ガワと僕らの終着駅

高殿アカリ

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「それじゃあ……またな!」



マウスを右クリックして配信が終わる。

意図的に声を高く出していた喉をいたわりながら、大きくため息をついた。

それから配信画面に流れるコメントを目で追った。



そこには鈴宮良という一人のバーチャルキャラクターへ別れを惜しむ声が多くあった。

なんとも言えない気持ちが湧いて、俺はモニターを閉じた。



それから配信部屋の至る所に飾り付けられた鈴宮良のグッズをぐるりと見渡して、立ち上がる。



「お前とも遂にお別れ、か……」



ぽつりと呟いた言葉は思いのほか室内に響いた。

こうして俺は鈴宮良として活動した約十年間に終止符を打った。

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