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第111話 岩崎理と言う人
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私は、向井さんに連れられて岩崎さんの自宅に向かった。
向井さんが呼び鈴を押すと、中から「はーいどちら様?」と声が聞こえた。
覇気の無い声だった。
向井さんが「お向かいの向井ですよ、あんたに会いたいって言う人が居たからお連れしたよ。綺麗なお嬢さんだから、あんたに何かされないか心配になって、私も付いて来たんだよ」
「ひでぇなぁ婆ちゃん、いくら俺でも初対面の女性を襲ったりする事はないよ」
「初対面じゃ無かったら可能性があるのかい? 十分危険な発言だね」
「上げ足取るなよな、で俺に用がある人って?」
「あ、私、佐千原って言います。初めまして? ですよね?」
この世界では、きっと初めてだよね? と思いながら挨拶をした。
向こうの世界の岩崎さんと違って、年相応と言うか、40代の締りのない身体をした叔父さんが、目の前にジャージ姿で立っていた。
「えーと、俺は見かけたのは始めてじゃないけど、言葉を交わしたことは無いから、初めましてで間違いないかな?」
「何処でお会いしましたっけ?」
「ほら、野良猫がいっぱい集まってる公園。俺防衛都市になる前は休みの日に良く猫を見に行ってたからさ、そこで何度か見かけた事あるよ、俺が全然相手にされない猫でも、お嬢さんにはよく懐いてたからな。羨ましいと思って見てたよ」
「あーそうなんですね、それなら確かに私のはずです」
向井さんが、「この岩崎さんで間違いはなかったのかい? じゃぁ私は家に戻るけど、何かされそうになったら、大声出しなさいよ、私がすぐに薙刀持って駆けつけるからね」
「婆ちゃん、少しは俺を信用しろよ。別に婆ちゃんに迷惑を掛けた事とか無いだろ?」
「こんな時代になっても、まだ動く体を持ってるくせに、ダラダラ過す男の何処を信用しろって言うんだい? こんなお嬢さんでも防衛隊に参加して、危険なモンスターに立ち向かってるんだよ、それをいい歳して家でゴロゴロするばっかりで、何も信用出来る根拠がないね」
「あぁそうかい、俺だってやる時はやるんだぞ、そのうちびっくりさせてやるからな」
「その内っていつだい? 廻りに人が誰も居なくなってからかい? 今を一生懸命過ごせない人を私は信用なんかしないからね」
言いたいことを言って、向井さんは家に戻った。
「あのなんかすいません。私が向井さんに案内を頼んじゃったから、岩崎さんに酷い事言っちゃって」
「あー別に本当のことだから、言われてもしょうが無いよ。で、どんな用なのかな?」
と、理が言った時、黒い身体の大きな猫が、玄関の前に来て「ニャアァ」と泣いた。
間違っても可愛くはない。
片目は潰れてて、片耳も千切れた猫だった。
「おぅTB餌の時間にはまだ早いが、まぁ良いか餌食ってけよ」
「ぇ、この子TBちゃんって言うんですか?」
「あー、あの公園でさ、もう一年くらい前かな? ダンジョンとかが始めて出来た頃に、カラスに襲われてる子猫が居てさ、何とかカラスを追い払って助けたけど、目と耳やられちゃっててさ、病院に連れて行って、何とか命は助かったけど、この見てくれは無理だったんだ」
「それから、俺は甲斐性無しだから家猫で飼うことは出来ないけど、気がついた時に餌をやるくらいなら出来るから、そんな感じでもう一年くらいの付き合いだ」
「良かったねTBちゃん。こっちでもちゃんと守ってもらえたんだね」
私は少しウルっとした。
「ねぇ佐千原さんだっけ、今こっちでもって言ったよね? どういう事かな?」
「少し上がらせてもらっても良いですか?」
「汚いけど文句言わないでね?」
「我慢します」
私は岩崎さんの家に上がった。
ここまでの会話の流れの中で、既に答えは想像できてる。
この岩崎さんでは無い。
私がさっき見た背中は、私の世界の頼りがいのある岩崎さんだった筈だ。
岩崎さんが二人居るって事だよね。
でも、私は思った。
野口さんから色々聞いて、私は岩崎さんにお嫁さんが14人も居る事を知っている。
そこに割り込めればいいなと、野口さんとよく話してた。
でもでも、この岩崎さんなら独り占めできるチャンスもある。
只のおじさんだけど、素材は同じなんだから、私がメイキングしていけば、きっとあの岩崎さんと同じとまでは言わなくても、近い存在に出来るんじゃないだろうか? 私はこの人のポテンシャルを知っている。
きっとこの世界では、私だけが知っている可能性。
世界最強の男にして、世界一のお金持ち。
そうなれるように導くことが出来るんじゃないだろうか?
