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三尾かいな

攻守交代

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 ぼんやり天井を見つめてるはづきの横にごろんと寝転ぶ。呼吸に合わせてふるふるしてる胸にちょっといたずらしたら、「あッ」って甘い声がした。
 そっとまあるい額に口付けて、頬に張り付いた髪を指先で払ってあげる。

「……かいなぁ」

 私が動くよりはやく、はづきが唇を重ねてきた。ああ、ばか、今したら。
 思ったとおり、さっと顔を離したはづきは味とにおいで顔をしかめていた。でも、すぐにうっとりした顔になって私の舌を吸い上げる。背中に手が回されて体を擦り寄せられる。
 甘えてる。あーかわいい。なんもされてないのに、妙に満たされた気分になっちゃう。本当に求められてるからかなあ。

 キスを続けてると、はづきがそっと胸に触れてきた。くすぐったい。笑ったら、怒らせちゃったのか、両手でぎゅうっと胸を掴んで寄せられた。不満げだ。

「どしたの? 疲れたでしょ、もう休んだら? 体拭いといてあげる。隅々まできれいにしたげるよ」
「いや。わたしもかいなに触る」
「いやって。へろへろだよはづき、太ももぷるぷるしてるじゃん。初めてイッたんでしょ。それとも今のでスイッチ入った?」
「は……じめてだけど! でも! き、気持ち良かったから」
「うん、それはよかった」
「……かいなにも、気持ちよくなってほしい。わたしも、かいなのこと気持ちよくさせたい」

 そんなふうに言ってもらえて嬉しいなぁ、としみじみしちゃう。はづきのなかでちょっとでもこういうことに対する苦手意識が薄れてくれてたらいいな。

「私は別にいいよー。はづきにしてあげたかっただけ。それに私、してあげるの好きだし、わっ」
「でもかいなも、……濡れてる」

 いきなりショーツに手を入れられてびっくりした。粘膜を細い指で撫でられ、ため息をつく。きっと私のクリも勃起してる。ぴりぴり甘い電流が、腰の内壁を薄皮一枚だけ剥いでいくような感じ。気持ちいい。

「そりゃ、……ね、だってあんなはづきのえっちな姿見たら。こーふんするし……ん」
「だったら、わたしにも見せて、かいなのえっちなとこ」
「挑発しながら声が裏返ってたら世話ないわよ」
「う、だって、……こんなこと素面じゃ言えない」

 ごにょごにょ言うはづきは上目遣い。睫毛の下の茶色の双眸は、情欲で潤んでる。私の愛撫で興奮してたんだなぁ。嬉しい。

「……一緒にまた気持ちよくなる?」
「うん……。あ、だめ、ガウンはわたしに脱がさせて」

 自分のガウンの帯に手をかけた私を制止して、はづきがもたもた結び目を解く。腕から布を引き抜かれて少し肌寒く感じた。はづきは寒くないのかな。そう思ってるうちにショーツも引き下ろされた。

「さんかく……」
「お手入れ済みですので」

 アンダーヘアをこしょこしょされるの、くすぐったい。

「わたしもしようかな」
「えー? でも自然のままの、なんかえろくてよかったよ。私はほら、ダンスで脱ぐこともあったから他のムダ毛と一緒にやっつけたの」
「……うーん……でもなんか恥ずかしいし」
「じゃあサロンいくときのシェービング、やってあげる?」

 スケベ心がうずいてそう言うと、はづきはうーんと気のない返事。

「考えとく、っん」
「痛い?」
「……なんか痛くないかも。じんってぇ……んっ、あっ」

 敏感になってるはずのクリを指でなぞっても、はづきは甘い声をもらした。リラックスできてるから……なのかな。それともちゃんと濡れてるから? ゆっくり指で撫でてあげていると、またそこが硬くなっていくのがわかる。快楽に集中して、目をつぶって顔をしかめてるの、えろいなあ。愛撫待ちで、すっかり手が止まっちゃってる。

「や、だめっ……、わたしもかいなの、……っさわりたい」
「じゃあ触って」

 どっこいしょとはづきにのしかかった。
 大きさだけは平均以上の胸を、はづきがすくうようにして揉みしだく。最初は恐る恐るだったのに、慣れてくるとけっこう強く、たまにくすぐるように腋のあたりを撫でたりなんかして。両方の乳首を摘まれてこりこりしごかれると、ぞくぞく背中が痺れだす。

「ん……、きもちい……」
「かいな余裕って感じがする」

 乳首を指先で弾かれて、じわっと快感が走る。目を合わせたままはづきに乳首を甘噛みされた。ちょっと痛い、かな。でも視覚効果のせいですぐに快感に変わっちゃう。きれいな顔の女の子が、私のおっぱい吸ってるって倒錯的すぎる。ねっとりした熱いものが、おへその下に濃くたまっていく。

「もしかして、あんまり気持ちよくない? ねえ、どこが弱点なの?」
「それはしながら探すから楽しいじゃない」
「わたしには聞いたのに」
「結局答えなかったじゃん」
「だってそれは……わかんなかったから。……でも、そうね。……いろいろ試していい、ってことだよね」

 うん? なんか剣呑な顔してるね、はづき。

「うひゃっ?!」

 肩を掴まれたと思ったら、くるりと抱き込まれて、あっという間に上下が逆転していた。はづきの長い髪の毛が頬をくすぐる。見慣れた端正な顔が、挑発的に自分の前歯を舌でちらりとなぞった。
 あ、これがいわゆる舌なめずりってやつ?

