ハイパーイメージ

アポロ

文字の大きさ
上 下
5 / 7

真の優しさ?

しおりを挟む
親との関係に悩む人は少なくない。。。
今回は、自己防衛の心構えについて、書いてみます。


ぼくは、優しくない両親から生まれた。
この実感は、長年のコンプレックスだった。親が嫌いなわけじゃない。

愛を受けたはずだとは思うけれど、それは子どもだった自分が必要とする優しさの養分ではなかったのかもしれない、という感じがする。
ぼくの父も母も、はっきり言って「家族」には向いていない。
実に不器用な人たちだった。
子どもを育てるセンスがなかった。

自らのダメージは感じやすく、人の痛みは感じにくい。
かと思えば、自分と似たような傷のある人に対しては、むしろ共感力が強すぎるところもある。
幼少期は、そんな親に影響を受けた。
受けすぎてはいけない影響というものも、この世の中にはある。
それはルーツに感謝リスペクトするのとは、別問題だ。

生育環境をトラウマと捉えるべきか?
冷静に分析すると然るべき認識、だが。
正論の反省は、深まると感情を暴走させる。
歯止めをかけなければ、過去・他者への不満に心が引っ張られて、歪みやすい。

自分史の事実がどうあったとしても、内心の見直しとイメージ・コントロールで現在の健全性と向上心は保てる。


ぼくは大きなショックを受けると、感覚そのものがオーバーフローして凍結する。
静かにパニックを起こすタイプである。
これは先天的な個性だ。
思春期には、なぜこんなにひどい世界に生まれたんだろうか、と煩悶した。
問題は、煩悶すると、他者を思いやる力がなくなってしまうということだ。
その「他者」には、自分の両親も含む。

思いやりとは、つまるところ相手の個性や立場を受け入れなければ始まらない。
良好な人間関係を目指すために有効な心は、自然と自分の想念が整えてくれる。
整った心は、他者との「良い加減」の距離感を保全する。
ぼくの場合、精神的に家族・親との距離感が今でも心の防衛線に必要だ。
近すぎても遠すぎても良くない。
コンプレックスは解消しきれるものではなく、うまく付き合っていくしかないのだ。

家族とは直接関係のないことだが、自己変革に役立った経験のことを書いておこう。

認知行動療法や創作表現やボランティアワークを取り入れた、小さな民間グループに参加したことがある。

最後の方はリーダー的な役割も担うようになった。
マイナス感情をプラス思考に転換する体質の獲得は、その活動の中で反復したイメージトレーニングの成果とも言える。

振り返ると参加者仲間に気の合う人が多かったので、訓練やミッションというより、楽しく加われる趣味の集いだった。

小難しい話ではなく、要は心構えだ。
心のアンテナの持ち方次第で、人は良くも悪くも本当に簡単に変わる生き物なのだ。

内観もかなり深くやった。
けれど、大切なのは心理学的な知識や技術ではなかった。目前の作業や自分に関わる人たちへの好意を感じられる、シンプルな行動・習慣がキーと思う。

グループを卒業してから感じ続けるのは、今の世の中は妙に不安な空気が澱んでいて、悪意を含む人の偽正義さえたやすく共感されやすいということ。

誰かに一生懸命尽くしたこともない人たちが「こうすれば良くなる」と、安易な啓発的メッセージを溢れさせすぎているのではないか、と思わされる情報が多い。
モノやコトに囚われて、人への愛情が不足している人に、もやもやする。

一部の無責任な大人たちへの反感・不信は、様々な癒しの体験を経ても、なお残っている。
これは、世界を愛したいぼくのセルフイメージとは相容れない、心の底にこびりついた精神的な後遺症かもしれない。

反面、失望や挫折を味わったからこそ、若くして表現エネルギーの源泉となる反骨精神は大きく伸びた。
精神的煩悶と逆の、平和なベクトルへ自我を向ける可能性が広がったのだとも思う。

貫きたいモットーは、何を考えても悩まない。
どんなに深く人の闇を覗きこんだって根本的に自分の精神に有益だと感じられることしか、取り入れないようにしている。
正しい姿勢を崩さなければ、必ずポジティブな境地にたどり着くことができる。

世界に対する正しい姿勢とは、真心を伴う態度だ。
本質は一度キャッチすると、寝っ転がっていても自動的に再現すると信じる。

全人、老いも若きも生きる上で悩みや葛藤が生じるのは自然なこと。
それはもちろんアポロも例外ではなくて。
人はみんな自信が必要なんだ。

何があっても大丈夫だと人に言い放ってしまえる大人が、ぼくの理想的なセルフイメージ。それを、自分次第でつくる。
あなたも、誰がなんと言おうと大丈夫なのだ、と書いておく。

言葉にしてしまえば、大体勝手にそうなっていくから不思議だ。
優しくなれる。そうそう。
祈るように、イメージしている。

アポロはアポロが心から書く言葉に導かれて、人の闇を見ても簡単にはゆるがずいられるようになった。

真に優しい世界は、真に善なる言葉をもって、人を傷つけようとせず、強くしなやかに支えるんだろう。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

実はおっさんの敵女幹部は好きな男と添い遂げられるか?

