夜明け前

雨宮 るり

文字の大きさ
上 下
3 / 4

再会

しおりを挟む



 結局、何も解決策が思いつかなかったので俺は舞白が見せてくれるのを祈ることにした。巣作りをしているってことは発情期ヒートに入っているのだろう。
 舞白のヒートは重くも軽くもないらしいが自分で自覚するのはヒート中のなかでピークの時。一番辛い時に急に襲いかかる。
 だからなのか匂いも少し濃くなったかな?ってくらいで気づきにくい。というのを俺は今回ので確信を得た。


「はぁ~舞白~。見せて欲しい」


 一人仕事部屋でこぼす。だって舞白は何らかの理由で俺に見せたくないから、自分の部屋に作っているのだろう。それを考えると俺から見せてと頼みずらい。
 ふと時計の針を見るとお昼をさしていたので俺は舞白が好きなカレーを作ることにした。今日は波に乗って集中しているみたいなのでちょっと手の凝ったカレーを作れるだろう。



 ────────────────



 そうして俺は舞白にキスをしたり撫でたりハグしたりと沢山の愛情を伝えていると夜になった。お風呂に誘ったけど舞白は恥ずかしいと言って、先に入ってしまい一緒に入ってくれなかった。残念
 一人寂しくお風呂に入りリビングに戻るといつも居るはずの舞白はどこにもいなくて外に出た様子もない。トレイでも俺の自室、寝室にもいなかった。
 残った部屋は舞白の自室。俺の入れない部屋だった。扉に近づくと物音と一緒に甘い香りが部屋の中からする

 あぁ~今すぐこの扉を開けて舞白を抱きしめたい。そんなことしないけど。匂いもリビングまで届いてたからもう少しでピークを迎えるのだろう。呼ばれるのを待とう
 そう思った俺は舞白が出てくるまで仕事をしてようとリビングに戻った。



 
「、、、っはぁ、しずく」

「?!舞白っ?」


 舞白に呼ばれたのでパソコンから顔を上げるとそこには何ともえっちな舞白の姿があった。頬を上気させて艶っぽい息を吐き出し俺のシャツを着て、可愛い生足をさらけ出している。パンツは履いているのだろうか、、、オーバーサイズのせいで分からない。でも、えっちくてかわっ!!


「舞白、大丈夫?」


 立ち上がり、パソコンをその場に残して舞白の傍まで行き抱きしめた。フェロモンの匂いになんとか勝ち、理性を保たせる


「あぅ、雫、、、ひーと、きちゃった」


 とろとろの顔で俺を見上げる舞白は可愛かった。目が涙でうるうるしているのもそうだしもちもちのほっぺは真っ赤になっていてもう全てが可愛かった


「うん、ベッドに行こう?舞白」


 そう言って舞白を抱き上げると、舞白も首に腕を回してくれる。舞白の艶やかな吐息に耳を傾けていると


「やだぁ」


 そう一言。予想外の言葉に俺は言葉が喉につっかえて体は一ミリも動かせなかった

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

愉快な生活

白鳩 唯斗
BL
王道学園で風紀副委員長を務める主人公のお話。

ヤクザに囚われて

BL
友達の借金のカタに売られてなんやかんやされちゃうお話です

最強不良は名門学園の生徒会長様

BL
荒れまくっている地域、宇槍(たかやり)町。政府も警察も黙認しているこの地域は全国の無法者達が集まる場所になってしまった そんな宇槍の主と言われている男がいた。圧倒的な強さとカリスマ性を持った男、降谷雪兎 どんな無法者でも魅了してしまう雪兎はある種の問題児が揃う学園へと入学することに!? 「だって、一応16だし?」 「兄貴!!行かないでくれ!!」 「無理だな」 さてさて、どうなることやら

学園の支配者

白鳩 唯斗
BL
主人公の性格に難ありです。

真冬の痛悔

白鳩 唯斗
BL
 闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。  ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。  主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。  むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

変態高校生♂〜俺、親友やめます!〜

ゆきみまんじゅう
BL
学校中の男子たちから、俺、狙われちゃいます!? ※この小説は『変態村♂〜俺、やられます!〜』の続編です。 いろいろあって、何とか村から脱出できた翔馬。 しかしまだ問題が残っていた。 その問題を解決しようとした結果、学校中の男子たちに身体を狙われてしまう事に。 果たして翔馬は、無事、平穏を取り戻せるのか? また、恋の行方は如何に。

美人に告白されたがまたいつもの嫌がらせかと思ったので適当にOKした

亜桜黄身
BL
俺の学校では俺に付き合ってほしいと言う罰ゲームが流行ってる。 カースト底辺の卑屈くんがカースト頂点の強気ド美人敬語攻めと付き合う話。 (悪役モブ♀が出てきます) (他サイトに2021年〜掲載済)

【完結】義兄に十年片想いしているけれど、もう諦めます

夏ノ宮萄玄
BL
 オレには、親の再婚によってできた義兄がいる。彼に対しオレが長年抱き続けてきた想いとは。  ――どうしてオレは、この不毛な恋心を捨て去ることができないのだろう。  懊悩する義弟の桧理(かいり)に訪れた終わり。  義兄×義弟。美形で穏やかな社会人義兄と、つい先日まで高校生だった少しマイナス思考の義弟の話。短編小説です。

処理中です...