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ティアーズ・アンド・ステーキ・オア・ゴー・ホーム
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このテキストは「盗撮」に関するふざけたフィクションです。
同類事件に巻き込まれたことのある人や、コメディドラマでさえ楽しめないほど拒絶感を覚える方は今回の読書を避けてください。
また、読書中に不快感が出た人は直ちに使用の中止をおすすめします。
今回はまるで何も考えず書くので、ぼくの作文練習にしかならないかもしれません。
えぐい展開にはしませんが、支離滅裂な結果となるおそれがあります。
あしからずご了承ください。
(これくらい書いときゃ怒られないで済むかな)
*
十九時になりました。
ふもふも不毛ニュースの時間です。
今日起きた事件をお伝えします。
今日午後、かまめ市の国道A号線沿いにあるインターネットカフェ「しがない」で、同店従業員の34歳の男が逮捕されました。
かまめ市警察の発表によると男の容疑は盗撮未遂です。男は勤務中に店内の女性用トイレへ侵入し、小型カメラを設置していたところ、清掃作業中だった同僚にたまたま発見され、その場で身柄を取り押さえられました。
犯人を取り押さえた従業員は、レスリングの全国大会で準優勝したこともある勇敢な女性でした。
女性従業員は現地へ向かった記者の取材に応じています。その音声がこちらです。
「はい、オイラが犯人を取り押さえてやりました。はい、そうです、目指の目を突っつくほどに楽勝でして。向こうは捕まってほっとした様子でしたけれど、ええ、驚きましたし、やり切れませんね。職場では真面目で素敵な人だったのに。ちゃんと反省してほしいです」
逮捕された男は現在容疑を一部否認し、次のように供述しているとのことです。
「カメラは防犯のために必要だから、仕方なく設置しようとした。だから無罪だ。本当の悪人は捕まってない。実は私を不安がらせて操作している人もいる。頼む、信じてくれ。今すぐ解放してほしい」
男は先程まで、涙ながらに訴え続けていたようです。
保釈の見通しは立っておらず、今後は弁護団の支援を受けて検察と長く争う構えになる模様です。
なお、警察の調べで過去の職場でも似たような罪を繰り返していた経歴が浮上しています。
「客がちゃんと手を洗っているところを確認したかった。どうしても心配だった」
などと、稚拙な嘘を述べていた記録が確認されました。
一方、かまめ市警察署長は今回の件について、同種とされる問題の対応としては異例の会見を開きました。
この会見の内容は、インスタグラムやエックスなどのSNSで話題となりましたが、いわゆる炎上騒ぎにもなっています。
波乱を呼んだ署長のメッセージとは。
「明らかに計画的で悪質だ。余罪のある可能性も考慮して、厳しく追求します。そんなことをやっちゃっておきながら、詭弁ではすまされません。反省してほしいです」
この言葉自体に問題があったという報告はありません。
では、どういった所が良くなかったのでしょうか。この点については、
「護送車を見送る店子蔦紅葉」
そんな損なアングラ俳句を特技とする社会問題研究家のutaniさんが、次の通りコメントを投稿されています。
「事件の発表をするのに『反省してほしいです』と言いながらウインクなんかされても困る。そのウインクが下手くそすぎたものだから、こんな騒ぎにまでなってしまった。真面目ともお茶目とも言えない、衝撃的な映像だった。あやとりが出来そうなほど長い鼻毛が出ていたという無念さも、筆舌に尽くし難い。犯人を擁護するつもりはないが、署長が市民の反感を買ったのは当然の結果だろう。特に多感なZ世代以下の若者たちは総じて彼のナンセンスに涙している。反省してほしいです」
ごもっともな意見でした。私も同じ思いです。反省、してほしいですね。
