225 / 261
高等部2年生
賽は投げられた 3/4
しおりを挟む
みんなが一斉に話し出したので、誰が何を言ったのかほとんど聞き取れなかった。
急な事でカリーナ元王妃も少し困惑している。
「──知っている情報を教えて頂けますか?」
最後にエレが発した言葉だけ聞き取れたけど、教えて頂けますか?
……何を??
「伝わりましたか?」
リーセさんが苦笑しつつ、カリーナ元王妃に尋ねる。
「はい。全ては聞き取れませんでしたが、言いたい事は伝わりました」
初めてカリーナ元王妃が、静かに微笑んだ。
「アリアさんとジュリアの転生したタイミングを考えると私が関係していると思いますが、彼女が元の世界に戻る事はないと思います」
「その根拠は?」
即座にミネルが質問をする。
完全に敬語がとれてますよ、ミネルさん。
「私はループも含め、長い間この世界にいますが、一度も戻った事はありません。今まで幾度となく『戻りたい』と祈りましたが……その願いは叶っていません。原作者である私が望んだにもかかわらず実現できていないのですから、恐らく本の力とは別な力が働いているのだと思います」
そういえば、私は戻りたいと考えた事すらなかったな。
でも4回もループをしていたら、さすがに戻りたいと思ったかもしれない。
「それにアリアさんが考えているように“前世の記憶”があるだけなのかもしれません。──なぜなら、私は前の世界では病気で亡くなっていますから」
へっ! そうだったの!?
ん? つまり……私も亡くなってるという事?
ああ、そっか。前世の記憶があるという仮説が当たっているとしたら、私が亡くなっていてもおかしくないのか!
身に覚えは全くないけど……。
んー、そういう事なら──
「じゃあ、この話はこれで終わりという事で!」
「軽いわね」
私が話を締めくくると、セレスが素早くツッコんだ。
「悩んでも答えが見つからない事に頭を悩ませるのもね。悩んだところで状況は変わらないし……いい方に考えて終わろう!」
「……うーん。まぁ、そうね」
私の言葉にセレスが複雑そうな表情を見せるも、最後には納得して笑ってくれた。
結局、操られていた4人には協力してもらう必要がなくなった為、エウロとカウイが憲兵の元へ連れていく事になった。
──その日からの1週間は大忙しだった。
まずは、それぞれが自分の親に状況を説明する事から始まった。
驚かれたり、怒られたり……と反応は様々だったらしい。
例に漏れず、私とエレも両親と話をする時がやってきた。
そこで、色々と考えた結果、オーンも一緒に来てもらった。
オーンは「なぜ私も一緒に?」と、不思議そうな顔をしていたけど。
予想通り、いや、予想以上にガッツリ怒られました。
オーンも一緒にガッツリ怒られました。
……でも、良かった。
いや、良かったというのも変な話なんだけど。
オーンは立場上、自分の親にはまだ事情を話せない。
それならオーンも呼んで一緒に怒られよう!
1人で怒られるよりも、3人で怒られた方が怒りが分散されるはずだ!!
……と思い、オーンを巻き込んだんだけど、一緒に怒られた事がなぜか嬉しかった。
そもそも、王子であるオーンが叱られる姿というのはかなり珍しい。
見間違いでなければ、いつもより少しだけ子供っぽい顔をしていたような気もする。
そういえば、帰り際「ありがとう」と、オーンが少し照れた表情でお礼を言っていた。
……なんのお礼だろう??
ガッツリ怒られはしたものの、親には無事協力してもらえる事になった。
その後、ミネルの調査により、ノレイさんの家族が亡くなった理由にジメス上院議長が関わっている可能性が高い事が分かった。
いつも通り、自分の手は下していないので『可能性が高い事しか分からなかった』と話していた。
関与が確定したわけではないし、ノレイさんを味方に引き入れるのは難しそうだなぁと思っていたけど、ミネルは諦めていなかった。
ミネルの“徹底して調べる!”精神が功を奏し、思わぬところで新たな情報が手に入ったのだ!
本当に尊敬する!!
ノレイさんの家族は不幸な事故……なんでも“ヴェント”による事故で亡くなったらしい。
交通事故のようなものかな?
