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本編
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喉が枯れて、掠れた声しか出なくなって叫ぶのを止めた。息苦しい。
椅子の上で拘束されたまま、目を伏せた。全力で叫んでも、これ以上目が覚めたりはしなかった。
私はやはり、あのあと死んだのだ。そして、またこの病院に戻って来た。
50、
不毛だ。どれだけ努力して新しい世界に馴染んでも、死ねばすべて失ってしまう。それは普通の人だって同じことだが、失ったあと、また築かなければいけないという、この無力感を味わうことはそうないだろう。
このままここにいれば、私はあの鉈を持った少女に襲われて死ぬだろう。
でも、それでいい。また、一からやり直して何になる。その度傷ついて失って、何になる。すり減るだけだ。何もしない方がいい。死の苦しみを何度味わうことになろうとも。
いつか本当の意味で死ねるときがきたら、きっと私は喜ぶんだろう。
ひたひたと、足音が近づいて来る。床を見つめていた私の視界に、華奢な足が現れる。
顔を上げると、血塗れのワンピースを着た少女が立っていた。彼女の手には、鉈が握られている。
振りかぶられたその鉈を、私はじっと見つめていた。好ましい死を待つ。
少女の肩口から、血しぶきがあがった。彼女の血が目元にあたり、私は思わず顔を背けた。少女が緩慢な動きでその場に頽れる。
「ああ、よかった無事だった。迎えに来たよ、バンビちゃん」
後ろから少女の喉元を切り裂いたナイフの血糊を、小花柄のワンピースで拭きながら、伊丹が笑顔を作った。前回見たときより髪が短く、黒っぽいパーカーを着て、チノパンを履いている。眼鏡はしていない。視力はそこまで悪くないのか。
伊丹は、私のことを爪先から頭のてっぺんまでゆっくり観察すると、笑った。
「バンビちゃん、僕のことわかるよね? ……ねえ、わかるよね?」
返事をせずに無視していると、無遠慮に頬に触れられた。不快さに眉を顰めた。
「何の用? もう、目的は果たしたんでしょう、伊丹君」
答えに満足したのか、彼は目を細めた。
「まだだよ。これからが大事なんだ。だから、君を迎えに来た。君が病院で目覚めたっていうのは聞いていたけれど、旧館の方だとは思わなかったから、苦労したよ」
話しながら、伊丹は私の拘束を解いていく。
「君の、最期を教えてあげる」
「いらない」
「もちろん、僕が君を殺した。ドアを蹴破って意識のない君をトイレから引きずり出して、いっぱい犯してやった。そして、警察がきたとき、君の頭を銃で撃ち抜いて、自分の頭も撃ったんだよ。君を犯しているとき、電話越しで彼が怒っていたよ、ミシカに触るなって」
私の腕の拘束を解きながらの耳打ち。耳に生暖かい息がかかり、腹の底から不快感がこみ上げて来る。リアンの叫び声を思い浮かべると、苦しくなった。
「いくら叫んでも君には会えないのにね。可哀想に。その点、僕らは望めばこうして、また巡り会える。ちゃんと記憶を保ったまま。彼の声、君にも聞かせてあげたかったよ」
自由になって私は立ち上がると、伊丹と距離をとった。
「……もう、昔のことだわ」
痛む手首をさすりながら、私は伊丹を見つめた。
造作は美しいけれど、劣等感で歪んだ顔。それを補うために妄想までして、自分が優越していると思い込んでいる。
こんな奴に殺されるなんて、私はほとほとついていない。
「そう、昔のことだよ。これからは、君は僕と一緒に生きていくんだ」
「ここを出るの? この街を」
私は工具箱に挿されていたバールを取り出そうとしたが、伊丹に止められた。
「大丈夫、そういう荒っぽいのは、僕たち男がやってあげるから。バンビちゃんは、僕に着いてくればいいんだよ」
「そう」
大人しく彼に従う。手首を掴まれ引っ張られれば、それに逆らわず後ろに続く。それに気を良くしたのか、伊丹は私を子供かなにかのように従えて、部屋を出た。私が、後ろ手でものを取ったことにも気付かずに。
「階段の上に連れを待たせているんだ。柿山と、須賀と、大木」
「ああ、旭日独立軍の」
「そうだよ、よくわかったね」
自分で前に得意げに話していたことを忘れているのか、私を馬鹿にしているのか知らないが、できの悪い生徒をほめる教師のように、大げさに彼は破顔した。
「柿山は、二人の素性を知らないから、今のうちは黙っていてね。彼は何かと役に立つから、脱出するまで一緒にいた方がいいでしょ」
たしかに、精神科が専門とはいえ、医者の柿山が同行してくれるとなると、かなり心強いだろう。だが、いつかは彼を切り捨てるつもりのように聞こえた。
階段を上ると、伊丹が言った通り、三人の男性が待っていた。一人は見覚えのある柿山で、もう二人は、ニュースで写真を何度か見た顔ではあった。
目が引っ込んだ頑固そうな顔立ちの男と、もう一人は白くて丸い顔をした男。どちらも四十代くらいで、ブルーの医療従事者のユニフォームを着ていた。二人とも、泥や血で汚れているが。
「みんなお待たせ、彼女を連れて来たよ」
伊丹は得意げに言うと、私の背を押し三人の前に突き出した。
「改めて紹介するよ。彼女が磯波美鹿。僕の、運命の人だよ」
男たちがそれぞれ会釈をしたり、手を差し出したりしてくる。私はそれを無視した。
意図したとおり気まずい雰囲気になる。
「彼女も、こんな状況だから気が張っているんだ。悪いね。それじゃあ、日が暮れないうちにここを出よう」
「そうは言っても、伊丹君、外に出るのは危険だよ。また狙撃されかねない」
柿山の進言に、伊丹は出鼻をくじかれた形になり、露骨に面白くなさそうな顔をした。
「大丈夫だよ。その点に関して言えば、バンビちゃんがよく分かっているから」
そう言って、伊丹は私の肩を叩いた。
たしかに、この病院から一度生還している私は、その手順を覚えている。それが安全確実かどうかは置いておいて。
上手くすれば前回より、きっとスムーズにここを脱出できるだろう。
伊丹の顔を見ると、その方法を教えろと目で言っていた。私は視線を逸らして、簡潔に話した。
「向かいのビルに狙撃手がいるから、それを倒して、この病院の屋上に来る救助ヘリで脱出するのよ。ヘリは午後四時に来る」
満足げに微笑んだ伊丹は、提案した。
「それじゃあ、僕と彼女はここに残って脱出経路を確保しておくから、三人は向こうのビルへ行って狙撃手を倒してよ」
私は、思わず伊丹の顔を見た。薄ら笑いを浮かべているが、今の提案が冗談だったからというわけではなさそうだ。彼が笑っているのは、そんなことは簡単だろうという、余裕。
これには、三人の男たちも顔を見合わせる。
「私は、向こうのビルのことを少しはわかるから、そちらに同行する」
当然のことを申し出たのに、伊丹の顔色がさっと変わった。怒っているようだ。
「僕が決めたんだから、従え」
腕を強く引っ張られ、たたらを踏んだ。目をぎらつかせる伊丹を、下からねめつける。
「まあまあ、伊丹君。彼女の助言があれば助かると思うんだが」
割って入って来たのは柿山だ。だが、伊丹は、柿山を敵のように睨む。
「そんなこと関係ない。彼女になにかあったらどうするんだ」
他の人間がどうなってもかまわないという意味の言葉に、私は内心で失笑した。
そのとき、だん、と奥のドアが勢いよく開き、黒光りする銃が二丁、こちらに向けられた。
「動くな、手を挙げろ」
その声で、私は動きを止めた。制止されたからじゃない。条件反射のように、その声を聞くと、体が動かなくなった。
