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番外編・おまけ
(SWEETER LIFE) 4
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「花火、終わってる」
着衣が乱れたまま床に転がって、ぼんやりとミシカがつぶやいた。暗い室内には、外から差し込む月明かりしか光源がない。彼女の輪郭は、夜の闇の中、ぼんやりとしか見えない。
まだ確かめるように俺の背をなでている左手を掴んで、その指――薬指に口付け、俺は言った。
「ミシカ、結婚しないか」
「……この状況でそれ言う? 最低のシチュエーションだと思うけれど」
顔を顰めてそう言った後、彼女は居心地悪そうに脚を擦り合わせた。確かめていないが、俺が出したものが彼女の太腿を濡らしているだろう。避妊をしなかったのは、今回が初めてだった。
「次の休みに、指輪を見にいかないか。君はそうだな……七号くらいか? 材質はプラチナがいい」
「材質にこだわりが?」
「まあ、そうだな」
実のところ、はるか昔だが恋人に婚約指輪を贈ったことがある。そのときは相手の好みでピンクゴールドだった。結局その指輪は、二つまとめてゴミになったわけだが。ミシカの指のサイズは、彼女と比べての想像だった。
「私は、九号。あんまり可愛すぎないデザインが好き」
イエスともノーとも言わず、ミシカは俺の胸に顔をうずめた。
「返事は、いつもらえるんだ? いや、イエスということでいいのか?」
「急かすの?」
苦笑される。
「幸せにしたい」
気の利かない台詞に、だが、彼女は息を飲んだようだった。
「あなたが、それで幸せになれる?」
静かにそう問われる。
「今もわりと幸せだが、……そうだな。帰る先があるってのはいいものだと。出張から帰ってくると、特にそう思う」
「私なんかでいいの?」
困ったような、からかうような笑顔を作って、ミシカは顔を上げた。
「君がいいんだ」
口付ける。十分にその舌を堪能する。
「なあ、ミシカ」
優しく微笑む彼女に向けて、かねてから疑問を口にした。
「君は、……何度やり直しているんだ?」
「え?」
その表情が凍った。背に回された指も強張った気がした。
「初めてじゃないだろう、俺にプロポーズされるのは」
「なんで?」
否定しない。
「君が指輪をしているところを見たことないが、君はサイズを測ったことがあるんだろう? この指の」
掴んだ左手の薬指が、硬い。
薄氷が割れるように、ミシカの表情が落ちていく。
「君に、その話はくわしく聞いていなかった。必要を感じなかったからな。だから、君の話を総合して、君がやり直した回数は二回、三回くらいだと推測していた」
「だったら、それでは、だめ?」
「だめじゃないさ。だが、気にはなる」
なるべく沢山の、彼女のことを知りたいと思うのは。彼女と記憶を共有したいと思うのは、おかしなことだろうか。
「やたら俺の背中を気にするのは、以前、俺が背中を撃たれでもしたのか? いや、俺じゃない俺が。俺が眠っているときや、一緒にいるとき、気にしているだろう」
「気のせいよ」
必死に笑おうとしているようだったが、唇が震えている。痛々しい姿に、この追い詰めるような問いかけはもうやめろ、と自分の中の別の自分が声を上げるが、無視した。
「それじゃあ、伊丹というのは誰だ? 君に聞いた話では、出てこなかった名前だが」
完全に、表情が抜け落ちた。これは急所だった、と悟る。だが、口から出た言葉はもう戻らない。どうせなら、と続ける。
「時々、魘されているだろう。そのとき君は、殺さないで、とか、殺してやるとかうわごとを言っている。泣きながら、助けてくれと俺のことを呼んでいることもあった。昨晩もな」
すすり泣いている彼女の背中をなでて宥めたのだが、今朝それについてなにも言ってこなかったので、記憶に無いようだった。
