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第82話 スパリゾート共和国が出来るまで⑳
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今日はこの大陸を揺るがせた、世界大戦が終結した事を祝うために、各国の代表者が集い、スパリゾート共和国の設立を祝ってくれている。
国民も首都スパリゾートタウンに大勢集まり、戦争の終結を心から喜んでいる。
街中活気にあふれ、多くの屋台も出てパレードが行われている。
私は、イスメラルダと共に、スパロー号で地面ギリギリの位置を飛びながら、国民のみんなに、にこやかに手を振っている。
新たな、スパリゾート共和国では貴族制度が廃止され、国民の生まれや種族に関係なく、教育を受ければどんな仕事でも、やりたい事を出来る。
各州の統治者や、街の代表者も選挙制度の導入で、国民によって選ばれる。
私は、国の代表ではあるけど、政治には基本タッチしないよ?
フーバー宰相を始めとした、優秀な仲間が私に自由な時間を作ってくれるからね。
同盟国、ビスティア王国の若き国王陛下ゼクス・ビスティア国王陛下、旧聖教国のヘルメス・フランシスコ教皇。
そして…… ギルノア王国の、フリオニール・ギルノア国王陛下も王妃様と共に参列されている。
「ねぇイスメラルダ、こんな事になっちゃったけど…… 良かったのかな?」
「んー…… 今更だよ。でもまだやっとこの大陸の中での平和が訪れたってだけで、世界中の5つの大陸に存在する、100以上の国々の全てが平和に暮らせているわけでは無いから、深淵聖女アスカ様にはまだまだ活躍して頂かないとね」
「でも、フリオニールが国王陛下とか、びっくりだよね」
「うん、王妃様が優れた人だから、なんとかなるでしょ?」
「そうだね」
「シルバ、パレードを盛り上げたいから、一番大きなサイズになって貰えないかな?」
「うん、後でちゃんとお腹のとこモフモフしてね」
「本当にいつまでも甘えんぼさんだねシルバは」
「テヘッ」
20mサイズのフェンリル形態になったシルバの、肉球をステップにして、背中に乗せてもらうと、パレードは更に盛り上がりを見せる。
◇◆◇◆
国民へのお披露目を終わると、スパリゾートタウンの王城の前の広大な広場に、主だった人間が集まっている。
このガイアス大陸に存在する15か国の国家元首を始めとして、女神聖教のヘルメス教皇、それに新たに立ち上がった大陸政府の、ペルセウス大統領。
「アスカ女王よ、この大陸の発展の為に尽力を頼むぞ」
「はい大統領、争いの無い世界を作り上げたいと思います」
「うむ、素晴らしい考えだが、魔獣の存在する世界だ。戦力の低下は困るからな。冒険者ギルドと協力し合い、魔獣との争いやスタンピードの抑制もよろしく頼むぞ」
「畏まりました」
◇◆◇◆
今まではノードン川流域に存在した、ギルノア王国空軍基地も、ガイアス大陸政府空軍基地となり、旧ゾイド帝国の王都から南に広がる海沿いに移った。
これまでは、この帝国の海軍基地があった地帯だが、海軍の軍艦をすべて改修して、飛空船に切り替える計画になっている。
今までの軍艦は、飛空船として考えた場合は船体の強度が低いために、若干の強化はしても、民間用の貨物と旅客用程度にしか流用は難しい。
帝国に大量に存在していた、兵と軍属は殆どがこの新しい飛空船を使った事業に携わる事になる。
前回の大戦の発端となった、飛空船の略奪による被害が起らないように、飛空船にはリモートの自爆装置が搭載されていることも周知されてあるので、今後は同じ問題は起らないであろう。
そして、アスカは全ての飛空船のオーナーであり、大陸各国へ飛空船をリースしているので、スパリゾート共和国は経済的にもとても栄えている。
神の祝福であるかのような、健康にいい温泉を求めて観光客も後を絶たないし、大陸の各国から魔法陣魔法を学ぶための留学生も受け入れをしている。
一通りの事が落ち着き、イスメラルダとイレーヌ姉さんを交えて、私は今後の事を話していた。
「ねぇイスメラルダ。前に言ってたよね?」
「え? 何の話」
「魔法陣だよ。魔国には魔法陣を描ける人が存在しているんでしょ?」
「そう言う話を聞いたけど、直接知り合いがいる訳じゃ無いし、解んないけどね」
「この世界に残っている、結界や転移、ダンジョン産の魔導具なんかの魔法陣は、必ずルーツを辿れば、西の大陸の魔族に繋がると思うんだよね」
「間違いは無いでしょうね? で? 何をするつもりなの?」
「イスメラルダ。この国は父上やフーバー宰相が居るから大丈夫でしょ?」
「アスカ? あなたさ一応女王様なんだから、気軽にホイホイ出歩かないで欲しいんだけど?」
「ほら、見た目イスメラルダとかイレーヌ姉さんとかの方が、威厳があってそれっぽいじゃん? 聖女様ってやっぱり、胸のボリュームとか大事だし」
「はあ? 何意味解んない事言ってるのよ」
「どうしようもない問題が起こった時は、念話してくれれば転移ですぐ戻って来るから、ちょっと任せちゃっていいかな?」
「しょうが無いわね。アスカ。気を付けるのよ?」
「イレーヌ姉さんもお願いしますね」
「そろそろ私も、一応結婚して子供くらい産みたいから、あんまり遅くならないようにね?」
「解りました」
こうして私は、シルバと二人で新たなる冒険の旅に出る事を決めちゃったんだよね。
国民も首都スパリゾートタウンに大勢集まり、戦争の終結を心から喜んでいる。
街中活気にあふれ、多くの屋台も出てパレードが行われている。
私は、イスメラルダと共に、スパロー号で地面ギリギリの位置を飛びながら、国民のみんなに、にこやかに手を振っている。
新たな、スパリゾート共和国では貴族制度が廃止され、国民の生まれや種族に関係なく、教育を受ければどんな仕事でも、やりたい事を出来る。
各州の統治者や、街の代表者も選挙制度の導入で、国民によって選ばれる。
私は、国の代表ではあるけど、政治には基本タッチしないよ?
