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第2章 嘘つきたちの宴
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15歳になった春、私はケヴィン様と共に王都にある貴族の為の学園に入学しました。
それから一年が経ち、私は16歳になっていました。
甘く蕩けるような幸福の一年が過ぎて、私は少し勘違いをしていたのかもしれません。
世界に嘘をつくことへの代償を無意識に考えないようにしていたのかもしれません。
私が罰を受ける日は、思いがけず唐突に訪れました。
春の麗らかな木漏れ日の中、今年の新入生たちが晴れやかな姿で次々と学園前に現れ始めました。
私とケヴィン様はその様子を校舎付近の木陰から見守っています。
「もう一年が経ったなんてね。去年の入学式がつい昨日のことに思えるよ」
ケヴィン様は呆れたように笑い、私の肩を抱き寄せます。
「えぇ、そうですわね。勿体ないほどに幸福な毎日でしたわ」
ケヴィン様と目が合います。
この一年で随分と色気の増したその流し目は、いつしか私たちの口付けの合図となっていました。
頬が朱色に染まるのを感じながら、私はそっと瞼を下ろします。
ケヴィン様の吐息を近くに感じた、その時ーーーー。
「謙太郎ー!」
ひとつの軽やかな鈴の音のような声が私たちに降りかかりました。
それから一年が経ち、私は16歳になっていました。
甘く蕩けるような幸福の一年が過ぎて、私は少し勘違いをしていたのかもしれません。
世界に嘘をつくことへの代償を無意識に考えないようにしていたのかもしれません。
私が罰を受ける日は、思いがけず唐突に訪れました。
春の麗らかな木漏れ日の中、今年の新入生たちが晴れやかな姿で次々と学園前に現れ始めました。
私とケヴィン様はその様子を校舎付近の木陰から見守っています。
「もう一年が経ったなんてね。去年の入学式がつい昨日のことに思えるよ」
ケヴィン様は呆れたように笑い、私の肩を抱き寄せます。
「えぇ、そうですわね。勿体ないほどに幸福な毎日でしたわ」
ケヴィン様と目が合います。
この一年で随分と色気の増したその流し目は、いつしか私たちの口付けの合図となっていました。
頬が朱色に染まるのを感じながら、私はそっと瞼を下ろします。
ケヴィン様の吐息を近くに感じた、その時ーーーー。
「謙太郎ー!」
ひとつの軽やかな鈴の音のような声が私たちに降りかかりました。
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