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第6章
第2話
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「だ、大丈夫よ、みんな。グレグの狙いは私だけだもの。他の人を傷つけたりなんか、決してしないわ」
「保証はございますの?」
エレナは青白い顔をしたまま、ブルブルと体を小刻みに震わせている。
「そ、それは……」
「ドットさまはどこ? あの方がいなければ、とてもじゃないけど、こんなところでじっとなんかしていられませんわ。ドットさまでないと、グレグに太刀打ち出来ないのでしょう? ドットさまもいらっしゃるからと、今回の話を渋々お受けしたのに……」
エレナがさっきから落ち着きなく周囲を見渡していたのは、そういうことだったのか。
ローラは手袋をした手がどうしても震えてしまうのを誤魔化すように、拳を強くぎゅっと握りしめている。
「恐ろしいことですわ。ウィンフレッドさまはご存じないかも知れませんが、お誕生日が過ぎるまで、城から遠く離れ避難する方も増えておりますのよ」
「そんな!」
いつもは自信たっぷりで、そのおごり高ぶった様子がたまに鼻につくようなヘイドンまで、イライラしていた。
「もういい。さっさと終わらせて、早く帰ろうぜ。見ろよ。今日ここに集められた踊り子たちだって、可哀想にみんな怖がってるじゃないか」
「ご、ごめんなさい。私の我が儘に付き合わせて……」
いつも悠然と落ち着き払っている騎士のロッティまで、飲み干したカップを乱暴にソーサーの上に落とした。
「ほら。これさえ終われば、俺たちは自由なんだ。さっさと踊れ」
彼の言葉を合図に、ヘイドンは急かすようにパンパンと手を叩いた。
用意されていた簡単な舞台の上に、ガタガタと震えながらパンタニウムの花を持った踊り子たちがぎこちなく登場する。
楽団員は、いつもなら二十人はいるはずなのに、たった二人のバイオリニストだけだ。
パレードで優秀賞に選ばれたチームからの選抜者とはとても思えないほど、彼女たちの動きは固い。
出来の悪いカラクリ人形を見ているようだ。
4人の踊り子のうち、一人は足をもつらせて転び、もう一人は両手に持っていた花束まで落としてしまった。
彼女たちの笑顔は、とてつもなく引きつっている。
「も、もういいわ。風も出てきたし、今日は少し肌寒いわね」
よく晴れたパンタニウムの花祭りの晴天の下で、風もないお茶会日よりのテーブルには、暖かな日の光があふれていた。
「私も久しぶりの外出で、少し疲れたみたい。ずっと籠もっていたので、体力が落ちてしまったのかもね。もういいわ。今日はお開きにしましょう」
そう言ったとたん、テーブルに座る3人だけでなく、周囲をズラリと取り囲む過剰過ぎる護衛たちからも、ほっと安堵のため息が漏れる。
エレナは広げた扇をせわしなく小刻みに煽いだ。
「そ、そうですわよ、ウィンフレッドさま。今は我慢なさるのが、あなたのためにも一番大切なこと。グレグなどに負けてなるものですか」
普段はあまり仲のよくないヘイドンとロッティまで、口を揃える。
「大切な王女さまを守るのが、我々の勤めです。そうだよな、ロッティ」
「あぁ。珍しくヘイドンの言う通りだ。今は敵を知り、備える時です」
ローラは冷えているはずのない肩をぎゅっと抱きしめた。
「なんだか私も、体が冷たくなってきましたわ。そろそろお暇させていただきます」
そこからの動きは速かった。
誰もが一言も口を利かぬまま、あっという間に片付けが終わってしまった。
いつもは名残惜しそうに話を長引かせたり、彼らがまだ入ったことのない王宮の客間を案内してほしいなどと言って、こちらがうんざりするほど長く居座っていたのに……。
私はまっすぐ顔を上げ、毅然とテーブルから立ち上がる。
それを見た一同は、慌てて立ち上がり姿勢を正した。
「本日は私のためにお集まりくださり、大変感謝しております。今後とも、よき縁が我々にありますよう」
「ウィンフレッド・ソラレシア・ユール・ド・ベール・ラドゥーヌさまの名の元に」
皆の声が一つになって響き渡る。
私はニコッと微笑んで見せてから、前を向いて歩く。
私の姿が見えなくなったとたん、彼らは逃げるように王宮から出てゆくのだろう。
侍女たちを引き連れ、塔に戻るため宮殿の中を歩く。
私の後ろに付き従うこの兵士や侍女たちも、本当は私に仕えたいとは思っていないのだろうか。
今すぐにでも、安全な場所に避難したいと思ってる?
私だって、彼らに危害を加えるようなことはしたくないし、させようとも思わない。
「おや。ウィンフレッドさま。お茶会はどうしたのですか?」
塔への入り口で、ドットと鉢合わせた。
彼は胸に手を当て小さくうつむき、王女である私に丁寧な礼節を示す。
「仕事で少し遅れましたが、これからお茶会に顔を出そうと思っておりましたのに」
「いいのよドット。ずっと閉じこもっていたから、私の体力が落ちてしまったみたい。体も冷えるし、早めにお開きにしてもらったの」
「体調が悪いのですか? それではすぐに薬師を……」
真剣な顔をして、本当に心配してくれる白銀の魔法使いに、にっこりと微笑む。
私はここに居る誰も傷つけたくない。
「ウソ。実は昨日の夜、ドットの持って来てくれた本がとっても面白くて、つい夜更かしをしてしまったの。眠くて仕方ないから、さっさと戻って来ちゃったわ」
「ですが、今日のお茶会をあれほど楽しみに……」
「来てくれたみんなには、とても申し訳ないことをしてしまったわね。後でお詫びの品を贈っておいてちょうだい」
「それはかまいませんが……」
鍛え上げられた微笑みを浮かべ、その場を後にする。
立ち去ろうとした私を、すぐに彼は呼び止めた。
「ウィンフレッドさま。少しいいですか」
「なあに?」
振り返ると、彼は白い法衣を翻しサッと跪く。
後ろに控える魔法師たちも、同じように跪いた。
彼は私の手を取ると、そこにそっと口づけをする。
「ウィンフレッドさまが、元気になられるよう魔法をおかけました。どうか今夜は、心穏やかにゆっくりとお休みください。きっとよい夢が見られます」
「ありがとう」
高い高い塔の先端に続く、長い長い階段を上る。
今日をどれだけ楽しみにしていたのか、ドットは知っている。
やっと外に出られたのに、すぐに戻らなくてはならないのか。
あの小さくて狭い部屋は、どれだけ快適に過ごせるよう整えてもらっても、誰もいない。
一人孤独に耐える時間がこんなにも長くて辛くて、外に出れば一瞬でもそれを忘れられると思っていたのに、いざ部屋の外に出てみれば孤独は深まるばかりだった。
こんなことなら、出て行かなければよかった。
ずっとここに居れば、誰も私を邪魔にしない。
誰にも嫌われず、疎まれずにいられるのなら、もう一生ここにいたっていい!
私を閉じ込める高い塔のてっぺんにたどり着くと、重い木の扉が開かれた。
いつの間にかこの場所が、私の唯一の居場所になってしまっている。
「もう下がっていいわ。明日の朝まで、一人にしてちょうだい」
扉が閉まった瞬間、抑えていた涙があふれ出した。
自分のどこに、こんなにも流れる涙があったのかと思うほど、後から後から湧き出してくる。
こんなところに、閉じ込められたくなかった。
だけど、一度閉じこもってしまった以上、もう外には出られない。
このままグレグのものになってしまうのなら、いっそ身を投げてしまえば……。
「保証はございますの?」
エレナは青白い顔をしたまま、ブルブルと体を小刻みに震わせている。
「そ、それは……」
「ドットさまはどこ? あの方がいなければ、とてもじゃないけど、こんなところでじっとなんかしていられませんわ。ドットさまでないと、グレグに太刀打ち出来ないのでしょう? ドットさまもいらっしゃるからと、今回の話を渋々お受けしたのに……」
エレナがさっきから落ち着きなく周囲を見渡していたのは、そういうことだったのか。
ローラは手袋をした手がどうしても震えてしまうのを誤魔化すように、拳を強くぎゅっと握りしめている。
「恐ろしいことですわ。ウィンフレッドさまはご存じないかも知れませんが、お誕生日が過ぎるまで、城から遠く離れ避難する方も増えておりますのよ」
「そんな!」
いつもは自信たっぷりで、そのおごり高ぶった様子がたまに鼻につくようなヘイドンまで、イライラしていた。
「もういい。さっさと終わらせて、早く帰ろうぜ。見ろよ。今日ここに集められた踊り子たちだって、可哀想にみんな怖がってるじゃないか」
「ご、ごめんなさい。私の我が儘に付き合わせて……」
いつも悠然と落ち着き払っている騎士のロッティまで、飲み干したカップを乱暴にソーサーの上に落とした。
「ほら。これさえ終われば、俺たちは自由なんだ。さっさと踊れ」
彼の言葉を合図に、ヘイドンは急かすようにパンパンと手を叩いた。
用意されていた簡単な舞台の上に、ガタガタと震えながらパンタニウムの花を持った踊り子たちがぎこちなく登場する。
楽団員は、いつもなら二十人はいるはずなのに、たった二人のバイオリニストだけだ。
パレードで優秀賞に選ばれたチームからの選抜者とはとても思えないほど、彼女たちの動きは固い。
出来の悪いカラクリ人形を見ているようだ。
4人の踊り子のうち、一人は足をもつらせて転び、もう一人は両手に持っていた花束まで落としてしまった。
彼女たちの笑顔は、とてつもなく引きつっている。
「も、もういいわ。風も出てきたし、今日は少し肌寒いわね」
よく晴れたパンタニウムの花祭りの晴天の下で、風もないお茶会日よりのテーブルには、暖かな日の光があふれていた。
「私も久しぶりの外出で、少し疲れたみたい。ずっと籠もっていたので、体力が落ちてしまったのかもね。もういいわ。今日はお開きにしましょう」
そう言ったとたん、テーブルに座る3人だけでなく、周囲をズラリと取り囲む過剰過ぎる護衛たちからも、ほっと安堵のため息が漏れる。
エレナは広げた扇をせわしなく小刻みに煽いだ。
「そ、そうですわよ、ウィンフレッドさま。今は我慢なさるのが、あなたのためにも一番大切なこと。グレグなどに負けてなるものですか」
普段はあまり仲のよくないヘイドンとロッティまで、口を揃える。
「大切な王女さまを守るのが、我々の勤めです。そうだよな、ロッティ」
「あぁ。珍しくヘイドンの言う通りだ。今は敵を知り、備える時です」
ローラは冷えているはずのない肩をぎゅっと抱きしめた。
「なんだか私も、体が冷たくなってきましたわ。そろそろお暇させていただきます」
そこからの動きは速かった。
誰もが一言も口を利かぬまま、あっという間に片付けが終わってしまった。
いつもは名残惜しそうに話を長引かせたり、彼らがまだ入ったことのない王宮の客間を案内してほしいなどと言って、こちらがうんざりするほど長く居座っていたのに……。
私はまっすぐ顔を上げ、毅然とテーブルから立ち上がる。
それを見た一同は、慌てて立ち上がり姿勢を正した。
「本日は私のためにお集まりくださり、大変感謝しております。今後とも、よき縁が我々にありますよう」
「ウィンフレッド・ソラレシア・ユール・ド・ベール・ラドゥーヌさまの名の元に」
皆の声が一つになって響き渡る。
私はニコッと微笑んで見せてから、前を向いて歩く。
私の姿が見えなくなったとたん、彼らは逃げるように王宮から出てゆくのだろう。
侍女たちを引き連れ、塔に戻るため宮殿の中を歩く。
私の後ろに付き従うこの兵士や侍女たちも、本当は私に仕えたいとは思っていないのだろうか。
今すぐにでも、安全な場所に避難したいと思ってる?
私だって、彼らに危害を加えるようなことはしたくないし、させようとも思わない。
「おや。ウィンフレッドさま。お茶会はどうしたのですか?」
塔への入り口で、ドットと鉢合わせた。
彼は胸に手を当て小さくうつむき、王女である私に丁寧な礼節を示す。
「仕事で少し遅れましたが、これからお茶会に顔を出そうと思っておりましたのに」
「いいのよドット。ずっと閉じこもっていたから、私の体力が落ちてしまったみたい。体も冷えるし、早めにお開きにしてもらったの」
「体調が悪いのですか? それではすぐに薬師を……」
真剣な顔をして、本当に心配してくれる白銀の魔法使いに、にっこりと微笑む。
私はここに居る誰も傷つけたくない。
「ウソ。実は昨日の夜、ドットの持って来てくれた本がとっても面白くて、つい夜更かしをしてしまったの。眠くて仕方ないから、さっさと戻って来ちゃったわ」
「ですが、今日のお茶会をあれほど楽しみに……」
「来てくれたみんなには、とても申し訳ないことをしてしまったわね。後でお詫びの品を贈っておいてちょうだい」
「それはかまいませんが……」
鍛え上げられた微笑みを浮かべ、その場を後にする。
立ち去ろうとした私を、すぐに彼は呼び止めた。
「ウィンフレッドさま。少しいいですか」
「なあに?」
振り返ると、彼は白い法衣を翻しサッと跪く。
後ろに控える魔法師たちも、同じように跪いた。
彼は私の手を取ると、そこにそっと口づけをする。
「ウィンフレッドさまが、元気になられるよう魔法をおかけました。どうか今夜は、心穏やかにゆっくりとお休みください。きっとよい夢が見られます」
「ありがとう」
高い高い塔の先端に続く、長い長い階段を上る。
今日をどれだけ楽しみにしていたのか、ドットは知っている。
やっと外に出られたのに、すぐに戻らなくてはならないのか。
あの小さくて狭い部屋は、どれだけ快適に過ごせるよう整えてもらっても、誰もいない。
一人孤独に耐える時間がこんなにも長くて辛くて、外に出れば一瞬でもそれを忘れられると思っていたのに、いざ部屋の外に出てみれば孤独は深まるばかりだった。
こんなことなら、出て行かなければよかった。
ずっとここに居れば、誰も私を邪魔にしない。
誰にも嫌われず、疎まれずにいられるのなら、もう一生ここにいたっていい!
私を閉じ込める高い塔のてっぺんにたどり着くと、重い木の扉が開かれた。
いつの間にかこの場所が、私の唯一の居場所になってしまっている。
「もう下がっていいわ。明日の朝まで、一人にしてちょうだい」
扉が閉まった瞬間、抑えていた涙があふれ出した。
自分のどこに、こんなにも流れる涙があったのかと思うほど、後から後から湧き出してくる。
こんなところに、閉じ込められたくなかった。
だけど、一度閉じこもってしまった以上、もう外には出られない。
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