版とトランプのカードを街の職人に頼んで作成して、ルーレットとバカラを始める事にした。

 麻雀も私は結構得意だったから、街の職人に牌を注文してみたよ。
 流石に全自動卓は無理だけどね……

 こうして、セレブリティの地下には、この世界では初となるカジノもオープンした。
 ここでも役に立ったのは身体能力に優れた、獣人のスタッフたちだ。
 とてつもなく高い敏捷性で、ルーレットに狙い通り球を投げいれたり、トランプのカードさばきで、思いのままに配ったりすることは、訳も無くこなす。

 基本は、長く遊んでもらう事が大事だから、ちゃんと満遍なく勝って帰って貰う日を演出してあげるよ?

 ギャンブルって不思議なもんで勝ったお金は贅沢に使いたくなるんだよね。
 地下で勝っても、クラブで良いお酒を入れてくれたりチップを弾んでくれたりで、結局私のお店にはプラスばっかりなんだよね!

 これが、上流社会で話題になって来ると、平民向けのカジノを始めて荒稼ぎをしようとする、裏社会の連中が出て来ることも、私には想定内だったので、ここでこの王都の警察組織を管轄する侯爵家に対して、恩を売って置く事にした。

 カジノ経営を、国が許可をした業者だけにしか営業が出来ない規則を作らせ、当然普通の商売よりも高い課税を掛けさせて、この侯爵家の手柄にさせた。

 きちんとした法律が作られてしまったら、裏社会の人間が真似してオープンさせるカジノは堂々と摘発して、罰金が徴収できる。

 私はこの侯爵家に凄い感謝されたよ。
 そして、お礼として、王家に働きかけ貴族の爵位を陞爵された。

 女子爵と言う爵位で、父親から捨てられる前の実家の爵位と同じだよ。
 元々が貴族家の出身であった私は、問題無く推薦が認められたみたいだね!
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

婚約者が不倫しても平気です~公爵令嬢は案外冷静~

岡暁舟
恋愛
公爵令嬢アンナの婚約者:スティーブンが不倫をして…でも、アンナは平気だった。そこに真実の愛がないことなんて、最初から分かっていたから。

【完結】許婚の子爵令息から婚約破棄を宣言されましたが、それを知った公爵家の幼馴染から溺愛されるようになりました

八重
恋愛
「ソフィ・ルヴェリエ! 貴様とは婚約破棄する!」 子爵令息エミール・エストレが言うには、侯爵令嬢から好意を抱かれており、男としてそれに応えねばならないというのだ。 失意のどん底に突き落とされたソフィ。 しかし、婚約破棄をきっかけに幼馴染の公爵令息ジル・ルノアールから溺愛されることに! 一方、エミールの両親はソフィとの婚約破棄を知って大激怒。 エミールの両親の命令で『好意の証拠』を探すが、侯爵令嬢からの好意は彼の勘違いだった。 なんとかして侯爵令嬢を口説くが、婚約者のいる彼女がなびくはずもなく……。 焦ったエミールはソフィに復縁を求めるが、時すでに遅し──

悪役令嬢がヒロインからのハラスメントにビンタをぶちかますまで。

倉桐ぱきぽ
恋愛
乙女ゲームの悪役令嬢に転生した私は、ざまぁ回避のため、まじめに生きていた。 でも、ヒロイン(転生者)がひどい!   彼女の嘘を信じた推しから嫌われるし。無実の罪を着せられるし。そのうえ「ちゃんと悪役やりなさい」⁉ シナリオ通りに進めたいヒロインからのハラスメントは、もう、うんざり! 私は私の望むままに生きます!! 本編+番外編3作で、40000文字くらいです。 ⚠途中、視点が変わります。サブタイトルをご覧下さい。

聖女の力は使いたくありません!

三谷朱花
恋愛
目の前に並ぶ、婚約者と、気弱そうに隣に立つ義理の姉の姿に、私はめまいを覚えた。 ここは、私がヒロインの舞台じゃなかったの? 昨日までは、これまでの人生を逆転させて、ヒロインになりあがった自分を自分で褒めていたのに! どうしてこうなったのか、誰か教えて! ※アルファポリスのみの公開です。

婚約破棄ですか? ならば国王に溺愛されている私が断罪致します。

久方
恋愛
「エミア・ローラン! お前との婚約を破棄する!」  煌びやかな舞踏会の真っ最中に突然、婚約破棄を言い渡されたエミア・ローラン。  その理由とやらが、とてつもなくしょうもない。  だったら良いでしょう。  私が綺麗に断罪して魅せますわ!  令嬢エミア・ローランの考えた秘策とは!?

モブ公爵令嬢は婚約破棄を抗えない

家紋武範
恋愛
公爵令嬢であるモブ・ギャラリーは、王太子クロード・フォーンより婚約破棄をされてしまった。 夜会の注目は一斉にモブ嬢へと向かうがモブ嬢には心当たりがない。 王太子の後ろに控えるのは美貌麗しいピンクブロンドの男爵令嬢。 モブ嬢は自分が陥れられたことに気づいた──。

絶対婚約いたしません。させられました。案の定、婚約破棄されました

toyjoy11
ファンタジー
婚約破棄ものではあるのだけど、どちらかと言うと反乱もの。 残酷シーンが多く含まれます。 誰も高位貴族が婚約者になりたがらない第一王子と婚約者になったミルフィーユ・レモナンド侯爵令嬢。 両親に 「絶対アレと婚約しません。もしも、させるんでしたら、私は、クーデターを起こしてやります。」 と宣言した彼女は有言実行をするのだった。 一応、転生者ではあるものの元10歳児。チートはありません。 4/5 21時完結予定。

冤罪を受けたため、隣国へ亡命します

しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」 呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。 「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」 突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。 友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。 冤罪を晴らすため、奮闘していく。 同名主人公にて様々な話を書いています。 立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。 サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。 変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。 ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます! 小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

処理中です...