フーバー宰相を始めとした、優秀な仲間が私に自由な時間を作ってくれるからね。
同盟国、ビスティア王国の若き国王陛下ゼクス・ビスティア国王陛下、旧聖教国のヘルメス・フランシスコ教皇。
そして…… ギルノア王国の、フリオニール・ギルノア国王陛下も王妃様と共に参列されている。
「ねぇイスメラルダ、こんな事になっちゃったけど…… 良かったのかな?」
「んー…… 今更だよ。でもまだやっとこの大陸の中での平和が訪れたってだけで、世界中の5つの大陸に存在する、100以上の国々の全てが平和に暮らせているわけでは無いから、深淵聖女アスカ様にはまだまだ活躍して頂かないとね」
「でも、フリオニールが国王陛下とか、びっくりだよね」
「うん、王妃様が優れた人だから、なんとかなるでしょ?」
「そうだね」
「シルバ、パレードを盛り上げたいから、一番大きなサイズになって貰えないかな?」
「うん、後でちゃんとお腹のとこモフモフしてね」
「本当にいつまでも甘えんぼさんだねシルバは」
「テヘッ」
20mサイズのフェンリル形態になったシルバの、肉球をステップにして、背中に乗せてもらうと、パレードは更に盛り上がりを見せる。
◇◆◇◆
国民へのお披露目を終わると、スパリゾートタウンの王城の前の広大な広場に、主だった人間が集まっている。
このガイアス大陸に存在する15か国の国家元首を始めとして、女神聖教のヘルメス教皇、それに新たに立ち上がった大陸政府の、ペルセウス大統領。
「アスカ女王よ、この大陸の発展の為に尽力を頼むぞ」
「はい大統領、争いの無い世界を作り上げたいと思います」
「うむ、素晴らしい考えだが、魔獣の存在する世界だ。戦力の低下は困るからな。冒険者ギルドと協力し合い、魔獣との争いやスタンピードの抑制もよろしく頼むぞ」
「畏まりました」
◇◆◇◆
今まではノードン川流域に存在した、ギルノア王国空軍基地も、ガイアス大陸政府空軍基地となり、旧ゾイド帝国の王都から南に広がる海沿いに移った。
これまでは、この帝国の海軍基地があった地帯だが、海軍の軍艦をすべて改修して、飛空船に切り替える計画になっている。
今までの軍艦は、飛空船として考えた場合は船体の強度が低いために、若干の強化はしても、民間用の貨物と旅客用程度にしか流用は難しい。
帝国に大量に存在していた、兵と軍属は殆どがこの新しい飛空船を使った事業に携わる事になる。
前回の大戦の発端となった、飛空船の略奪による被害が起らないように、飛空船にはリモートの自爆装置が搭載されていることも周知されてあるので、今後は同じ問題は起らないであろう。
そして、アスカは全ての飛空船のオーナーであり、大陸各国へ飛空船をリースしているので、スパリゾート共和国は経済的にもとても栄えている。
神の祝福であるかのような、健康にいい温泉を求めて観光客も後を絶たないし、大陸の各国から魔法陣魔法を学ぶための留学生も受け入れをしている。
一通りの事が落ち着き、イスメラルダとイレーヌ姉さんを交えて、私は今後の事を話していた。
「ねぇイスメラルダ。前に言ってたよね?」
「え? 何の話」
「魔法陣だよ。魔国には魔法陣を描ける人が存在しているんでしょ?」
「そう言う話を聞いたけど、直接知り合いがいる訳じゃ無いし、解んないけどね」
「この世界に残っている、結界や転移、ダンジョン産の魔導具なんかの魔法陣は、必ずルーツを辿れば、西の大陸の魔族に繋がると思うんだよね」
「間違いは無いでしょうね? で? 何をするつもりなの?」
「イスメラルダ。この国は父上やフーバー宰相が居るから大丈夫でしょ?」
「アスカ? あなたさ一応女王様なんだから、気軽にホイホイ出歩かないで欲しいんだけど?」
「ほら、見た目イスメラルダとかイレーヌ姉さんとかの方が、威厳があってそれっぽいじゃん? 聖女様ってやっぱり、胸のボリュームとか大事だし」
「はあ? 何意味解んない事言ってるのよ」
「どうしようもない問題が起こった時は、念話してくれれば転移ですぐ戻って来るから、ちょっと任せちゃっていいかな?」
「しょうが無いわね。アスカ。気を付けるのよ?」
「イレーヌ姉さんもお願いしますね」
「そろそろ私も、一応結婚して子供くらい産みたいから、あんまり遅くならないようにね?」
「解りました」
こうして私は、シルバと二人で新たなる冒険の旅に出る事を決めちゃったんだよね。
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