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高等部 1年生
初登校、そして(なぜか)勝負へ(後編)
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ドキドキしながら、ゆっくりと教室の扉を開ける。
教室に入り周りを見渡した瞬間、一斉に全員の視線が私に集まった。
えっ! なんで見られてるの??
「さっきオーンくんと一緒にいた人じゃない?」
「入学式でルナさんが抱きついてた人だ」
ひそひそと会話が聞こえてくる。
あっ、なーるほど。
私が幼なじみ達と一緒にいたから見られてるのか。
影のような存在だった私が、認識してもらえるまで成長するなんて。感慨深いよ。
昔ならきっと『あんな人いた?』って思われてもおかしくなかったもんね。
わずかに聞こえてくる会話を前向き捉えて喜んでいると、ひときわ大きな声が響き渡った。
「なーんだ。ハズレか!」
ハズレ? ハズレ……。ハズレ!?
声が聞こえてきた方をバッと見ると、一番後ろの席で机に肘をつき、横柄な態度で座ってる男性がいた。
男性が座ったまま、私を見てニヤつきながら話し掛けた。
「何、見てんの?」
ハズレ……私の事を言われた気がしないでもないけど、確証はないもんな。
うん、疑うのはよくない。
「大きな声が聞こえてきたから、どうしたのかな? と思って」
私が質問に答えると、男性がニヤッと笑った。嫌な笑い方だな。
「自分の事を言われたと思ったろ?」
この表情を見る限り、さっきのセリフ……きっと私の事を言ったんだろうな。
知り合い??
……ではない。今まで見た事のない顔だ。他校から来た人かな?
「正直、私の事を言われたのかな? と思っちゃいました(というか思ってます)」
「自分の事、よく分かってるじゃん。美人が本館を歩いてるから、誰か一緒のクラスになれるかと期待してたら……てめえかよ。だ、か、ら、ハズレ!!」
不躾な男性のセリフにクスクスと、どこからか笑い声が聞こえてくる。
……他にも同じ事を思った人がいるって事ね。
「はじめまして。私はアリアと申します。失礼ですが、お名前は?」
「誰がてめえに名乗るかよ」
失礼極まりない男性がニヤニヤしている。
…………私が怖気づいて何も言えないタイプに見えたのだろうか!?
あまーーーーい!!!
売られたケンカは買うタイプです!!!!!
「“てめえ”さん? せっかく同じクラスになったのだから親しみを込めて、“てめえ”と呼びましょう!」
「ああ!? なんて品のない失礼な女だ!」
傲慢な男性が私の言葉に激怒している。
「失礼な女……そうかもしれません。なんせ品のない失礼な男のマネをしたんですから」
「なっ!!」
「“てめえ”のような品性のかけらすらも捨ててきたような人と同じクラスになるなんて、それこそハズレね!」
畳み掛けるようにデリカシーのない男性へキッパリと言い放つ。
私の発言に男性が机をバンっと叩き、勢いよく立ち上がった。
怒りがピークに達したようだ。
……不思議な話だ。人に言った事を自分が言われると怒るなんて。
無礼な男性が私の前までやって来ると、怒りあらわに声を張り上げた。
「てめえ、俺が誰だか分かって言ってるのか!?」
「さぁ? 名乗ってくれなかったので分かりません」
「そういう事じゃねえよ!!!」
片手で私の胸ぐらをぐっと掴む。
さすがにこの年齢になると、男女で力の差は歴然。殴られたら──終わるな。
正直、怖いけど……こんな礼儀のない男性に屈したくない!!
「力まかせで言う事を聞かせようとしても屈しませんよ?」
手にギュッと力を込め、私がまっすぐ見据えると、男性がもう片方の手を振り上げた。
途端に「きゃー!」と教室中で悲鳴が上がる。
ああ、最後の一言は余計だったかな!?
……殴られる!! と身構えた瞬間、男性がぷるぷる震えながら、ゆっくりと手を下ろした。
少し経つと、胸ぐらを掴んでいた手もバッと放した。
な、殴られなかった。
ホッとしたのもつかの間、男性が言った。
「……勝負だ」
「へっ?」
「こんなに俺をムカつかせた事のある奴は他にいない! 勝負だ!!」
「勝負?? えーと何の??」
私が疑問に思った事をそのまま伝えると、男性が自信ありげに笑った。
「剣術で勝負だ」
「剣術……」
武術だったら体格の差や力の差がでるけど、剣術なら──
まだ、それらをカバーできる! ……かもしれない。
「受けて立ちます!」
「言ったな? 昼休みに勝負だ。おい、そこのお前。空いてる剣術場を見つけとけ」
無作法な男性が1人の同級生を指差し、命令する。
「わ、分かりました」
すぐに『分かりました』って言ったって事は……知り合い!?
ただ、頼み方を見るに“友人”って感じではなさそうだ。
それに初めの方で『俺が誰だか分かって言ってるのか!?』って言ってたから、階級が高い家なのかな??
そうだとしたら、それは親の力だよね。
「おい、お前。俺が勝ったら、さっき言った事をひざまずいて謝れ。そして、これからの4年間は俺の奴隷な」
非常識な男性が高々と笑っている。
セレスの高笑いは許せるけど、この男の高笑いは許せん!
本来ならこんな理不尽な誘いに乗るのはおかしいけど、こっちも怒りが湧いてきたっ!!
「分かりました。では、私が勝ったら“てめえ”が謝ってください。そして──“そこのお前! 初対面……いや、他人に対する失礼な口の利き方、横柄で偉そうな態度を一生掛けて改めろ”」
男性の口調を真似し、指を差しながら勝った際の条件を突きつける。
「なっ!」
「こちらの要求は、今伝えた内容でお願いします。それと──」
一旦言葉を切り、クラス全体を見渡す。
「私が『ハズレだ』って言われて、クスクス笑った人たちも私に謝ってくださいね」
「な、なんで俺も謝らなきゃいけないんだよ!」
「なんで? 私も!?」
1人の男性とその近くにいた女性が声を上げる。
そうか。笑ったのはあなた達でしたか。
思わぬところで犯人が判明。
「笑ったって事は、この男性と同じくらい失礼な事を言ったも同然だからです。仮にあなた方が私と同じ目に遭ったとしても不快に感じないというのなら、要求については考え直しますけど?」
2人に向かって告げると、女性の方が席を立ち、不機嫌そうに言った。
「私は不快に思わないけど? 笑われたくらいで不快に思うなんて、心が狭いんじゃない?」
そうきたか。
「……狭くて結構! じゃあ、謝らなくていいです」
「えっ」
私が『謝らなくていい』と言うと思わなかったのか、女性が驚いている。
「あなた負けると思われてますよ?」
心底バカにしたような表情を浮かべつつ、高圧的な男性へと視線を戻す。
ミネルの表情を真似てみたけど、どんな反応するかな?(ミネルには後で、正直に謝ろう)
「はぁっ!? お前、俺が負けると思ってるのか!?」
「えぇ!? 私そんな事、言ってないじゃない!!」
ほぼ同時に2人が叫んでいる。
うん、そんな事は言ってないよ。
言ってはいないけど、捉え方次第ではそう思われる可能性もあるよね!?
追い詰められた女性が「わ、分かったわよ」と渋々、承諾した。
もう1人の笑った男性も焦りながら「うんうん」と了承している。
よし! クラスのみんなが見ていたから、証人はたくさんいる。
それにしても、教室に入る前は友人を作ろうと決意していたのに……なぜ勝負??
なんか自分の願望とは逆に向かってるなぁ。
過去の決意はともかく、昼休みに剣術で勝負する約束をした以上は何とかしなくちゃ。
ひとまず落ち着いた私は、ようやく自分の席を探す事にした。
「アリア……さん」
小さく呼ぶ声が聞こえる。
声のした方を見ると、2人の女性が机を指差して立っていた。
「ここの席だよ。私の横です」
あっ、中等部で一度同じクラスになった事のある2人だ。
名前は確か──
「ユラちゃんとサイネちゃん!」
「!!!」
「名前知っててくれたんだ」
2人が名前を呼ばれた事に驚いている。
「そりゃあ、同じクラスになった事もあったから。それに学校を作る時、手伝いにも来てくれたよね?」
話した事は、ほぼないけど。
私が笑顔で返すと、2人が嬉しそうに笑った。
「アリア……ちゃん、中等部ではいつも幼なじみの人たちが周りにいたから、話し掛けるのを躊躇ってしまって」
「でも話してみたいと思ってたんだ」
ユラちゃんとサイネちゃんが笑顔で話している。
……そう思ってくれてたんだ。嬉しいな。
「ありがとう、これからよろしくね。さっきから呼び方に困っているように感じるんだけど、“アリア”でも何でも好きに呼んでね」
「ありがとう。こちらこそよろしくね」
サイネちゃんが笑顔で挨拶をした。その横でユラちゃんが心配そうに聞いてきた。
「ところで、さっきの約束……大丈夫?」
嬉しい気持ちから、急に現実に戻った気分。
「う、うん。正直とんでもない約束をしちゃったなとは思ってる」
「あの人、“ニティ”っていって、他校から来た人なんだけど、けっこう強いみたいだよ?」
「サイネちゃん、知り合い??」
私が聞くと、サイネちゃんが頷いている。
「顔見知り程度なんだけど、社交場で会った事があって。その時に学校行事の剣術大会で入賞したって自慢してたから……」
「…………」
ほぅ~。私……しくじっちゃった!?
負けたら4年間奴隷…………かぁ。絶対にイヤだ!
それに気持ちで負けちゃダメだ!!
私だって、リーセさんとルナに鍛えてもらってるんだから!!
「ありがとう。負けないよ!」
サイネちゃんの手をぎゅっと握り、力強く返事をした。
“ニティ”に負けたら、このクラスはイジメあり、カースト制度ありのクラスになってしまう。
それだけは、断固阻止してみせる!!
新たな決意を胸に、私はお昼休みを待つ事にした。
教室に入り周りを見渡した瞬間、一斉に全員の視線が私に集まった。
えっ! なんで見られてるの??
「さっきオーンくんと一緒にいた人じゃない?」
「入学式でルナさんが抱きついてた人だ」
ひそひそと会話が聞こえてくる。
あっ、なーるほど。
私が幼なじみ達と一緒にいたから見られてるのか。
影のような存在だった私が、認識してもらえるまで成長するなんて。感慨深いよ。
昔ならきっと『あんな人いた?』って思われてもおかしくなかったもんね。
わずかに聞こえてくる会話を前向き捉えて喜んでいると、ひときわ大きな声が響き渡った。
「なーんだ。ハズレか!」
ハズレ? ハズレ……。ハズレ!?
声が聞こえてきた方をバッと見ると、一番後ろの席で机に肘をつき、横柄な態度で座ってる男性がいた。
男性が座ったまま、私を見てニヤつきながら話し掛けた。
「何、見てんの?」
ハズレ……私の事を言われた気がしないでもないけど、確証はないもんな。
うん、疑うのはよくない。
「大きな声が聞こえてきたから、どうしたのかな? と思って」
私が質問に答えると、男性がニヤッと笑った。嫌な笑い方だな。
「自分の事を言われたと思ったろ?」
この表情を見る限り、さっきのセリフ……きっと私の事を言ったんだろうな。
知り合い??
……ではない。今まで見た事のない顔だ。他校から来た人かな?
「正直、私の事を言われたのかな? と思っちゃいました(というか思ってます)」
「自分の事、よく分かってるじゃん。美人が本館を歩いてるから、誰か一緒のクラスになれるかと期待してたら……てめえかよ。だ、か、ら、ハズレ!!」
不躾な男性のセリフにクスクスと、どこからか笑い声が聞こえてくる。
……他にも同じ事を思った人がいるって事ね。
「はじめまして。私はアリアと申します。失礼ですが、お名前は?」
「誰がてめえに名乗るかよ」
失礼極まりない男性がニヤニヤしている。
…………私が怖気づいて何も言えないタイプに見えたのだろうか!?
あまーーーーい!!!
売られたケンカは買うタイプです!!!!!
「“てめえ”さん? せっかく同じクラスになったのだから親しみを込めて、“てめえ”と呼びましょう!」
「ああ!? なんて品のない失礼な女だ!」
傲慢な男性が私の言葉に激怒している。
「失礼な女……そうかもしれません。なんせ品のない失礼な男のマネをしたんですから」
「なっ!!」
「“てめえ”のような品性のかけらすらも捨ててきたような人と同じクラスになるなんて、それこそハズレね!」
畳み掛けるようにデリカシーのない男性へキッパリと言い放つ。
私の発言に男性が机をバンっと叩き、勢いよく立ち上がった。
怒りがピークに達したようだ。
……不思議な話だ。人に言った事を自分が言われると怒るなんて。
無礼な男性が私の前までやって来ると、怒りあらわに声を張り上げた。
「てめえ、俺が誰だか分かって言ってるのか!?」
「さぁ? 名乗ってくれなかったので分かりません」
「そういう事じゃねえよ!!!」
片手で私の胸ぐらをぐっと掴む。
さすがにこの年齢になると、男女で力の差は歴然。殴られたら──終わるな。
正直、怖いけど……こんな礼儀のない男性に屈したくない!!
「力まかせで言う事を聞かせようとしても屈しませんよ?」
手にギュッと力を込め、私がまっすぐ見据えると、男性がもう片方の手を振り上げた。
途端に「きゃー!」と教室中で悲鳴が上がる。
ああ、最後の一言は余計だったかな!?
……殴られる!! と身構えた瞬間、男性がぷるぷる震えながら、ゆっくりと手を下ろした。
少し経つと、胸ぐらを掴んでいた手もバッと放した。
な、殴られなかった。
ホッとしたのもつかの間、男性が言った。
「……勝負だ」
「へっ?」
「こんなに俺をムカつかせた事のある奴は他にいない! 勝負だ!!」
「勝負?? えーと何の??」
私が疑問に思った事をそのまま伝えると、男性が自信ありげに笑った。
「剣術で勝負だ」
「剣術……」
武術だったら体格の差や力の差がでるけど、剣術なら──
まだ、それらをカバーできる! ……かもしれない。
「受けて立ちます!」
「言ったな? 昼休みに勝負だ。おい、そこのお前。空いてる剣術場を見つけとけ」
無作法な男性が1人の同級生を指差し、命令する。
「わ、分かりました」
すぐに『分かりました』って言ったって事は……知り合い!?
ただ、頼み方を見るに“友人”って感じではなさそうだ。
それに初めの方で『俺が誰だか分かって言ってるのか!?』って言ってたから、階級が高い家なのかな??
そうだとしたら、それは親の力だよね。
「おい、お前。俺が勝ったら、さっき言った事をひざまずいて謝れ。そして、これからの4年間は俺の奴隷な」
非常識な男性が高々と笑っている。
セレスの高笑いは許せるけど、この男の高笑いは許せん!
本来ならこんな理不尽な誘いに乗るのはおかしいけど、こっちも怒りが湧いてきたっ!!
「分かりました。では、私が勝ったら“てめえ”が謝ってください。そして──“そこのお前! 初対面……いや、他人に対する失礼な口の利き方、横柄で偉そうな態度を一生掛けて改めろ”」
男性の口調を真似し、指を差しながら勝った際の条件を突きつける。
「なっ!」
「こちらの要求は、今伝えた内容でお願いします。それと──」
一旦言葉を切り、クラス全体を見渡す。
「私が『ハズレだ』って言われて、クスクス笑った人たちも私に謝ってくださいね」
「な、なんで俺も謝らなきゃいけないんだよ!」
「なんで? 私も!?」
1人の男性とその近くにいた女性が声を上げる。
そうか。笑ったのはあなた達でしたか。
思わぬところで犯人が判明。
「笑ったって事は、この男性と同じくらい失礼な事を言ったも同然だからです。仮にあなた方が私と同じ目に遭ったとしても不快に感じないというのなら、要求については考え直しますけど?」
2人に向かって告げると、女性の方が席を立ち、不機嫌そうに言った。
「私は不快に思わないけど? 笑われたくらいで不快に思うなんて、心が狭いんじゃない?」
そうきたか。
「……狭くて結構! じゃあ、謝らなくていいです」
「えっ」
私が『謝らなくていい』と言うと思わなかったのか、女性が驚いている。
「あなた負けると思われてますよ?」
心底バカにしたような表情を浮かべつつ、高圧的な男性へと視線を戻す。
ミネルの表情を真似てみたけど、どんな反応するかな?(ミネルには後で、正直に謝ろう)
「はぁっ!? お前、俺が負けると思ってるのか!?」
「えぇ!? 私そんな事、言ってないじゃない!!」
ほぼ同時に2人が叫んでいる。
うん、そんな事は言ってないよ。
言ってはいないけど、捉え方次第ではそう思われる可能性もあるよね!?
追い詰められた女性が「わ、分かったわよ」と渋々、承諾した。
もう1人の笑った男性も焦りながら「うんうん」と了承している。
よし! クラスのみんなが見ていたから、証人はたくさんいる。
それにしても、教室に入る前は友人を作ろうと決意していたのに……なぜ勝負??
なんか自分の願望とは逆に向かってるなぁ。
過去の決意はともかく、昼休みに剣術で勝負する約束をした以上は何とかしなくちゃ。
ひとまず落ち着いた私は、ようやく自分の席を探す事にした。
「アリア……さん」
小さく呼ぶ声が聞こえる。
声のした方を見ると、2人の女性が机を指差して立っていた。
「ここの席だよ。私の横です」
あっ、中等部で一度同じクラスになった事のある2人だ。
名前は確か──
「ユラちゃんとサイネちゃん!」
「!!!」
「名前知っててくれたんだ」
2人が名前を呼ばれた事に驚いている。
「そりゃあ、同じクラスになった事もあったから。それに学校を作る時、手伝いにも来てくれたよね?」
話した事は、ほぼないけど。
私が笑顔で返すと、2人が嬉しそうに笑った。
「アリア……ちゃん、中等部ではいつも幼なじみの人たちが周りにいたから、話し掛けるのを躊躇ってしまって」
「でも話してみたいと思ってたんだ」
ユラちゃんとサイネちゃんが笑顔で話している。
……そう思ってくれてたんだ。嬉しいな。
「ありがとう、これからよろしくね。さっきから呼び方に困っているように感じるんだけど、“アリア”でも何でも好きに呼んでね」
「ありがとう。こちらこそよろしくね」
サイネちゃんが笑顔で挨拶をした。その横でユラちゃんが心配そうに聞いてきた。
「ところで、さっきの約束……大丈夫?」
嬉しい気持ちから、急に現実に戻った気分。
「う、うん。正直とんでもない約束をしちゃったなとは思ってる」
「あの人、“ニティ”っていって、他校から来た人なんだけど、けっこう強いみたいだよ?」
「サイネちゃん、知り合い??」
私が聞くと、サイネちゃんが頷いている。
「顔見知り程度なんだけど、社交場で会った事があって。その時に学校行事の剣術大会で入賞したって自慢してたから……」
「…………」
ほぅ~。私……しくじっちゃった!?
負けたら4年間奴隷…………かぁ。絶対にイヤだ!
それに気持ちで負けちゃダメだ!!
私だって、リーセさんとルナに鍛えてもらってるんだから!!
「ありがとう。負けないよ!」
サイネちゃんの手をぎゅっと握り、力強く返事をした。
“ニティ”に負けたら、このクラスはイジメあり、カースト制度ありのクラスになってしまう。
それだけは、断固阻止してみせる!!
新たな決意を胸に、私はお昼休みを待つ事にした。
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