下っ端くんたちのあれこれ

５

　レナという女はJKらしく、いつもしっかりと化粧をしていた。



　だが化粧をしているとは言え、相当可愛い顔立ちをしているように見える。

　むしろ、厚化粧によって本来の良さが薄れているような……？



　また、彼女の豊かで健康そうな髪の毛は茶色のセミロングで、ゆるく巻かれている。



　くりくりっとしたまんまるの大きな瞳は、いつも潤みがちできらきらと輝いていた。



　総長たちイケメンに囲まれていても、少しも動揺していない様子を見ると、どうやらリアルが充実している系女子なんだと思う。



　ただ、彼女はただのJKではなかった。

　それはそれは、とても好奇心旺盛なJKだったのだ。



　現に彼女はお顔の麗しい総長たちではなく、なぜか俺たち下っ端に興味を持ったのだから。



「それが、僕たちから懐柔してチームを崩壊させようとする悪女的発想からくる興味だったら……」



　雅也は額の汗を拭い、そんなことを言った。

　その雅也の様子にあてられたのか、達也までそわそわとする始末。



「そ、そうだよな。じゃないと、あんなきらきらした可愛らしい子が俺らなんかに興味を持つ理由が分かんねぇもんな。雅也、お前すげえよ」



「二人とも、落ち着けよ。もしも本当にそうなら……」



　俺は腕を組んで瞳を閉じた。



「「……もしも、そうなら……??」」



　固唾を呑んで、不安気に俺の返事を待つ二人。