転生者世界についた嘘と恋の物語

高殿アカリ

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第1章 嘘つきの始まり

1-1

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こんなにも転生者がたくさん現れ、かつその人たちみんなが日記という名の歴史書を残してしまっているから、私は現在困っているのです。
そう、今や世界は転生者飽和状態なのです。

「おい、お前転生者だろ?」
と殿方に決めつけられた過去は数知れず。

その後の展開は三者三様。
「貴様ァ、私の恋人を貶めようとしたところでその罠には引っかからないからな!」
と、転生者物語にお馴染みの悪役令嬢(ヒロイン)から話の本筋に無理くり戻したいヒロイン役(当て馬)の転生者だと勘違いされたり。

「君が僕のヴィーナスだね!」
だなんて、転生前からの運命の人という役を与えられてしまったり。

「さぁ、この世界へようこそ。新しい転生者様。して、どうかな?君のいた世界ではどんな技術が用いられていたのかね?」
マッドサイエンティストに拉致されそうになったり。

我がフラメル家も誰一人例外なく転生者であることもまた、私を苦しめる原因なのかもしれませんね。
フラメル家は今や転生者貴族の代表格。その転生した知識や技術をもって財を成した一族なのですから。

そして今宵は15歳の誕生日です。
この紅い満月が沈みゆくまでの間に、私は前世の記憶を取り戻さなければならない、というのです。
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