「んくッ! や、くすぐったい」

 身を屈めたはづきは、私の耳を甘噛してそのまま耳朶に舌をつっこんできた。くちゅりという水音が、ダイレクトに鼓膜を震わせる。ぞわわ、首筋が粟立って反射的に顔を背けたら、今度は舌先でじっとり首筋を舐めおろされた。ゆっくりゆっくり、ナメクジが這うみたいな緩慢な動き。舐められてるのは首なのに、つま先に力がこもりあそこがじゅんとする。

「かいな、鳥肌たってる」
「だってぇ……ひっ! ちょ、そんなとこ、やめっ!」
「柔らかい。すべすべだね。毛穴もないし……」

 バンザイの格好にされて、腋をぺろぺろされた。く、く、くすぐったい! ノリノリのはづきに水を差さないように、我慢しようと思ったけれど、無理! 笑いがこみあげてきて、身を捩ってしまった。

「きゃぁうっ?!」

 背筋を反らしてできたベッドとの隙間に、はづきの手が侵入してきて、腰のあたりをフェザータッチされた。触れるか触れないか、微妙な距離。さあっと背中に快感の波が押し寄せる。

「あッ……、あぅっ、や、それくすぐった……!」
「くすぐったいだけ? 気持ちいいんじゃない? 乳首硬くなってきたし、さっきからかいな、脚もじもじしてる」

 はづきめちゃくちゃノリノリだな?! さっきのぎこちなさはどこへいったのか、楽しそうに指先で私の体を弄んでいく。前歯で掻くように乳首を刺激されて、つい、悲鳴をあげてしまった。くぅん、ていう犬の鼻鳴きみたいな情けない声。 

 背中を撫でていた手が前にもどってきて、ぐいと私の膝を開かせた。あそこに空気があたってそわそわする。指で触られたらきっと濡れてる。はづきにはさせておいてなんだけれど、は、恥ずかしい。男に見られるのもそれなりに緊張するけど、十数年も一緒にいるちょっと前まで友達だった子にっていうのが、こう、背徳的というか。でも、……触ってほしい。
 ところが、はづきの手はそのまま太ももの内側をつつつとなぞり、ひかがみをくすぐるとふくらはぎを滑っていってしまった。触ってくれないの?

「ぁ……」
「物欲しそうな顔してる」

 くすくす笑いながら、はづきは体を起こし、私の足首を掴み上げた。そしてそのまま、こともあろうか足の指をぱくりと口に含んだのだ。

「ひっ?! あ、だめ、汚いよ?!」
「んん……、大丈夫、お風呂入ったもの。でも、暴れないでね」

 そんなこと言ったって! 
 目を合わせたままじっくり指の股を舐められたら、くすぐったいだけじゃなくてぞわぞわするものが脚を登ってきて、腰のあたりに帯電していく。下手に動いたら、はづきを怪我させちゃう。そう思って、必死に我慢するけれど……これ、やばいって!

「あは、かいな気持ちいい? こうして舐めると……」
 ぬるっと舌が土踏まずを這う。
「きゅうって、あそこが動いてるよ。とろとろになってるの見える。気持ちいいんでしょ」
「あっ……! や、やめ……、それ、やめ……っひぃんっ」

 脚を閉じようとしたら、長くてしなやかなはづきの脚がすっと膝に添えられて、阻止されてしまった。がに股の恥ずかしい格好のまま、私は必死に耐えるしかない。互いの脚を組み合わせるようなこの格好だと、はづきの大事なところも見える。薄暗くて詳細ははっきりしないけれど、じっとりしてるように見えた。はづきも、興奮してる……。

 わざと音をたてて指を一本一本ねぶられる。飴でも舐めてるように、うっとりした顔で。空いてる方の手でするするくすぐられる内腿もどんどん敏感になっていて、ぞわわぞわわとさざなみのような快感を訴えていた。
 おへその下が切ない。きゅうきゅうと、解放を待ち望んで張り詰めていく。

「は、づきぃ、お、お願い、あそこ、触ってぇ……っあ」
「もうちょっと、気持ちよさそうなところ見せて。お願い」

 おねだりにおねだりで返すってありなの?!
 でもノーと言えなくて、私は半泣きでこくこくうなずくほかなかった。

「ふふ、かいな、……かわいい」

 艶然と微笑まれた。さっきのうぶなはづきはどこいっちゃったの?
 私の膝を押さえていた脚がすいっと動いて、さらに膝を外に広げさせた。大開脚。こんなの、裸では誰の前でもしたことないのに。

「ああ、ちゃんとお手入れされてるから、こうしてるだけで丸見えだね。お尻の方まで見えちゃうかな、ほら、……こうしたら」
「きゃぅっ?! あ、やだやだやだやめてよお」

 さすがに恥ずかしすぎる。脚を閉じたい。でも動いたら、はづきのこと蹴っちゃうかもしれない。未だに片方の足は飴がわりだもの。

「さっきわたしにはしたでしょ。……すごい、お尻までびちょびちょになっちゃってる」
「うう……、見ないでよぉ」

 泣きたい。でも、本心じゃ、嫌じゃない。ふうっとあそこに息を吹きかけられて、脚がびくびくしてしまった。
 ようやく開放される。足の指がふやけてそう。私はぐったりシーツに背中をおろした。

「かいなの好きなの、わたしなんとなくわかっちゃったよ」
「……え?」

 ぐっと腰を掴んで引き寄せられて、正座したはづきの膝の上にお尻を乗せるかたちになった。そのまま膝を思いっきり持ち上げられる。柔軟性が売りの私の体は簡単に二つ折りになって、自分のふくらはぎが顔の横にきてしまう。さすがにこの体勢は息がし辛い。胸が自分の膝に圧迫されるからか。

「あれ、かいな、ちょっと体硬くなった? むかし柔軟得意だったのに」
「そ、そんなの何年前だってっえっ、あふっ、~~~っ!?」

 細くて硬いものがゆっくりあそこに侵入してきた。びりびりした強い快感が、お腹を荒れ狂ったようにかき乱す。

「このままの姿勢でいてね」
「ぁあ、ああっ、く、くるし……、むりっ、あっ」
「無理じゃない、大丈夫だよ」

 指、……入ってる。細い指がゆっくり抜き差しされるたびに、くちゅくちゅと水音がした。指は二本になり、三本になる。

「だめぇ……、それ、やあっ」
「だめじゃないよ、さっきわたしにもしたでしょう」
「でもっ……あひゅッ! いっぽん、だけぇ……のにぃい」
「かいなのここは三本も余裕だね。わたしの指じゃ、物足りないかなあ。ごめんね」
「そじゃな……いっ、あ、あんっ!」

 それ、だめだって。入り口のあたりぐりぐりされるの、だめ。
 はづきが髪をかきあげ、赤い舌をぺろりと出して、私のクリをそっと舐めた。頭の奥がスパークする。

「これがかいなの味……。もっと舐めていい? いいよね、いっぱいあふれてるし」
「っああ!」

 目を合わせたままそんなこと言わないで。この姿勢、丸見えなの。自分のぐちゃぐちゃになったあそことか、はづきの指が出入りする恥ずかしい穴とか、腫れ上がっちゃったクリとか。

「ん、えらいえらい、ちゃんと姿勢キープできてるね」

 よしよしとはづきが撫でたのは、私の胸。太ももに押しつぶされて形を変えたそこの硬くなってる先端を、指の股に挟んでしごいてくる。熱い、びりびりする。

「あっ、ああっ、だめ、指、抜いてぇっ」
「だーめ」

 いつになく、楽しそうで意地悪なはづきは、猫のように目を細め、おいしそうに私の濡れたクリをぺろぺろ舐めていた。彼女の指が腫れぼったくなった内壁をこするたび、私の目の前がちかちか白く光る。気持ちいい、気持ちいい……、あとちょっとで、イッちゃう。イキたいけど……、はづきに見られるのはたまらなく恥ずかしい。

「ひぃん……ぁうっ、ああああ」
「かいな、イキそう? 気持ちよさそうな声。いいよ、イッても。かいなのイクとこ見せて」
「やぁあ、み、ないっでえぇ」
「ほんとは見てほしいんでしょ? ふふ、かいな、わかりやすいよね。好きなものおすすめするのも好きなんだもんね。わたしにしたこと、ほんとはぜーんぶ、かいなの好きなこと。そうでしょう?」

 ……ばれてるし! は、恥ずかしいぃいっ。
 半泣きで見上げたはづきは、困った子供を見る顔で微笑んでいた。

「ね。こうしてえっちなおまんこ、じゅぶじゅぶされながら、こりこりになったクリトリス、ぺろぺろされてイクの好きなんでしょ。とろけた顔見られて、いやらしい言葉でいじめられるのも、大好きなんでしょ。すけべなかいなは。……ふふ、かわいい顔。どうしちゃったの、泣きそう?」
「そ……んなことば、どこでぇっ、えっ、あっひっあああ、やぁあっ」
「気持ちいいんだね。いいよ、イッて。ほら、イッて、イクとこ見ててあげるから、ねえ。……あ、なか、ふっくらしてきた。気持ちいい? イッちゃう? ここ、かいなの気持ちいとこでしょ、ぐりぐりしてあげる。……ねえ?」
「~~~っ、い、くぅ……いっちゃうぅ、……ぁっ!」

 頭の中が真っ白になって、あそこから甘くて切ない波が全身に散っていく。あ、あ、いく。そう思ったときには全身を強張らせて、快感にだけ集中していた。
 体、ばらばらになりそう……。そんな不安さえ覚えるほど深い快楽に、しばらく五感が遠くなっていた気がする。
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