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本編
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車はほぼ徐行状態で、ライトも点けずに道を走る。
エレベーターから降りて最初に目に入ったのは、赤々と夜の空を焦がす病院の炎だった。時折ばらばらとなにかの破片が落ちてきて道に散らばる。それを避けて、リアンは別の方向へ車を走らせた。
「進路はあんたに任せる」
須賀はそれだけ言って、自分はコンビニの袋に入れてきた煙草と使い捨てライターで、一服をはじめた。癖のある煙草の臭いが、鼻先を掠めて消えていく。
62、
霧雨が、フロントガラスにびっしりと水滴となってくっついて、体積を増すと自重で下へと滑り落ちていく。ワイパーがその水の珠を強制的に拭い去っていく。
「ゲートを通って外へ出るつもりだ。最寄りの地下道からそのまま行こう」
「無事に着いて、……うまくすればベッドで眠れるってことか」
前を見たままのリアンの言葉に、須賀は煙草の吸殻を窓から投げ捨てて、軽く笑う。
私はリアンに問いかけた。
「その地下道って、駅の地下直結の?」
「ああ、そうだ」
以前、リアンと二人で行った水戸駅地下に直通している地下道は、入り口前に横転したバスがあって、車が通れなくなっていた。私とリアンは徒歩でゲートを越えて、非常用の階段を上って水戸市街にたどり着いた。
あの階段はかなりきつい。脚を怪我している塩野は、到底一人で上れやしないだろう。たとえ階段を上らずに、ゲートを延々と駅まで歩くとしても……相当な負担になるに違いない。
隣で、ヘッドレストに頭を預けて眠っている塩野を見る。暗い車内でその顔色ははっきりしないが、間違いなく疲労困憊している。彼を誰かが抱えて歩けるだろうか。階段を上れるだろうか。肩を貸すくらいなら私もできるかもしれないが、階段は絶対に無理だ。二人で転げ落ちる。
前の座席に座る二人は、無言だ。何かあったとき対処できるように、須賀は銃を膝に置いて、窓の外を睨んでいる。
どう言えば、不審がられずにこの情報を伝えられるだろう。
……いや、もう伊丹が散々いろんなことをわめき散らしたあとだし、今更気にしても仕方がないだろう。須賀に至っては、私の素性なんてどうでもよさそうだし。なにより、こうしている間にも、車がどんどん地下道へ向かっている。時間のロスになってしまう。
私は意を決して、口を開いた。
「その、……地下道の入り口は、通れなくなってるわ。地理に明るくないから、今向かっているところが私の知っている地下道とイコールかちょっとわからないけれど……」
「通れない?」
振り返らずに、リアンは語尾を上げて聞き返してきた。須賀は二本目の、火をつけたばかりの煙草から口を離して、私を振り返る。
「バスが横転しているから」
「君はこの道を通ってきたのか?」
「……まあ、そんなところ」
答えに窮して、言葉尻が小さくなってしまった。
ルームミラー越しに、黙り込んだリアンの顔色を伺うと、暗い中でもうっすら光を反射する色の薄い目と視線がぶつかった。あわてて、目を伏せる。
進路をどうするかというよりは、私の情報が信用できるか考えている目つきだ。
「ここから一番近いゲートはそこだし、まあ、行ってみて通れなかったら別の方向へ行くってのでいいんじゃないか」
ぷかりと煙を吐き出して、須賀が提案した。
「そうだな。もうそんなに入り口まで距離も無い。着いてから考えよう」
リアンが同意して、私はほっとした。ちらりとルームミラーを確認する。もう、リアンはこちらを見ていない。
「磯波さん」
名前を呼ばれて、肩が跳ねた。これじゃあ、叱られるのに怯えている子供みたいだ。
「さっきはぶつかって、悪かった。膝は大丈夫か」
「ただの擦り傷だから。むしろ、助けてくれてありがとう」
「いや。ところで、いくつか聞いていいか」
緊張した。だが、頷く。
「答えられることなら」
「君と、伊丹の関係は? ……須賀さんにもこれは聞きたい」
隣で寝ている塩野が羨ましくなる。怪我をしてぐったりしている人相手に、酷いとは思うけれど。
自分の膝の上で指を組んでそれをじっと見る。どう説明したらいいのか、わからなかった。リアンからしたら、当然、疑問に思うことだ。だが、簡単には説明できないし、説明したところで理解してはもらえないだろう。なにより、話したくなかった。
「そんなこと聞いてどうするんだよ」
面倒くさそうに、須賀は頭の後ろで手を組んだ。
「どうもしない。ただ気になっていただけだ。君たちの関係は、正直よくわからない。だが、ここに来るまでにいろいろあったし、ここから出た後、行き会うこともそうないだろうから、聞いてみたいと思っただけだ。だから、答えたくなければ、いい」
……ここから出たら、もう会わない。そう宣言されて、胸が、刃物を突き立てられたように痛んだ。
考えてみれば当然だ。元々、友人でもない相手なのだから。しかも、彼は仕事でここに来ただけだ。その当たり前の事実に、私は強く自分の手を握った。
「まあ、俺は急にあの伊丹のド変態野郎に声掛けられて、よくわからないことをまくし立てられて、成り行きで同行してただけだ。柿山さんがあいつを心配して一緒に行くって言ったしな、あいつはあいつでなんだかよくわからんが、いろいろ知っていたんだ。この状況で次は何をすればいいか、やたら事細かにな。それこそ、エスパーみたいにだ。
ただ、あいつはやたらそこのバンビちゃんに固執していて、彼女を迎えに行くって言ってきかなかった。面倒だったがな、俺のあることないこと吹聴されるのも困るから、様子見で着いてきた。まあ、あいつのことはほとんど知らないってことだ。俺はな」
言外に、私ならよく知っていると示しているのか。伊丹の声真似までして、意地が悪い。
というか、この男、私のハードルをどんどん上げてきていないか。後ろから小突いてやろうか。
もう話す気はないという様子で、須賀は三本目の煙草を引っ張り出す。
「……君は、答えたくないか」
いつまでも口を開かない私に、リアンが確認するように問う。私は迷った。やはり、どう答えるのがベストかわからない。
リアンからしたら、私は伊丹とともにやってきた、迷惑な存在であることだろう。おまけに素性がわからず、不審。それはどうやったら挽回できるだろうか。思いつかない。
「ひとつだけ。ひとつだけ聞いていいか。……君は、俺のファーストネームをどこで知った? 俺は、君の前でフルネームでは名乗ってないはずだが」
「え」
「さっきのビルの屋上で、たしかに君は、俺のファーストネームを呼んだな」
急にそう問われて、私は言葉に詰まった。記憶があやふやだが、彼の名前を呼んだのかもしれない。あのときは無我夢中だったからはっきり覚えていないが。
リアンは今回会ったとき、下の名前は名乗らなかっただろうか。それも記憶があやふやだ。ただ、須賀までもが「ああ、そういえば」と納得したように呟いたとなれば、そうなのか。呼ばれた本人の方はきっと鮮明に覚えているのだろう、びっくりしただろうから。
嫌な汗が背中に染み出てくる。別に悪いことをしたつもりはないけれど、……それでもなぜか罪悪感が沸いてくる。
「まさか俺のことを、知っていたのか?」
ひやりとする。ルームミラー越しに、彼の視線を感じて小さくなる。頭の中が真っ白だった。リアンの立場だったら、気持ち悪いに違いない。変な女が、自分のことを知っているなんて。
「彼女、完全にあんたに怯えてるぞ。あんまりいじめんなよ。気になることがあるのはわかるけどよ。もしかすると、あんたのお友達の軍人に聞いたのかもしれないしな」
ああ。ホセに聞いたと言えばよかった。けれど、このタイミングでそう言っても、きっとリアンの不信感は拭えないだろう。むしろ、もっと信頼できないと思われる。須賀に退路を塞がれたという、八つ当たりじみた気持ちになってしまった。
じっとりした沈黙の後、リアンが大きくため息をついた。
「まあ、いい。話せるようになったら話してくれ。怯えさせるつもりはなかったんだが……」
「お、怯えてなんか……。ただ、どう説明したらいいか、わからなくて。話すつもりは、あるんだけれど……ごめんなさい」
ようやく言葉が出てきて、私はしどろもどろになりながらも、それだけ伝えた。
前の座席から、苦笑が返ってくる。
「いや、相当怯えていたぞ。というか、君はずっと俺の顔色を窺ってるな。そんなに俺が怖いか?」
「そんなことは」
あわてて否定しようとすると、何が面白いのか、須賀が笑いだす。
「はは、あれは、怯えてたんじゃなくて、熱視線だろ」
「ちょっと!」
思わず、須賀の肩を後ろから小突いてしまった。やってしまってから、顔に血が上ってきて、座席の上で膝を抱える。靴の泥で座席が汚れるが、気にしてる余裕は無い。隣でぐったりしている塩野と代わってあげたいくらいだった。
「さて到着だ」
間もなく車が止まって、私は顔をあげた。
「おー、これは……」
「彼女の言うとおりだったな」
地下道の前には、横転している大きなバスがあった。
エレベーターから降りて最初に目に入ったのは、赤々と夜の空を焦がす病院の炎だった。時折ばらばらとなにかの破片が落ちてきて道に散らばる。それを避けて、リアンは別の方向へ車を走らせた。
「進路はあんたに任せる」
須賀はそれだけ言って、自分はコンビニの袋に入れてきた煙草と使い捨てライターで、一服をはじめた。癖のある煙草の臭いが、鼻先を掠めて消えていく。
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霧雨が、フロントガラスにびっしりと水滴となってくっついて、体積を増すと自重で下へと滑り落ちていく。ワイパーがその水の珠を強制的に拭い去っていく。
「ゲートを通って外へ出るつもりだ。最寄りの地下道からそのまま行こう」
「無事に着いて、……うまくすればベッドで眠れるってことか」
前を見たままのリアンの言葉に、須賀は煙草の吸殻を窓から投げ捨てて、軽く笑う。
私はリアンに問いかけた。
「その地下道って、駅の地下直結の?」
「ああ、そうだ」
以前、リアンと二人で行った水戸駅地下に直通している地下道は、入り口前に横転したバスがあって、車が通れなくなっていた。私とリアンは徒歩でゲートを越えて、非常用の階段を上って水戸市街にたどり着いた。
あの階段はかなりきつい。脚を怪我している塩野は、到底一人で上れやしないだろう。たとえ階段を上らずに、ゲートを延々と駅まで歩くとしても……相当な負担になるに違いない。
隣で、ヘッドレストに頭を預けて眠っている塩野を見る。暗い車内でその顔色ははっきりしないが、間違いなく疲労困憊している。彼を誰かが抱えて歩けるだろうか。階段を上れるだろうか。肩を貸すくらいなら私もできるかもしれないが、階段は絶対に無理だ。二人で転げ落ちる。
前の座席に座る二人は、無言だ。何かあったとき対処できるように、須賀は銃を膝に置いて、窓の外を睨んでいる。
どう言えば、不審がられずにこの情報を伝えられるだろう。
……いや、もう伊丹が散々いろんなことをわめき散らしたあとだし、今更気にしても仕方がないだろう。須賀に至っては、私の素性なんてどうでもよさそうだし。なにより、こうしている間にも、車がどんどん地下道へ向かっている。時間のロスになってしまう。
私は意を決して、口を開いた。
「その、……地下道の入り口は、通れなくなってるわ。地理に明るくないから、今向かっているところが私の知っている地下道とイコールかちょっとわからないけれど……」
「通れない?」
振り返らずに、リアンは語尾を上げて聞き返してきた。須賀は二本目の、火をつけたばかりの煙草から口を離して、私を振り返る。
「バスが横転しているから」
「君はこの道を通ってきたのか?」
「……まあ、そんなところ」
答えに窮して、言葉尻が小さくなってしまった。
ルームミラー越しに、黙り込んだリアンの顔色を伺うと、暗い中でもうっすら光を反射する色の薄い目と視線がぶつかった。あわてて、目を伏せる。
進路をどうするかというよりは、私の情報が信用できるか考えている目つきだ。
「ここから一番近いゲートはそこだし、まあ、行ってみて通れなかったら別の方向へ行くってのでいいんじゃないか」
ぷかりと煙を吐き出して、須賀が提案した。
「そうだな。もうそんなに入り口まで距離も無い。着いてから考えよう」
リアンが同意して、私はほっとした。ちらりとルームミラーを確認する。もう、リアンはこちらを見ていない。
「磯波さん」
名前を呼ばれて、肩が跳ねた。これじゃあ、叱られるのに怯えている子供みたいだ。
「さっきはぶつかって、悪かった。膝は大丈夫か」
「ただの擦り傷だから。むしろ、助けてくれてありがとう」
「いや。ところで、いくつか聞いていいか」
緊張した。だが、頷く。
「答えられることなら」
「君と、伊丹の関係は? ……須賀さんにもこれは聞きたい」
隣で寝ている塩野が羨ましくなる。怪我をしてぐったりしている人相手に、酷いとは思うけれど。
自分の膝の上で指を組んでそれをじっと見る。どう説明したらいいのか、わからなかった。リアンからしたら、当然、疑問に思うことだ。だが、簡単には説明できないし、説明したところで理解してはもらえないだろう。なにより、話したくなかった。
「そんなこと聞いてどうするんだよ」
面倒くさそうに、須賀は頭の後ろで手を組んだ。
「どうもしない。ただ気になっていただけだ。君たちの関係は、正直よくわからない。だが、ここに来るまでにいろいろあったし、ここから出た後、行き会うこともそうないだろうから、聞いてみたいと思っただけだ。だから、答えたくなければ、いい」
……ここから出たら、もう会わない。そう宣言されて、胸が、刃物を突き立てられたように痛んだ。
考えてみれば当然だ。元々、友人でもない相手なのだから。しかも、彼は仕事でここに来ただけだ。その当たり前の事実に、私は強く自分の手を握った。
「まあ、俺は急にあの伊丹のド変態野郎に声掛けられて、よくわからないことをまくし立てられて、成り行きで同行してただけだ。柿山さんがあいつを心配して一緒に行くって言ったしな、あいつはあいつでなんだかよくわからんが、いろいろ知っていたんだ。この状況で次は何をすればいいか、やたら事細かにな。それこそ、エスパーみたいにだ。
ただ、あいつはやたらそこのバンビちゃんに固執していて、彼女を迎えに行くって言ってきかなかった。面倒だったがな、俺のあることないこと吹聴されるのも困るから、様子見で着いてきた。まあ、あいつのことはほとんど知らないってことだ。俺はな」
言外に、私ならよく知っていると示しているのか。伊丹の声真似までして、意地が悪い。
というか、この男、私のハードルをどんどん上げてきていないか。後ろから小突いてやろうか。
もう話す気はないという様子で、須賀は三本目の煙草を引っ張り出す。
「……君は、答えたくないか」
いつまでも口を開かない私に、リアンが確認するように問う。私は迷った。やはり、どう答えるのがベストかわからない。
リアンからしたら、私は伊丹とともにやってきた、迷惑な存在であることだろう。おまけに素性がわからず、不審。それはどうやったら挽回できるだろうか。思いつかない。
「ひとつだけ。ひとつだけ聞いていいか。……君は、俺のファーストネームをどこで知った? 俺は、君の前でフルネームでは名乗ってないはずだが」
「え」
「さっきのビルの屋上で、たしかに君は、俺のファーストネームを呼んだな」
急にそう問われて、私は言葉に詰まった。記憶があやふやだが、彼の名前を呼んだのかもしれない。あのときは無我夢中だったからはっきり覚えていないが。
リアンは今回会ったとき、下の名前は名乗らなかっただろうか。それも記憶があやふやだ。ただ、須賀までもが「ああ、そういえば」と納得したように呟いたとなれば、そうなのか。呼ばれた本人の方はきっと鮮明に覚えているのだろう、びっくりしただろうから。
嫌な汗が背中に染み出てくる。別に悪いことをしたつもりはないけれど、……それでもなぜか罪悪感が沸いてくる。
「まさか俺のことを、知っていたのか?」
ひやりとする。ルームミラー越しに、彼の視線を感じて小さくなる。頭の中が真っ白だった。リアンの立場だったら、気持ち悪いに違いない。変な女が、自分のことを知っているなんて。
「彼女、完全にあんたに怯えてるぞ。あんまりいじめんなよ。気になることがあるのはわかるけどよ。もしかすると、あんたのお友達の軍人に聞いたのかもしれないしな」
ああ。ホセに聞いたと言えばよかった。けれど、このタイミングでそう言っても、きっとリアンの不信感は拭えないだろう。むしろ、もっと信頼できないと思われる。須賀に退路を塞がれたという、八つ当たりじみた気持ちになってしまった。
じっとりした沈黙の後、リアンが大きくため息をついた。
「まあ、いい。話せるようになったら話してくれ。怯えさせるつもりはなかったんだが……」
「お、怯えてなんか……。ただ、どう説明したらいいか、わからなくて。話すつもりは、あるんだけれど……ごめんなさい」
ようやく言葉が出てきて、私はしどろもどろになりながらも、それだけ伝えた。
前の座席から、苦笑が返ってくる。
「いや、相当怯えていたぞ。というか、君はずっと俺の顔色を窺ってるな。そんなに俺が怖いか?」
「そんなことは」
あわてて否定しようとすると、何が面白いのか、須賀が笑いだす。
「はは、あれは、怯えてたんじゃなくて、熱視線だろ」
「ちょっと!」
思わず、須賀の肩を後ろから小突いてしまった。やってしまってから、顔に血が上ってきて、座席の上で膝を抱える。靴の泥で座席が汚れるが、気にしてる余裕は無い。隣でぐったりしている塩野と代わってあげたいくらいだった。
「さて到着だ」
間もなく車が止まって、私は顔をあげた。
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「彼女の言うとおりだったな」
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