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この世界と私のやっていたゲーム世界とは、同じ部分もあれば違う部分もあり、不規則に重なっているようだ。
私の場合、ゲームにあったプレイヤーの倉庫やハウスは消えていたけど、手持ちアイテム枠50は残っていた。一方で、こちらの世界の人はアイテム枠を持ってなくて、代わりに魔道具のアイテムバッグを使っている。
現地人のレベルを数値で見ることはできない。しかし、レベル制に近い何かはあり、経験を積むにしたがって、スキルを覚えていくのはプレイヤーと同じだった。
そして、ゲーム世界のダンジョンには、レベル差が10以上つくパーティーで潜ると、1番レベルの高いプレイヤーに対応するモンスターが奇襲してくるバッドイベントがあった。でも、現地人だけのパーティーには適用されない。だから、A級冒険者のアンジェラさんは、低レベルと組んで何度もダンジョンを探索できていた。しかし、ゲームキャラを引き継いだ私には、ゲームのルールが適用されてしまう。
「……今回のダンジョンでの変異種の奇襲、私が引き金になった可能性があるんです」
「どういうことだい?」
「ごめんなさい。今のパーティーの組み合わせでダンジョンに入るのは、危険みたいなんです」
「……また、訳の分からないことを……」
アンジェラさんは納得のいっていない顔だ。
レベル差で奇襲されるルールはゲームキャラの私にしか当てはまらないことだから、良い説明が浮かばない。
「まあ、いいよ。レナが色々とイレギュラーなのは理解した。実際にあり得ないA級モンスターが出ているんだし、そういうこともあるんだろうよ。だが、パーティーとは関係なく、家には来な。あんたを宿屋に放っておいたら、私たちが安心して眠れなくなっちまう。いいね?」
「……はい」
とても有難い。こちらに来てすぐに、良い人達に出会えたと思う。
「ありがとうございます」
お礼を言うと、アンジェラさんは照れたように笑った。
「礼なら、私の方がたくさん言わないといけないよ。ありがとう」
面と向かって、年上の女性に真剣にお礼を言われた。こんな経験、親以外でしたことない。何か、ドキドキするな。
「いえ……、その、これからお世話になります」
「ああ、任せておきな」
「うんうん。僕らも協力するよ」
任せろという顔で、一番年下のロシェ君が言うのが、何だかくすぐったくて面白かった。
私の場合、ゲームにあったプレイヤーの倉庫やハウスは消えていたけど、手持ちアイテム枠50は残っていた。一方で、こちらの世界の人はアイテム枠を持ってなくて、代わりに魔道具のアイテムバッグを使っている。
現地人のレベルを数値で見ることはできない。しかし、レベル制に近い何かはあり、経験を積むにしたがって、スキルを覚えていくのはプレイヤーと同じだった。
そして、ゲーム世界のダンジョンには、レベル差が10以上つくパーティーで潜ると、1番レベルの高いプレイヤーに対応するモンスターが奇襲してくるバッドイベントがあった。でも、現地人だけのパーティーには適用されない。だから、A級冒険者のアンジェラさんは、低レベルと組んで何度もダンジョンを探索できていた。しかし、ゲームキャラを引き継いだ私には、ゲームのルールが適用されてしまう。
「……今回のダンジョンでの変異種の奇襲、私が引き金になった可能性があるんです」
「どういうことだい?」
「ごめんなさい。今のパーティーの組み合わせでダンジョンに入るのは、危険みたいなんです」
「……また、訳の分からないことを……」
アンジェラさんは納得のいっていない顔だ。
レベル差で奇襲されるルールはゲームキャラの私にしか当てはまらないことだから、良い説明が浮かばない。
「まあ、いいよ。レナが色々とイレギュラーなのは理解した。実際にあり得ないA級モンスターが出ているんだし、そういうこともあるんだろうよ。だが、パーティーとは関係なく、家には来な。あんたを宿屋に放っておいたら、私たちが安心して眠れなくなっちまう。いいね?」
「……はい」
とても有難い。こちらに来てすぐに、良い人達に出会えたと思う。
「ありがとうございます」
お礼を言うと、アンジェラさんは照れたように笑った。
「礼なら、私の方がたくさん言わないといけないよ。ありがとう」
面と向かって、年上の女性に真剣にお礼を言われた。こんな経験、親以外でしたことない。何か、ドキドキするな。
「いえ……、その、これからお世話になります」
「ああ、任せておきな」
「うんうん。僕らも協力するよ」
任せろという顔で、一番年下のロシェ君が言うのが、何だかくすぐったくて面白かった。
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