ノレイさん本人は事情があって、“ヴェント”には乗っていなかったそうだ。
その偶然もまた怪しく感じた。
「調査の段階で、何名か目撃者がいる事が分かった。彼らを探し出し、話を聞く事はできたんだが……全員が『父親と母親が亡くなっている姿を見た』と話していた」
「……ん? それが有力な情報??」
私が首を傾げる。
「“ナレッジ”の記録では、ノレイには両親の他に弟がいる。事故の際、目撃者達は揃って『弟の姿は見ていない』と言っていたが、死亡記録ではノレイ以外の家族全員が亡くなった事になっているんだ」
ふむふむ。
……と、いう事は??
「理由は不明だが、もしかするとノレイの弟は生きているのかもしれない」
な、なんと!!
「事故を起こした当事者たちにも話を聞きたいところだが、逃亡したのか、亡くなったのか……少なくとも話は聞けそうにない」
今の時点で分からない事だらけのはずなのに、ミネルが生き生きしている気がする。
よほど、いい情報が手に入ったんだ。
「そこで、だ。ノレイの家族や親族、友人だけでなく事故の関係者等も徹底的に調べ上げた」
なんでもエウロとカウイを強制的に巻き込み、3人で寝る間を惜しんで調べたらしい。
カウイはいつも通りだったけど……エウロの顔は明らかにやつれていた。
「調査の結果、事故があった年に養子を迎えた夫婦がいた。もしかしたら……と思い、エウロと会いに行ってきた」
人選が素晴らしい。
エウロなら警戒されにくいし、ついつい話してしまうかもしれない。
「最初はかなり言葉を濁していたけど、話してくれたんだ。ミネルの予想通り、ノレイさんの弟だった。さすがミネルだよな!」
こうやって自然に人を褒められるのもエウロの良さだな。
「その夫婦にノレイさんの弟を預けたのは、事故を起こした当事者の1人だったらしい。本当ならその事故で家族全員を殺す予定だったみたいなんだけど、弟の方は母親が体を張って守った事もあって無事だった。仕方なく弟を連れ去って始末をするつもりだったけど、どうしてもできなかった……と話してたってさ」
「今、エウロが話した内容こそが事故の真相だ。弟の件についてはノレイはもちろんの事、ジメス上院議長も知らない。“ナレッジ”にも死亡と記録されているからな」
話し終えたミネルが、軽く息を吐き出す。
チラリと私の表情をうかがうと、確認するように口を開いた。
「僕たちの役目はここまでだ。この話をノレイにどう伝えるか、判断はアリアに任せる。仮にノレイが『ジメス上院議長を裏切る』と言った場合、その言葉を信じるかどうかについても」
「な、なんで、そんな重大任務を私が!? 」
思わず、大きな声で叫ぶ。
「一番適任だと思ったからだ。僕は事実しか話せないからな。変に考えず、アリアが思ったままを伝えればいい」
うーん。私が適任だとは思えないけど……。
でも、ミネルがそう言うって事は、何か理由があるんだろうな。
よし! 頼まれたからには全力で!!
急な事でカリーナ元王妃も少し困惑している。
「──知っている情報を教えて頂けますか?」
最後にエレが発した言葉だけ聞き取れたけど、教えて頂けますか?
……何を??
「伝わりましたか?」
リーセさんが苦笑しつつ、カリーナ元王妃に尋ねる。
「はい。全ては聞き取れませんでしたが、言いたい事は伝わりました」
初めてカリーナ元王妃が、静かに微笑んだ。
「アリアさんとジュリアの転生したタイミングを考えると私が関係していると思いますが、彼女が元の世界に戻る事はないと思います」
「その根拠は?」
即座にミネルが質問をする。
完全に敬語がとれてますよ、ミネルさん。
「私はループも含め、長い間この世界にいますが、一度も戻った事はありません。今まで幾度となく『戻りたい』と祈りましたが……その願いは叶っていません。原作者である私が望んだにもかかわらず実現できていないのですから、恐らく本の力とは別な力が働いているのだと思います」
そういえば、私は戻りたいと考えた事すらなかったな。
でも4回もループをしていたら、さすがに戻りたいと思ったかもしれない。
「それにアリアさんが考えているように“前世の記憶”があるだけなのかもしれません。──なぜなら、私は前の世界では病気で亡くなっていますから」
へっ! そうだったの!?
ん? つまり……私も亡くなってるという事?
ああ、そっか。前世の記憶があるという仮説が当たっているとしたら、私が亡くなっていてもおかしくないのか!
