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4.ボーイズたちは見守るばかり
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寵愛姫になった夢乃はあの後、疲れていたのもあったのだろう。
すぐに倉庫内の寝室へと足を向けた。
ぐずる彼女に手を引かれ、俺も一緒に。
寝室に入ると夢乃に添い寝をお願いされ、特に断る理由もなく承諾した。
そして、俺の前には今、夢乃の寝顔がある。
規則的に穏やかで深い呼吸音が聞こえてくる。
彼女が完全に眠りに落ちたのを確認した後、俺はベッドから抜け出した。
布団をかけ直してやり、俺は廊下に出た。
それから、携帯電話を操作して、一つの電話番号を呼び出した。
数回のコール音の後、電話の相手が出る。
「和樹が僕に電話なんて珍しいね。何かあったのかい?」
ふぁあ、と続けて欠伸をする声も聞こえてくる。
きっと眠りに着く直前だったのだろう。
俺は震える手を無理矢理握り締めて、一つ大きく息を吸った。
それから、意を決して口を開いた。
「市川さん、実は愛美さんが……」
そこまで言ったところで、俺の手から携帯電話が消えた。
慌てて振り返ると、俺から携帯電話を奪った人物が立っていた。
廊下はしんと静まり返り、俺は喉を鳴らした。
彼女と俺の間にとてつもない緊張感が漂う。
普通の女子高校生であるはずの彼女が白豹のトップである俺と対等の威圧感を出している。
その事実に、何か薄気味悪いものが俺の背中を駆け上がった。
俺は圧倒されていることを億尾にも出さず、彼女に向かって口を開いた。
出来る限り、白豹トップの威厳をもって。
「ここで何してるんだ? ……中川伊織」
すぐに倉庫内の寝室へと足を向けた。
ぐずる彼女に手を引かれ、俺も一緒に。
寝室に入ると夢乃に添い寝をお願いされ、特に断る理由もなく承諾した。
そして、俺の前には今、夢乃の寝顔がある。
規則的に穏やかで深い呼吸音が聞こえてくる。
彼女が完全に眠りに落ちたのを確認した後、俺はベッドから抜け出した。
布団をかけ直してやり、俺は廊下に出た。
それから、携帯電話を操作して、一つの電話番号を呼び出した。
数回のコール音の後、電話の相手が出る。
「和樹が僕に電話なんて珍しいね。何かあったのかい?」
ふぁあ、と続けて欠伸をする声も聞こえてくる。
きっと眠りに着く直前だったのだろう。
俺は震える手を無理矢理握り締めて、一つ大きく息を吸った。
それから、意を決して口を開いた。
「市川さん、実は愛美さんが……」
そこまで言ったところで、俺の手から携帯電話が消えた。
慌てて振り返ると、俺から携帯電話を奪った人物が立っていた。
廊下はしんと静まり返り、俺は喉を鳴らした。
彼女と俺の間にとてつもない緊張感が漂う。
普通の女子高校生であるはずの彼女が白豹のトップである俺と対等の威圧感を出している。
その事実に、何か薄気味悪いものが俺の背中を駆け上がった。
俺は圧倒されていることを億尾にも出さず、彼女に向かって口を開いた。
出来る限り、白豹トップの威厳をもって。
「ここで何してるんだ? ……中川伊織」
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