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第5章
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しおりを挟む「……なんで勃たないんだよ」
苦しそうに雪はそう呟くと、谷崎に自分のものを咥えさせた。
谷崎は雪を恐れながらも、舌と手を使い、雪を受け入れる。
すると、呆気なく雪のものが大きくなった。
そして、淫らな雪の姿に大吾のものもまた、勃っていたのだった。
それを目にした雪は、下卑た笑いを浮かべた。
それから大吾の首輪を引っ張り、ベランダに追いやると、カーテンを開けて谷崎をそこに立たせた。
そして、そのまま彼の臀部に自らのものを突き刺した。
「……いっ!」
苦痛に顔が歪む谷崎。
快楽に顔が綻ぶ雪。
「ねぇ、大吾。僕のことを愛してるならそこでオナニーしなよ」
雪の言葉に大吾の喉がひくりと鳴る。
「ほら、興奮してるんでしょ?僕が大吾じゃない人を抱いているから」
雪の言葉に大吾は嫌々と首を降るも、その手は素直に自分のものへと伸びていく。
雪は嬉しそうにその様子を見ていた。
大吾は、泣きながら自らのものを扱った。
雪が自分以外の誰かを犯している。
その事実が否応なく大吾の興奮を誘っていたのだ。
自分のものじゃない雪は、酷く魅力的だった。
その力強い雄で俺の奥まで貫いて欲しい。
その繊細な指先で俺の中をぐちゃぐちゃにして欲しい。
そろりと自らの後ろに指を這わせ、大吾は快感に蕩けた。
あぁ、雪が見ている。
雪を見て、興奮している俺を、見ている。
なんで俺はこんなに興奮しているんだ。
悔しい。悲しい。
嬉しい。気持ちいい。
色んな感情が大吾を攻める。
雪の視線が淫らに熱っぽい。
今ここに「幸せ」など存在しない。
ここにあるのは、ただ、そうただの、執着と快楽だけだ。
あえかに喘ぎながらも、大吾はそのことに気が付いていた。
だから、隣から煙草の香りがふわりと漂ったときには、既に心を決めていたのかもしれない。
「あ、や、あぁー!」
大吾の前から白い液体が飛び出し、窓越しの谷崎に降り注がれた。
荒い息を整えながら、大吾の目は雪をひたすらに捉えていた。
その視線は欲情した獣のそれで。
雪は安心していた。
再び、元の二人に戻れると信じて疑わなかった。
だが、大吾の意識は今や雪だけに注がれてはいなかった。
瞳こそ雪だけを見つめてはいたが、耳はもう一人の男の声にだけ集中していた。
煙草の香りを纏った一人の男に。
彼は大吾の様子を静かに眺めた後、口を開いた。
「俺よ、一週間後に引っ越すんだが」
遠慮がちにそう言い、咳払いを一つ。
それから、大吾の世界すべてを覆す言葉を吐いた。
「……一緒に、来るか?」
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