たとえば僕が死んだら

草野 楓

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第三章:肉便器の恋

BURN OUT⑥

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「あっ、あひっ♡ いっ♡ イグゥッ!」
 亀頭とサオにピンクローターを装着されたチンポから、ザーメンが飛び散る。
「こら、なに勝手にイッてる!」
 すかさず飛んでくる鞭に、「うぐっ!」と床にひっくり返る。

「あーあ」
「お仕置き決定だな」
「おい、限界まで膨らませて抜いてやれ!」 
 客の要望を受けたピエロ男が、バルーンに空気を送り込む。
 
「うっ! くっ! くるしッ……! 死ぬッ! 死んじゃうッッッ!」
 のたうち回る椿のキンタマを、ふたたびハンブラーで固定するスタッフ。
 両手両足をまとめて麻縄で縛られ、からだを「く」の字に折り曲げた状態で、ぱっくり開いたケツ穴を晒される。

「うっ! うぅッ……!!!」

「これはすごい」
「よくもまぁここまで拡がったな」
「そのままの大きさで景気よく抜いてやれ!」
 ワインに酔った客たちが、「おまんこバルーン!」「おまんこバルーン!」とテーブルを叩いて合唱する。

「了解です。では――いきますね」
 ピエロ男が、尻穴から出たバルーンのコードを引っぱる。
 バルーンが押し出されるにつれ、メリメリと大きく盛り上がっていくケツ襞。

「おお、すごい吸いつきだ」
「おっ、少し出てきたぞ!」

「うっ、ぐっ、ぐぅっ! うぅ――――――ッッッ!!!!」
 巨大な黒いかたまりが頭をのぞかせる。

「いっ! いだっ! いだいっ! いだいようッッッ!!!!!」
 のけぞったとたん、金玉をハンブラーで締め付けられ、「ぐうっ!」と白目を剥く。

「ははっ、大きなかぶみたいだなぁ」
「それ! オーエス! オーエス!」

 くぱぁっ! と全開になった尻の奥から全体が現われ――

「「「せーのっ!」」」

 客全員が声を合わせて叫んだその瞬間、勢いよくバルーンが飛び出した。
 大砲のように吹っ飛んだバルーンの空気がシュルルルッと抜け、床に落ち、もとのディルドの大きさに戻っていく。
 小玉スイカほどの大きさまで開いた尻穴から、ブッ、ブブ――ッ! という大きなおならと、腸液があふれだす。
 さらにチンポから、ジョロロローと黄色い小便がこぼれ、「ひっ……あぅぅっ……!」と両手両足を縛られた不自由なからだを揺らし身悶える。

「きったないのぉ」
「チンポもおまんこもガバガバだ」

(うっ……うぅっ……!)

 涙と小便が混じって、口のなかに入る。

「こら。誰がションベンを漏らせといった」
 ピエロ男が、乗馬鞭のパドルで、椿のアナルをぐいっとめくる。
「あっ……ひっ……もっ、申し訳っ……ありませっ……!」
 開ききった尻穴から、ブピッ、ブピィッ、と湿った屁が漏れる。
「まったく慎みのないおまんこだ。もう少し品よくできないのか」
 パドルで尻穴の奥をツンツン突つかれ、
「もらした分は全部舐めろ。それからお客様の席まで行って、バルーンを出させていただいたお礼をいえ」
 と命じられる。

 尿をすべて舐め取ったあと、ハンブラーと縄とローターを外され、首に縄を巻かれ、罪人のように引っぱられて客席に下り、
「バ……バルーンを抜いていただき……ありがとうございました……!」
 テーブルを回り、四つんばいになって、自らの指で尻穴を抉じ開ける。
「ははっ、トマトみたいに真っ赤だな」
 尻穴を覗き込んだ客が、
「がんばったごほうびをやろう」
 フィルムケースほどの大きさのプラスチックケースを中にねじ込む。
 透明なケースのなかには、チップの札が折り畳んで入っていた。

「あっ、ありがとうございますうっ……!」
 ケツ穴をヒクヒクさせながら、床に頭をこすりつける。
 次のテーブルでも、同じようにチップをもらい、無様な全裸土下座で礼を言う。
 
 ステージに戻った椿は、用意されていた銀色のトレーを跨ぎ、
「で、では、みなさまいただいたチップ……こちらに出させていただきますっ♡」
 客に尻を向け、ひきつった笑顔で、「ふっ、ううっ、んっ!」とふんばる。
 尻穴から飛び出してきたケースが、トレーの上にカタンッ、と落ちる。
 まるで和式トイレでうんこをしているかのような格好に、

「ははっ、相変わらずみっともないのう」
「そんな格好してるとクソしたくなったんじゃないのか?」
「最後にもういちど浣腸してやろうか~?」
 客席から野次が飛ぶ。

 そのとき、
「おや――これは――」
 ビニール手袋を嵌めた手で、トレーに落ちたケースを拾い上げたピエロ男は、
「うんこがついてます」
 と顔をしかめる。
「あれだけ出させたのに。どれだけクソをため込んでいるんでしょうね」

 高々と掲げられたケースが、スクリーンに大映しになる。

「ほんとうだ」
「きったないのぉ」
「やっぱり浣腸させろ!」
「チップをあげた客に浣腸をさせるのはどうだ?」

 そして――――

 チップをあげた10人の客が、楽しそうにステージに上がる。
 ビニール手袋を嵌めた彼らの手に握られたいちじく浣腸。

 手を前に突き、大きく股を開いて排泄用の洗面ボウルを跨いだ椿の尻穴に、次々にひねりこまれていく浣腸。
 ひとつ入れられるごとに、
「クソだめケツマンコッ! きれいにしていただきっ、ありがとうございますぅッ!」
 と叫ばねばならない。
 

「まったく世話のやけるダメまんこめ」
 ニヤニヤと笑いながら、浣腸を突っ込む客。
「おい、『おかわり』はできるのか?」
「もちろんです」

 ふたつ、みっつ、と立て続けに入れていく客もおり、大量の浣腸液に椿の腹がボコボコ膨れあがる。

「おっ……! おぉ――――ッッ!!!」
 ギュル~! ギュルル~ッ! と稲妻のように鳴り響く腹の音。

「おっ! もっ……! 我慢できなひぃッ!」
 
 パクパクとひくつく尻穴から、ブボーッ! と腸液混じりの浣腸液が飛び出す。

「うっ!」
「相変わらずくっさいのぉ~」
「おい、クソ出すときはきちんと申告しろ!」

「アッ……うっ、うんこっ、出るッ! アッ! ザーメンもッ……でますぅっ……!」

 首の縄を締め上げられ、ボウルを跨いだ脚をガクガクさせながら、椿は倒錯した汁をまき散らした。


 
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