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本編
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「それじゃあ、ミシカたちはここで救助を待っていたのか」
ホセに、リアンたちと二手に分かれて、脱出の手はずを整えているという話をすると、彼は顔をほころばせた。リアンとは、同じ基地で何度か任務を一緒にこなした仲だという。そういえば、ホセとリアンの関係については、よく聞いたことがなかったななどと、のんきなことを私は考えた。
二階は以前、ホセと出会う前に通りがかったが、結局ちゃんと確認しなかった階だ。
私たちはエレベーターを下りると、ホセを先頭にして列をつくり、まずは二階の処置室に入ることにした。
53、
二階処置室内も、フロアと同じく埃が積もっていたものの、一階の部屋よりいろいろな物資が残されているようだった。
塩ビのタイルは、しばらく誰も踏み入れなかったことを示すように、まるで雪のように埃がつもっている。窓の外はやはり小雨が降っており薄暗い。半開きになったブラインドの下から、その様子が見えた。
一発目から、当たりを引いたらしい。窓際に、鍵付きのキャビネットがあり、そこに陳列されている備品はやや日に焼けているが、まだ個包装を開封する前だった。注射器も何本かある。滅菌処理してパウチされた、鉗子やメスと言った道具類もあった。
ホセが自身の肩のホルダーにしまっていたナイフで、慎重に鍵を外しにかかる。キャビネットに華奢なねじで止めつけてある掛けがねごと外すようだ。もし、キャビネットのガラスが割れて破片がばらまかれでもしたら、中の物資も使えなくなってしまうので、かなり丁寧にナイフを動かしていた。
やがて鍵が外れた。
キャビネットのなかのものを、私が見つけたプラスチック製の底が深いかごに入れていく。おそらくは、患者が手荷物をいれるためのかごだろう。
ホセは、柿山からもらったメモを見ながらカウントする。
「この薬が足りないみたいだ。俺は、別の部屋を見て来る。あんたは、この部屋をもっと良く探してくれるか」
言うが早いか、彼は踵を返し部屋を出て行く。私と伊丹が部屋に残された。
他の棚や備品の箱を開け、中に使えるものがないか確認する。まだ使用されていない針が箱に入っていたので、箱ごとかごの中に入れた。他にも何に使うかよくわからないゴムの管や、金属製のトレイなど、滅菌処理後のパウチに入っているものは詰め込んでおく。
「バンビちゃん」
声をかけられ、振り返ると、手持ち無沙汰にしていた伊丹が神妙な顔をして、背後にしゃがみ込んでいた。作業に夢中になっていて、彼の存在を忘れていた。大人しくしていたから。
「ねえ、仲直りしよう」
「どういう意味?」
本当に何が言いたいのかわからない。
だが、伊丹は、いいことを思いついた子供のように、ひときわ表情を明るくして、私の手をとった。
「僕ら、ちょっと行き違いがあって、ぎすぎすしているけれど、本当はこんなんじゃないでしょ? もっと、協力的になろう。僕らはこれからこの街を脱出して、僕らにふさわしい場所へ行くんだ」
「……その、ふさわしい場所っていうのはどこ? それを聞いてなかった」
手を止めて伊丹を正面から見る。
「ここを出たら、須賀と大木が、彼らの本拠地に連れて行ってくれる。そしたら、僕らは何不自由ない生活ができる。彼らの、神のように」
彼は、――本当に子供のようだ。本当にそうなると信じているのだろう。目が輝いている。
何不自由ない生活。そんなものが最終目標? その生活がどんなものか、定義もなにもわからない。
そもそも伊丹の言う通り、私たちのこの説明しがたい症状を招いたのが、本当に彼らの仕業だとしたら、それを抱えて何不自由ない生活を送れるのか? 本人たちが現状に不自由や不満を感じてこんな騒ぎを起こしているのに、不自由がない生活がわかるのか?
