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そんな俺の考えを後押しするかのようにまた違う会話が聞こえてきた。

「にしても、真ん中にいるのが男の子だから許せるよね」
「あー、分かる。例え幼馴染だからって女子があの二人に挟まれていたら、黙っていられないよね」

「にしても、あの子の名前、何て言うんだっけ」
「えっとね、確か、佐野航、だったかな」

「ふーん、でも、よく見ると割りとなしでもないよね」
「え、うそー!あれはないよ、ないない」

「まぁ、確かにあの二人に挟まれていたらねぇ」
「やっぱ、霞むよねぇ、あの二人に挟まれていたら、さ」

「むしろ同情しちゃうっていうの?」

あはははは、と笑いながら会話をしていた二人は校舎に入っていく。
その会話を聞いていた俺は内心ガッツポーズ。
かなり冷や汗をかいてはいたけれど。

あ、危なかった。俺が男で本当に助かったぜ。
ない、と断言されたことが悲しくないかと聞かれたら、そりゃ悲しい以外の何物でもないが。

「……でも、あんなに怖い女子なら普通にこっちから願い下げだわ」

思わず口から出てしまった言葉に「どうかした?」と斗真が問うてきた。
俺は慌てて首を横に振る。

……にしても、俺を男に産んでくれた両親に感謝だな。
……今度、何か家事の一つでも手伝おうかな。
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