4 / 40
第1章
第4話
しおりを挟む
「おや? お嬢さん。そんなに見上げて、お気に召しました?」
「ううん。私はいらない。別にこんなのもらわなくても、ちゃんと黙ってるから。持って帰っていいよ」
「えぇ! どうしてですかぁ? 皆さん大変喜ばれますよ」
「いりません。べらべらしゃべったりしないので、さっさと持って帰ってください。逆に欲しくないくらいです」
「えー! だってめちゃくちゃありがたくないですか? こんな便利な道具なのに?」
「マジでいらない」
私は改めて、見た目は美少年、中身はおっさんな天使を見上げた。
「だって、こんなのウソだもん。こんな道具に頼って好きな人を自分のものにしようなんて、そんなの間違ってる」
「おや。お嬢さんは、好きな人を自分のものにしたいと思ったことがないんですか?」
「そもそも、私に好きな人なんていません。もしいたとしても、そんなの自分でなんとかします」
「はっは~ん。なるほどねぇ!」
小さな天使はヒラリと空中で一回転すると、自分の鼻先をくっつけんばかりに私に近づけた。
背中の翼をパタパタさせながら、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。
「分かってないなぁ、お嬢さん! あなた、恋したことないでしょ。ダメですよぉー。ちゃんと恋愛しなきゃ」
「そんなの、私の人生に必要ないです。てか、一生無縁なままだと思います」
「ふふん。僕、分かっちゃいましたねぇー。お嬢さんのダメなとこ。皆さん叶わぬ恋のお相手に振り向いてもらおうと、このスティックをお使いになるんですよ。恋の形も人それぞれ。ウソかマコトか、ご自分の目でお確かめくださぁーい!」
そう言うと、天使は翼マークの付いた『 は』のスティックを掴んだ。
急降下したかと思うと、目にもとまらぬ早業で、それを私の額にブスリと突き刺す。
「ちょっ、何すんのよ!」
冗談じゃない!
すぐに抜き取ろうと額に手をかざしたのに、自分ではそのスティックを見ることも触れることも出来ない。
「え。なんで? 消えた?」
「消えたな……」
一部始終を見ていた坂下くんがつぶやいた。
天使はパタパタと宙に浮かんだまま、ニヤニヤ笑っている。焦っているのは私だけだ。
「ねぇ取って! 今すぐ取ってよ!」
「まぁまぁ。人体に害があるものではないので、そんな心配しなくても大丈夫ですよぉ」
「いいから取って! いますぐ取って! つーか、さっさと取りなさいよ、このバカ天使!」
「おや。皆さん最初はそうおっしゃいますが、案外悪くはないものですよ? 百聞は一見にしかずですぅー」
空に浮かぶ天使を捕まえようとして思いっきりジャンプしたのに、ひょいと逃げられる。
どれだけ必死になって飛び上がっても、相手は空を飛んでいるのだから捕まえたくでも捕まえられない。
「ふざけないで! さっさとこのスティックを……」
その瞬間、目の前を大きな黒い影が横切った。
「ギヤァアア!!」
カラスのボスだ!
ボスは天使を自分のナワバリに入り込んだ鳥類の類いと思っているのか、鋭いくちばしとかぎ爪でバタバタと執拗に攻撃を繰り返す。
「おいコラやめろ!」
天使の体が、宙に止まっていた翼マークのスティックにぶつかった。
永遠に留まり続けると思われたそれが、ポロリとこぼれ落ちる。
『 を好きになる』という文字の書かれたそれは、一直線に急降下を始めた。
「危ないっ!」
それはポカリと口を開けて突っ立っていた、坂下くんの額にプスリと突き刺さる。
「えぇーっ!!」
彼に刺さったスティックは、キラリと一瞬の輝きを放つと、ふっと視界から消えた。
「な、なんで……」
「うわ。マジか」
彼はやっぱり表情の乏しいまんまで、自分の額を撫でている。
「ちょ、なんで避けないのよ!!」
「いや、無理でしょ」
愕然とその場に座り込む。
ちょっと待って。
私、この顔だけはいい冷徹鉄仮面のことが、好きになっちゃうの?
当の本人はこの状況にあっても、その涼しげな顔を一切崩すことなく、平然と刺さったところを撫でている。
「このクソ天使! いい加減にして!」
いまだ地面にのたうち回って格闘を続ける白と黒の塊に、私は飛びかかった。
一人と一羽はパッと空へ舞い上がる。
「ちょっと待ちなさいよ! このスティック、どうにかして!」
「はーい。お邪魔しましたぁ! 後はご自身で何とかしてくださーい。こっちのことはお気遣いなくぅー!」
天使はカラスに追い立てられながら、あっという間に空の彼方へ姿を消した。
全身の気力が吸い取られていく。
自分に何が起こったのか全く理解が出来ないまま、その場にしゃがみ込んだ。
「うそ……。やだ、信じらんない……」
「あーぁ。いっちまったなぁ」
春のうららかな放課後の青空には、吹奏楽部のトランペットの音と、学校独自のランニングの掛け声が響いている。
恐る恐る見上げると、坂下くんと目が合った。
「……。で、なんか変化あった?」
「別にないよ。そっちは?」
「特にないね」
はい。嘘です。
私はたった今、ウソをつきました。
スティックが刺さったその瞬間から、色白で背の高い彼が、キラキラと虹色のオーラを纏い輝いて見えてます。
大きな手に伸びた細長い指がピクリと動くだけで、オーケストラの指揮棒に踊らされるように胸の鼓動が飛び跳ねてます。
振り向いた微かな風圧からの芳香にも、息が止まりそう。
最高難易度の間違い探しくらい変化のない無表情が、愛嬌たっぷりに見えて仕方がない。
どうしてこんな愛しい造形を保ったままキープ出来るんだろう。
信じられない。
この世の全てに感謝だわ。
「ホントに大丈夫なの?」
私の異変に気づいたのか、彼が顔をのぞき込んだ。
彫刻のように美しさをキープしたまま、一切崩れない表情でこっちを見ないでほしい。
目を合わせていられなくて、パッと顔を反らす。
「だ……、大丈夫、大丈夫! 何にも変わってないから。平気だし! ちょっとビックリしただけ。……。それで、坂下くんの方は?」
「別に何ともない。マジで」
彼はまだ空中に残るハートマークのスティックを見上げた。
天使が中途半端な位置に置いたせいで、その2本は簡単に手の届かないところで留まっている。
「なんだ。じゃあこのスティックの効果って、ウソなんだ。まぁそうだよな。あんな胡散臭い天使、誰が信じるかっての」
自分の心臓の音がうるさい。
だって、こんな状況で私が彼のことを好きってバレるのって、ちょっとズルくない?
緊張で全身がカチコチに固まってしまっている。
変な汗が後から後から出てくるのは、気のせいなんかじゃない。
こんなの絶対、健康寿命によろしくないって!
「美羽音―!」
渡り廊下奥の校舎から、絢奈が駆け寄ってきた。
「落としたイヤホン、見つかったよぉ~!」
半泣き状態で現れた彼女には、この不自然に浮かぶスティックが目に入らないらしい。
「ごめんね。美羽音。探してくれてありがとう!」
「ううん。それはいいんだけど……」
坂下くんを見上げる。
このスティック、私たち二人にしか見えてない?
これはこのままスルーしておいた方がよさそうだと、暗黙の了解で確認した彼は、涼やかな顔に洗練された笑みを浮かべた。
「じゃ。俺はこれで」
か、カッコい~い!
軽く片手を上げ、背を向ける仕草さえ色っぽい。
もういっそこのまま、アイドルデビューした方がいいんじゃない?
絶対にワールドツアーも夢じゃないって!
「ねぇ美羽音。大丈夫なの? 坂下くんになんかされた?」
「え? なんかって、なに?」
もう心がメロメロに溶かされてる。
頭の中がカーッと熱くて仕方がない。
この目はもう、彼しか映さない。
映したくない。
どうにでもしてくれって言いたいけど、そういうワケにもいかない。
「……。え? されてない。されてないよ」
絢奈には心配かけたくないから、そこは冷静に判断して誤魔化しておく。
「そう。ならいいんだけど。なんか坂下くんたちって怖いよね。優秀すぎるっていうか出来すぎるっていうか真面目すぎて、うちらとは世界が全然違う感じ。美羽音もいつもそう言ってたよね」
「うん。本当にそう」
手の届かない人だから、余計に欲しくなっちゃうのは、もしかして憧れってやつ?