野田C菜
エッセイ・ノンフィクション
Life is color. Love is too.

フリー朗読台本

𝐒𝐀𝐘𝐀𝐊𝐀
エッセイ・ノンフィクション
これは、私の心に留まる言葉たち。 この言葉たちを、どうかあなたの声で生かしてあげて。 「誰かの心に残る朗読台本を。」 あなたの朗読が、たくさんの人の心に届きますように☽・:* この台本は、フリー朗読台本となっております。 商用等、ご自由にお使いください。 Twitter : history_kokolo アイコン : 牛様 ※こちらは有償依頼となります。 無断転載禁止です。

小説投稿サイトの比較―どのサイトを軸に活動するか―

翠月 歩夢
エッセイ・ノンフィクション
小説家になろう エブリスタ カクヨム アルファポリス 上記の4つの投稿サイトを実際に使ってみての比較。 各サイトの特徴 閲覧数(PV)の多さ・読まれやすさ 感想など反応の貰いやすさ 各サイトのジャンル傾向 以上を基準に比較する。 ☆どのサイトを使おうかと色々試している時に軽く整理したメモがあり、せっかくなので投稿してみました。少しでも参考になれば幸いです。 ☆自分用にまとめたものなので短く簡単にしかまとめてないので、もっと詳しく知りたい場合は他の人のを参考にすることを推奨します。

100000累計pt突破!アルファポリスの収益 確定スコア 見込みスコアについて

ちゃぼ茶
エッセイ・ノンフィクション
皆様が気になる(ちゃぼ茶も)収益や確定スコア、見込みスコアについてわかる範囲、推測や経験談も含めて記してみました。参考になれればと思います。

初老とわんこのEveryday

相沢蒼依
エッセイ・ノンフィクション
子どもの育児がひと段落したと思った矢先に、子犬を飼うことになり、毎日が悪戦苦闘の日々となってます。 北海道のとあるところで仕事しながら執筆活動しながら子犬の面倒見ながらと、忙しい日々を綴っていきます。 ※エブリスタに掲載しているエッセイに手を入れて、ここに載せています。

カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活

坂崎文明
エッセイ・ノンフィクション
カクヨム、noteを中心に小説新人賞やクリエーター関連のエッセイを書いていきます。 小説家になろう、アルファポリス、E☆エブリスタ、ノベラボなどのWeb小説サイト全般の攻略法も書いていきます。 自動バックアップ機能がある『小説家になろう』→カクヨム→noteの順に投稿しています。note版がリンク機能があるので読みやすいかも。 小説家になろう版 http://ncode.syosetu.com/n0557de/ カクヨム版(567関連で公開停止) https://kakuyomu.jp/works/1177354054880246141 【続編】カクヨム、noteではじめる小説家、クリエーター生活2 作者 坂崎文明 https://kakuyomu.jp/works/16816700427247367228 note版 https://note.mu/sakazaki_dc/m/mec15c2a2698d E☆エブリスタ版 http://estar.jp/_howto_view?w=24043593 小説家になるための戦略ノート 作者:坂崎文明《感想 130件  レビュー 2件 ブックマーク登録 1063 件 総合評価 2,709pt文字数 958441文字》も人気です。 http://ncode.syosetu.com/n4163bx/

アルファポリスとカクヨムの違い。インセンティブ&リワード、ランキングの事など

うし。
エッセイ・ノンフィクション
ずっと小説サイトでは読むだけだった読み専が自作小説を書いて1ヵ月。 同じ内容の作品をアルファポリスとカクヨムに投稿した結果、一体どうなったのか? 2つのサイトに違いはあるのか? そしてインセンティブやリワードはどうなっているのだろう。 一切何もない状態から投稿を初めて1ヵ月の話とデータ。そしてそれらに対して考えた事や思った事を書き連ねています。 あくまでこちらの体験と思った事が含まれますので、違う状況になる方もいる事はご了承下さい。 リワードの確定を待っていた事もあり(結局2か月後であきらめ)投稿から1ヵ月半後の話も交じります。 割と赤裸々に自分のデータを見せる事になるので恥ずかしく、タグなんかは少なくします。じゃあ書くなよって? 知りたい人がいるかなーと思ったんです。 という訳で閉じる可能性も多分に含まれますし、続きが書かれる事もあるかもしれません。

現在、自作にお気に入り付けれる件

ぷにぷに0147
エッセイ・ノンフィクション
おっと、不具合かあ?

処理中です...