「あなたいつも……なにも、なにも聞いてないって言ってたじゃない」
「そんな顔してぽろぽろ泣かれたら、そう答えるだろう」
「今は泣いてない」
「でも泣きそうだろう」
目に涙の膜を張って、ミシカは唇をかみ締めた。耐えるように、ゆるゆると息を吐き出す。だが、涙はこぼれなかった。
「四回」
震える声で、そう告げた。
「これで四回目よ、リアン。あなたにプロポーズしてもらうのは」
俺の手の中から、自分の指を引き抜いて、ミシカはそれを胸に抱え込んだ。
「やり直している回数は、――もう覚えていない。伊丹は――昔の彼氏」
俺が渋い顔をしたせいだろう、ミシカは苦笑した。
「……うそ。冗談。大嫌い、あんな奴。不倶戴天だわまさしく。最低のド変態。会話にならないし、すごくしぶとい」
ミシカは伊丹という男のことを話してくれた。思い出すのも嫌なほど、憎悪している相手だと、言葉の端々からも推し量れる。
伊丹との因縁は長く深く、最初はミシカが一方的に殺されたという。やり直す都度、伊丹は彼女を狙い、俺をも殺そうとする。彼女と伊丹の攻防は、彼女が目を覚ますたびに始まり、不可避。二度目の再会のとき、彼女が伊丹を殺害したせいで、伊丹は復讐心に燃えているらしい。
「今回は私が勝ったわ。遭遇する前にあの街を脱出してやった」
今回は、ということは、その前は違うのだろうか。
「……なぜ俺まで狙われるんだ、そいつに」
「それは、私があなたを愛しているから」
けろりと言ってのける。
「絶対に、あなたを殺させたり、しない。……伊丹だけじゃない、他のあらゆる――」
冷え冷えした目をして、そう呟くミシカは、俺の知っている彼女ではなかった。――いや、この顔を知っている。ときどき見せる、ここではないどこかを見つめる、遠い目。
「ねえ。ごめんなさい。やっぱり無理、私は結婚できない。このくらいの距離感がいい。長期の出張には付いていかないし、共有する家財はいらない。前回で懲りたの。七十過ぎまで連れ添って、死んで。目が覚めたら、はい、やり直しっていうのは、辛い。一番堪えたわ。もう無理よ、あなたに置いていかれるのも、今度こそあなたに振り向いてもらえないんじゃないかって不安に思うのも。全部が意味のない夢だったみたいに、振り出しに戻るのも。わかって」
死が二人を分かつまで。
死は彼女にとってピリオドにはならない。果てがない長い道の、新しい曲がり角へ案内するだけだ。誰も、最期までは彼女の手を引いてやれない。
もしそれができる相手がいるとしたら、伊丹という男だけだろう。俺はその、ミシカにド変態と罵られた男に、嫉妬心を覚えた。俺の知らない彼女を知っているという、彼女の唯一の同類。
疲れた、という顔をして、ミシカは力なく微笑んだ。行き場のない子供のような、頼りない笑顔。
俺はその額に口付ける。
「それは……駄目だ。認められない。やっぱり、君は俺と結婚するべきだ」
「私の自由意思はどうなるの」
「七十って言ったら、俺ですらあと三十年以上あるんだぞ? 一人でそんなに暇をつぶせるのか?」
「一緒にいた時間が長い方が最期が辛いの」
「別れが辛いから犬は飼わないみたいなこと言うな。……ああたしかに、それも自由だ。だが、別れだって大事な記憶だろう。次の出会いにつながることもある。その苦痛を味わってなお、余りある恩恵だってある。そう忌み嫌わずに受け入れたらどうだ」
「それができたら、苦労しない」
「できるように、手伝うさ。一緒にいる間は、君が少しでも長く笑顔でいられて、次の旅まで羽を休められるように、努力することを約束する。だから、俺にとっても、君がそうあってくれないか」
ミシカは目を伏せて、ゆるゆると首を横に振った。諦めたように。
「だから、嫌。何度やり直しても、何度失敗しても、結局、あなたを好きになる」
「これ以上ない愛の告白、ありがとう。それで、返事は」
「……はい、よろしく、おねがいします」
