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19 悪役は相手を憎んでこそ
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私は、ドラセナを練習していたとおりに、少しだけ声を高く、そして顎を少しだけ上げて、まるでカトレアを見下すように言います。練習の成果を発揮できたように思えます。
きっと、侯爵家の私が、身分の低い子爵家の者を詰っているように聞こえたはずです。
殿下が温めた食事の席。カトレアのご友人の方々も、殿下や私と食事をするという緊張がやっと解れてきた矢先です。
そんな場での私の辛辣な一言。人を『豚』に喩えるのは、最大級の侮辱表現です。これは、黒部春子としての記憶でも同じです。『豚』に喩えられて、あまりよい気持ちになるひとはいません。
この王国では、豚は、強欲、意地汚さ、野蛮、下品な動物であると考えられ、それに人を、ましてや貴族に対してそれを言うことは、控えめに申しましても大変失礼なことです。殿方であれば、それを言われた側は決闘を申し込むでしょう。
場が凍りつくはずです。
とても汚い言葉を私は発したのです。そして、口から出た言葉というのは二度と喉元に戻ることなどありません。
「感謝いたします。ピアニー様」
カトレアが意外な言葉を発します。
「も、もう一度言っていただけないかしら?」と私は聞き返します。私には、カトレアが感謝の言葉を発したように思えます。『豚』にたとえられたら、憤怒することはあっても、感謝の言葉が出てくるとは考えにくいのです。
「再度の感謝を。ピアニー様からそうご指摘があるのでしたら、やはり私自身に不作法なところが多々あるのでしょう。大変失礼なお願いではあるのですが、どういった所が不作法であったか、ご教示いただけると嬉しいです」
カトレアは何を言っているのでしょうか。
「ど、どういうことかしら?」
そう尋ねると、カトレアは暗い顔となりました。暗い顔、いえ、口惜しそうな顔でしょうか。もしくは、泣き出しそうな顔と言って良いかもしれません。そして、カトレアはクッと唇を噛みしめています。
「私が申し上げることではありませんが、実は……」と、一緒にいたカトレアの友人が口を開きました。
どうやら、カトレアを虐げるものがいるようです。私はまったく気付きませんでした。私とカトレアは別の教室で授業を受けています。その、授業の時に、カトレアに悪意を持った仕打ちをする者がいる……。
「殿下……」と私はキッと殿下を見つめます。殿下とカトレアは同じ教室で学ぶ者です。カトレアに対する悪事。それを殿下が知らぬはずはありません。看過していたということでしょうか。
いえ……。殿下は、臣下に対して、常に公平であろうとされている方です。黒部春子の記憶から考えれば、ピアニー・シュピルアールの無邪気な我が儘に対して殿下は婚約者として寛大、言ってみれば甘いところがございました。ですが、他の臣下に対しては公明正大であろうとしていました。
「す、すまないピアニー。そうなんだ。ただ、僕がそのことを注意すると、僕の目の届かないところでもっと酷い仕打ちをする可能性があるから、見て見ぬ振りをしていたんだ」
……殿下……。王立学園で学ぶ者は公平である。それは、厳然たる身分差があり、建前となっていても、殿下はそれを無下にしたりはしないはずです。
「そんな悲しそうな顔で僕を見ないでくれ……すまない……ピアニー」
……殿下が神妙そうな顔つきで謝罪します。ですが、殿下らしくありません。高潔な殿下です。悪意のあることを殿下が見逃されて野放しにされるはずがありません。
そして、黒部春子として、私は、妹を虐げていたという人がいるということに心が燃えています。殿下に対しても怒りが満ちています。
「謝罪する方をお間違いではありませんか、殿下……」
ドラセナと一緒に練習しても出来なかった、聞く人の耳から頭、そして背中が凍ってしまうような冷たい声。私は、そんな声で殿下に答えました。
「すまなかった、カトレア。今後は見過ごしたりはしない。僕が矢面に立つことを誓おう」
殿下が矢面に立てば、矢を放とうとする命知らずな貴族などはいないでしょう。私も殿下のそのお言葉を聞いてほっと胸を撫で下ろします。これで、カトレアを虐げるのは私だけとなるはずです。
