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#10
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招き入れられた部屋のソファで、わたしがおかわりのコーヒーのカップを手にすると、ダリオがにっと白い歯を見せた。コーヒー色の肌に眩しいコントラストだ。
「話は大体わかった。学者としては、そんな体験が出来るのは正直、うらやましいが……、君たちがかなり辛い状況にあるのは確かみたいだな。オーケイ、役に立てるかわからないけれど、僕なりに仮説を立ててみようか」
ダリオが膝に飛び乗った子犬を撫でてやる。子犬は甘えて彼の指を舐めた。
「クラウディオ君は知っているだろうけれど、僕は世界中の祭りと仮面、それによってもたらされるトランス状態を研究している。
アフリカには、動物や精霊の仮面を被って祭事を行う事で、それに同化しようとする民族がいる。自分を人間ではない超自然的なものに変えるのさ。
ヨーロッパの仮面といえば、素顔を隠すものだ。舞踏会なんかで正体を隠すんだ。お互いに素性に気付いても、他言はしない。気付いた素振りも駄目だ。自分ではない誰かになる。それも結局、自分ではない何者かになるための小道具だろう?
日本でもある。能面なんかがそれだ。他にもあって、夏のお祭りなんかで円を描いて踊るやつ……、ええと」
「盆踊り?」
日本文化も調べているみたい。壁の増髪は資料かしら。
「そうそう、ヴォンオドリ! 面を被って亡者をあらわす。そして、ヴォンオドリの場は、地獄と繋がっているという。イノリ、君の場合これにあてはまるんじゃないかな」
「わたし?」
カップを運ぶ手を止めた。ダリオは子供のように目をキラキラさせて、わたしを見つめた。
「君の話を聞いたとき……、ああ、聞きたくなかったらすぐに言って、止めるから。そう、君の話をクラウディオ君に聞かされたときにそう感じたんだ。Carnevaleの喧騒とたくさんの仮面。人々の熱狂というのは、独特のパワーがあるだろう?
戦争に赴く兵士達の映像を、学校で見たことはないかい。あるいは魔女狩りの話を聞いたことは? 民衆が皆、同一の方向を向いたとき、それは奇妙な磁場になる。集団ヒステリーしかり、抗い難い引力を備えるだろう。それは、ヴォンオドリの非日常と似た性質を持つ」
――物質界で本来存在し得ないものを作り出そうとするとき(たとえばそう、儀式などで)、精神世界ではエネルギーのが生じ、その影響範囲が限りなく『存在する状態』に近くなる。物質界にあらゆる影響を与えるほどに。
「そこに仮面だ。この世の誰でもない存在を作り上げる祭器の登場だよ。一人くらい、人間でないものが混じっていても気付かない」
――条件が偶然に揃ってしまったために作り上げられ、名も与えられずに徘徊しているモノたち。
ユリアンのレポートの一文が、脳裏によぎった。
ごくりと唾を飲み込む。緊張して、カップの取っ手を摘む指が汗で滑った。
どうしてわたしが? あの場には、もっとたくさんの人がいた。数え切れないほどの人が。その中で、なぜわたしがえらばれたの?
「それから、クラウディオ君。君の場合は、戦場でそのなんだっけ、狭間の者? に遭遇したというけれど、それも説明できる。戦場のヒステリー状態が場を作り出した、……人の個が無視され数字に置き換えられる状況だ。仮面を被っているのと変わらない。個の特定が出来ないという分では」
ちらりと盗み見るとクラウディオは難しい顔をして、空になったカップを見つめている。
初めて聞く話だった。戦争って言っていた。いつの戦争だろう。イタリア軍が最後に出兵したのはいつ。
クラウディオはフォトグラファーだから、もしかすると軍人としてではなく、写真のために戦地に赴いたのかもしれない。
わたしはある可能性に気づいた。クラウディオも、もしや外見どおりの年齢じゃないのではないかということに。いや、そちらの可能性のほうが高い。だって、そんな沢山の兵士が亡くなった戦争に、クラウディオが徴兵されたなんて、どうもおかしい気がする。彼が過去、職業軍人をやっていたなら別だけど。
わたしの視線に気づいていないのか無視したのか、クラウディオが口を開いた。
「それで今この状況をなんとかすることはできないのですか? 呼び出されてしまったものを、元に戻すというのは」
「なんとも言えないな。君たちの場合、『憑りつかれた』という状態だろう。エクソシストに払ってもらうとか。そういうのに詳しい人を紹介しようか」
エクソシストとはまた随分な名前が出てきたものだ。これだけ非日常的なものを目にしていていえた義理じゃないが、とてもそういうものを信用する気にはなれない。
詳しい人、と聞いてユリアンを思い出した。彼の場合、エクソシストを待たずして、狭間の者を力でねじ伏せてしまいそう。事実、数日前の夜、彼はアパートを襲撃した狭間の者をどうやってか撃退していた。
「それから最後に一つ。これはあまり考えたくないんだが、……世の中には生贄というものがあってね。人身御供だ。小さな犠牲を払って、大きな損失を回避する。その狭間の者っていうのが、同化を求めてくるというのなら、何か別のものを取り込ませてしまったらどうだろう。ただ、しつこく君たち個体を狙ってくるとすると、普通のモノや動物じゃ納得はしてくれそうにないね」
ユリアンから聞いた対の者の話と比較しても、ダリオの出した結論はあながち間違ってない。
それならなおさら、何か奴らを静める方法を探らねばならない。
同化してやる気は毛頭ないし、他の犠牲を出すわけにもいかない。
ところで、何かの弾みに対の者を失った狭間の者はどうなるのかしら。
永遠にこの世を彷徨うのかしら。それとも新たに波長の合う者を見つけるのかしら。
小首を傾げても答えは出ない。
「悪いね、あまり力になれなくて」
申し訳なさそうに、ダリオが頭を掻いた。
「そんなことないです。ありがとうございました、いろいろ頭の中を整理できました」
「そう言ってもらえると嬉しいよ、お嬢さん。もし何か思いついたら、連絡するよ」
「よろしく頼みます。こちらこそ、お手間を取らせてしまって……」
「いや、いいんだ。
両親を亡くす辛さは僕もよくわかる。こんな遺産より、本人たちが生きていてくれた方がどれだけ嬉しいか」
ダリオの苦笑が哀しかった。うらやましかった部屋の広さが一変してよそよそしくさびしげに感じられる。
彼はこの部屋で、子犬とひっそり本に埋もれて暮らすのだろう。
「君の手助けになれるなら、喜ばしいよ」
「ダリオさん、ありがとう」
不意に、ドアベルが鳴った。ダリオが確認しに玄関まで行き、慌しく戻ってくる。友人が来たらしい。
「それじゃあ、今日はこの辺で」
軽くハグして、ドアを開ける。そしてわたしたちは、口をあんぐり開けてその場に硬直した。
外にいたダリオの友人はきょとんと目を瞬かせたが、すぐに人の悪い笑みを浮かべた。
「なんだ奇遇だな。こんな場所で出くわすなんて」
真っ赤なシャツに、白いスラックスのユリアンが手土産か高級チョコレートの箱を引っさげて立っていた。
「話は大体わかった。学者としては、そんな体験が出来るのは正直、うらやましいが……、君たちがかなり辛い状況にあるのは確かみたいだな。オーケイ、役に立てるかわからないけれど、僕なりに仮説を立ててみようか」
ダリオが膝に飛び乗った子犬を撫でてやる。子犬は甘えて彼の指を舐めた。
「クラウディオ君は知っているだろうけれど、僕は世界中の祭りと仮面、それによってもたらされるトランス状態を研究している。
アフリカには、動物や精霊の仮面を被って祭事を行う事で、それに同化しようとする民族がいる。自分を人間ではない超自然的なものに変えるのさ。
ヨーロッパの仮面といえば、素顔を隠すものだ。舞踏会なんかで正体を隠すんだ。お互いに素性に気付いても、他言はしない。気付いた素振りも駄目だ。自分ではない誰かになる。それも結局、自分ではない何者かになるための小道具だろう?
日本でもある。能面なんかがそれだ。他にもあって、夏のお祭りなんかで円を描いて踊るやつ……、ええと」
「盆踊り?」
日本文化も調べているみたい。壁の増髪は資料かしら。
「そうそう、ヴォンオドリ! 面を被って亡者をあらわす。そして、ヴォンオドリの場は、地獄と繋がっているという。イノリ、君の場合これにあてはまるんじゃないかな」
「わたし?」
カップを運ぶ手を止めた。ダリオは子供のように目をキラキラさせて、わたしを見つめた。
「君の話を聞いたとき……、ああ、聞きたくなかったらすぐに言って、止めるから。そう、君の話をクラウディオ君に聞かされたときにそう感じたんだ。Carnevaleの喧騒とたくさんの仮面。人々の熱狂というのは、独特のパワーがあるだろう?
戦争に赴く兵士達の映像を、学校で見たことはないかい。あるいは魔女狩りの話を聞いたことは? 民衆が皆、同一の方向を向いたとき、それは奇妙な磁場になる。集団ヒステリーしかり、抗い難い引力を備えるだろう。それは、ヴォンオドリの非日常と似た性質を持つ」
――物質界で本来存在し得ないものを作り出そうとするとき(たとえばそう、儀式などで)、精神世界ではエネルギーのが生じ、その影響範囲が限りなく『存在する状態』に近くなる。物質界にあらゆる影響を与えるほどに。
「そこに仮面だ。この世の誰でもない存在を作り上げる祭器の登場だよ。一人くらい、人間でないものが混じっていても気付かない」
――条件が偶然に揃ってしまったために作り上げられ、名も与えられずに徘徊しているモノたち。
ユリアンのレポートの一文が、脳裏によぎった。
ごくりと唾を飲み込む。緊張して、カップの取っ手を摘む指が汗で滑った。
どうしてわたしが? あの場には、もっとたくさんの人がいた。数え切れないほどの人が。その中で、なぜわたしがえらばれたの?
「それから、クラウディオ君。君の場合は、戦場でそのなんだっけ、狭間の者? に遭遇したというけれど、それも説明できる。戦場のヒステリー状態が場を作り出した、……人の個が無視され数字に置き換えられる状況だ。仮面を被っているのと変わらない。個の特定が出来ないという分では」
ちらりと盗み見るとクラウディオは難しい顔をして、空になったカップを見つめている。
初めて聞く話だった。戦争って言っていた。いつの戦争だろう。イタリア軍が最後に出兵したのはいつ。
クラウディオはフォトグラファーだから、もしかすると軍人としてではなく、写真のために戦地に赴いたのかもしれない。
わたしはある可能性に気づいた。クラウディオも、もしや外見どおりの年齢じゃないのではないかということに。いや、そちらの可能性のほうが高い。だって、そんな沢山の兵士が亡くなった戦争に、クラウディオが徴兵されたなんて、どうもおかしい気がする。彼が過去、職業軍人をやっていたなら別だけど。
わたしの視線に気づいていないのか無視したのか、クラウディオが口を開いた。
「それで今この状況をなんとかすることはできないのですか? 呼び出されてしまったものを、元に戻すというのは」
「なんとも言えないな。君たちの場合、『憑りつかれた』という状態だろう。エクソシストに払ってもらうとか。そういうのに詳しい人を紹介しようか」
エクソシストとはまた随分な名前が出てきたものだ。これだけ非日常的なものを目にしていていえた義理じゃないが、とてもそういうものを信用する気にはなれない。
詳しい人、と聞いてユリアンを思い出した。彼の場合、エクソシストを待たずして、狭間の者を力でねじ伏せてしまいそう。事実、数日前の夜、彼はアパートを襲撃した狭間の者をどうやってか撃退していた。
「それから最後に一つ。これはあまり考えたくないんだが、……世の中には生贄というものがあってね。人身御供だ。小さな犠牲を払って、大きな損失を回避する。その狭間の者っていうのが、同化を求めてくるというのなら、何か別のものを取り込ませてしまったらどうだろう。ただ、しつこく君たち個体を狙ってくるとすると、普通のモノや動物じゃ納得はしてくれそうにないね」
ユリアンから聞いた対の者の話と比較しても、ダリオの出した結論はあながち間違ってない。
それならなおさら、何か奴らを静める方法を探らねばならない。
同化してやる気は毛頭ないし、他の犠牲を出すわけにもいかない。
ところで、何かの弾みに対の者を失った狭間の者はどうなるのかしら。
永遠にこの世を彷徨うのかしら。それとも新たに波長の合う者を見つけるのかしら。
小首を傾げても答えは出ない。
「悪いね、あまり力になれなくて」
申し訳なさそうに、ダリオが頭を掻いた。
「そんなことないです。ありがとうございました、いろいろ頭の中を整理できました」
「そう言ってもらえると嬉しいよ、お嬢さん。もし何か思いついたら、連絡するよ」
「よろしく頼みます。こちらこそ、お手間を取らせてしまって……」
「いや、いいんだ。
両親を亡くす辛さは僕もよくわかる。こんな遺産より、本人たちが生きていてくれた方がどれだけ嬉しいか」
ダリオの苦笑が哀しかった。うらやましかった部屋の広さが一変してよそよそしくさびしげに感じられる。
彼はこの部屋で、子犬とひっそり本に埋もれて暮らすのだろう。
「君の手助けになれるなら、喜ばしいよ」
「ダリオさん、ありがとう」
不意に、ドアベルが鳴った。ダリオが確認しに玄関まで行き、慌しく戻ってくる。友人が来たらしい。
「それじゃあ、今日はこの辺で」
軽くハグして、ドアを開ける。そしてわたしたちは、口をあんぐり開けてその場に硬直した。
外にいたダリオの友人はきょとんと目を瞬かせたが、すぐに人の悪い笑みを浮かべた。
「なんだ奇遇だな。こんな場所で出くわすなんて」
真っ赤なシャツに、白いスラックスのユリアンが手土産か高級チョコレートの箱を引っさげて立っていた。
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