それに。……彼らが本当に、私たちのような吹けば飛ぶような一個人を、大事に扱うものか。こんな兵器を手に入れるだけの力がある団体が。こんな兵器を、使ってまで自分たちの主張を押し通そうとする人たちが。
「伊丹君」
私は彼の手をそっと離した。
「そもそも、直す仲がないわ。これまでも、これからも。加害者と被害者で、信頼関係なんて築けると思う?」
怒鳴りつけてやりたくなる気持ちを抑えたせいで、声が震えた。本心を言えば、こうして手に触れることすら、気分が悪い。
伊丹の顔がさっと朱に染まった。怒り、恥辱。
同時に、手が伸びて来て胸ぐらを掴まれ床に引きずり倒される。それでも、私の口は止まらなかった。
「殴って犯して殺して、そんなことしかできない人間が、仲直り? 笑わせないで。私に、メリットなんかないじゃない。もっとましな提案をしてよ」
「許してやろうと思ったのに! だからチャンスをやったのに、お前は」
ぎりぎりと首を絞められる。頭にかっと血が上るような感覚があり、今度はすぐにその血が下がってくる。
◆
「おい、大丈夫か?」
肩を揺さぶられて、意識が浮上した。埃と湿気の臭いがする。
灰色の天井と、心配そうなホセの顔が見えた。私は床に寝ていたようだ。
身を起こすと軽い眩暈と、首の痛み。首の方は、風邪のときのような内側の痛みではなくて、打ち身をしたときのような疼痛だ。手で喉に触れた時、自分の服の前が派手に引き裂かれ、下着まで無理矢理たくし上げられていることに気づいた。ぎくりとして両腕で前を隠す。動揺で腕が震えた。
だが、ショートパンツの方は無事そうだった。
「安心しろ未遂だ。って言っても、気分は悪いだろうけど」
ホセが、自分の雨除けのポンチョを肩からかけてくれた。どうしたらいいかわからないのだろう、困ったように視線をうろうろさせて、私を直視しようとしなかった。
深呼吸をして、自分を落ち着かせる。たしか、伊丹に首を絞められた。その後の記憶が飛んでいる。
「私、どうしたの」
「絞められて、落ちたんだ。他に痛むところは?」
「いえ……ありがとう」
首が痛いくらいだ。
たぶん、気を失っていた時間はそう長くないだろう。
振り返ると、床に這いつくばった伊丹がいた。頬と目の回りに、くっきりと痣がある。腹部を押さえて丸くなり、痛みに耐えているようだった。ホセにやられたのだろう。
「こういう状況下で、倫理観が飛ぶ奴は結構いるが、こいつは典型だな」
ホセは立ち上がると、未だ呻いている伊丹の横にしゃがみ込んで、彼の肩をつかんで、仰向けにした。床の埃があちこちに付着して、伊丹の格好はひどいものだった。私も似たようなものだが。
「いいか、くそガキ。お前が今後、なにか馬鹿なことをやらかしたら、そのつど俺がお前の横っ面にフックを決めてやる。それが嫌なら、彼女の三メートル以内に近付くな。わかったか? レイプ野郎」
伊丹は返事をせず、怒りでぎらぎらした目でホセを睨んだ。ホセは、鼻で笑うと、彼が腹部を押さえている手の上から、ごつごつしたブーツの踵をめり込ませた。多分、大けがしない程度に手加減をして。
「わかったか? わからないのか? どっちだ」
「ぐっ……ぎ、わ、わかった」
声に屈辱の色をこもらせたまま、伊丹は言葉を歯の間から絞り出す。
「……おい、立てるか? ミシカ。俺の集めて来た薬もそのかごに入れた。急いで戻ろう」
ホセが入れてくれた薬瓶ごと、私はかごを抱えた。やや重たいけれど、仕方がない。来る時と同じく、ホセが先頭でその横にうつむいた伊丹、後ろに私という並びで、部屋を出た。
部屋のドアを抜け、ホセが廊下の安全を確認しているとき、ふと、目に入った。伊丹の、焼けるような憎しみの目が、ホセに向けられているのを。
ホセに、リアンたちと二手に分かれて、脱出の手はずを整えているという話をすると、彼は顔をほころばせた。リアンとは、同じ基地で何度か任務を一緒にこなした仲だという。そういえば、ホセとリアンの関係については、よく聞いたことがなかったななどと、のんきなことを私は考えた。
二階は以前、ホセと出会う前に通りがかったが、結局ちゃんと確認しなかった階だ。
私たちはエレベーターを下りると、ホセを先頭にして列をつくり、まずは二階の処置室に入ることにした。
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二階処置室内も、フロアと同じく埃が積もっていたものの、一階の部屋よりいろいろな物資が残されているようだった。
塩ビのタイルは、しばらく誰も踏み入れなかったことを示すように、まるで雪のように埃がつもっている。窓の外はやはり小雨が降っており薄暗い。半開きになったブラインドの下から、その様子が見えた。
一発目から、当たりを引いたらしい。窓際に、鍵付きのキャビネットがあり、そこに陳列されている備品はやや日に焼けているが、まだ個包装を開封する前だった。注射器も何本かある。滅菌処理してパウチされた、鉗子やメスと言った道具類もあった。
ホセが自身の肩のホルダーにしまっていたナイフで、慎重に鍵を外しにかかる。キャビネットに華奢なねじで止めつけてある掛けがねごと外すようだ。もし、キャビネットのガラスが割れて破片がばらまかれでもしたら、中の物資も使えなくなってしまうので、かなり丁寧にナイフを動かしていた。
やがて鍵が外れた。
キャビネットのなかのものを、私が見つけたプラスチック製の底が深いかごに入れていく。おそらくは、患者が手荷物をいれるためのかごだろう。
ホセは、柿山からもらったメモを見ながらカウントする。
「この薬が足りないみたいだ。俺は、別の部屋を見て来る。あんたは、この部屋をもっと良く探してくれるか」
言うが早いか、彼は踵を返し部屋を出て行く。私と伊丹が部屋に残された。
他の棚や備品の箱を開け、中に使えるものがないか確認する。まだ使用されていない針が箱に入っていたので、箱ごとかごの中に入れた。他にも何に使うかよくわからないゴムの管や、金属製のトレイなど、滅菌処理後のパウチに入っているものは詰め込んでおく。
「バンビちゃん」
声をかけられ、振り返ると、手持ち無沙汰にしていた伊丹が神妙な顔をして、背後にしゃがみ込んでいた。作業に夢中になっていて、彼の存在を忘れていた。大人しくしていたから。
「ねえ、仲直りしよう」
「どういう意味?」
本当に何が言いたいのかわからない。
だが、伊丹は、いいことを思いついた子供のように、ひときわ表情を明るくして、私の手をとった。
「僕ら、ちょっと行き違いがあって、ぎすぎすしているけれど、本当はこんなんじゃないでしょ? もっと、協力的になろう。僕らはこれからこの街を脱出して、僕らにふさわしい場所へ行くんだ」
「……その、ふさわしい場所っていうのはどこ? それを聞いてなかった」
手を止めて伊丹を正面から見る。
「ここを出たら、須賀と大木が、彼らの本拠地に連れて行ってくれる。そしたら、僕らは何不自由ない生活ができる。彼らの、神のように」
彼は、――本当に子供のようだ。本当にそうなると信じているのだろう。目が輝いている。
何不自由ない生活。そんなものが最終目標? その生活がどんなものか、定義もなにもわからない。
そもそも伊丹の言う通り、私たちのこの説明しがたい症状を招いたのが、本当に彼らの仕業だとしたら、それを抱えて何不自由ない生活を送れるのか? 本人たちが現状に不自由や不満を感じてこんな騒ぎを起こしているのに、不自由がない生活がわかるのか?
