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発砲より一瞬早く、目玉の集合体が夜空に飛び出していた。追ってアスファルトの中から、異物が数珠つなぎになって全体を現す。
先が目玉づくしの蓮根。一抱えもある胴体と三っつのくびれに目をつぶれば、ミミズに似てないこともない。全体に被ったてらてらした粘液から、鼻を突く異臭がする。
筋繊維の束にも見える胴体の表皮は、よく見れば人体の肩から腿の付け根の部分だった。男も女も混じっている。
「出たな、遺体泥棒! おとなしくお縄につけ! ところでイノリ、こいつを捕獲したら懸賞金出るって話はないのか」
「知りません! ていうか、こっちに来るわ!」
わたしは突き飛ばされて地面に転がった。その鼻先30センチ先に、巨大ミミズが、水に潜るようなスムーズさでアスファルトに溶けていく。
淡い光の粒がはじけて消える。同化の光だ。
「新月の夜、こいつらは力の全盛を迎える。そこらの死体を集めてかりそめの肉体を得て、襲ってくることもしばしばだ」
「どうして死体なのよ!」
及び腰になって叫んだ。
早く車に乗ってこの場を離れたいのに、キーを持つ運転手がそのそぶりをみせないんじゃどうしようもない。
「死体は存在した証し。けれど既に空っぽのただの器だ。奴らが巣くうのには都合がいいんだろ。この数ヶ月続いている死体の窃盗事件は、おそらくあいつらが依り代を得るために起こしてる」
「カーニバルで襲ってきたのは、こんなんじゃなかった!」
そう。はじめに遭遇したときはこんな化け物じみていなかった。
ドレスを着た、ビスクドールのような少女のかたちをしていた。あの場にふさわしい、倒錯的な少女のかたちを。
「みんなそう言うな。それが、やつらがこの世に引っ張り出されたときのとるべき形だったんだろう。器がなければ、いずれは崩れちまう姿だ。
死体を集めて、徐々に膨れ上がって、異形になる。やつらなりの自己主張ってところだな」
ユリアンの声に哀れみの色が混じっていたように思うのは、わたしの錯覚だったのかしら。
サイレンが聞こえてきた。警察の車だ。遺体安置所から増援の要請でもでたのだろう。
ユリアンが赤い舌で唇をなめた。
「ミミズらしく、地面の中を這いずり回るのは得意みたいだな」
銃身が獲物を探してうろつき、そして――わたしを向いた。
「伏せろ!」
頭を抱えて再度アスファルトに転がった。
背後でシルバーのオープンカーのボンネットがゆがみ、みるみるうちに一抱えもあるこぶができあがる。発光するこぶを割ってでてきたのは目玉つきのミミズ。
頭上で火花が散った。耳を押さえ必死に退避する。悲鳴を上げたが、掻き消される。
苦しげにのたうちながら、ミミズがボンネットから飛び出す。散弾にえぐりとられたミミズの頭部、それを形成していた遺体の破片が、地面に触れる前に横手から掴まれる。
ユリアンが、手に握りしめた破片を、より強い光を放って消し去った。淡雪のごとく、ぐずぐずと遺体の欠片が溶けていく。手のひらからこぼれた欠片は、溶けて赤黒い汚泥となる。
空に舞ったミミズが、長く太い尻尾をうならせた。轟音をたてて、車が宙に浮く。一拍置いて、それはユリアンの顔に影を作った。
すかさずユリアンは跳び退る。牽制に放った二発が、それぞれミミズの胴体に着弾し、肉と血の破片をふりまいた。
その時、駐車場に、三台の車が横滑りして入ってきた。ルーフには明滅するランプが乗っている。
「ちっ、面倒なときに!」
初めてユリアンが余裕無く舌打ちした。
ミミズが重い音を立ててアスファルトに転がったかと思うと、目にも留まらぬ速さで地面を這う。
(こっちに来る!)
