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私を水の都へ連れてって

旅行は向かってる時が一番楽しい その2

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「どうどうぅ~、はぁ~い、止まってぇ~。」
スエンが山道の行き違いポイントに馬車を停める。
「今日はここで野宿ですかねぇ?」
後ろの馬車からカシネが駆け寄り、俺とスエンに問いかける。

「そうですねぇ~…。獣人族わたしたちは夜目が効きますがぁ…。」
スエンが辺りを見回す。
辺りは暮れなずみ、夜の帳が下り始めている。
険しく狭い山道、獣人族は夜目が効くとは言え、
無理をする必要はない。

「いいよ、無理に進む必要も無いし、
お前たちにも休んでもらわないと。
それに…。」
俺は座席で寄り添って眠る、道祖と神前に目を向ける。
長旅に疲れたのだろう、夕食前だというのにぐっすりだ。

「夕食も摂りたいし、
二人をちゃんと横になって眠らせてやりたいしな。」
「そうですねぇ~。」
「じゃあ、ボクが寝床の準備をっ。」
「それじゃ~、ワタシはお食事の用意を~。」
そう言うと二人は、カシネが乗っていた荷物用の馬車へ向かう。

「…ヒマだな。」
俺はぽつりとつぶやく。
二人を手伝おうかとも思ったが、止めておく。
俺が手を出した事がマイヤーにバレると二人が叱られるのだ。
ヒマな俺は御者台に座り、夜空を見上げる。
陽が沈み切る前、夜の闇と残照の紫色のグラデーションが美しい。
そこに多くの星々が瞬く様は、都会の夜景を空に映したようだ。
俺は夜空に手を伸ばし、
「星に手が届きそうだ…。」

「ぷっ。」
「?!」
恥ずかしい独り言を聞かれたっ?!
俺は慌てて座席を振り返る。
が、二人は寄り添って眠ったままだ。

「?」
俺は眠っている二人の顔を覗き込む。
まずは神前。
「…まつ毛長っ。」
濡れたように艶やかで、長く豊かなまつ毛にドキッとする。
美少女はまつ毛もキレイなんか…。
俺の鼻息がかかる距離まで近づいたが反応はない。
どうやら、本当に寝ているようだ。

次は道祖。
彼女にも大接近だ。
俺の鼻息がかかる距離というより、
鼻先同士が触れるか触れないかの距離まで近づく。
道祖の甘い吐息(寝息?)が鼻腔をくすぐる。

「…ほんとに寝てる?」
当然、返事はない。
俺はさらに距離を詰め、
「…キス…していい?」
もちろん、返事はない。
あ、ダメだコレ。止まれないやー。
「飛鳥…。」
俺は彼女の名前を呟くと、唇をー。

「いやぁ~、寝込みを襲うのはちょっとぉ~…。」
「!!」
背後からの声に俺は慌てて振り返ると、
そこには小皿を持ったスエンが立っていた。

「す、スエンっ!いや、コレはねっ?!」
「スープの味見をしていただこうと思って来てみれば…。
ホント、ご主人様はスケベですねぇ~。」
「違うっ!ホントに寝てるか調べてっ!」
「ホントに寝てたら、どうするおつもりだったんですかぁ~?」
「いやいや!そんなつもりはっ!」
馬車から離れていくスエンを、
俺は弁解しながら追いかける。

「サイト様、おキレイですもんねぇ~。」
「からかうなよっ、スエン!」
「ワタシの唇も捨てたもんじゃないんですけどねぇ~。」
スエンが唇を軽く舐める。
彼女の少しぶっくりした唇が、夜空の星に艶めかしく照らされる。
その唇を小指でそっとなぞると、柔らかそうにぷるんっと揺れる。

ーゴクリー
俺はその淫靡さに無意識に生唾を呑む。
それを見たスエンはクスリと笑い、
「ココまで離れればぁ~、大丈夫ですかねぇ~。」
「?」
俺が辺りを見回すと、馬車は随分と遠くに。
からかうスエンを夢中で追っている間に随分歩いたようだ。

「出発前、戦闘以外でしたら、何でもお申し付けください、そう申しましたのにぃ~。」
スエンが俺のムスコを撫でながら耳元で囁く。
既に半勃ちのムスコの裏筋が、下からゆっくり撫で上げられる。
「…焦らすなよ。」
「うふふ。では、あまり時間もありませんし…。」
そう言うと、スエンは俺のズボンを一気に下ろしたー。

つづく
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現在連載中の他作品です。よろしければ、ぜひ!
転封貴族と9人の嫁〜辺境に封じられた伯爵子息は、辺境から王都を狙う〜
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