たとえば僕が死んだら

草野 楓

文字の大きさ
上 下
44 / 143
第二章:地下室の奴隷たち

奴隷たちの日常(椿編)③

しおりを挟む
 

 ――応接室にて。

 白いスーツの恰幅のいい男が、高級レザーのソファにふんぞり返っている。
 ブランド物のサングラスにボルサリーノハットというイタリアンマフィアのようないでたちのピエロ男。
 その正体は、スレイブショーの企画進行を務めるSMショーの興行師だった。
 奴隷をとことん苛め抜くサディストぶりで、業界ではちょっとした有名人だ。

「ははっ。傑作だな」

 赤ワインのグラスをくゆらしながら、ピエロ男は椿の姿を笑う。
「おまえのサイズに合わせて作らせた特注のスーツだからな。感謝しろよ」

「うっ……! うぅっ……!」

 いつもの奴隷ポーズで、手を頭の後ろで組み、股を開いた椿は、すさまじい羞恥にぎゅっと目をつむる。

 椿が身に着けさせられていたのは、頭の先から足首までぴっちり覆う黒のラバースーツ。
 フルマスクは、目と口と鼻の穴の部分だけ出ている。
 スーツは、性器の部分だけが、切り取られていた。

 丸く切り取られた小さな穴から飛び出した勃起乳首。
 タマ袋とチンポが丸見えの股間。
 丸みの強調されたタマ袋は、まるでタヌキの金玉のようだ。

「こいつのタマ袋もうパンパンっすよ」
 椿の全身に潤滑油を塗りたくり、ラバースーツに着替えさせたスタッフが、椿のキンタマを手のひらでタプタプさせる。
「オナ禁何日めだ?」
「前回のショーのあとからですから、ちょうど3日ですね」
「ふん。たいしたことないな」

 ワイングラスをガラステーブルに置き、立ち上がったピエロ男は、
「おまんこ、何もないとさびしいだろう」
 椿の手首に手錠を嵌めた。
 
「アッ……!?」
 怯える椿の眼前に突き付けられたのは、銀光りするメタル製のアナルフック。
 傘の持ち手のように丸く曲がった先端をアナルにねじ込まれ、
「ヒィ――――ッ……!」
 と絶叫する。

「うるせぇぞおまんこブタ野郎。これくらいガマンしろ」
 フックの丸い輪に鎖をつけ、その先端を手錠に連結させたピエロ男は、
「おまんこ体操の時間だ。手を頭の上まで持ち上げてスクワットしろ」
 と命じる。

「いっ、いだいっ……!」
 ギリギリ尻穴をめくりあげるフックに白目を剥く椿。

「なにしてる。早くしろ」
 ピエロ男は、椿の尻を革靴で蹴り上がる。
「うぐっ……!」
 おもわず倒れこんだ椿に、
「まったくイライラさせやがって。そんなに仕置きされたいのか」

 部屋の隅に置かれた淫具入りの段ボールから、長い鎖のついた鉄球を持ってくると、
「追加でキンタマトレーニングだ」
 鉄球の留め具を、椿のタマ袋に嵌め込む。


「ごっ……! おぉ――――ッッ……!」

 ボーリングボウルほどの大きさの鉄球に引っぱられ、びろーんと垂れ下がったタマ袋。 
「タマは均等に鍛えないとなぁ」
 もう片側にも同じ鉄球を付けられ、
「……ッッ! おっ、おっ、おぉっ……んっ!」
 とうずくまる。

「しゃきっと立て! このくされタマキン野郎!」
 ピエロ男が、椿の肩をつかんでひきずり起こす。

「あっ、あっ……! あぁぁぁっ……!!!」

 股のあいだでカチカチぶつかり合う鉄球。
 ありえないほどに引き伸ばされたキンタマが、真っ赤に腫れ上がる。

「この大きさだとタマが壊死してもげるぞ。早く外してもらいたかったらおまんこ体操はじめるんだな」
「ひっ……いっ、いやっ……!」
 椿は、脚をガクガクさせながら、
「……おっ! おっ! おまんこ体操第一っ! はじめさせていただきますっ!」
 アナルフックにつながった手首を、大きく持ち上げた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

アイドルグループの裏の顔 新人アイドルの洗礼

甲乙夫
恋愛
清純な新人アイドルが、先輩アイドルから、強引に性的な責めを受ける話です。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

ナースコール

wawabubu
青春
腹膜炎で緊急手術になったおれ。若い看護師さんに剃毛されるが…

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...