わたしは飛び退いた。アスファルトを粉砕しミミズの尾が地を打つ。飛び散る破片で頬が傷つき、ちりっとした痛みが走る。
ミミズは方向転換すると、目玉だらけの顔を持ち上げて吠えた。
『お・お・お・お・お・お・お・おっ』
女の声に似た耳障りな絶叫が夜空にこだます。
ばすばすばすと、響かない音を立て、ミミズの背が逆剥けた。
「なんだこいつは! 化け物!?」
「撃て、撃て!」
車から降りてきた警官たちが次々に発砲したのだ。彼らの弾では、ミミズの体に小さな傷を創るだけで、力を削ぐまで至らない。ミミズがうるさそうに、鎌首をもたげる。
「下がれ、殺されるぞ!」
ユリアンが叫んで、自らミミズに駆け寄った。そのときには、体を撓めたミミズは宙を舞っている。
警官たちが悲鳴をあげて銃を撃ちまくる。ユリアンが着地点をずらすためにショットガンを乱射した。ミミズの軌道は変わらない。
警官たちの顔が絶望に染まる。
わたしは手で目を覆おうとした。それより早く、警官たちの後ろで彼らの車が吹き飛んだ。振り返った警官たちを横薙ぎの一撃がさらっていく。
立ちこめた血煙の向こうに、巨大な赤ん坊がいた。邪魔な車を下から跳ね除け、地面から這い出ようとしている。母親の腹を食い破って生まれてくる悪魔の子のように見えた。顔はきれいな球形だがよく見ればいろいろな人間の頭の集合体だ。短い手足で這う姿が特に赤ん坊に酷似している。
赤ん坊が地面から引きずり出したもう片方の手には、人間の胴体がぶら下がっていた。血にまみれているが、それは先ほど軽食を渡した私服警官たちの服に違いない。
口の中に酸っぱい液体がせり上がってきて、わたしは目ではなく口元を押さえた。
「二体目?! どうしてこんなに集まるのっ? こんなに派手に襲ってくるなんて、今までなかったのに!」
「言っただろう、新月が近くなると奴らが騒ぐって! 今この街には四人の狭間の者がいる。匂いに惹かれて近隣から集まってきちゃったんじゃないのか? やっぱり長期滞在はだめだな」
「そんな……」
「それより、こいつらの中に見覚えのあるやつはいるか? あんたの対の者だったら残しておいてやらないとな。
おっと、そういやレオやクラウディオの対の者の可能性もあるわけだ。潰しちゃまずいか? オレとしてはこの騒ぎをもう少し楽しみたいんだがな」
「見覚えなんかないわよ! それにもう十分騒いだでしょ!」
後退してきたユリアンが、銃身を化け物に向けてせせら笑った。
「これはあれだな、祭りの日に歯止めがきかなくなって騒いで後悔するパターン」
だが、横顔にいつもの余裕はなかった。ヘーゼル色の瞳は、何かを探してさまよっている。
「そういうときは後始末を人に押しつけて、逃げるに限る!」
銃声が耳を穿つ。腕を強く引かれて、もつれる脚でユリアンについていく。壊れてない車が先にある。
地鳴りがする。あの二体の狭間の者が追ってきている。振り返るまでもない。車に乗り込んでエンジンを吹かして、そんな時間がある?
「いいか、自分の名前を繰り返せ! 自分を強く意識しろ」
耳元でがなられ、意味を理解する前に、赤い乗用車の助手席の窓に顔面を叩きつけられていた。衝撃はなかった。頭にぬるりと何かが入り込む悪寒と、顎からぬるい湯に浸かる感覚。湯は顎を伝って上半身を飲み込み、下半身に到達する。耐えがたいめまいと吐き気、頭痛がわたしを襲う。極彩色の波紋が視界を占拠した。
わけがわからない。方向感覚が失われ、五感が曖昧になる。混乱の極み、必死に自分の名前を繰り返す。
(白石祈璃、白石祈璃、しらいしいのり……!)
ふっと、体を縛っていたすべての苦痛が消えた。横面を強かにぶつけて、新たな痛みが生まれ、それで一気に正気に戻る。
狭い空間に押し込められていた。革張りのシート、よくわからないメーター類、持ち主の趣味らしいかわいらしいぬいぐるみがちょこんと飾られたフロントウィンドウ。
車内だ。ドアを開けた記憶はない。つまり。
「まさか壁抜けした?」
荒い息で問う。運転席に座ったユリアンは気ぜわしい動きで両手をメーターの下に潜り込ませていた。間をおかず、エンジンがかかる。
大波に揺られた小舟のように車体が揺れ、慌てて手近なところに掴まって耐える。派手な音を立てて、フロントの窓ガラスが粉砕した。
見通しのよくなった窓枠の向こうに、顔のない赤ん坊が待っていた。お尻を掴み上げられた車の、後輪の空転する音がむなしく響く。
「イノリ、舌噛むなよ!」
ユリアンの手が流れるように動きショットガンを掴むと、光を纏わせ、車をもてあそぶ赤子の横腹めがけて散弾を吐き出した。一瞬だけ拘束が緩んだ隙を逃さず、乗用車が急発進する。
あちこちに頭をぶつけ、なんとかわたしは座席に這い上がった。
ひしゃげたバックミラーに、猛追してくる赤子とミミズの姿。おぞけが走る。
「やつら、造形美って言葉を知らないらしいな。
このまま教会まで逃げるぞ。さすがのオレも、二体同時は無理だ!」
ユリアンがタイヤを鳴らして、ドリフトを決めた。守衛室で目をむいているおじさんと、視線が合った。きっとわたしも同じ顔をしているはずだ。
先が目玉づくしの蓮根。一抱えもある胴体と三っつのくびれに目をつぶれば、ミミズに似てないこともない。全体に被ったてらてらした粘液から、鼻を突く異臭がする。
筋繊維の束にも見える胴体の表皮は、よく見れば人体の肩から腿の付け根の部分だった。男も女も混じっている。
「出たな、遺体泥棒! おとなしくお縄につけ! ところでイノリ、こいつを捕獲したら懸賞金出るって話はないのか」
「知りません! ていうか、こっちに来るわ!」
わたしは突き飛ばされて地面に転がった。その鼻先30センチ先に、巨大ミミズが、水に潜るようなスムーズさでアスファルトに溶けていく。
淡い光の粒がはじけて消える。同化の光だ。
「新月の夜、こいつらは力の全盛を迎える。そこらの死体を集めてかりそめの肉体を得て、襲ってくることもしばしばだ」
「どうして死体なのよ!」
及び腰になって叫んだ。
早く車に乗ってこの場を離れたいのに、キーを持つ運転手がそのそぶりをみせないんじゃどうしようもない。
「死体は存在した証し。けれど既に空っぽのただの器だ。奴らが巣くうのには都合がいいんだろ。この数ヶ月続いている死体の窃盗事件は、おそらくあいつらが依り代を得るために起こしてる」
「カーニバルで襲ってきたのは、こんなんじゃなかった!」
そう。はじめに遭遇したときはこんな化け物じみていなかった。
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「みんなそう言うな。それが、やつらがこの世に引っ張り出されたときのとるべき形だったんだろう。器がなければ、いずれは崩れちまう姿だ。
死体を集めて、徐々に膨れ上がって、異形になる。やつらなりの自己主張ってところだな」
ユリアンの声に哀れみの色が混じっていたように思うのは、わたしの錯覚だったのかしら。
サイレンが聞こえてきた。警察の車だ。遺体安置所から増援の要請でもでたのだろう。
ユリアンが赤い舌で唇をなめた。
「ミミズらしく、地面の中を這いずり回るのは得意みたいだな」
銃身が獲物を探してうろつき、そして――わたしを向いた。
「伏せろ!」
頭を抱えて再度アスファルトに転がった。
背後でシルバーのオープンカーのボンネットがゆがみ、みるみるうちに一抱えもあるこぶができあがる。発光するこぶを割ってでてきたのは目玉つきのミミズ。
頭上で火花が散った。耳を押さえ必死に退避する。悲鳴を上げたが、掻き消される。
苦しげにのたうちながら、ミミズがボンネットから飛び出す。散弾にえぐりとられたミミズの頭部、それを形成していた遺体の破片が、地面に触れる前に横手から掴まれる。
ユリアンが、手に握りしめた破片を、より強い光を放って消し去った。淡雪のごとく、ぐずぐずと遺体の欠片が溶けていく。手のひらからこぼれた欠片は、溶けて赤黒い汚泥となる。
空に舞ったミミズが、長く太い尻尾をうならせた。轟音をたてて、車が宙に浮く。一拍置いて、それはユリアンの顔に影を作った。
すかさずユリアンは跳び退る。牽制に放った二発が、それぞれミミズの胴体に着弾し、肉と血の破片をふりまいた。
その時、駐車場に、三台の車が横滑りして入ってきた。ルーフには明滅するランプが乗っている。
「ちっ、面倒なときに!」
初めてユリアンが余裕無く舌打ちした。
ミミズが重い音を立ててアスファルトに転がったかと思うと、目にも留まらぬ速さで地面を這う。
(こっちに来る!)