絢奈はまだ心配そうに私をのぞき込む。
そっか。
私の外見、藪に無理矢理飛び込んだせいで、ボロボロだった。
だから誤解したのかな。
彼女に申し訳なく思いながらも、乱れた制服のスカートを何となく整え、大丈夫だからともう一度満面の笑みを浮かべる。
「うちらも帰ろっか」
「そうだね」
いつものように二人で並んで、永遠にしゃべりながら駅までの道のりを歩いた。
放課後の学校は、やっぱり事件であふれていた。
私はいつものように絢奈の話に耳を傾け、ぎゃあぎゃあ笑いながらも、心はずっと違うことを想い続けていた。
「ううん。私はいらない。別にこんなのもらわなくても、ちゃんと黙ってるから。持って帰っていいよ」
「えぇ! どうしてですかぁ? 皆さん大変喜ばれますよ」
「いりません。べらべらしゃべったりしないので、さっさと持って帰ってください。逆に欲しくないくらいです」
「えー! だってめちゃくちゃありがたくないですか? こんな便利な道具なのに?」
「マジでいらない」
私は改めて、見た目は美少年、中身はおっさんな天使を見上げた。
「だって、こんなのウソだもん。こんな道具に頼って好きな人を自分のものにしようなんて、そんなの間違ってる」
「おや。お嬢さんは、好きな人を自分のものにしたいと思ったことがないんですか?」
「そもそも、私に好きな人なんていません。もしいたとしても、そんなの自分でなんとかします」
「はっは~ん。なるほどねぇ!」
小さな天使はヒラリと空中で一回転すると、自分の鼻先をくっつけんばかりに私に近づけた。
背中の翼をパタパタさせながら、ニヤリと意地悪な笑みを浮かべる。
「分かってないなぁ、お嬢さん! あなた、恋したことないでしょ。ダメですよぉー。ちゃんと恋愛しなきゃ」
「そんなの、私の人生に必要ないです。てか、一生無縁なままだと思います」
「ふふん。僕、分かっちゃいましたねぇー。お嬢さんのダメなとこ。皆さん叶わぬ恋のお相手に振り向いてもらおうと、このスティックをお使いになるんですよ。恋の形も人それぞれ。ウソかマコトか、ご自分の目でお確かめくださぁーい!」
そう言うと、天使は翼マークの付いた『 は』のスティックを掴んだ。
急降下したかと思うと、目にもとまらぬ早業で、それを私の額にブスリと突き刺す。
「ちょっ、何すんのよ!」
冗談じゃない!
すぐに抜き取ろうと額に手をかざしたのに、自分ではそのスティックを見ることも触れることも出来ない。
「え。なんで? 消えた?」
「消えたな……」
一部始終を見ていた坂下くんがつぶやいた。
天使はパタパタと宙に浮かんだまま、ニヤニヤ笑っている。焦っているのは私だけだ。
「ねぇ取って! 今すぐ取ってよ!」
「まぁまぁ。人体に害があるものではないので、そんな心配しなくても大丈夫ですよぉ」
「いいから取って! いますぐ取って! つーか、さっさと取りなさいよ、このバカ天使!」
「おや。皆さん最初はそうおっしゃいますが、案外悪くはないものですよ? 百聞は一見にしかずですぅー」
空に浮かぶ天使を捕まえようとして思いっきりジャンプしたのに、ひょいと逃げられる。
どれだけ必死になって飛び上がっても、相手は空を飛んでいるのだから捕まえたくでも捕まえられない。
「ふざけないで! さっさとこのスティックを……」
その瞬間、目の前を大きな黒い影が横切った。
「ギヤァアア!!」
カラスのボスだ!
ボスは天使を自分のナワバリに入り込んだ鳥類の類いと思っているのか、鋭いくちばしとかぎ爪でバタバタと執拗に攻撃を繰り返す。
「おいコラやめろ!」
天使の体が、宙に止まっていた翼マークのスティックにぶつかった。
永遠に留まり続けると思われたそれが、ポロリとこぼれ落ちる。
『 を好きになる』という文字の書かれたそれは、一直線に急降下を始めた。
「危ないっ!」
それはポカリと口を開けて突っ立っていた、坂下くんの額にプスリと突き刺さる。
「えぇーっ!!」
彼に刺さったスティックは、キラリと一瞬の輝きを放つと、ふっと視界から消えた。
「な、なんで……」
「うわ。マジか」
彼はやっぱり表情の乏しいまんまで、自分の額を撫でている。
「ちょ、なんで避けないのよ!!」
「いや、無理でしょ」
愕然とその場に座り込む。
ちょっと待って。
私、この顔だけはいい冷徹鉄仮面のことが、好きになっちゃうの?
当の本人はこの状況にあっても、その涼しげな顔を一切崩すことなく、平然と刺さったところを撫でている。
「このクソ天使! いい加減にして!」
いまだ地面にのたうち回って格闘を続ける白と黒の塊に、私は飛びかかった。
一人と一羽はパッと空へ舞い上がる。
「ちょっと待ちなさいよ! このスティック、どうにかして!」
「はーい。お邪魔しましたぁ! 後はご自身で何とかしてくださーい。こっちのことはお気遣いなくぅー!」
天使はカラスに追い立てられながら、あっという間に空の彼方へ姿を消した。
全身の気力が吸い取られていく。
自分に何が起こったのか全く理解が出来ないまま、その場にしゃがみ込んだ。
「うそ……。やだ、信じらんない……」
「あーぁ。いっちまったなぁ」
春のうららかな放課後の青空には、吹奏楽部のトランペットの音と、学校独自のランニングの掛け声が響いている。
恐る恐る見上げると、坂下くんと目が合った。
「……。で、なんか変化あった?」
「別にないよ。そっちは?」
「特にないね」
はい。嘘です。
私はたった今、ウソをつきました。
スティックが刺さったその瞬間から、色白で背の高い彼が、キラキラと虹色のオーラを纏い輝いて見えてます。
大きな手に伸びた細長い指がピクリと動くだけで、オーケストラの指揮棒に踊らされるように胸の鼓動が飛び跳ねてます。
振り向いた微かな風圧からの芳香にも、息が止まりそう。
最高難易度の間違い探しくらい変化のない無表情が、愛嬌たっぷりに見えて仕方がない。
どうしてこんな愛しい造形を保ったままキープ出来るんだろう。
信じられない。
この世の全てに感謝だわ。
「ホントに大丈夫なの?」
私の異変に気づいたのか、彼が顔をのぞき込んだ。
彫刻のように美しさをキープしたまま、一切崩れない表情でこっちを見ないでほしい。
目を合わせていられなくて、パッと顔を反らす。
「だ……、大丈夫、大丈夫! 何にも変わってないから。平気だし! ちょっとビックリしただけ。……。それで、坂下くんの方は?」
「別に何ともない。マジで」
彼はまだ空中に残るハートマークのスティックを見上げた。
天使が中途半端な位置に置いたせいで、その2本は簡単に手の届かないところで留まっている。
「なんだ。じゃあこのスティックの効果って、ウソなんだ。まぁそうだよな。あんな胡散臭い天使、誰が信じるかっての」
自分の心臓の音がうるさい。
だって、こんな状況で私が彼のことを好きってバレるのって、ちょっとズルくない?
緊張で全身がカチコチに固まってしまっている。
変な汗が後から後から出てくるのは、気のせいなんかじゃない。
こんなの絶対、健康寿命によろしくないって!
「美羽音―!」
渡り廊下奥の校舎から、絢奈が駆け寄ってきた。
「落としたイヤホン、見つかったよぉ~!」
半泣き状態で現れた彼女には、この不自然に浮かぶスティックが目に入らないらしい。
「ごめんね。美羽音。探してくれてありがとう!」
「ううん。それはいいんだけど……」
坂下くんを見上げる。
このスティック、私たち二人にしか見えてない?
これはこのままスルーしておいた方がよさそうだと、暗黙の了解で確認した彼は、涼やかな顔に洗練された笑みを浮かべた。
「じゃ。俺はこれで」
か、カッコい~い!
軽く片手を上げ、背を向ける仕草さえ色っぽい。
もういっそこのまま、アイドルデビューした方がいいんじゃない?
絶対にワールドツアーも夢じゃないって!
「ねぇ美羽音。大丈夫なの? 坂下くんになんかされた?」
「え? なんかって、なに?」
もう心がメロメロに溶かされてる。
頭の中がカーッと熱くて仕方がない。
この目はもう、彼しか映さない。
映したくない。
どうにでもしてくれって言いたいけど、そういうワケにもいかない。
「……。え? されてない。されてないよ」
絢奈には心配かけたくないから、そこは冷静に判断して誤魔化しておく。
「そう。ならいいんだけど。なんか坂下くんたちって怖いよね。優秀すぎるっていうか出来すぎるっていうか真面目すぎて、うちらとは世界が全然違う感じ。美羽音もいつもそう言ってたよね」
「うん。本当にそう」
手の届かない人だから、余計に欲しくなっちゃうのは、もしかして憧れってやつ?
絢奈はまだ心配そうに私をのぞき込む。
そっか。
私の外見、藪に無理矢理飛び込んだせいで、ボロボロだった。
だから誤解したのかな。
彼女に申し訳なく思いながらも、乱れた制服のスカートを何となく整え、大丈夫だからともう一度満面の笑みを浮かべる。
「うちらも帰ろっか」
「そうだね」
いつものように二人で並んで、永遠にしゃべりながら駅までの道のりを歩いた。
放課後の学校は、やっぱり事件であふれていた。
私はいつものように絢奈の話に耳を傾け、ぎゃあぎゃあ笑いながらも、心はずっと違うことを想い続けていた。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
命を狙われたお飾り妃の最後の願い
幌あきら
恋愛
【異世界恋愛・ざまぁ系・ハピエン】
重要な式典の真っ最中、いきなりシャンデリアが落ちた――。狙われたのは王妃イベリナ。
イベリナ妃の命を狙ったのは、国王の愛人ジャスミンだった。
短め連載・完結まで予約済みです。設定ゆるいです。
『ベビ待ち』の女性の心情がでてきます。『逆マタハラ』などの表現もあります。苦手な方はお控えください、すみません。
とまどいの花嫁は、夫から逃げられない
椎名さえら
恋愛
エラは、親が決めた婚約者からずっと冷淡に扱われ
初夜、夫は愛人の家へと行った。
戦争が起こり、夫は戦地へと赴いた。
「無事に戻ってきたら、お前とは離婚する」
と言い置いて。
やっと戦争が終わった後、エラのもとへ戻ってきた夫に
彼女は強い違和感を感じる。
夫はすっかり改心し、エラとは離婚しないと言い張り
突然彼女を溺愛し始めたからだ
______________________
✴︎舞台のイメージはイギリス近代(ゆるゆる設定)
✴︎誤字脱字は優しくスルーしていただけると幸いです
✴︎なろうさんにも投稿しています
私の勝手なBGMは、懐かしすぎるけど鬼束ちひろ『月光』←名曲すぎ
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
いつか彼女を手に入れる日まで
月山 歩
恋愛
伯爵令嬢の私は、婚約者の邸に馬車で向かっている途中で、馬車が転倒する事故に遭い、治療院に運ばれる。医師に良くなったとしても、足を引きずるようになると言われてしまい、傷物になったからと、格下の私は一方的に婚約破棄される。私はこの先誰かと結婚できるのだろうか?
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
根暗令嬢の華麗なる転身
しろねこ。
恋愛
「来なきゃよかったな」
ミューズは茶会が嫌いだった。
茶会デビューを果たしたものの、人から不細工と言われたショックから笑顔になれず、しまいには根暗令嬢と陰で呼ばれるようになった。
公爵家の次女に産まれ、キレイな母と実直な父、優しい姉に囲まれ幸せに暮らしていた。
何不自由なく、暮らしていた。
家族からも愛されて育った。
それを壊したのは悪意ある言葉。
「あんな不細工な令嬢見たことない」
それなのに今回の茶会だけは断れなかった。
父から絶対に参加してほしいという言われた茶会は特別で、第一王子と第二王子が来るものだ。
婚約者選びのものとして。
国王直々の声掛けに娘思いの父も断れず…
応援して頂けると嬉しいです(*´ω`*)
ハピエン大好き、完全自己満、ご都合主義の作者による作品です。
同名主人公にてアナザーワールド的に別な作品も書いています。
立場や環境が違えども、幸せになって欲しいという思いで作品を書いています。
一部リンクしてるところもあり、他作品を見て頂ければよりキャラへの理解が深まって楽しいかと思います。
描写的なものに不安があるため、お気をつけ下さい。
ゆるりとお楽しみください。
こちら小説家になろうさん、カクヨムさんにも投稿させてもらっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる