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優雅に娶られる
*
しおりを挟む「…最高に格好よくなったね、麟斗君。」
今でも、私は華奢で小さくて、彼は逞しくて大きいまま。差は開きっぱなし。
しんみりしてしまって、瞳がなんでかな、潤んできた。
言葉に出来ない感情が込み上げてくる。
こうして麟斗君に寄り添ってると、『この先は絶対に大丈夫』って、わかるんだもの。
私じゃ旅館のこと、どうにもできなかったけど。
麟斗君の胸元に添えていた手で、彼にしがみついた。
「ありがとう。凛子がそう言ってくれて、この先頑張れそうだ。」
麟斗君が、私の頭を子供を慰めるように優しく撫でる。
私は、彼の優しさに甘えて抱きしめてもらった。
「この時間、俺は好きだな。」
急に落胆してしまった、気まぐれなお嬢様を赦してくれる。
やはり大人な彼は、素敵だなと思った。
何時までもこのまま、麟斗君に甘えじゃれていたいな………ーーー。
子猫みたいな淡い気持ちは、車の目的地到着と共に崩れ去った。
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