そして、私だけのヒーローになってくれるかも? きっとこれは神様がくれたビッグチャンスだわ。
今度は逃さないの。
「岩崎さん、私は貴方を知っています。いえ貴方の可能性を知っています。だから私に騙されて下さい。貴方はこの世界を救うことができる、唯一の人なんです」
「何言ってるの? こんな只のおっさんに何か出来るわけ無いじゃん」
「いいえ、貴方に頑張ってもらいます。たった今から貴方は私と一緒に行動してもらいます。どんなに嫌がっても私は貴方から離れません。もしこの世界を本当に救うことが出来て、それでも私が一緒にいるのが嫌だったらその時は離れてあげるわ」
「いやいやこんな綺麗な若いお姉ちゃんに、そんな事言われたら嬉しいに決まってるけど、俺何したらいいのかさっぱり解ってないからね?」
「まず、岩崎さん。貴方のLVは、今いくつですか?」
「俺モンスター倒したこと無いから、0なんじゃない?」
「0は存在しないから1ですね。その方が都合がいいです。中途半端な知識で、JOBとか取られちゃってたら、取り返しがつかなかったですから」
「岩崎さんは、刀を扱い、TBちゃんをテイムして、誰にも使えないような大規模な魔法を扱い、すごい武器を自らの手で産み出し、魔導具や、ポーション作成も世界最高峰のLVで作れるんです。そんな自分を今日一日必死でイメージして下さい。何でも隔絶したLVでこなせる自分を、強くイメージして下さい」
「今日から私はここに住み込みます。食事の用意やお掃除は家賃代わりに私がします。その替り明日から私と一緒にモンスターを狩ってもらいます。1人で行かせたりしません。必ず私も一緒に行きます。だから頑張ってみて下さい。岩崎さんなら必ず出来ます。岩崎さんにしか出来ないんです」
「解ったよ、若い女の子にそこまで言わせちゃったら、なんかやらなきゃしょうが無いじゃん。でもさ俺、佐千原さんが一緒の家に住むと理性を保てる自信がないから、そこはまだ、けじめとして辞めとこうよ、どうしてもというなら、さっきの向井さんの家に住めるように俺がお願いしてあげるから、今でこそあんな風にボロクソ言われちゃうけど、昔は良く一緒にラヂオ体操した仲だから、俺がちゃんと行動するってなったら、嫌とは言わないと思うから」
こうして、私はこの世界の岩崎さんに世界の命運を託す事にした。
向井さんが呼び鈴を押すと、中から「はーいどちら様?」と声が聞こえた。
覇気の無い声だった。
向井さんが「お向かいの向井ですよ、あんたに会いたいって言う人が居たからお連れしたよ。綺麗なお嬢さんだから、あんたに何かされないか心配になって、私も付いて来たんだよ」
「ひでぇなぁ婆ちゃん、いくら俺でも初対面の女性を襲ったりする事はないよ」
「初対面じゃ無かったら可能性があるのかい? 十分危険な発言だね」
「上げ足取るなよな、で俺に用がある人って?」
「あ、私、佐千原って言います。初めまして? ですよね?」
この世界では、きっと初めてだよね? と思いながら挨拶をした。
向こうの世界の岩崎さんと違って、年相応と言うか、40代の締りのない身体をした叔父さんが、目の前にジャージ姿で立っていた。
「えーと、俺は見かけたのは始めてじゃないけど、言葉を交わしたことは無いから、初めましてで間違いないかな?」
「何処でお会いしましたっけ?」
「ほら、野良猫がいっぱい集まってる公園。俺防衛都市になる前は休みの日に良く猫を見に行ってたからさ、そこで何度か見かけた事あるよ、俺が全然相手にされない猫でも、お嬢さんにはよく懐いてたからな。羨ましいと思って見てたよ」
「あーそうなんですね、それなら確かに私のはずです」
向井さんが、「この岩崎さんで間違いはなかったのかい? じゃぁ私は家に戻るけど、何かされそうになったら、大声出しなさいよ、私がすぐに薙刀持って駆けつけるからね」
「婆ちゃん、少しは俺を信用しろよ。別に婆ちゃんに迷惑を掛けた事とか無いだろ?」
「こんな時代になっても、まだ動く体を持ってるくせに、ダラダラ過す男の何処を信用しろって言うんだい? こんなお嬢さんでも防衛隊に参加して、危険なモンスターに立ち向かってるんだよ、それをいい歳して家でゴロゴロするばっかりで、何も信用出来る根拠がないね」
「あぁそうかい、俺だってやる時はやるんだぞ、そのうちびっくりさせてやるからな」
「その内っていつだい? 廻りに人が誰も居なくなってからかい? 今を一生懸命過ごせない人を私は信用なんかしないからね」
言いたいことを言って、向井さんは家に戻った。
「あのなんかすいません。私が向井さんに案内を頼んじゃったから、岩崎さんに酷い事言っちゃって」
「あー別に本当のことだから、言われてもしょうが無いよ。で、どんな用なのかな?」
と、理が言った時、黒い身体の大きな猫が、玄関の前に来て「ニャアァ」と泣いた。
間違っても可愛くはない。
片目は潰れてて、片耳も千切れた猫だった。
「おぅTB餌の時間にはまだ早いが、まぁ良いか餌食ってけよ」
「ぇ、この子TBちゃんって言うんですか?」
「あー、あの公園でさ、もう一年くらい前かな? ダンジョンとかが始めて出来た頃に、カラスに襲われてる子猫が居てさ、何とかカラスを追い払って助けたけど、目と耳やられちゃっててさ、病院に連れて行って、何とか命は助かったけど、この見てくれは無理だったんだ」
「それから、俺は甲斐性無しだから家猫で飼うことは出来ないけど、気がついた時に餌をやるくらいなら出来るから、そんな感じでもう一年くらいの付き合いだ」
「良かったねTBちゃん。こっちでもちゃんと守ってもらえたんだね」
私は少しウルっとした。
「ねぇ佐千原さんだっけ、今こっちでもって言ったよね? どういう事かな?」
「少し上がらせてもらっても良いですか?」
「汚いけど文句言わないでね?」
「我慢します」
私は岩崎さんの家に上がった。
ここまでの会話の流れの中で、既に答えは想像できてる。
この岩崎さんでは無い。
私がさっき見た背中は、私の世界の頼りがいのある岩崎さんだった筈だ。
岩崎さんが二人居るって事だよね。
でも、私は思った。
野口さんから色々聞いて、私は岩崎さんにお嫁さんが14人も居る事を知っている。
そこに割り込めればいいなと、野口さんとよく話してた。
でもでも、この岩崎さんなら独り占めできるチャンスもある。
只のおじさんだけど、素材は同じなんだから、私がメイキングしていけば、きっとあの岩崎さんと同じとまでは言わなくても、近い存在に出来るんじゃないだろうか? 私はこの人のポテンシャルを知っている。
きっとこの世界では、私だけが知っている可能性。
世界最強の男にして、世界一のお金持ち。
そうなれるように導くことが出来るんじゃないだろうか?
そして、私だけのヒーローになってくれるかも? きっとこれは神様がくれたビッグチャンスだわ。
今度は逃さないの。
「岩崎さん、私は貴方を知っています。いえ貴方の可能性を知っています。だから私に騙されて下さい。貴方はこの世界を救うことができる、唯一の人なんです」
「何言ってるの? こんな只のおっさんに何か出来るわけ無いじゃん」
「いいえ、貴方に頑張ってもらいます。たった今から貴方は私と一緒に行動してもらいます。どんなに嫌がっても私は貴方から離れません。もしこの世界を本当に救うことが出来て、それでも私が一緒にいるのが嫌だったらその時は離れてあげるわ」
「いやいやこんな綺麗な若いお姉ちゃんに、そんな事言われたら嬉しいに決まってるけど、俺何したらいいのかさっぱり解ってないからね?」
「まず、岩崎さん。貴方のLVは、今いくつですか?」
「俺モンスター倒したこと無いから、0なんじゃない?」
「0は存在しないから1ですね。その方が都合がいいです。中途半端な知識で、JOBとか取られちゃってたら、取り返しがつかなかったですから」
「岩崎さんは、刀を扱い、TBちゃんをテイムして、誰にも使えないような大規模な魔法を扱い、すごい武器を自らの手で産み出し、魔導具や、ポーション作成も世界最高峰のLVで作れるんです。そんな自分を今日一日必死でイメージして下さい。何でも隔絶したLVでこなせる自分を、強くイメージして下さい」
「今日から私はここに住み込みます。食事の用意やお掃除は家賃代わりに私がします。その替り明日から私と一緒にモンスターを狩ってもらいます。1人で行かせたりしません。必ず私も一緒に行きます。だから頑張ってみて下さい。岩崎さんなら必ず出来ます。岩崎さんにしか出来ないんです」
「解ったよ、若い女の子にそこまで言わせちゃったら、なんかやらなきゃしょうが無いじゃん。でもさ俺、佐千原さんが一緒の家に住むと理性を保てる自信がないから、そこはまだ、けじめとして辞めとこうよ、どうしてもというなら、さっきの向井さんの家に住めるように俺がお願いしてあげるから、今でこそあんな風にボロクソ言われちゃうけど、昔は良く一緒にラヂオ体操した仲だから、俺がちゃんと行動するってなったら、嫌とは言わないと思うから」
こうして、私はこの世界の岩崎さんに世界の命運を託す事にした。
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