処置室のドアから半身を出してこちらを威嚇していたのは、塩野とリアンだった。
椅子の上で拘束されたまま、目を伏せた。全力で叫んでも、これ以上目が覚めたりはしなかった。
私はやはり、あのあと死んだのだ。そして、またこの病院に戻って来た。
50、
不毛だ。どれだけ努力して新しい世界に馴染んでも、死ねばすべて失ってしまう。それは普通の人だって同じことだが、失ったあと、また築かなければいけないという、この無力感を味わうことはそうないだろう。
このままここにいれば、私はあの鉈を持った少女に襲われて死ぬだろう。
でも、それでいい。また、一からやり直して何になる。その度傷ついて失って、何になる。すり減るだけだ。何もしない方がいい。死の苦しみを何度味わうことになろうとも。
いつか本当の意味で死ねるときがきたら、きっと私は喜ぶんだろう。
ひたひたと、足音が近づいて来る。床を見つめていた私の視界に、華奢な足が現れる。
顔を上げると、血塗れのワンピースを着た少女が立っていた。彼女の手には、鉈が握られている。
振りかぶられたその鉈を、私はじっと見つめていた。好ましい死を待つ。
少女の肩口から、血しぶきがあがった。彼女の血が目元にあたり、私は思わず顔を背けた。少女が緩慢な動きでその場に頽れる。
「ああ、よかった無事だった。迎えに来たよ、バンビちゃん」
後ろから少女の喉元を切り裂いたナイフの血糊を、小花柄のワンピースで拭きながら、伊丹が笑顔を作った。前回見たときより髪が短く、黒っぽいパーカーを着て、チノパンを履いている。眼鏡はしていない。視力はそこまで悪くないのか。
伊丹は、私のことを爪先から頭のてっぺんまでゆっくり観察すると、笑った。
「バンビちゃん、僕のことわかるよね? ……ねえ、わかるよね?」
返事をせずに無視していると、無遠慮に頬に触れられた。不快さに眉を顰めた。
「何の用? もう、目的は果たしたんでしょう、伊丹君」
答えに満足したのか、彼は目を細めた。
「まだだよ。これからが大事なんだ。だから、君を迎えに来た。君が病院で目覚めたっていうのは聞いていたけれど、旧館の方だとは思わなかったから、苦労したよ」
話しながら、伊丹は私の拘束を解いていく。
「君の、最期を教えてあげる」
「いらない」
「もちろん、僕が君を殺した。ドアを蹴破って意識のない君をトイレから引きずり出して、いっぱい犯してやった。そして、警察がきたとき、君の頭を銃で撃ち抜いて、自分の頭も撃ったんだよ。君を犯しているとき、電話越しで彼が怒っていたよ、ミシカに触るなって」
私の腕の拘束を解きながらの耳打ち。耳に生暖かい息がかかり、腹の底から不快感がこみ上げて来る。リアンの叫び声を思い浮かべると、苦しくなった。
「いくら叫んでも君には会えないのにね。可哀想に。その点、僕らは望めばこうして、また巡り会える。ちゃんと記憶を保ったまま。彼の声、君にも聞かせてあげたかったよ」
自由になって私は立ち上がると、伊丹と距離をとった。
「……もう、昔のことだわ」
痛む手首をさすりながら、私は伊丹を見つめた。
造作は美しいけれど、劣等感で歪んだ顔。それを補うために妄想までして、自分が優越していると思い込んでいる。
こんな奴に殺されるなんて、私はほとほとついていない。
「そう、昔のことだよ。これからは、君は僕と一緒に生きていくんだ」
「ここを出るの? この街を」
私は工具箱に挿されていたバールを取り出そうとしたが、伊丹に止められた。
「大丈夫、そういう荒っぽいのは、僕たち男がやってあげるから。バンビちゃんは、僕に着いてくればいいんだよ」
「そう」