次のニュースは、CMのあとです。
みたら市に突如現れた、ミラクルらくがき仮面を名乗りデモする無数の少年少女たち、そのかわいらしい要求とは。
♬︎
「カット」
「プロデューサー……いいかげん、普通の報道をやりましょ」
「スポンサーの意向なのかな。そこは変えられない方針かな」
「時間も広告費もかけてこんなヘボいデマニュース、誰の役に立つんでしょう。リスクがでかすぎませんか? 採算の合う、将来のエンタメ的な展望でもあるんですか?」
「どうかな。いや、何かメディアに恨みがありそうなスポンサーなのかな。かつて冷遇され、しかし今はうちの大株主になっている元脚本家とか。そのへんの復讐かな。嫌がらせみたいなものかな」
「はあ、身も蓋もないな」
「気をしっかり。時代は常にショックを求めている。はい、CM終了五秒前、三、にー!」
♬
地獄の速報です。
先程、当局のディレクターが「にー!」でウインクしました。
キャスターをはじめ、このスタジオのスタッフ一同がますますうんざりした顔になり、今まさに暴動が起こりかけています。
こんな時、私たちは一体どうすればいいのでしょうか。
「うおおお!! なっ、なぜか視聴率はめちゃめちゃ上がっています!! あっ!! Yahoo!ニュースにも上がってる!!」
「でもそんなの関係ねえ!! でもそんなの関係ねえ!!」
「帰ろう。ねえ、帰ろう」
「誰か、いきなりステーキ寄っていこうぜえ」
*
何かごめんありがとう。
どこかダサい文化祭の学生コントみたいなのがしたくなった結果がこれですわ。
万が一この作品を最後までスマートに朗読した人がいたら(しない方がいいと思うんだけど)、こっそり教えてほしいです。
なぜそんな不毛な挑戦をしてみる気になったのか聞いてみたいし、とても感謝するけれども、共に反省もすべきかと存じます。
なお、これの執筆には五時間くらいかかりました。
貴重な自由時間をいただきまして、本当に感謝しています。本当に。
じゃ、ちょっくらお散歩へ行ってきます。京都で編集・投稿しました。
男性読者諸氏、くれぐれも世間の誘惑に負けないようにね。笑
同類事件に巻き込まれたことのある人や、コメディドラマでさえ楽しめないほど拒絶感を覚える方は今回の読書を避けてください。
また、読書中に不快感が出た人は直ちに使用の中止をおすすめします。
今回はまるで何も考えず書くので、ぼくの作文練習にしかならないかもしれません。
えぐい展開にはしませんが、支離滅裂な結果となるおそれがあります。
あしからずご了承ください。
(これくらい書いときゃ怒られないで済むかな)
*
十九時になりました。
ふもふも不毛ニュースの時間です。
今日起きた事件をお伝えします。
今日午後、かまめ市の国道A号線沿いにあるインターネットカフェ「しがない」で、同店従業員の34歳の男が逮捕されました。
かまめ市警察の発表によると男の容疑は盗撮未遂です。男は勤務中に店内の女性用トイレへ侵入し、小型カメラを設置していたところ、清掃作業中だった同僚にたまたま発見され、その場で身柄を取り押さえられました。
犯人を取り押さえた従業員は、レスリングの全国大会で準優勝したこともある勇敢な女性でした。
女性従業員は現地へ向かった記者の取材に応じています。その音声がこちらです。
「はい、オイラが犯人を取り押さえてやりました。はい、そうです、目指の目を突っつくほどに楽勝でして。向こうは捕まってほっとした様子でしたけれど、ええ、驚きましたし、やり切れませんね。職場では真面目で素敵な人だったのに。ちゃんと反省してほしいです」
逮捕された男は現在容疑を一部否認し、次のように供述しているとのことです。
「カメラは防犯のために必要だから、仕方なく設置しようとした。だから無罪だ。本当の悪人は捕まってない。実は私を不安がらせて操作している人もいる。頼む、信じてくれ。今すぐ解放してほしい」
男は先程まで、涙ながらに訴え続けていたようです。