震えるまつげに口付けて、俺は彼女の頭を抱きしめた。
何度も失い、適切な解も得られず、もがいている迷子が、せめて、少しでも平穏でいられるように祈りながら。
着衣が乱れたまま床に転がって、ぼんやりとミシカがつぶやいた。暗い室内には、外から差し込む月明かりしか光源がない。彼女の輪郭は、夜の闇の中、ぼんやりとしか見えない。
まだ確かめるように俺の背をなでている左手を掴んで、その指――薬指に口付け、俺は言った。
「ミシカ、結婚しないか」
「……この状況でそれ言う? 最低のシチュエーションだと思うけれど」
顔を顰めてそう言った後、彼女は居心地悪そうに脚を擦り合わせた。確かめていないが、俺が出したものが彼女の太腿を濡らしているだろう。避妊をしなかったのは、今回が初めてだった。
「次の休みに、指輪を見にいかないか。君はそうだな……七号くらいか? 材質はプラチナがいい」
「材質にこだわりが?」
「まあ、そうだな」
実のところ、はるか昔だが恋人に婚約指輪を贈ったことがある。そのときは相手の好みでピンクゴールドだった。結局その指輪は、二つまとめてゴミになったわけだが。ミシカの指のサイズは、彼女と比べての想像だった。
「私は、九号。あんまり可愛すぎないデザインが好き」
イエスともノーとも言わず、ミシカは俺の胸に顔をうずめた。
「返事は、いつもらえるんだ? いや、イエスということでいいのか?」
「急かすの?」
苦笑される。
「幸せにしたい」
気の利かない台詞に、だが、彼女は息を飲んだようだった。
「あなたが、それで幸せになれる?」
静かにそう問われる。
「今もわりと幸せだが、……そうだな。帰る先があるってのはいいものだと。出張から帰ってくると、特にそう思う」
「私なんかでいいの?」
困ったような、からかうような笑顔を作って、ミシカは顔を上げた。
「君がいいんだ」
口付ける。十分にその舌を堪能する。
「なあ、ミシカ」
優しく微笑む彼女に向けて、かねてから疑問を口にした。
「君は、……何度やり直しているんだ?」
「え?」
その表情が凍った。背に回された指も強張った気がした。
「初めてじゃないだろう、俺にプロポーズされるのは」
「なんで?」
否定しない。
「君が指輪をしているところを見たことないが、君はサイズを測ったことがあるんだろう? この指の」
掴んだ左手の薬指が、硬い。
薄氷が割れるように、ミシカの表情が落ちていく。
「君に、その話はくわしく聞いていなかった。必要を感じなかったからな。だから、君の話を総合して、君がやり直した回数は二回、三回くらいだと推測していた」
「だったら、それでは、だめ?」
「だめじゃないさ。だが、気にはなる」
なるべく沢山の、彼女のことを知りたいと思うのは。彼女と記憶を共有したいと思うのは、おかしなことだろうか。
「やたら俺の背中を気にするのは、以前、俺が背中を撃たれでもしたのか? いや、俺じゃない俺が。俺が眠っているときや、一緒にいるとき、気にしているだろう」
「気のせいよ」
必死に笑おうとしているようだったが、唇が震えている。痛々しい姿に、この追い詰めるような問いかけはもうやめろ、と自分の中の別の自分が声を上げるが、無視した。
「それじゃあ、伊丹というのは誰だ? 君に聞いた話では、出てこなかった名前だが」
完全に、表情が抜け落ちた。これは急所だった、と悟る。だが、口から出た言葉はもう戻らない。どうせなら、と続ける。
「時々、魘されているだろう。そのとき君は、殺さないで、とか、殺してやるとかうわごとを言っている。泣きながら、助けてくれと俺のことを呼んでいることもあった。昨晩もな」
すすり泣いている彼女の背中をなでて宥めたのだが、今朝それについてなにも言ってこなかったので、記憶に無いようだった。
「あなたいつも……なにも、なにも聞いてないって言ってたじゃない」
「そんな顔してぽろぽろ泣かれたら、そう答えるだろう」
「今は泣いてない」