身に覚えは全くないけど……。
んー、そういう事なら──
「じゃあ、この話はこれで終わりという事で!」
「軽いわね」
私が話を締めくくると、セレスが素早くツッコんだ。
「悩んでも答えが見つからない事に頭を悩ませるのもね。悩んだところで状況は変わらないし……いい方に考えて終わろう!」
「……うーん。まぁ、そうね」
私の言葉にセレスが複雑そうな表情を見せるも、最後には納得して笑ってくれた。
結局、操られていた4人には協力してもらう必要がなくなった為、エウロとカウイが憲兵の元へ連れていく事になった。
──その日からの1週間は大忙しだった。
まずは、それぞれが自分の親に状況を説明する事から始まった。
驚かれたり、怒られたり……と反応は様々だったらしい。
例に漏れず、私とエレも両親と話をする時がやってきた。
そこで、色々と考えた結果、オーンも一緒に来てもらった。
オーンは「なぜ私も一緒に?」と、不思議そうな顔をしていたけど。
予想通り、いや、予想以上にガッツリ怒られました。
オーンも一緒にガッツリ怒られました。
……でも、良かった。
いや、良かったというのも変な話なんだけど。
オーンは立場上、自分の親にはまだ事情を話せない。
それならオーンも呼んで一緒に怒られよう!
1人で怒られるよりも、3人で怒られた方が怒りが分散されるはずだ!!
……と思い、オーンを巻き込んだんだけど、一緒に怒られた事がなぜか嬉しかった。
そもそも、王子であるオーンが叱られる姿というのはかなり珍しい。
見間違いでなければ、いつもより少しだけ子供っぽい顔をしていたような気もする。
そういえば、帰り際「ありがとう」と、オーンが少し照れた表情でお礼を言っていた。
……なんのお礼だろう??
ガッツリ怒られはしたものの、親には無事協力してもらえる事になった。
その後、ミネルの調査により、ノレイさんの家族が亡くなった理由にジメス上院議長が関わっている可能性が高い事が分かった。
いつも通り、自分の手は下していないので『可能性が高い事しか分からなかった』と話していた。
関与が確定したわけではないし、ノレイさんを味方に引き入れるのは難しそうだなぁと思っていたけど、ミネルは諦めていなかった。
ミネルの“徹底して調べる!”精神が功を奏し、思わぬところで新たな情報が手に入ったのだ!
本当に尊敬する!!
ノレイさんの家族は不幸な事故……なんでも“ヴェント”による事故で亡くなったらしい。
交通事故のようなものかな?
ノレイさん本人は事情があって、“ヴェント”には乗っていなかったそうだ。
その偶然もまた怪しく感じた。
「調査の段階で、何名か目撃者がいる事が分かった。彼らを探し出し、話を聞く事はできたんだが……全員が『父親と母親が亡くなっている姿を見た』と話していた」
「……ん? それが有力な情報??」
私が首を傾げる。
「“ナレッジ”の記録では、ノレイには両親の他に弟がいる。事故の際、目撃者達は揃って『弟の姿は見ていない』と言っていたが、死亡記録ではノレイ以外の家族全員が亡くなった事になっているんだ」
ふむふむ。
……と、いう事は??
「理由は不明だが、もしかするとノレイの弟は生きているのかもしれない」
な、なんと!!