「いえ、殿下が謝罪する必要などございません」とカトレアは慌てています。
殿下がカトレアを保護するということで、一見落着のように思えます。ですが……私は、カトレアを虐げることを止めるわけにはいきません。
「カトレア様。私が先ほど述べた、あなたがまるで豚のようであると言ったことは、私の心からの本心です。ナイフの使い方がなっていません」と私は言います。
「それは分かっております。私に非が無いのであれば、他の学友の方から指摘を受けることもなかったはずです。ピアニー様、どのような点が不作法であるか、ご教授願いますか?」
「私はあなたの家庭教師ではないわ」
「ですが……ピアニー様は、何かお考えがあって、誹謗とも思えることを私に仰っているのですよね? ピアニー様の目は、とてもお優しい。この優しさ、覚えがあります。私の母が、また、姉が私を叱っているときに似ているのです。決して、憎しみで私に対して言っているのではないと私は思います」
……
「私は、あなたの母親でもなければ、あなたの姐でもありません!」
私は泣いてしまいそうです。妹に対して、自分はあなたの姐ではないと宣言しなければならないのはとても辛いことです。
「殿下、皆様、私は少し気分が悪いので、離席させていただきます」と私は食事を中座します。
できることなら、カトレアに正しいブロッコリーの切り方を教えてあげたいです。さらに載せられたブロッコリーは、ナイフで横から切るのではなく、縦に切って食べるのです。繊維を裂くようにナイフを入れていくのです。
懐かしいです。秋子にお箸の持ち方を教えたのも私でしたね。
『落とさないし、食べやすいし、別にいいじゃない。なんだか持ちにくいよ』
『慣れてしまえばこの持ち方が食べやすくなるものだから。秋子のその持ち方は、握り箸というのよ。子供の持ち方よ』
もう、私たちは姉妹としては一緒に過ごすことなどできない。帰らない日々。
「ピアニー。気分が悪いのなら送っていこうか?」と、殿下が私を追いかけてきました。
「殿下、私は大丈夫です。それより、私も殿下も中座してしまっては失礼ですわ。皆様に、私が中座する無礼をくれぐれもお伝えください」と、私はきっぱりと言います。殿下ならきっとここは引いてくださるでしょう。そして、引き続き食事の席の中心となってくださるでしょう。
・
私は馬車に乗って屋敷へと帰ります。私は打ちひしがれていました。今日、私は明らかに失敗しました。私は悪役令嬢になることに失敗をしました。
私は見抜かれてしまいました。私は、カトレアに心の中に見られていたようです。カトレアのことを配慮しながら、慈しみながら、辛辣なことを言っているということが伝わってしまっていました。ですが、それでは意味がありません。
私は、カトレアに心の底から嫌われる覚悟がなかったのでしょう。私は、カトレアから嫌われ、そして殿下から婚約者として愛想を尽かされなければなりません。
そうしなければ、私の妹は死んでします。
ただ、私の心に引っかかることがあります。
それは、私がとてもひどい言葉を発したにも関わらず、カトレアも、殿下も、そしてカトレアのご友人の方々の反応も、異常に好意的であったことです。
貴族に対して貴族が、『豚』などと言ったら、言った相手に眉をひそめるくらいのことをするのが当たり前です。ですが、みんなそうではなかった。
とても嫌な予感がするのです。当たって欲しくはない悪い予感。だけど、何故だがその最悪は現実に既に起こっていると、私自身確信をしてしまっています。
「ここで馬車を止めて」
私は、御者に馬車を停止するように言いつけます。ここは、シュピルアール家の敷地。屋敷へと続く道の左側には、冬薔薇の蕾が見えます。お母様が熱心に手入れをしていて、もうすぐ一斉に咲き誇ろうとしています。開花の前にも関わらず薔薇の気高い香りが仄かに香ります。
「ドラセナを呼んできて。それと、鋏を持ってくるように」
御者は私を降ろすと、屋敷へと向かいます。
きっと、この冬薔薇の蕾を、咲く前に全て私が切り落としてしまったら、きっとお母様はお怒りになるでしょう。
いえ……どうして私はもうすぐ咲こうという薔薇を切り落とそうとしているのでしょうか。そんなことを考えるなんて、私は狂ってしまったのかもしれません。いえ、でも、そうしなければなりません。
屋敷から小走りで駆け付けたドラセナから私は鋏を受けとります。
シャキン、ポトン
ゆっくりと一輪の薔薇の蕾が地面へと落ちました。
「ピアニー様! この薔薇は奥様が大切に育てられた!」
ドラセナの悲鳴のような叫びを私は無視して次の蕾を切り落とします。
「ピアニー様、どうかお止め下さい。奥様が悲しまれます……」
きっと、侯爵家の私が、身分の低い子爵家の者を詰っているように聞こえたはずです。
殿下が温めた食事の席。カトレアのご友人の方々も、殿下や私と食事をするという緊張がやっと解れてきた矢先です。
そんな場での私の辛辣な一言。人を『豚』に喩えるのは、最大級の侮辱表現です。これは、黒部春子としての記憶でも同じです。『豚』に喩えられて、あまりよい気持ちになるひとはいません。
この王国では、豚は、強欲、意地汚さ、野蛮、下品な動物であると考えられ、それに人を、ましてや貴族に対してそれを言うことは、控えめに申しましても大変失礼なことです。殿方であれば、それを言われた側は決闘を申し込むでしょう。
場が凍りつくはずです。
とても汚い言葉を私は発したのです。そして、口から出た言葉というのは二度と喉元に戻ることなどありません。
「感謝いたします。ピアニー様」
カトレアが意外な言葉を発します。
「も、もう一度言っていただけないかしら?」と私は聞き返します。私には、カトレアが感謝の言葉を発したように思えます。『豚』にたとえられたら、憤怒することはあっても、感謝の言葉が出てくるとは考えにくいのです。
「再度の感謝を。ピアニー様からそうご指摘があるのでしたら、やはり私自身に不作法なところが多々あるのでしょう。大変失礼なお願いではあるのですが、どういった所が不作法であったか、ご教示いただけると嬉しいです」
カトレアは何を言っているのでしょうか。
「ど、どういうことかしら?」
そう尋ねると、カトレアは暗い顔となりました。暗い顔、いえ、口惜しそうな顔でしょうか。もしくは、泣き出しそうな顔と言って良いかもしれません。そして、カトレアはクッと唇を噛みしめています。
「私が申し上げることではありませんが、実は……」と、一緒にいたカトレアの友人が口を開きました。
どうやら、カトレアを虐げるものがいるようです。私はまったく気付きませんでした。私とカトレアは別の教室で授業を受けています。その、授業の時に、カトレアに悪意を持った仕打ちをする者がいる……。
「殿下……」と私はキッと殿下を見つめます。殿下とカトレアは同じ教室で学ぶ者です。カトレアに対する悪事。それを殿下が知らぬはずはありません。看過していたということでしょうか。
いえ……。殿下は、臣下に対して、常に公平であろうとされている方です。黒部春子の記憶から考えれば、ピアニー・シュピルアールの無邪気な我が儘に対して殿下は婚約者として寛大、言ってみれば甘いところがございました。ですが、他の臣下に対しては公明正大であろうとしていました。
「す、すまないピアニー。そうなんだ。ただ、僕がそのことを注意すると、僕の目の届かないところでもっと酷い仕打ちをする可能性があるから、見て見ぬ振りをしていたんだ」
……殿下……。王立学園で学ぶ者は公平である。それは、厳然たる身分差があり、建前となっていても、殿下はそれを無下にしたりはしないはずです。
「そんな悲しそうな顔で僕を見ないでくれ……すまない……ピアニー」
……殿下が神妙そうな顔つきで謝罪します。ですが、殿下らしくありません。高潔な殿下です。悪意のあることを殿下が見逃されて野放しにされるはずがありません。
そして、黒部春子として、私は、妹を虐げていたという人がいるということに心が燃えています。殿下に対しても怒りが満ちています。
「謝罪する方をお間違いではありませんか、殿下……」
ドラセナと一緒に練習しても出来なかった、聞く人の耳から頭、そして背中が凍ってしまうような冷たい声。私は、そんな声で殿下に答えました。
「すまなかった、カトレア。今後は見過ごしたりはしない。僕が矢面に立つことを誓おう」
殿下が矢面に立てば、矢を放とうとする命知らずな貴族などはいないでしょう。私も殿下のそのお言葉を聞いてほっと胸を撫で下ろします。これで、カトレアを虐げるのは私だけとなるはずです。
「いえ、殿下が謝罪する必要などございません」とカトレアは慌てています。
殿下がカトレアを保護するということで、一見落着のように思えます。ですが……私は、カトレアを虐げることを止めるわけにはいきません。
「カトレア様。私が先ほど述べた、あなたがまるで豚のようであると言ったことは、私の心からの本心です。ナイフの使い方がなっていません」と私は言います。
「それは分かっております。私に非が無いのであれば、他の学友の方から指摘を受けることもなかったはずです。ピアニー様、どのような点が不作法であるか、ご教授願いますか?」
「私はあなたの家庭教師ではないわ」
「ですが……ピアニー様は、何かお考えがあって、誹謗とも思えることを私に仰っているのですよね? ピアニー様の目は、とてもお優しい。この優しさ、覚えがあります。私の母が、また、姉が私を叱っているときに似ているのです。決して、憎しみで私に対して言っているのではないと私は思います」
……
「私は、あなたの母親でもなければ、あなたの姐でもありません!」
私は泣いてしまいそうです。妹に対して、自分はあなたの姐ではないと宣言しなければならないのはとても辛いことです。
「殿下、皆様、私は少し気分が悪いので、離席させていただきます」と私は食事を中座します。
できることなら、カトレアに正しいブロッコリーの切り方を教えてあげたいです。さらに載せられたブロッコリーは、ナイフで横から切るのではなく、縦に切って食べるのです。繊維を裂くようにナイフを入れていくのです。
懐かしいです。秋子にお箸の持ち方を教えたのも私でしたね。
『落とさないし、食べやすいし、別にいいじゃない。なんだか持ちにくいよ』
『慣れてしまえばこの持ち方が食べやすくなるものだから。秋子のその持ち方は、握り箸というのよ。子供の持ち方よ』
もう、私たちは姉妹としては一緒に過ごすことなどできない。帰らない日々。
「ピアニー。気分が悪いのなら送っていこうか?」と、殿下が私を追いかけてきました。
「殿下、私は大丈夫です。それより、私も殿下も中座してしまっては失礼ですわ。皆様に、私が中座する無礼をくれぐれもお伝えください」と、私はきっぱりと言います。殿下ならきっとここは引いてくださるでしょう。そして、引き続き食事の席の中心となってくださるでしょう。
・
私は馬車に乗って屋敷へと帰ります。私は打ちひしがれていました。今日、私は明らかに失敗しました。私は悪役令嬢になることに失敗をしました。
私は見抜かれてしまいました。私は、カトレアに心の中に見られていたようです。カトレアのことを配慮しながら、慈しみながら、辛辣なことを言っているということが伝わってしまっていました。ですが、それでは意味がありません。
私は、カトレアに心の底から嫌われる覚悟がなかったのでしょう。私は、カトレアから嫌われ、そして殿下から婚約者として愛想を尽かされなければなりません。
そうしなければ、私の妹は死んでします。
ただ、私の心に引っかかることがあります。
それは、私がとてもひどい言葉を発したにも関わらず、カトレアも、殿下も、そしてカトレアのご友人の方々の反応も、異常に好意的であったことです。
貴族に対して貴族が、『豚』などと言ったら、言った相手に眉をひそめるくらいのことをするのが当たり前です。ですが、みんなそうではなかった。
とても嫌な予感がするのです。当たって欲しくはない悪い予感。だけど、何故だがその最悪は現実に既に起こっていると、私自身確信をしてしまっています。
「ここで馬車を止めて」
私は、御者に馬車を停止するように言いつけます。ここは、シュピルアール家の敷地。屋敷へと続く道の左側には、冬薔薇の蕾が見えます。お母様が熱心に手入れをしていて、もうすぐ一斉に咲き誇ろうとしています。開花の前にも関わらず薔薇の気高い香りが仄かに香ります。
「ドラセナを呼んできて。それと、鋏を持ってくるように」
御者は私を降ろすと、屋敷へと向かいます。
きっと、この冬薔薇の蕾を、咲く前に全て私が切り落としてしまったら、きっとお母様はお怒りになるでしょう。
いえ……どうして私はもうすぐ咲こうという薔薇を切り落とそうとしているのでしょうか。そんなことを考えるなんて、私は狂ってしまったのかもしれません。いえ、でも、そうしなければなりません。
屋敷から小走りで駆け付けたドラセナから私は鋏を受けとります。
シャキン、ポトン
ゆっくりと一輪の薔薇の蕾が地面へと落ちました。
「ピアニー様! この薔薇は奥様が大切に育てられた!」
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