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第3章
第8話
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米蔵を精神科の病院に入院させ、さらにその中でも精神的に悪化させることできた。健吾の思惑通り、米蔵と瑞瑠は離婚した。瑞瑠は、健吾が大株主であり、社長をしている会社の社員である。健吾が社長に就任した日に、瑞瑠を秘書室に異動させた。その時は瑞瑠が独身だと思っていた。書類を見て独身ではないということが、分かっても健吾はあきらめようとは思わなかった。健吾には、無人島の洞窟から持ってきていた鏡があった。この鏡を使って、米蔵と瑞瑠を離婚させるための計画を成功させることができた。
これで毎日社長室に頻繁に出向くような仕事を与え、少しずつ自分の方に関心を持つようにさせるだけで良いと思った。それまで香風堂の社長でいようと思った。次期社長に交代させるのはそれからでもよいと思った。だから健吾には時間はたっぷりあると思っていた。
そう思っていた時に現れたのが進治であった。鏡によって自分の姿を人に見えなくすることによって、健吾は、瑞瑠の一部始終を見ていた。瑞瑠が会社で、進治と携帯の番号とメールアドレスを交換するのに気がついてから、瑞瑠を隈なく監視しようと思いたった。自分が写っている写真に人間の可聴範囲外の周波数を書いておけば、自分のたてる物音も聞かれないので、全く気づかれないで瑞瑠を監視することができる。
瑞瑠が進治と携帯番号とメールアドレスを交換した日の夜、瑞瑠の家に潜入した。瑞瑠が操作するスマホの画面を逐一見ていて、瑞瑠と進治がレストランで夕食を食べる約束をしたことを知った。煮えたぎるほどの嫉妬心が健吾の内に湧き上がった。米蔵と同じ目に遭わせてやろうと思った。
これで毎日社長室に頻繁に出向くような仕事を与え、少しずつ自分の方に関心を持つようにさせるだけで良いと思った。それまで香風堂の社長でいようと思った。次期社長に交代させるのはそれからでもよいと思った。だから健吾には時間はたっぷりあると思っていた。
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