わたしは飛び退いた。アスファルトを粉砕しミミズの尾が地を打つ。飛び散る破片で頬が傷つき、ちりっとした痛みが走る。
ミミズは方向転換すると、目玉だらけの顔を持ち上げて吠えた。
『お・お・お・お・お・お・お・おっ』
女の声に似た耳障りな絶叫が夜空にこだます。
ばすばすばすと、響かない音を立て、ミミズの背が逆剥けた。
「なんだこいつは! 化け物!?」
「撃て、撃て!」
車から降りてきた警官たちが次々に発砲したのだ。彼らの弾では、ミミズの体に小さな傷を創るだけで、力を削ぐまで至らない。ミミズがうるさそうに、鎌首をもたげる。
「下がれ、殺されるぞ!」
ユリアンが叫んで、自らミミズに駆け寄った。そのときには、体を撓めたミミズは宙を舞っている。
警官たちが悲鳴をあげて銃を撃ちまくる。ユリアンが着地点をずらすためにショットガンを乱射した。ミミズの軌道は変わらない。
警官たちの顔が絶望に染まる。
わたしは手で目を覆おうとした。それより早く、警官たちの後ろで彼らの車が吹き飛んだ。振り返った警官たちを横薙ぎの一撃がさらっていく。
立ちこめた血煙の向こうに、巨大な赤ん坊がいた。邪魔な車を下から跳ね除け、地面から這い出ようとしている。母親の腹を食い破って生まれてくる悪魔の子のように見えた。顔はきれいな球形だがよく見ればいろいろな人間の頭の集合体だ。短い手足で這う姿が特に赤ん坊に酷似している。
赤ん坊が地面から引きずり出したもう片方の手には、人間の胴体がぶら下がっていた。血にまみれているが、それは先ほど軽食を渡した私服警官たちの服に違いない。
口の中に酸っぱい液体がせり上がってきて、わたしは目ではなく口元を押さえた。
「二体目?! どうしてこんなに集まるのっ? こんなに派手に襲ってくるなんて、今までなかったのに!」
「言っただろう、新月が近くなると奴らが騒ぐって! 今この街には四人の狭間の者がいる。匂いに惹かれて近隣から集まってきちゃったんじゃないのか? やっぱり長期滞在はだめだな」
「そんな……」
「それより、こいつらの中に見覚えのあるやつはいるか? あんたの対の者だったら残しておいてやらないとな。
おっと、そういやレオやクラウディオの対の者の可能性もあるわけだ。潰しちゃまずいか? オレとしてはこの騒ぎをもう少し楽しみたいんだがな」
「見覚えなんかないわよ! それにもう十分騒いだでしょ!」
後退してきたユリアンが、銃身を化け物に向けてせせら笑った。
「これはあれだな、祭りの日に歯止めがきかなくなって騒いで後悔するパターン」
だが、横顔にいつもの余裕はなかった。ヘーゼル色の瞳は、何かを探してさまよっている。
「そういうときは後始末を人に押しつけて、逃げるに限る!」
銃声が耳を穿つ。腕を強く引かれて、もつれる脚でユリアンについていく。壊れてない車が先にある。
地鳴りがする。あの二体の狭間の者が追ってきている。振り返るまでもない。車に乗り込んでエンジンを吹かして、そんな時間がある?
「いいか、自分の名前を繰り返せ! 自分を強く意識しろ」
耳元でがなられ、意味を理解する前に、赤い乗用車の助手席の窓に顔面を叩きつけられていた。衝撃はなかった。頭にぬるりと何かが入り込む悪寒と、顎からぬるい湯に浸かる感覚。湯は顎を伝って上半身を飲み込み、下半身に到達する。耐えがたいめまいと吐き気、頭痛がわたしを襲う。極彩色の波紋が視界を占拠した。
わけがわからない。方向感覚が失われ、五感が曖昧になる。混乱の極み、必死に自分の名前を繰り返す。
(白石祈璃、白石祈璃、しらいしいのり……!)
ふっと、体を縛っていたすべての苦痛が消えた。横面を強かにぶつけて、新たな痛みが生まれ、それで一気に正気に戻る。
狭い空間に押し込められていた。革張りのシート、よくわからないメーター類、持ち主の趣味らしいかわいらしいぬいぐるみがちょこんと飾られたフロントウィンドウ。
車内だ。ドアを開けた記憶はない。つまり。
「まさか壁抜けした?」
荒い息で問う。運転席に座ったユリアンは気ぜわしい動きで両手をメーターの下に潜り込ませていた。間をおかず、エンジンがかかる。
大波に揺られた小舟のように車体が揺れ、慌てて手近なところに掴まって耐える。派手な音を立てて、フロントの窓ガラスが粉砕した。
見通しのよくなった窓枠の向こうに、顔のない赤ん坊が待っていた。お尻を掴み上げられた車の、後輪の空転する音がむなしく響く。
「イノリ、舌噛むなよ!」
ユリアンの手が流れるように動きショットガンを掴むと、光を纏わせ、車をもてあそぶ赤子の横腹めがけて散弾を吐き出した。一瞬だけ拘束が緩んだ隙を逃さず、乗用車が急発進する。
あちこちに頭をぶつけ、なんとかわたしは座席に這い上がった。
ひしゃげたバックミラーに、猛追してくる赤子とミミズの姿。おぞけが走る。
「やつら、造形美って言葉を知らないらしいな。
このまま教会まで逃げるぞ。さすがのオレも、二体同時は無理だ!」
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