1 / 12
第1章 嘘つきの始まり
1-1
しおりを挟む
こんなにも転生者がたくさん現れ、かつその人たちみんなが日記という名の歴史書を残してしまっているから、私は現在困っているのです。
そう、今や世界は転生者飽和状態なのです。
「おい、お前転生者だろ?」
と殿方に決めつけられた過去は数知れず。
その後の展開は三者三様。
「貴様ァ、私の恋人を貶めようとしたところでその罠には引っかからないからな!」
と、転生者物語にお馴染みの悪役令嬢(ヒロイン)から話の本筋に無理くり戻したいヒロイン役(当て馬)の転生者だと勘違いされたり。
「君が僕のヴィーナスだね!」
だなんて、転生前からの運命の人という役を与えられてしまったり。
「さぁ、この世界へようこそ。新しい転生者様。して、どうかな?君のいた世界ではどんな技術が用いられていたのかね?」
マッドサイエンティストに拉致されそうになったり。
我がフラメル家も誰一人例外なく転生者であることもまた、私を苦しめる原因なのかもしれませんね。
フラメル家は今や転生者貴族の代表格。その転生した知識や技術をもって財を成した一族なのですから。
そして今宵は15歳の誕生日です。
この紅い満月が沈みゆくまでの間に、私は前世の記憶を取り戻さなければならない、というのです。
そう、今や世界は転生者飽和状態なのです。
「おい、お前転生者だろ?」
と殿方に決めつけられた過去は数知れず。
その後の展開は三者三様。
「貴様ァ、私の恋人を貶めようとしたところでその罠には引っかからないからな!」
と、転生者物語にお馴染みの悪役令嬢(ヒロイン)から話の本筋に無理くり戻したいヒロイン役(当て馬)の転生者だと勘違いされたり。
「君が僕のヴィーナスだね!」
だなんて、転生前からの運命の人という役を与えられてしまったり。
「さぁ、この世界へようこそ。新しい転生者様。して、どうかな?君のいた世界ではどんな技術が用いられていたのかね?」
マッドサイエンティストに拉致されそうになったり。
我がフラメル家も誰一人例外なく転生者であることもまた、私を苦しめる原因なのかもしれませんね。
フラメル家は今や転生者貴族の代表格。その転生した知識や技術をもって財を成した一族なのですから。
そして今宵は15歳の誕生日です。
この紅い満月が沈みゆくまでの間に、私は前世の記憶を取り戻さなければならない、というのです。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

天然と言えば何でも許されると思っていませんか
今川幸乃
恋愛
ソフィアの婚約者、アルバートはクラスの天然女子セラフィナのことばかり気にしている。
アルバートはいつも転んだセラフィナを助けたり宿題を忘れたら見せてあげたりとセラフィナのために行動していた。
ソフィアがそれとなくやめて欲しいと言っても、「困っているクラスメイトを助けるのは当然だ」と言って聞かず、挙句「そんなことを言うなんてがっかりだ」などと言い出す。
あまり言い過ぎると自分が悪女のようになってしまうと思ったソフィアはずっともやもやを抱えていたが、同じくクラスメイトのマクシミリアンという男子が相談に乗ってくれる。
そんな時、ソフィアはたまたまセラフィナの天然が擬態であることを発見してしまい、マクシミリアンとともにそれを指摘するが……

愛人をつくればと夫に言われたので。
まめまめ
恋愛
"氷の宝石”と呼ばれる美しい侯爵家嫡男シルヴェスターに嫁いだメルヴィーナは3年間夫と寝室が別なことに悩んでいる。
初夜で彼女の背中の傷跡に触れた夫は、それ以降別室で寝ているのだ。
仮面夫婦として過ごす中、ついには夫の愛人が選んだ宝石を誕生日プレゼントに渡される始末。
傷つきながらも何とか気丈に振る舞う彼女に、シルヴェスターはとどめの一言を突き刺す。
「君も愛人をつくればいい。」
…ええ!もう分かりました!私だって愛人の一人や二人!
あなたのことなんてちっとも愛しておりません!
横暴で冷たい夫と結婚して以降散々な目に遭うメルヴィーナは素敵な愛人をゲットできるのか!?それとも…?なすれ違い恋愛小説です。
※感想欄では読者様がせっかく気を遣ってネタバレ抑えてくれているのに、作者がネタバレ返信しているので閲覧注意でお願いします…

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──

邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!

【完結】婚約者とのお茶の時に交換条件。「 飲んでみて?」
BBやっこ
恋愛
婚約者との交流といえば、お茶の時間。客間であっていたけど「飽きた」という言葉で、しょうがなくテラスにいる。毒物にできる植物もあるのに危機感がないのか、護衛を信用しているのかわからない婚約者。
王位継承権を持つ、一応王子だ。継承一位でもなければこの平和な国で、王になる事もない。はっきり言って微妙。その男とお茶の時間は妙な沈黙が続く。そして事件は起きた。
「起こしたの間違いでしょう?お嬢様。」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる