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ー第2章ー
27/灼熱の大陸アルスター
しおりを挟む「──なに、人の事、エロい目でジロジロ見てるアル、代金を立て替えたくらいで抱けるとでも思ったアルか?」
(タンパク質量64万!? ──ここへ来てインフレぱない!?)
「──、え? ──、エレイン……、もしかしてメイちゃん見たいに幼い女の子がタイプなの!?」
シャルロットが真剣な顔で問い詰めてくる。
「──違うよ! コラッ! そこ変な事言わない!」
「さっき、ケダモノのいやらしい目で、私を舐め回す様に見てたアルヨ!」
「──見てないッ!!」
(これ以上、何か聞いたら何を言われるかわかったモノじゃないな……、黙ろう……私は貝になりたい)
「ねぇ? メイちゃんはどうして旅してるの?」
「人探しアルヨ! この鍋、本当にうめぇな! エレちゃんセンスアルネ!」
メイメイは俺たちの鍋を独り占めしようと口一杯に頬張りながら、両腕で鍋を囲んでいる。その目は……、血眼だ……。
「人探しって、誰を探しているの? お父さんとかお母さんとかかい?」
「そんな感動的な旅じゃないネ。父ちゃんも母ちゃんも秦国健在ネ。──おっと、これ以上の美少女の詮索はモテないアルヨ!」メイメイはスープ一滴をも残すまいと鍋を持ち上げ飲み始めた。
「──ところでメイメイ、1つ聞いていいかな?」
「──スリーサイズアルか?」
「──いや──、君……、肉まん50個、食べた後なんだよね?」
「そうネ!」
(本当に10歳の女の子? 俺まだ1口しか食べてなかったんだよな……)
「ぷはっ──、食ったアル! みんな乗り場行くネ、ここからアルスターは1人、80ギルね。──3人分だから240ギルアルヨ。よろしくな──、エレちゃん!」
(──え? 着いてくる上に無心するの?)
◇◇◇◇
──そして俺たちは、船着場にたどり着き時刻表を見ていた。
「あいや──!! 飯代どころか船賃まで悪りぃーなエレちゃん!! 御礼にパンツくらい見してやってもいいアルヨ?」堂々と無心する10歳の少しクレイジーな少女が、俺の太ももをバシバシ叩きながらそう言った。
「いや、いいよ……(まさか所持金0で旅してたとか……、信じられない……)」
「ねぇ? メイちゃん、今までどうしてたの?」
「私を売り飛ばそうと襲ってきた盗賊を全員ぶっ飛ばしてカツアゲしてたネ。飯はだいたい食い逃げアルヨ」
(とんでもねぇ生き方してんな……、戦闘民族かよ)
「ダメだよ~、危ないよぉ~。そんな事しちゃダメだよ?」
「わかったアル。これからはエレちゃんに助けてもらうネ! お金の面も!」
(ここまで豪快にたかられると断れる気がしないな……)
「ところでオディナ大陸での人探しはいいのかい? 本当に僕たちとアルスター大陸に行ってしまって大丈夫なのかい?」
「イイネ、イイネ! アルスター大陸に目撃情報あったアル」
「そっか」
『──4時の出航便到着しまーす!──』
港に汽笛を鳴らしながら大きな船が到着した。俺たちは船に乗った──、ここからアルスター大陸までは2日くらいかかるみたいだ。新たな地に俺たちは向かう。
アルスター大陸──、自然豊かなオディナ大陸とは違って灼熱の砂漠の大陸と聞く。どんな新天地がまつのだろう?
『──出航ッ──!!』──大きな汽笛を鳴らして港を出発した。
──そして、1時間後──
「ゲロゲロゲロゲロゲロオェェェェ──!」
「メイちゃん! 大丈夫?」
「大丈夫かい!?」
酷い船酔いで嘔吐しているメイメイを俺たちは、背中を摩りながら介抱をしていた。
「──もうダメアルヨ……、メイメイ死ぬあるか? 食ったモノ全部出たある──、生きていたとしてもこんなゲロまみれの美少女だれも嫁にもらってくれないアル──、ウェェェェ──ゲロゲロゲロ!!」
(う……、とてつもない量だ……、とても十歳の少女とは思えない……、タンパク質量も59万代まで落ちている──、繰り返すがとてつもない量なのである……)
「──大丈夫、頑張って! あと2日よ、メイちゃん!」
(それは励ましというより、拷問じゃないかな?)
メイメイは、意気消沈してシャルロットの膝枕で気を失った。思っていたより長い2日になりそうだ……。
「──さて、僕は今──、甲板の上で心地のいい潮風を浴びている──、そして大海原を絶景の青空とカモメ達が唄いながら飛んでいて──、虹色に輝いた魚達は、まるで歓迎してくれているみたいに水面も飛んだり跳ねたりしている訳だ──、最高の条件──。やる事は1つしかないな──、『腹筋』だ!!」
「腹筋なんだ……」シャルロットは苦笑いしていた。
腹筋といっても腹筋には【腹直筋(真ん中)、腹斜金(両脇腹)、腹横筋(インナーマッスル)】と3種類あって、それぞれ一気に鍛えるのは困難である。
よくTVとかで腹筋の回数自慢で1000回やったっていう人がいるけど、あれは正直おすすめできない──、回数が沢山は──、凄いわけではない。回数が多くできる程の軽い負荷でやっている事になる。
軽い負荷で腹筋100回やるより、しっかり効かせた腹筋を15回やるべきだ! 何百回、何千回ただの上体起伏を繰り返したところでアブトロ◯ックみたいなEMS付けているのと同じ様なモノだ。
バキバキのシックスパックが、欲しいなら尚更だ──、連続でたくさんの回数をやった無酸素運動ではなく、しっかりと酸素を取り入れて効かせた有酸素運動の腹筋をしなければシックスパックは手に入れられないのだ。
有酸素運動で代謝を上げて、脂肪燃焼をする。腹筋だけやっていてもお腹が割れる訳ではないのだ。脂肪を落とさないといけない。正しい腹筋運動をすれば15回の3セットでもめちゃめちゃ効く。それではまず腹直筋から鍛えよう。
◇◇腹筋(クランチ)◇◇
──もっともオーソドックスな上体起こし運動。腹直筋が鍛えられる──、多くの人が回数を稼ぐために反動を使ったり──、最後まで体を上げ切ってしまうのは実はNGなのだ。正しい腹筋でしっかり効かせるなら最後まで体を起こしてはならない。
まず仰向けになり、膝を軽く曲げる。両手は頭の後ろへ。上半身を丸めるイメージで起こしていく──、この時、最後まで体は上げ切らないで1番お腹に力が入る角度まで上げて1秒止める。そして、ゆっくり降ろす。上がる時には、息を吸って、下がる時に息を吐く。腰が痛くなった時は反動を使っている証拠なので反動を使わないでやってみよう。まずは初心者の方は15回3セットを目指してやってみよう!!
◇◇サイドクランチ◇◇
──そして次は腹斜金を鍛えるサイドクランチだ。
仰向けの状態で寝っ転がり、90度になるよう膝を曲げて、全身を横向きの姿勢にする。下にしている方の肘を床について、お腹を凹ませて、脇腹を収縮しながら上体を起こす。3秒間持ち上げて、元に戻す。この動作を左右10回3セットやろう!
◇◇レッグレイズ◇◇
──そして次は腹直筋下部を刺激するレッグレイズだ。実はクランチだけでは腹直筋の下部を鍛えられないのだ。そこでレッグレイズをメニューに取り入れよう。
仰向けになり、両足を上半身に対して90°になるように上げる。動作中は常に膝を軽く曲げた状態で両足を上げよう。息を吐きながらゆっくり足を下げていき、床につく寸前で止める──、床から踵まで15°くらいが理想。
息を吸いながら足を上げていき、元の位置に戻していきます。これも15回3セット目指していやっていこう。
──そして最後に仕上げで(『プランク』※8章参照)をやって終わりにしよう。初心者の人はまずこのメニューをセットで取り入れてかっこいいお腹を手にいれよう!
そうしてメイメイは、まる2日間、何も食べられずゲッソリしていたので穏やかな船旅になった。
「──エレイン! 見て──! 陸地が見えるよ! あっ! 港も見えた!」
「メイメイもうすぐアルスターに着くよ! しっかりして!」
ここに来て気温がぐっ上がったのがわかる。さすがは灼熱の大陸アルスター。海の上なのにもうすでに熱い。
徐々に港街に近づくと遠くからでも港の人々が行き交う姿が見えてきた。あれは日除けなのだろうか? スカーフの様な布で顔を隠している人も多い。
初めて見るラクダの様な魔物? もいる。
「──なんかアルスター十字軍みたいなのがいない?」
よく見るとアルスター王国の十字マークが、胸元に描かれている武装した集団が船着き場で待ち構えていた。
「検問とかかな? なんか怖いね」
船が、汽笛を鳴らし港の船着き場に着いた。
その途端──、ガシャガシャ──、鎧を鳴らしながら十字軍らしき武装集団が船に上がり込んできた。
「な、なんだ!?」
「──俺たちは何もしてねぇぞ!?」
「う、うわぁぁぁぁ──」
「アルスター軍!?」
「な、なんの用だ!?」
船内は、大パニックだ。乗客がみな慌てふためいている。シャルロットは警戒してメイメイを抱きしめた。
「──いたぞ! ──間違いない!」
武装した兵士達が、次々と俺たちの周りを取り囲んできた。どうやら──、探しているのは俺たちらしい──。完全に取り囲まれた。数は──、ざっと見積もって50人──。
「アルスター王、ソロモン王の名によりエレイン・グランデ──、と、その同胞を王国まで連行する……わよッ」
「──わよっ?──」
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