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第3話
第2話
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「あ、バイトの面接かな? こちらへどうぞ」
レジ台の向こうから声をかけてきたのは、あの時のトレンチコートのおっさんだった。
ヨレヨレの薄汚いスーツから、爽やかな制服に変わったせいだけじゃない。
全くの別人のように感じる。
あの時の人物と、いま俺の目の前にいるこの人物とが、とても同じ人間だとは思えない。
だけどこれは、現実だ。
「こちらへどうぞ」
促されるままに、俺はコンビニのバックヤードへと侵入した。
白で統一された狭い通路に、本部との連絡をとるためのパソコンが置かれている。
画面では、商品の注文、発送状況などが写し出されていた。
「こっちだ」
壁に設置されたエアコンのコントロールボードを開く。
『冷房』『暖房』温度調節の『△』『▽』やらなにやらが並んだボタンを、彼は軽快に連打した。
目の前のただ白かっただけの壁が、すうっと音もなく床に吸い込まれる。
「ようこそ、サイバー攻撃特別捜査対応専門機動部隊、久谷支部へ。磯部重人くん、君は今日からナンバー08だ。我々の一番新しい仲間として認められた」
壁の向こうには、地下へと続く階段が収納されていた。
その細いらせん階段を下りると、上のコンビニとは桁違いの空間が広がっている。
壁一面に設置されたディスプレイには、街中の至る所に設置された久谷支部管轄の監視カメラ映像が流れている。
大通りはもちろんのこと、住宅街から公共施設、水道局や公園、学校にいたるまで、余すことなく全てを撮影していた。
「貴様か。俺のセキュリティ突破最短記録を脅かそうとしていたのは」
竹内秀樹、28歳、ナンバー05。
俺と年齢だけは同じらしい。
黒縁のめがねに長く伸びた前髪が目元まで覆い尽くそうとしている。
ほっそりとした体つきだが、太い骨格に無駄のない筋肉がしっかりと備え付けられていた。
きゃしゃなように見えて優れた体幹の持ち主だということは、見る人がみれば分かるだろう。
レジ台の向こうから声をかけてきたのは、あの時のトレンチコートのおっさんだった。
ヨレヨレの薄汚いスーツから、爽やかな制服に変わったせいだけじゃない。
全くの別人のように感じる。
あの時の人物と、いま俺の目の前にいるこの人物とが、とても同じ人間だとは思えない。
だけどこれは、現実だ。
「こちらへどうぞ」
促されるままに、俺はコンビニのバックヤードへと侵入した。
白で統一された狭い通路に、本部との連絡をとるためのパソコンが置かれている。
画面では、商品の注文、発送状況などが写し出されていた。
「こっちだ」
壁に設置されたエアコンのコントロールボードを開く。
『冷房』『暖房』温度調節の『△』『▽』やらなにやらが並んだボタンを、彼は軽快に連打した。
目の前のただ白かっただけの壁が、すうっと音もなく床に吸い込まれる。
「ようこそ、サイバー攻撃特別捜査対応専門機動部隊、久谷支部へ。磯部重人くん、君は今日からナンバー08だ。我々の一番新しい仲間として認められた」
壁の向こうには、地下へと続く階段が収納されていた。
その細いらせん階段を下りると、上のコンビニとは桁違いの空間が広がっている。
壁一面に設置されたディスプレイには、街中の至る所に設置された久谷支部管轄の監視カメラ映像が流れている。
大通りはもちろんのこと、住宅街から公共施設、水道局や公園、学校にいたるまで、余すことなく全てを撮影していた。
「貴様か。俺のセキュリティ突破最短記録を脅かそうとしていたのは」
竹内秀樹、28歳、ナンバー05。
俺と年齢だけは同じらしい。
黒縁のめがねに長く伸びた前髪が目元まで覆い尽くそうとしている。
ほっそりとした体つきだが、太い骨格に無駄のない筋肉がしっかりと備え付けられていた。
きゃしゃなように見えて優れた体幹の持ち主だということは、見る人がみれば分かるだろう。
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