保釈の見通しは立っておらず、今後は弁護団の支援を受けて検察と長く争う構えになる模様です。
なお、警察の調べで過去の職場でも似たような罪を繰り返していた経歴が浮上しています。
「客がちゃんと手を洗っているところを確認したかった。どうしても心配だった」
などと、稚拙な嘘を述べていた記録が確認されました。
一方、かまめ市警察署長は今回の件について、同種とされる問題の対応としては異例の会見を開きました。
この会見の内容は、インスタグラムやエックスなどのSNSで話題となりましたが、いわゆる炎上騒ぎにもなっています。
波乱を呼んだ署長のメッセージとは。
「明らかに計画的で悪質だ。余罪のある可能性も考慮して、厳しく追求します。そんなことをやっちゃっておきながら、詭弁ではすまされません。反省してほしいです」
この言葉自体に問題があったという報告はありません。
では、どういった所が良くなかったのでしょうか。この点については、
「護送車を見送る店子蔦紅葉」
そんな損なアングラ俳句を特技とする社会問題研究家のutaniさんが、次の通りコメントを投稿されています。
「事件の発表をするのに『反省してほしいです』と言いながらウインクなんかされても困る。そのウインクが下手くそすぎたものだから、こんな騒ぎにまでなってしまった。真面目ともお茶目とも言えない、衝撃的な映像だった。あやとりが出来そうなほど長い鼻毛が出ていたという無念さも、筆舌に尽くし難い。犯人を擁護するつもりはないが、署長が市民の反感を買ったのは当然の結果だろう。特に多感なZ世代以下の若者たちは総じて彼のナンセンスに涙している。反省してほしいです」
ごもっともな意見でした。私も同じ思いです。反省、してほしいですね。
次のニュースは、CMのあとです。
みたら市に突如現れた、ミラクルらくがき仮面を名乗りデモする無数の少年少女たち、そのかわいらしい要求とは。
♬︎
「カット」
「プロデューサー……いいかげん、普通の報道をやりましょ」
「スポンサーの意向なのかな。そこは変えられない方針かな」
「時間も広告費もかけてこんなヘボいデマニュース、誰の役に立つんでしょう。リスクがでかすぎませんか? 採算の合う、将来のエンタメ的な展望でもあるんですか?」
「どうかな。いや、何かメディアに恨みがありそうなスポンサーなのかな。かつて冷遇され、しかし今はうちの大株主になっている元脚本家とか。そのへんの復讐かな。嫌がらせみたいなものかな」
「はあ、身も蓋もないな」
「気をしっかり。時代は常にショックを求めている。はい、CM終了五秒前、三、にー!」
♬
地獄の速報です。
先程、当局のディレクターが「にー!」でウインクしました。
キャスターをはじめ、このスタジオのスタッフ一同がますますうんざりした顔になり、今まさに暴動が起こりかけています。
こんな時、私たちは一体どうすればいいのでしょうか。
「うおおお!! なっ、なぜか視聴率はめちゃめちゃ上がっています!! あっ!! Yahoo!ニュースにも上がってる!!」
「でもそんなの関係ねえ!! でもそんなの関係ねえ!!」
「帰ろう。ねえ、帰ろう」
「誰か、いきなりステーキ寄っていこうぜえ」
*
何かごめんありがとう。
どこかダサい文化祭の学生コントみたいなのがしたくなった結果がこれですわ。
万が一この作品を最後までスマートに朗読した人がいたら(しない方がいいと思うんだけど)、こっそり教えてほしいです。
なぜそんな不毛な挑戦をしてみる気になったのか聞いてみたいし、とても感謝するけれども、共に反省もすべきかと存じます。
なお、これの執筆には五時間くらいかかりました。
貴重な自由時間をいただきまして、本当に感謝しています。本当に。
じゃ、ちょっくらお散歩へ行ってきます。京都で編集・投稿しました。
男性読者諸氏、くれぐれも世間の誘惑に負けないようにね。笑
応援ありがとうございます!
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