「事故を起こした当事者たちにも話を聞きたいところだが、逃亡したのか、亡くなったのか……少なくとも話は聞けそうにない」
今の時点で分からない事だらけのはずなのに、ミネルが生き生きしている気がする。
よほど、いい情報が手に入ったんだ。
「そこで、だ。ノレイの家族や親族、友人だけでなく事故の関係者等も徹底的に調べ上げた」
なんでもエウロとカウイを強制的に巻き込み、3人で寝る間を惜しんで調べたらしい。
カウイはいつも通りだったけど……エウロの顔は明らかにやつれていた。
「調査の結果、事故があった年に養子を迎えた夫婦がいた。もしかしたら……と思い、エウロと会いに行ってきた」
人選が素晴らしい。
エウロなら警戒されにくいし、ついつい話してしまうかもしれない。
「最初はかなり言葉を濁していたけど、話してくれたんだ。ミネルの予想通り、ノレイさんの弟だった。さすがミネルだよな!」
こうやって自然に人を褒められるのもエウロの良さだな。
「その夫婦にノレイさんの弟を預けたのは、事故を起こした当事者の1人だったらしい。本当ならその事故で家族全員を殺す予定だったみたいなんだけど、弟の方は母親が体を張って守った事もあって無事だった。仕方なく弟を連れ去って始末をするつもりだったけど、どうしてもできなかった……と話してたってさ」
「今、エウロが話した内容こそが事故の真相だ。弟の件についてはノレイはもちろんの事、ジメス上院議長も知らない。“ナレッジ”にも死亡と記録されているからな」
話し終えたミネルが、軽く息を吐き出す。
チラリと私の表情をうかがうと、確認するように口を開いた。
「僕たちの役目はここまでだ。この話をノレイにどう伝えるか、判断はアリアに任せる。仮にノレイが『ジメス上院議長を裏切る』と言った場合、その言葉を信じるかどうかについても」
「な、なんで、そんな重大任務を私が!? 」
思わず、大きな声で叫ぶ。
「一番適任だと思ったからだ。僕は事実しか話せないからな。変に考えず、アリアが思ったままを伝えればいい」
うーん。私が適任だとは思えないけど……。
でも、ミネルがそう言うって事は、何か理由があるんだろうな。
よし! 頼まれたからには全力で!!
10
お気に入りに追加
4,955
あなたにおすすめの小説
深窓の悪役令嬢~死にたくないので仮病を使って逃げ切ります~
白金ひよこ
恋愛
熱で魘された私が夢で見たのは前世の記憶。そこで思い出した。私がトワール侯爵家の令嬢として生まれる前は平凡なOLだったことを。そして気づいた。この世界が乙女ゲームの世界で、私がそのゲームの悪役令嬢であることを!
しかもシンディ・トワールはどのルートであっても死ぬ運命! そんなのあんまりだ! もうこうなったらこのまま病弱になって学校も行けないような深窓の令嬢になるしかない!
物語の全てを放棄し逃げ切ることだけに全力を注いだ、悪役令嬢の全力逃走ストーリー! え? シナリオ? そんなの知ったこっちゃありませんけど?
なりすまされた令嬢 〜健気に働く王室の寵姫〜
瀬乃アンナ
恋愛
国内随一の名門に生まれたセシル。しかし姉は選ばれし子に与えられる瞳を手に入れるために、赤ん坊のセシルを生贄として捨て、成り代わってしまう。順風満帆に人望を手に入れる姉とは別の場所で、奇しくも助けられたセシルは妖精も悪魔をも魅了する不思議な能力に助けられながら、平民として美しく成長する。
ひょんな事件をきっかけに皇族と接することになり、森と動物と育った世間知らずセシルは皇太子から名門貴族まで、素直関わる度に人の興味を惹いては何かと構われ始める。
何に対しても興味を持たなかった皇太子に慌てる周りと、無垢なセシルのお話
小説家になろう様でも掲載しております。
(更新は深夜か土日が多くなるかとおもいます!)
攻略なんてしませんから!
梛桜
恋愛
乙女ゲームの二人のヒロインのうちの一人として異世界の侯爵令嬢として転生したけれど、攻略難度設定が難しい方のヒロインだった!しかも、攻略相手には特に興味もない主人公。目的はゲームの中でのモフモフです!
【閑話】は此方→http://www.alphapolis.co.jp/content/cover/808099598/
閑話は最初本編の一番下に置き、その後閑話集へと移動しますので、ご注意ください。
此方はベリーズカフェ様でも掲載しております。
*攻略なんてしませんから!別ルート始めました。
【別ルート】は『攻略より楽しみたい!』の題名に変更いたしました
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
異世界王女に転生したけど、貧乏生活から脱出できるのか
片上尚
ファンタジー
海の事故で命を落とした山田陽子は、女神ロミア様に頼まれて魔法がある世界のとある国、ファルメディアの第三王女アリスティアに転生!
悠々自適の贅沢王女生活やイケメン王子との結婚、もしくは現代知識で無双チートを夢見て目覚めてみると、待っていたのは3食草粥生活でした…
アリスティアは現代知識を使って自国を豊かにできるのか?
痩せっぽっちの王女様奮闘記。
二度目の人生は異世界で溺愛されています
ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。
ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。
加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。
おまけに女性が少ない世界のため
夫をたくさん持つことになりー……
周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる