109 / 261
高等部 1年生
本音の女子会(後編)
しおりを挟む
とりあえず、和解した……のかな?
険しい表情を解いたセレスが、今度は少しだけ呆れた表情を見せる。
「大体アリアは無鉄砲だし、この私にすぐ心配を掛けるし、10回に9回は失敗する子なのよ。嫉妬する貴方がおかしいのよ!」
んんっ? セレスさん? 私の事をそんな風に思ってたの??
思わぬ方向に話がいってません??
セレスの話を聞いたルナがそっと呟いた。
「アリアは失敗した事ないし」
「ルナ、目が泳いでるわよ。アリアに好かれようと嘘をつくのはおやめなさい」
セレスの指摘にルナが目線を逸らした。
「10回に7回かな」
「妥当なところね」
……妥当なんだ。それでも多いな。
「私とアリアは、お互いの悪い所も知ってる上で親友なのよ。まぁ、私においては悪い所がないのだけれど」
マイヤにそれを伝えたかったが為に私をディスったのね。
…………あるよ。セレスにもダメなとこあるよー。そういうとこだよーー!
セレスは少しも気にする事なく話を続ける。
「で、肝心のマイヤのお母様は?」
急にケイアさん(マイヤの母)の話題が出たからか、マイヤの表情が強張っている。
私が答えた方がいいかな?
「多分……これから来ると思う。今日は私もマイヤも顔を合わせないという話になってるんだ」
「そう」
私が答えている間にマイヤの表情が元に戻る。
2週間ほどケイアさんに会っていないとはいえ、まだまだ心の整理がついてないよね。
……親の事もそうだけど、マイヤってヒロインじゃないような気がしてきた。
ヒロインにしては性格が、ね。うん、なかなかね。
「どうしたの? アリアちゃん?」
無意識にマイヤをじっと見ていたらしい。
「いや、何かに飛びぬけてる人って性格は面倒くさいんだなって思って」
しみじみ言うと、一瞬にして場の空気が凍った。
あれ? どうしたのかな?? すかさず、セレスが反応する。
「アリア! それってまさか私も含まれてるんじゃないでしょうね!?」
あっ、しまった。正直に言いすぎた!
「ご、ごめん。含まれてる」
「私のどこが面倒くさいのよ!」
あっ、まずい。さらに怒ってしまった。
「ご、ごめん。いや、セレスだけじゃないよ? 幼なじみ全員だよ??」
「なんのフォローにもなってないわよ! どう考えてもマイヤより面倒じゃないわ!!」
「……ちょっと待ってよ」
マイヤが静かに反抗する。
「悪いけど、セレスちゃんよりは普通よ!」
「貴方、性格変わりすぎよ!! ルナだってそう思うでしょ?」
セレスがルナに同意を求めた。
「……マイヤ? どこか変わった?」
えっ! まさかの返し!!
ルナは今までマイヤをどう見てたの?
「ルナちゃん、私に興味がなさすぎよ! さっきの訂正するわ。ルナちゃんよりは普通よ!」
「マイヤよりは性格いい」
すぐにルナが切り返した。
や、やってしまった。私の余計な一言が発端となって、なぜか私以外の3人が言い合いになってしまった。
……でも(私が原因で)言い合いにはなってるけど、なんかいいな。
入学式の時に初めて4人で食事をした時より、仲良くなった気がする。
何よりマイヤが生き生きして見える。……まあ、生き生きし過ぎのような気もするけど。
しばらく眺めていると、突如何かを思い出したようにセレスが私の方を向いた。
「ところで……アリア、オーンの事はどうするの?」
…………へっ!?
思わず、飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。
「ケホ、ケホ……ど、どうするって?」
「オーンから聞いたわよ。アリアに気持ちを伝えたって」
な、なにぃーー!! オーン言ったの!?
「元婚約者の私には伝えておきたかったって報告してくれたのよ」
「そ、そうだったんだ」
ずっとオーンに告白された事をセレスに言うべきかどうか迷ってた。
……知ってたんだ。
普通に話してるけど、オーンの告白をセレスはどう思ってるんだろう? なんか聞くのが怖いな。
「アリア! よく聞きなさい!!」
セレスがくいっと紅茶を一口飲んだ。
「私はオーンの事を本当になんっとも思っていないわ! だ、か、ら、私の事は気にせずに考えなさい!!」
もしかして、この事を伝える為に今日は来てくれたのかな?
お礼を伝えると、真面目な表情から一変、セレスが含み笑いをした。
「……で、どうするのよ?」
「あっ、私も聞きたい」
マイヤも興味津々だ。
あなた、この間まで『オーンくんが好きなの』って言ってなかった??
「正直……」
「正直?」
セレスとマイヤが声をハモらせ、前のめりになっている。
「ここ最近、色々ありすぎて考える暇がなかった」
ごめん! オーン!!
今日でセレスの事もスッキリしたから、ちゃんと考えるからね!
はっ!! セレスとマイヤの顔が“無”になっている。
ルナは……いつも通り“無”だ。
「はぁ~、なんでアリアちゃんに負けたんだろ」
マイヤがため息をついている。
……言われ放題だな。
「じゃ、じゃあ。3人は好きな人いるの?」
私の質問にさっきまで興味なさそうだったルナが答える。
「アリアと兄様」
そういう意味じゃなかったんだけど……ありがとう、ルナ。
セレスが腕を組み、眉間にしわを寄せている。
「私もアリアではあるけど、異性だとまだ私に見合う人がいないかもしれないわ。そういう意味だと、私はルナと違ってアリアの名前しか挙げてないから……勝ちね!」
セレスがドヤ顔をしている。
「そんな事ないし。セレスの100倍好きだし」
……子どものケンカだ。
「素晴らしく底辺な会話をしてるわね」
マイヤが呆れながら聞いてきた。
「アリアちゃんて、オーンくん以外の3人の男性についてはどう思う? 恋愛対象として見れる?」
……3人って。エウロとカウイ、ミネルの事だよね?
「恋愛対象かぁ。考えた事なかったな」
『振られる相手を好きになってもなぁ~』って心のどこかにずっとあるんだよねぇ。だから考えた事もないんだよなぁ。
「……質問を変えるわ。高等部にいる間に4人は新たな婚約者ができる可能性があるのよ? オーンくんだって、いつまでもアリアちゃんの事が好きか分からないし(多分、好きだろうけど)。その時、誰に婚約者ができたらイヤ?」
う~ん。婚約者が出来たら、今までみたく気軽に会えなくなるのかなぁ?
だとしたら──
「4人に限らず、(幼なじみ)みんなに婚約者が出来たら寂しいかも」
「はぁ~、アリアちゃんて、ぜんぜっん恋愛脳になってないのね!」
なんだろう……マイヤに『まだまだお子様ね!』って言われた気分。
「……もし、もしもよ? アリアちゃんに好きな人が出来て、その人がセレスちゃんかルナちゃんを好きになったらどうする?」
確かに! 可能性としては大いにある!!
「えー! イヤな“もしも”だなぁ」
そうならない事を祈るしかないな。
「……友人をやめる?」
「んー、やめないんじゃない? 当分ショックで立ち直れないかもしれないけど、時が経てば別な人を好きになるかもしれないし。でも友人は時が経っても友人だから」
セレスが「まっ、当然ね」と満足げだ。ルナも(私から見ると)嬉しそうに笑っている。
あれ? なぜかマイヤも嬉しそう??
目が合うと、マイヤは“こほん”と咳払いし、立て続けに質問をしてきた。
……なんか尋問を受けてる気分。
「夏季休暇中は、幼なじみの誰とも会わないの?」
「ん? 今、会ってるよ」
「私たちじゃないわよ!」
怒られた。幼なじみって言ったじゃん。
マイヤ、短気になってない!?
「カウイには会うかな? 前に一緒に出掛ける約束をしてたんだ」
「へぇ~、カウイくんて意外と積極的なんだ」
マイヤがぽつりと呟いた。
「ん?」
「いや、いいの。気にしないで」
「ああ。後、ミネルとウィズちゃんにも会うかな? ウィズちゃんが私に会いたいんだって! 可愛いよね~」
マイヤが「ふ~ん」とほくそ笑んだ。なになに? 今の笑い??
間髪入れずに、ルナがつぶやく。
「卑怯な」
「えっ? 卑怯??」
「ううん。アリア、私と兄様にも会ってよ」
ルナだけじゃなく、リーセさんも!?
「いいけど……リーセさん忙しいんじゃない?」
「大丈夫」
本当に大丈夫なのかな? リーセさん働いてるんだよ??
「じゃあ、また稽古でもつけてもらおうかな?」
私の提案にルナが首を横に振っている。
「お出掛けしよう」
お出掛け? ルナが!?
そんな事を言うなんて珍しいな。でも楽しそう!!
「いいね! セレスとマイヤも一緒に行く?」
私が誘うと、マイヤがちらっとルナを見た。
「いえ、やめておくわ。珍しくルナちゃんが(来ちゃダメって)感情むき出しだから」
「私も(ルナとリーセさんと会っても楽しくなさそうだし)遠慮しておくわ。私はアリアと2人で会うから」
セレスが「ふふん」と誇らしげにルナとマイヤを見た。
……うん、ケンカを売るのやめようね。そしてそういう所だからね、セレス。
「セレスちゃんもルナちゃんも想像以上に子供だったんだね。買いかぶり過ぎてたみたい。……なんか肩の力が抜けちゃったなぁ」
マイヤが気の緩んだ表情をしている。
ああ、それはなんか分かる。最初は年齢の割に大人っぽいなぁって私も思ってたもんな。
だけど、それって──
「それを言ったらマイヤもだけどね。前も良かったけど、今の方が付き合いやすいよ」
私が言うと、マイヤが「……そう」とそっぽを向いた。
耳が赤い。照れてるのかな? やっぱりマイヤにはツンデレの素質があるな。
……うん。それは、それでいい!!
その後も4人での話は大いに盛り上がり、あっという間に夕方になった。
セレスとルナは「また来るわ」と名残惜しそうに帰って行った。
険しい表情を解いたセレスが、今度は少しだけ呆れた表情を見せる。
「大体アリアは無鉄砲だし、この私にすぐ心配を掛けるし、10回に9回は失敗する子なのよ。嫉妬する貴方がおかしいのよ!」
んんっ? セレスさん? 私の事をそんな風に思ってたの??
思わぬ方向に話がいってません??
セレスの話を聞いたルナがそっと呟いた。
「アリアは失敗した事ないし」
「ルナ、目が泳いでるわよ。アリアに好かれようと嘘をつくのはおやめなさい」
セレスの指摘にルナが目線を逸らした。
「10回に7回かな」
「妥当なところね」
……妥当なんだ。それでも多いな。
「私とアリアは、お互いの悪い所も知ってる上で親友なのよ。まぁ、私においては悪い所がないのだけれど」
マイヤにそれを伝えたかったが為に私をディスったのね。
…………あるよ。セレスにもダメなとこあるよー。そういうとこだよーー!
セレスは少しも気にする事なく話を続ける。
「で、肝心のマイヤのお母様は?」
急にケイアさん(マイヤの母)の話題が出たからか、マイヤの表情が強張っている。
私が答えた方がいいかな?
「多分……これから来ると思う。今日は私もマイヤも顔を合わせないという話になってるんだ」
「そう」
私が答えている間にマイヤの表情が元に戻る。
2週間ほどケイアさんに会っていないとはいえ、まだまだ心の整理がついてないよね。
……親の事もそうだけど、マイヤってヒロインじゃないような気がしてきた。
ヒロインにしては性格が、ね。うん、なかなかね。
「どうしたの? アリアちゃん?」
無意識にマイヤをじっと見ていたらしい。
「いや、何かに飛びぬけてる人って性格は面倒くさいんだなって思って」
しみじみ言うと、一瞬にして場の空気が凍った。
あれ? どうしたのかな?? すかさず、セレスが反応する。
「アリア! それってまさか私も含まれてるんじゃないでしょうね!?」
あっ、しまった。正直に言いすぎた!
「ご、ごめん。含まれてる」
「私のどこが面倒くさいのよ!」
あっ、まずい。さらに怒ってしまった。
「ご、ごめん。いや、セレスだけじゃないよ? 幼なじみ全員だよ??」
「なんのフォローにもなってないわよ! どう考えてもマイヤより面倒じゃないわ!!」
「……ちょっと待ってよ」
マイヤが静かに反抗する。
「悪いけど、セレスちゃんよりは普通よ!」
「貴方、性格変わりすぎよ!! ルナだってそう思うでしょ?」
セレスがルナに同意を求めた。
「……マイヤ? どこか変わった?」
えっ! まさかの返し!!
ルナは今までマイヤをどう見てたの?
「ルナちゃん、私に興味がなさすぎよ! さっきの訂正するわ。ルナちゃんよりは普通よ!」
「マイヤよりは性格いい」
すぐにルナが切り返した。
や、やってしまった。私の余計な一言が発端となって、なぜか私以外の3人が言い合いになってしまった。
……でも(私が原因で)言い合いにはなってるけど、なんかいいな。
入学式の時に初めて4人で食事をした時より、仲良くなった気がする。
何よりマイヤが生き生きして見える。……まあ、生き生きし過ぎのような気もするけど。
しばらく眺めていると、突如何かを思い出したようにセレスが私の方を向いた。
「ところで……アリア、オーンの事はどうするの?」
…………へっ!?
思わず、飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。
「ケホ、ケホ……ど、どうするって?」
「オーンから聞いたわよ。アリアに気持ちを伝えたって」
な、なにぃーー!! オーン言ったの!?
「元婚約者の私には伝えておきたかったって報告してくれたのよ」
「そ、そうだったんだ」
ずっとオーンに告白された事をセレスに言うべきかどうか迷ってた。
……知ってたんだ。
普通に話してるけど、オーンの告白をセレスはどう思ってるんだろう? なんか聞くのが怖いな。
「アリア! よく聞きなさい!!」
セレスがくいっと紅茶を一口飲んだ。
「私はオーンの事を本当になんっとも思っていないわ! だ、か、ら、私の事は気にせずに考えなさい!!」
もしかして、この事を伝える為に今日は来てくれたのかな?
お礼を伝えると、真面目な表情から一変、セレスが含み笑いをした。
「……で、どうするのよ?」
「あっ、私も聞きたい」
マイヤも興味津々だ。
あなた、この間まで『オーンくんが好きなの』って言ってなかった??
「正直……」
「正直?」
セレスとマイヤが声をハモらせ、前のめりになっている。
「ここ最近、色々ありすぎて考える暇がなかった」
ごめん! オーン!!
今日でセレスの事もスッキリしたから、ちゃんと考えるからね!
はっ!! セレスとマイヤの顔が“無”になっている。
ルナは……いつも通り“無”だ。
「はぁ~、なんでアリアちゃんに負けたんだろ」
マイヤがため息をついている。
……言われ放題だな。
「じゃ、じゃあ。3人は好きな人いるの?」
私の質問にさっきまで興味なさそうだったルナが答える。
「アリアと兄様」
そういう意味じゃなかったんだけど……ありがとう、ルナ。
セレスが腕を組み、眉間にしわを寄せている。
「私もアリアではあるけど、異性だとまだ私に見合う人がいないかもしれないわ。そういう意味だと、私はルナと違ってアリアの名前しか挙げてないから……勝ちね!」
セレスがドヤ顔をしている。
「そんな事ないし。セレスの100倍好きだし」
……子どものケンカだ。
「素晴らしく底辺な会話をしてるわね」
マイヤが呆れながら聞いてきた。
「アリアちゃんて、オーンくん以外の3人の男性についてはどう思う? 恋愛対象として見れる?」
……3人って。エウロとカウイ、ミネルの事だよね?
「恋愛対象かぁ。考えた事なかったな」
『振られる相手を好きになってもなぁ~』って心のどこかにずっとあるんだよねぇ。だから考えた事もないんだよなぁ。
「……質問を変えるわ。高等部にいる間に4人は新たな婚約者ができる可能性があるのよ? オーンくんだって、いつまでもアリアちゃんの事が好きか分からないし(多分、好きだろうけど)。その時、誰に婚約者ができたらイヤ?」
う~ん。婚約者が出来たら、今までみたく気軽に会えなくなるのかなぁ?
だとしたら──
「4人に限らず、(幼なじみ)みんなに婚約者が出来たら寂しいかも」
「はぁ~、アリアちゃんて、ぜんぜっん恋愛脳になってないのね!」
なんだろう……マイヤに『まだまだお子様ね!』って言われた気分。
「……もし、もしもよ? アリアちゃんに好きな人が出来て、その人がセレスちゃんかルナちゃんを好きになったらどうする?」
確かに! 可能性としては大いにある!!
「えー! イヤな“もしも”だなぁ」
そうならない事を祈るしかないな。
「……友人をやめる?」
「んー、やめないんじゃない? 当分ショックで立ち直れないかもしれないけど、時が経てば別な人を好きになるかもしれないし。でも友人は時が経っても友人だから」
セレスが「まっ、当然ね」と満足げだ。ルナも(私から見ると)嬉しそうに笑っている。
あれ? なぜかマイヤも嬉しそう??
目が合うと、マイヤは“こほん”と咳払いし、立て続けに質問をしてきた。
……なんか尋問を受けてる気分。
「夏季休暇中は、幼なじみの誰とも会わないの?」
「ん? 今、会ってるよ」
「私たちじゃないわよ!」
怒られた。幼なじみって言ったじゃん。
マイヤ、短気になってない!?
「カウイには会うかな? 前に一緒に出掛ける約束をしてたんだ」
「へぇ~、カウイくんて意外と積極的なんだ」
マイヤがぽつりと呟いた。
「ん?」
「いや、いいの。気にしないで」
「ああ。後、ミネルとウィズちゃんにも会うかな? ウィズちゃんが私に会いたいんだって! 可愛いよね~」
マイヤが「ふ~ん」とほくそ笑んだ。なになに? 今の笑い??
間髪入れずに、ルナがつぶやく。
「卑怯な」
「えっ? 卑怯??」
「ううん。アリア、私と兄様にも会ってよ」
ルナだけじゃなく、リーセさんも!?
「いいけど……リーセさん忙しいんじゃない?」
「大丈夫」
本当に大丈夫なのかな? リーセさん働いてるんだよ??
「じゃあ、また稽古でもつけてもらおうかな?」
私の提案にルナが首を横に振っている。
「お出掛けしよう」
お出掛け? ルナが!?
そんな事を言うなんて珍しいな。でも楽しそう!!
「いいね! セレスとマイヤも一緒に行く?」
私が誘うと、マイヤがちらっとルナを見た。
「いえ、やめておくわ。珍しくルナちゃんが(来ちゃダメって)感情むき出しだから」
「私も(ルナとリーセさんと会っても楽しくなさそうだし)遠慮しておくわ。私はアリアと2人で会うから」
セレスが「ふふん」と誇らしげにルナとマイヤを見た。
……うん、ケンカを売るのやめようね。そしてそういう所だからね、セレス。
「セレスちゃんもルナちゃんも想像以上に子供だったんだね。買いかぶり過ぎてたみたい。……なんか肩の力が抜けちゃったなぁ」
マイヤが気の緩んだ表情をしている。
ああ、それはなんか分かる。最初は年齢の割に大人っぽいなぁって私も思ってたもんな。
だけど、それって──
「それを言ったらマイヤもだけどね。前も良かったけど、今の方が付き合いやすいよ」
私が言うと、マイヤが「……そう」とそっぽを向いた。
耳が赤い。照れてるのかな? やっぱりマイヤにはツンデレの素質があるな。
……うん。それは、それでいい!!
その後も4人での話は大いに盛り上がり、あっという間に夕方になった。
セレスとルナは「また来るわ」と名残惜しそうに帰って行った。
20
お気に入りに追加
4,954
あなたにおすすめの小説

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。
私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!
神桜
ファンタジー
小学生の子を事故から救った華倉愛里。本当は死ぬ予定じゃなかった華倉愛里を神が転生させて、愛し子にし家族や精霊、神に愛されて楽しく過ごす話!
『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!』の番外編を『私公爵令嬢としてこの世界を楽しみます!番外編』においています!良かったら見てください!
投稿は1日おきか、毎日更新です。不規則です!宜しくお願いします!

【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。

野草から始まる異世界スローライフ
深月カナメ
ファンタジー
花、植物に癒されたキャンプ場からの帰り、事故にあい異世界に転生。気付けば子供の姿で、名前はエルバという。
私ーーエルバはスクスク育ち。
ある日、ふれた薬草の名前、効能が頭の中に聞こえた。
(このスキル使える)
エルバはみたこともない植物をもとめ、魔法のある世界で優しい両親も恵まれ、私の第二の人生はいま異世界ではじまった。
エブリスタ様にて掲載中です。
表紙は表紙メーカー様をお借りいたしました。
プロローグ〜78話までを第一章として、誤字脱字を直したものに変えました。
物語は変わっておりません。
一応、誤字脱字、文章などを直したはずですが、まだまだあると思います。見直しながら第二章を進めたいと思っております。
よろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる