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7月初め。武や夕麿の警護だけでなく、他の人間の移動にも人員を割く必要があった。貴之の父 良岑 芳之が多少の人員を回してくれたので何とかなってはいた。それでも特務室にプロファイルの依頼が来る。手伝う為に清方も毎日、執務室へと行っていた。
昼食は向かい側のビル、御園生ホールディングスの社員食堂を利用するのが常だった。間の一方通行の道を渡り、清方と雫が裏口からビルに入ろうとした時だった。
「高辻、高辻だろう?お前、何で外にいるんだ?」
不躾に声を掛けられた。高辻姓で呼ばれるのは何年振りだろうか?だが振り返って見た男の顔を清方は記憶していなかった。
「あ、その顔だと俺を覚えてないな?同級生なのに」
そう言われてもやはり思い出せない。セフレは両手に余る程いたが一応は顔を覚えている。実際に帰国してから顔を出した、秋の紫霄学院の学祭で何人かと再開していた。だが目の前の男は知らない。同じ特待生仲間ならば全部記憶しているがその中にも彼の顔はない。一般クラスの生徒と寝る以外で仲良くした事もない。
清方が首を傾げているので、雫が庇うように立った。
「無礼な奴だな?先ず名乗るのが先だろう?」
雫が誰何すると大抵の人間は引く。その辺りはプロの警察官としての迫力がある。しかし怯むどころか、平然とした顔で雫をまじまじと見た。
「あんたに記憶ある…確か、俺たちが中等部だった時に高等部の生徒会長だったよな?名前は確か…成瀬さんだ」
「確かに俺は成瀬 雫だ。だが、訊いているのはこちらだ。速やかに氏名を名乗れ」
薫が狙われた事実は、彼を学院から出そうとする武を狙う可能性を秘めていた。不審人物は排除しなければならない。
「はいはい。多久 祐頼です。
ねぇ…本当に俺の事、覚えてない?」
男の名前を聞いて清方は少し考え込んだ。そして不快感と共に思い出した。忘れていたのではない。恐らくは脳が強い嫌悪感ゆえに表面意識から削除していたと考えられた。
「よく私の前に顔を出せますね、あなたは」
「相変わらず美人でツレないね~」
「雫、行きましょう」
清方は踵を返した。
「二度と顔を見せるな」
雫はそう吐き捨てて清方の後を追った。裏の通用口から顔パスで中へ入ると、雫は清方の腕を掴んで引き止めた。
「説明してくれ」
「高等部時代も大学へ進級しても、私に執拗に付きまとった奴です。殆どストーカーでした。無人の教室に引きずり込まれた事も何度か経験があります。周や同級の特待生たちが、警戒してくれていたので被害には遭わないですみました」
雫以外には抱かれない。そう決めていた清方を学院都市や学院内で付け回した男。彼は一度狙いを定めると、その相手を手に入れるまで追い掛ける。同級生も下級生も、彼に暴力を振るわれた挙げ句に陵辱されていた。一人や二人ではなく激しく抵抗して重傷を負わされた者もいた。
学院から出て10年足らず。彼が卒業して15年程の時間が経過している。今更、清方に声を掛けてどうするというのだろう?
「偶然か?」
「わかりません」
「清方、絶対に一人で出歩くな?出来れば御園生邸から出るな」
「そうはいかないでしょう?プロファイルの依頼はどうするのです。紫霞宮家の警護と両立は不可能な筈ですよ?」
今更、多久 祐頼がストーカーになるとは思えなかった。
「一人にはならないようにします。約束しますから」
「しかし…」
「雫」
躊躇う雫に、たたみかけるように念を押すと雫は唸るように承諾の言葉を口にした。
その後、多久 祐頼は姿を現さなかった。やはり偶然だったのだ。過去の記憶が不快なものだっただけに、必要以上に警戒心を持ってしまっただけ。7月も終わりに近付いた頃には、雫でさえもそう思っていた。
昼食に降りてすぐ雫は、必要な書類を執務室に忘れて来た事に気付いた。薫が夏休み中に御園生邸に滞在出来る事になり、その時の警備の計画書を書き上げたばかりだった。それを基本にして御園生系列の警備会社と、連携をとる事になっていた。武と夕麿に承認してもらう為に昼食後のアポを取ってあった。
「すぐに戻る」
執務室のあるビルの駐車場にある鉄扉の中へ、雫は駆け戻って行った。
清方はその扉の前に立っていた。黒い車がゆっくりと近付いて来た。扉に気を取られていた清方は、その事に気が付かずにいた。目の前に車が止まりドアが開いてやっと気付いた。
「高辻」
中から出て来たのは多久 祐頼だった。その手にはスタンガンが握られている。