それに。……彼らが本当に、私たちのような吹けば飛ぶような一個人を、大事に扱うものか。こんな兵器を手に入れるだけの力がある団体が。こんな兵器を、使ってまで自分たちの主張を押し通そうとする人たちが。
「伊丹君」
私は彼の手をそっと離した。
「そもそも、直す仲がないわ。これまでも、これからも。加害者と被害者で、信頼関係なんて築けると思う?」
怒鳴りつけてやりたくなる気持ちを抑えたせいで、声が震えた。本心を言えば、こうして手に触れることすら、気分が悪い。
伊丹の顔がさっと朱に染まった。怒り、恥辱。
同時に、手が伸びて来て胸ぐらを掴まれ床に引きずり倒される。それでも、私の口は止まらなかった。
「殴って犯して殺して、そんなことしかできない人間が、仲直り? 笑わせないで。私に、メリットなんかないじゃない。もっとましな提案をしてよ」
「許してやろうと思ったのに! だからチャンスをやったのに、お前は」
ぎりぎりと首を絞められる。頭にかっと血が上るような感覚があり、今度はすぐにその血が下がってくる。
◆
「おい、大丈夫か?」
肩を揺さぶられて、意識が浮上した。埃と湿気の臭いがする。
灰色の天井と、心配そうなホセの顔が見えた。私は床に寝ていたようだ。
身を起こすと軽い眩暈と、首の痛み。首の方は、風邪のときのような内側の痛みではなくて、打ち身をしたときのような疼痛だ。手で喉に触れた時、自分の服の前が派手に引き裂かれ、下着まで無理矢理たくし上げられていることに気づいた。ぎくりとして両腕で前を隠す。動揺で腕が震えた。
だが、ショートパンツの方は無事そうだった。
「安心しろ未遂だ。って言っても、気分は悪いだろうけど」
ホセが、自分の雨除けのポンチョを肩からかけてくれた。どうしたらいいかわからないのだろう、困ったように視線をうろうろさせて、私を直視しようとしなかった。
深呼吸をして、自分を落ち着かせる。たしか、伊丹に首を絞められた。その後の記憶が飛んでいる。
「私、どうしたの」
「絞められて、落ちたんだ。他に痛むところは?」
「いえ……ありがとう」
首が痛いくらいだ。
たぶん、気を失っていた時間はそう長くないだろう。
振り返ると、床に這いつくばった伊丹がいた。頬と目の回りに、くっきりと痣がある。腹部を押さえて丸くなり、痛みに耐えているようだった。ホセにやられたのだろう。
「こういう状況下で、倫理観が飛ぶ奴は結構いるが、こいつは典型だな」
ホセは立ち上がると、未だ呻いている伊丹の横にしゃがみ込んで、彼の肩をつかんで、仰向けにした。床の埃があちこちに付着して、伊丹の格好はひどいものだった。私も似たようなものだが。
「いいか、くそガキ。お前が今後、なにか馬鹿なことをやらかしたら、そのつど俺がお前の横っ面にフックを決めてやる。それが嫌なら、彼女の三メートル以内に近付くな。わかったか? レイプ野郎」
伊丹は返事をせず、怒りでぎらぎらした目でホセを睨んだ。ホセは、鼻で笑うと、彼が腹部を押さえている手の上から、ごつごつしたブーツの踵をめり込ませた。多分、大けがしない程度に手加減をして。
「わかったか? わからないのか? どっちだ」
「ぐっ……ぎ、わ、わかった」
声に屈辱の色をこもらせたまま、伊丹は言葉を歯の間から絞り出す。
「……おい、立てるか? ミシカ。俺の集めて来た薬もそのかごに入れた。急いで戻ろう」
ホセが入れてくれた薬瓶ごと、私はかごを抱えた。やや重たいけれど、仕方がない。来る時と同じく、ホセが先頭でその横にうつむいた伊丹、後ろに私という並びで、部屋を出た。
部屋のドアを抜け、ホセが廊下の安全を確認しているとき、ふと、目に入った。伊丹の、焼けるような憎しみの目が、ホセに向けられているのを。
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