「でも泣きそうだろう」
目に涙の膜を張って、ミシカは唇をかみ締めた。耐えるように、ゆるゆると息を吐き出す。だが、涙はこぼれなかった。
「四回」
震える声で、そう告げた。
「これで四回目よ、リアン。あなたにプロポーズしてもらうのは」
俺の手の中から、自分の指を引き抜いて、ミシカはそれを胸に抱え込んだ。
「やり直している回数は、――もう覚えていない。伊丹は――昔の彼氏」
俺が渋い顔をしたせいだろう、ミシカは苦笑した。
「……うそ。冗談。大嫌い、あんな奴。不倶戴天だわまさしく。最低のド変態。会話にならないし、すごくしぶとい」
ミシカは伊丹という男のことを話してくれた。思い出すのも嫌なほど、憎悪している相手だと、言葉の端々からも推し量れる。
伊丹との因縁は長く深く、最初はミシカが一方的に殺されたという。やり直す都度、伊丹は彼女を狙い、俺をも殺そうとする。彼女と伊丹の攻防は、彼女が目を覚ますたびに始まり、不可避。二度目の再会のとき、彼女が伊丹を殺害したせいで、伊丹は復讐心に燃えているらしい。
「今回は私が勝ったわ。遭遇する前にあの街を脱出してやった」
今回は、ということは、その前は違うのだろうか。
「……なぜ俺まで狙われるんだ、そいつに」
「それは、私があなたを愛しているから」
けろりと言ってのける。
「絶対に、あなたを殺させたり、しない。……伊丹だけじゃない、他のあらゆる――」
冷え冷えした目をして、そう呟くミシカは、俺の知っている彼女ではなかった。――いや、この顔を知っている。ときどき見せる、ここではないどこかを見つめる、遠い目。
「ねえ。ごめんなさい。やっぱり無理、私は結婚できない。このくらいの距離感がいい。長期の出張には付いていかないし、共有する家財はいらない。前回で懲りたの。七十過ぎまで連れ添って、死んで。目が覚めたら、はい、やり直しっていうのは、辛い。一番堪えたわ。もう無理よ、あなたに置いていかれるのも、今度こそあなたに振り向いてもらえないんじゃないかって不安に思うのも。全部が意味のない夢だったみたいに、振り出しに戻るのも。わかって」
死が二人を分かつまで。
死は彼女にとってピリオドにはならない。果てがない長い道の、新しい曲がり角へ案内するだけだ。誰も、最期までは彼女の手を引いてやれない。
もしそれができる相手がいるとしたら、伊丹という男だけだろう。俺はその、ミシカにド変態と罵られた男に、嫉妬心を覚えた。俺の知らない彼女を知っているという、彼女の唯一の同類。
疲れた、という顔をして、ミシカは力なく微笑んだ。行き場のない子供のような、頼りない笑顔。
俺はその額に口付ける。
「それは……駄目だ。認められない。やっぱり、君は俺と結婚するべきだ」
「私の自由意思はどうなるの」
「七十って言ったら、俺ですらあと三十年以上あるんだぞ? 一人でそんなに暇をつぶせるのか?」
「一緒にいた時間が長い方が最期が辛いの」
「別れが辛いから犬は飼わないみたいなこと言うな。……ああたしかに、それも自由だ。だが、別れだって大事な記憶だろう。次の出会いにつながることもある。その苦痛を味わってなお、余りある恩恵だってある。そう忌み嫌わずに受け入れたらどうだ」
「それができたら、苦労しない」
「できるように、手伝うさ。一緒にいる間は、君が少しでも長く笑顔でいられて、次の旅まで羽を休められるように、努力することを約束する。だから、俺にとっても、君がそうあってくれないか」
ミシカは目を伏せて、ゆるゆると首を横に振った。諦めたように。
「だから、嫌。何度やり直しても、何度失敗しても、結局、あなたを好きになる」
「これ以上ない愛の告白、ありがとう。それで、返事は」
「……はい、よろしく、おねがいします」
震えるまつげに口付けて、俺は彼女の頭を抱きしめた。
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