しまった……と思った瞬間、スタンガンが腹部に押し付けられた。電撃に全身が痙攣し、目の中に火花が散った。誰かが目撃していたら一瞬の出来事であっただろう。 だが清方は自分が意識を失うその間際まで、電撃に自分の身体が激しく反応するのを長い時間のように感じていた。
雫が書類を手に戻って来た時には清方の姿はどこにもなかった。先に向かいのビルへ行ったのかと、清方の携帯をコールするが電源が入っていないらしい。
嫌な予感がした。
あれっきりあの男が来なかったので、今更と言う清方の言葉を信じてしまっていた。警戒する事が余りにも多岐に渡って、雫に余裕がなくなっていたのかもしれない。
急遽、武たちに連絡を取り、その日二人の警護に付いていた貴之共々、執務室に駆け付けて来た。
遅れて周も駆け付けて来た。多久 祐頼の名前を聞いて蒼白になった。
「あの男の…清方さんへの執着は、他の生徒へのと違って常軌を逸してた」
周は彼が清方を執拗に付け回した状態がどんなものであったのか、恐怖に震えながら話したのだ。
「奴は…清方さんに何をするかわからない…」
清方は暴力的と言っていたが、周によるとそれは陵辱しながら相手を傷付ける事だと言う。
「多久は本物のサディストなんだ。相手が苦痛に泣き叫べば泣き叫ぶ程、のた打ちまわればまわる程に興奮する。その奴が最も自分の好みだと公言してはばからなかったのが清方さんだ」
30代後半になっても、清方の白い肌色と整った面差しは変わらない。むしろ艶を増している程だ。多久 祐頼が見逃すはずがない……と雫は思い至り、全身から血の気が引く気がした。
「武さま…夕麿さま…私のわがままを、お許しいただけますか…」
本来ならば清方の捜索は所轄の仕事だ。良岑 芳之の配慮があっても、身内同然の雫が捜査に加わる事は出来ない。ましてや紫霞宮家の警護という任務を投げ出してしまう事になる。のはわかってはいる。それでも雫は自らの手で清方を助けに行きたかった。
「武さま、僕からもお願いします」
周が頭を下げた。
「武、清方先生は私の母方の従兄。 もし酷い目に遭わされているならば、他者の目にそのような姿をさらすわけには行きません」
陵辱される痛みは夕麿が一番よく知っている。好きな相手にそれを見られるのは辛いが見知らぬ他人に見られるのはもっと辛い。
「わかった。但し条件がある。良岑 芳之刑事局長ときちんと連絡をとる事。最終的な事は雫さんがしたとしても、捜査そのものは一人では無理でしょう?」
武の言うのはもっともな事だった。
「貴之先輩、そいつのプロファイルを。
周さん、先生が見付かった時にすぐに治療出来るように手配して」
武は冷静だった。
「それから…そいつが薫の生命を狙っている奴らと繋がりがないか調べて」
指揮を執る筈の雫は冷静な判断力を欠いていた。清方を連れ去ったと思われる多久 祐頼を、八つ裂きにしてやりたい怒りと懸命に闘っていた。
武にもその気持ちはわかる。だから咎めはしない。
成瀬 雫は常に冷静で判断力も高い、非常に優秀な警察官だ。武は彼を信じる。だからこそ、彼が単独で清方を救出に行くのを認めるのだ。
「雫さん、必ず清方先生と戻って来てください」
自分を助ける為に大切な人が犠牲になる。それでは助かっても、助けられた人間は救われない。生きる一番の希望を失う。経験した想いだからこそ夕麿が言葉を紡ぐ。
今も後遺症に苦しむ武を見る度に夕麿の心は血を流す。雫にもしもの事があったら、清方がどれだけ苦しむ結果になるだろうか?そんな事はもう絶対にあってはならない。
自分たちだけで十分だと夕麿は思う。清方もそんな事は望んでいない筈だ。
「夕麿さま…」
雫は夕麿が何を想い、武を気遣って口に出さない想いを感じていた。
自分も清方もちゃんと帰って来る。雫も決意を言葉にしないで夕麿にしっかりと頷いた。彼らがそうしている間も、貴之は着々と多久 祐頼のデータを入手していた。
「多久は医師なんですね?」
「ああ、清方さんと同じく、紫霄の医学部に在籍していた」
清方を追い掛ける為に敢えて内部進学したとしか思えない。
「卒業後は幾つかの大学病院で研修後、30歳で青年海外協力隊に参加してアフリカへ派遣されています」
「青年海外協力隊?あの男がか!?」
有り得ないと驚く周に貴之はこう答えた。
「内乱地帯を自ら希望して派遣されています。血を見たかったのではないでしょうか?」
貴之の言葉に雫がモニターを大画面に切り替えた。全員でそこに記された、多久の経歴を見詰めた。
「余程気に入ったようだな…任期を延長してる」
雫が呟いた。冷静さが戻って来たらしい。
「貴之、俺のタブレットにデータを転送してくれ。」
上着を取って雫は皆に頭を下げて特務室を出て行った。
昼食は向かい側のビル、御園生ホールディングスの社員食堂を利用するのが常だった。間の一方通行の道を渡り、清方と雫が裏口からビルに入ろうとした時だった。
「高辻、高辻だろう?お前、何で外にいるんだ?」
不躾に声を掛けられた。高辻姓で呼ばれるのは何年振りだろうか?だが振り返って見た男の顔を清方は記憶していなかった。
「あ、その顔だと俺を覚えてないな?同級生なのに」
そう言われてもやはり思い出せない。セフレは両手に余る程いたが一応は顔を覚えている。実際に帰国してから顔を出した、秋の紫霄学院の学祭で何人かと再開していた。だが目の前の男は知らない。同じ特待生仲間ならば全部記憶しているがその中にも彼の顔はない。一般クラスの生徒と寝る以外で仲良くした事もない。
清方が首を傾げているので、雫が庇うように立った。
「無礼な奴だな?先ず名乗るのが先だろう?」
雫が誰何すると大抵の人間は引く。その辺りはプロの警察官としての迫力がある。しかし怯むどころか、平然とした顔で雫をまじまじと見た。
「あんたに記憶ある…確か、俺たちが中等部だった時に高等部の生徒会長だったよな?名前は確か…成瀬さんだ」
「確かに俺は成瀬 雫だ。だが、訊いているのはこちらだ。速やかに氏名を名乗れ」
薫が狙われた事実は、彼を学院から出そうとする武を狙う可能性を秘めていた。不審人物は排除しなければならない。
「はいはい。多久 祐頼です。
ねぇ…本当に俺の事、覚えてない?」
男の名前を聞いて清方は少し考え込んだ。そして不快感と共に思い出した。忘れていたのではない。恐らくは脳が強い嫌悪感ゆえに表面意識から削除していたと考えられた。
「よく私の前に顔を出せますね、あなたは」
「相変わらず美人でツレないね~」
「雫、行きましょう」
清方は踵を返した。
「二度と顔を見せるな」
雫はそう吐き捨てて清方の後を追った。裏の通用口から顔パスで中へ入ると、雫は清方の腕を掴んで引き止めた。
「説明してくれ」
「高等部時代も大学へ進級しても、私に執拗に付きまとった奴です。殆どストーカーでした。無人の教室に引きずり込まれた事も何度か経験があります。周や同級の特待生たちが、警戒してくれていたので被害には遭わないですみました」
雫以外には抱かれない。そう決めていた清方を学院都市や学院内で付け回した男。彼は一度狙いを定めると、その相手を手に入れるまで追い掛ける。同級生も下級生も、彼に暴力を振るわれた挙げ句に陵辱されていた。一人や二人ではなく激しく抵抗して重傷を負わされた者もいた。
学院から出て10年足らず。彼が卒業して15年程の時間が経過している。今更、清方に声を掛けてどうするというのだろう?
「偶然か?」
「わかりません」
「清方、絶対に一人で出歩くな?出来れば御園生邸から出るな」
「そうはいかないでしょう?プロファイルの依頼はどうするのです。紫霞宮家の警護と両立は不可能な筈ですよ?」
今更、多久 祐頼がストーカーになるとは思えなかった。
「一人にはならないようにします。約束しますから」
「しかし…」
「雫」
躊躇う雫に、たたみかけるように念を押すと雫は唸るように承諾の言葉を口にした。
その後、多久 祐頼は姿を現さなかった。やはり偶然だったのだ。過去の記憶が不快なものだっただけに、必要以上に警戒心を持ってしまっただけ。7月も終わりに近付いた頃には、雫でさえもそう思っていた。
昼食に降りてすぐ雫は、必要な書類を執務室に忘れて来た事に気付いた。薫が夏休み中に御園生邸に滞在出来る事になり、その時の警備の計画書を書き上げたばかりだった。それを基本にして御園生系列の警備会社と、連携をとる事になっていた。武と夕麿に承認してもらう為に昼食後のアポを取ってあった。
「すぐに戻る」
執務室のあるビルの駐車場にある鉄扉の中へ、雫は駆け戻って行った。
清方はその扉の前に立っていた。黒い車がゆっくりと近付いて来た。扉に気を取られていた清方は、その事に気が付かずにいた。目の前に車が止まりドアが開いてやっと気付いた。
「高辻」
中から出て来たのは多久 祐頼だった。その手にはスタンガンが握られている。
しまった……と思った瞬間、スタンガンが腹部に押し付けられた。電撃に全身が痙攣し、目の中に火花が散った。誰かが目撃していたら一瞬の出来事であっただろう。 だが清方は自分が意識を失うその間際まで、電撃に自分の身体が激しく反応するのを長い時間のように感じていた。
雫が書類を手に戻って来た時には清方の姿はどこにもなかった。先に向かいのビルへ行ったのかと、清方の携帯をコールするが電源が入っていないらしい。
嫌な予感がした。
あれっきりあの男が来なかったので、今更と言う清方の言葉を信じてしまっていた。警戒する事が余りにも多岐に渡って、雫に余裕がなくなっていたのかもしれない。
急遽、武たちに連絡を取り、その日二人の警護に付いていた貴之共々、執務室に駆け付けて来た。
遅れて周も駆け付けて来た。多久 祐頼の名前を聞いて蒼白になった。
「あの男の…清方さんへの執着は、他の生徒へのと違って常軌を逸してた」
周は彼が清方を執拗に付け回した状態がどんなものであったのか、恐怖に震えながら話したのだ。
「奴は…清方さんに何をするかわからない…」
清方は暴力的と言っていたが、周によるとそれは陵辱しながら相手を傷付ける事だと言う。
「多久は本物のサディストなんだ。相手が苦痛に泣き叫べば泣き叫ぶ程、のた打ちまわればまわる程に興奮する。その奴が最も自分の好みだと公言してはばからなかったのが清方さんだ」
30代後半になっても、清方の白い肌色と整った面差しは変わらない。むしろ艶を増している程だ。多久 祐頼が見逃すはずがない……と雫は思い至り、全身から血の気が引く気がした。
「武さま…夕麿さま…私のわがままを、お許しいただけますか…」
本来ならば清方の捜索は所轄の仕事だ。良岑 芳之の配慮があっても、身内同然の雫が捜査に加わる事は出来ない。ましてや紫霞宮家の警護という任務を投げ出してしまう事になる。のはわかってはいる。それでも雫は自らの手で清方を助けに行きたかった。
「武さま、僕からもお願いします」
周が頭を下げた。
「武、清方先生は私の母方の従兄。 もし酷い目に遭わされているならば、他者の目にそのような姿をさらすわけには行きません」
陵辱される痛みは夕麿が一番よく知っている。好きな相手にそれを見られるのは辛いが見知らぬ他人に見られるのはもっと辛い。
「わかった。但し条件がある。良岑 芳之刑事局長ときちんと連絡をとる事。最終的な事は雫さんがしたとしても、捜査そのものは一人では無理でしょう?」
武の言うのはもっともな事だった。
「貴之先輩、そいつのプロファイルを。
周さん、先生が見付かった時にすぐに治療出来るように手配して」
武は冷静だった。
「それから…そいつが薫の生命を狙っている奴らと繋がりがないか調べて」
指揮を執る筈の雫は冷静な判断力を欠いていた。清方を連れ去ったと思われる多久 祐頼を、八つ裂きにしてやりたい怒りと懸命に闘っていた。
武にもその気持ちはわかる。だから咎めはしない。
成瀬 雫は常に冷静で判断力も高い、非常に優秀な警察官だ。武は彼を信じる。だからこそ、彼が単独で清方を救出に行くのを認めるのだ。
「雫さん、必ず清方先生と戻って来てください」
自分を助ける為に大切な人が犠牲になる。それでは助かっても、助けられた人間は救われない。生きる一番の希望を失う。経験した想いだからこそ夕麿が言葉を紡ぐ。
今も後遺症に苦しむ武を見る度に夕麿の心は血を流す。雫にもしもの事があったら、清方がどれだけ苦しむ結果になるだろうか?そんな事はもう絶対にあってはならない。
自分たちだけで十分だと夕麿は思う。清方もそんな事は望んでいない筈だ。
「夕麿さま…」
雫は夕麿が何を想い、武を気遣って口に出さない想いを感じていた。
自分も清方もちゃんと帰って来る。雫も決意を言葉にしないで夕麿にしっかりと頷いた。彼らがそうしている間も、貴之は着々と多久 祐頼のデータを入手していた。
「多久は医師なんですね?」
「ああ、清方さんと同じく、紫霄の医学部に在籍していた」
清方を追い掛ける為に敢えて内部進学したとしか思えない。
「卒業後は幾つかの大学病院で研修後、30歳で青年海外協力隊に参加してアフリカへ派遣されています」
「青年海外協力隊?あの男がか!?」
有り得ないと驚く周に貴之はこう答えた。
「内乱地帯を自ら希望して派遣されています。血を見たかったのではないでしょうか?」
貴之の言葉に雫がモニターを大画面に切り替えた。全員でそこに記された、多久の経歴を見詰めた。
「余程気に入ったようだな…任期を延長してる」
雫が呟いた。冷静さが戻って来たらしい。
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