大人しく彼に従う。手首を掴まれ引っ張られれば、それに逆らわず後ろに続く。それに気を良くしたのか、伊丹は私を子供かなにかのように従えて、部屋を出た。私が、後ろ手でものを取ったことにも気付かずに。
「階段の上に連れを待たせているんだ。柿山と、須賀と、大木」
「ああ、旭日独立軍の」
「そうだよ、よくわかったね」
自分で前に得意げに話していたことを忘れているのか、私を馬鹿にしているのか知らないが、できの悪い生徒をほめる教師のように、大げさに彼は破顔した。
「柿山は、二人の素性を知らないから、今のうちは黙っていてね。彼は何かと役に立つから、脱出するまで一緒にいた方がいいでしょ」
たしかに、精神科が専門とはいえ、医者の柿山が同行してくれるとなると、かなり心強いだろう。だが、いつかは彼を切り捨てるつもりのように聞こえた。
階段を上ると、伊丹が言った通り、三人の男性が待っていた。一人は見覚えのある柿山で、もう二人は、ニュースで写真を何度か見た顔ではあった。
目が引っ込んだ頑固そうな顔立ちの男と、もう一人は白くて丸い顔をした男。どちらも四十代くらいで、ブルーの医療従事者のユニフォームを着ていた。二人とも、泥や血で汚れているが。
「みんなお待たせ、彼女を連れて来たよ」
伊丹は得意げに言うと、私の背を押し三人の前に突き出した。
「改めて紹介するよ。彼女が磯波美鹿。僕の、運命の人だよ」
男たちがそれぞれ会釈をしたり、手を差し出したりしてくる。私はそれを無視した。
意図したとおり気まずい雰囲気になる。
「彼女も、こんな状況だから気が張っているんだ。悪いね。それじゃあ、日が暮れないうちにここを出よう」
「そうは言っても、伊丹君、外に出るのは危険だよ。また狙撃されかねない」
柿山の進言に、伊丹は出鼻をくじかれた形になり、露骨に面白くなさそうな顔をした。
「大丈夫だよ。その点に関して言えば、バンビちゃんがよく分かっているから」
そう言って、伊丹は私の肩を叩いた。
たしかに、この病院から一度生還している私は、その手順を覚えている。それが安全確実かどうかは置いておいて。
上手くすれば前回より、きっとスムーズにここを脱出できるだろう。
伊丹の顔を見ると、その方法を教えろと目で言っていた。私は視線を逸らして、簡潔に話した。
「向かいのビルに狙撃手がいるから、それを倒して、この病院の屋上に来る救助ヘリで脱出するのよ。ヘリは午後四時に来る」
満足げに微笑んだ伊丹は、提案した。
「それじゃあ、僕と彼女はここに残って脱出経路を確保しておくから、三人は向こうのビルへ行って狙撃手を倒してよ」
私は、思わず伊丹の顔を見た。薄ら笑いを浮かべているが、今の提案が冗談だったからというわけではなさそうだ。彼が笑っているのは、そんなことは簡単だろうという、余裕。
これには、三人の男たちも顔を見合わせる。
「私は、向こうのビルのことを少しはわかるから、そちらに同行する」
当然のことを申し出たのに、伊丹の顔色がさっと変わった。怒っているようだ。
「僕が決めたんだから、従え」
腕を強く引っ張られ、たたらを踏んだ。目をぎらつかせる伊丹を、下からねめつける。
「まあまあ、伊丹君。彼女の助言があれば助かると思うんだが」
割って入って来たのは柿山だ。だが、伊丹は、柿山を敵のように睨む。
「そんなこと関係ない。彼女になにかあったらどうするんだ」
他の人間がどうなってもかまわないという意味の言葉に、私は内心で失笑した。
そのとき、だん、と奥のドアが勢いよく開き、黒光りする銃が二丁、こちらに向けられた。
「動くな、手を挙げろ」
その声で、私は動きを止めた。制止されたからじゃない。条件反射のように、その声を聞くと、体が動かなくなった。
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