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第二十八話
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店の中に入ると、奥にある部屋へと二人は案内される。
「えっと、ここのお店はシチューがすごく美味しいんです。なので、私はこのシェフのお勧めセットを注文しますね。シチューをメインに、提携しているパン屋さんの美味しいパンが食べ放題なんですよ!」
リーゼリアは慣れた様子で注文を決めていく。
「それじゃあ、僕もリーゼのお勧めをいただこうかな。リーゼは美味しいものを食べているみたいだから、きっとこれも美味しいはずだね!」
アレクシスは注文を決めると、飲み物を選んでいた。
「うふふっ」
そんなアレクシスを見て、リーゼリアは笑顔になっている。自分の好きなものを選んでくれたことを彼女は喜んでいた。
二人は店員を呼ぶとそれぞれ注文をする。
注文を取りに来たのはさっきの店員であり、去り際に意味深なウインクをリーゼリアに投げかけており、再びリーゼリアは顔を赤くすることとなる。
「そ、それで、お師匠様はどういった御用でおでかけしていたんですか?」
それをごまかすように、リーゼリアは質問することで話を自分から逸らす。
「あぁ、昨日冒険者登録をして依頼を達成したんだけど……」
「ええっ!?」
まだ話の序盤だというのにリーゼリアは驚いて立ち上がってしまう。
彼女が聞いている話では、学院生は一学期のうちは授業で基本的なことを学んで戦う力を身に着けていく。
その中で実力を認められた者のみが冒険者登録できるということだった。
「ぼ、冒険者登録って、できるんですか? 確か、一学期のうちはできないとかって……」
その疑問をリーゼリアはストレートにぶつける。
「あー、なんかまだ早いとかって言われたけど、別に決まりじゃないみたいだよ? 力を見せろって言われて、なんだっけかな、多分Bランクだったかの人を倒したら許可おりたよ」
さも普通のことであるようにアレクシスは語る。
「……はあ」
それを聞いたリーゼリアは力が抜けて、すとんと腰を下ろしていた。
目の前にいるアレクシスという人物。彼はクラスメイトであり、自分が教えを受けている師匠であり、そもそもが驚異の結果を残している人物である。
「お師匠様のことを私の尺度で計ろうとしたのが間違いでした……お師匠様なら当然のことでしたよね。あの、話を中断させて申し訳ありませんでした。続きをお願いします」
何やら達観したのか、諦めたのか、いちいち驚いていては身が持たないと判断したリーゼリアは気持ちを切り替えて続きを促すことにする。
「えっと……そうそう、冒険者登録して依頼を達成したんだ。依頼は薬草採集の依頼で最低五束からだったんだけど、ちょっと多めに納品したんだ」
このアレクシスの話に、リーゼリアは内心でホッとしていた。
思っていたよりも普通の依頼を受けて、それを達成したという普通の話に安堵する。
「三十束全部が質が良いっていうことで少し多めにお金をもらえたんだよね」
「な、なるほど」
(三十! お、思っていたよりも多いです! で、でもこれくらいお師匠様なら当然のことです……!)
内心では驚いていたが、リーゼリアはなんとか動揺を抑え込んで表には出さないようにしている。
「で、その依頼の最中にレイクサーペントに襲われたから倒したんだ。その素材を……あれ? どうかした?」
「……!」
リーゼリアは驚いた表情でパクパクと口を動かしている。声にならない声を出しているようだった。
「えっと、続けていいかな?」
反応に困っているアレクシスが確認をすると、リーゼリアは口元に手を当てながら勢いよく頷いていた。
先ほどは驚きから声がでなかったが、今はこみあげてくる声が出そうになるのを抑えていた。
「それじゃあ……レイクサーペントを倒してその素材を持ちこんだら、かなりの金額になったんだよね。その時になんだかよくわからないけど、冒険者ランクもFからDに上がったんだ。で、そのお金を持って今日は買い物に来たんだ」
ここまでの情報でリーゼリアはさすがに突っ込まざるを得なくなり、口を開く。
「あ、あの……」
「なんだい?」
質問したくてたまらない様子のリーゼリアに対して、アレクシスは笑顔でいる。
「薬草ちょっと多めにって、それでも三十束は多すぎです! それにレイクサーペントってなんですか! 確か、あのモンスターは強力でBランクパーティでなければ太刀打ちできないって聞きましたよ? 単独撃破するならAランク以上の冒険者でもなければ無理だって……それにそれに、なんでいきなりDランクにあがっているんですか! 上がりすぎです! 以上!」
立ち上がった状態でそこまで一気にまくしたてると、リーゼリアは息を切らしながらゆっくりと腰を下ろした。
その表情は言いたいことを全て言えたことで、どこか満足そうだった。
奥の部屋に案内されたことが幸いし、二人の声は他の客や店員の耳には届いていなかった。
「ふふっ、リーゼリアは元気だね」
その様子を見たアレクシスは自然と笑顔になる。
笑われてしまったリーゼリアは今になって自分が何をしたか思い返して、顔を赤くしていた。
「まあ、薬草はたくさんあったからついつい集めちゃったんだよね。レイクサーペントに関しては、お弁当を食べていたら急に出てきて戦わざるを得なかったんだよ。大変だったけど、なんとか倒して素材を集めて帰ってきたと。で、レイクサーペントを倒した記録は冒険者カードに残って、アレを倒す実力があるならFランクのままにはしておけないってことで一気にランクアップすることになったんだ」
彼女の疑問に答えたアレクシスは、彼女とは正反対に落ち着いた口調で説明していた。
「……なんだか、やっぱりお師匠様はすごいです。すごいから、驚かないようにしようって決めていたんです。でも、その予想をはるかに超えてしまったので驚かないようにするのは無理でした。でも、うん、改めてですが冒険者登録、依頼達成、ランクアップおめでとうございます! すごいです!」
規格外の自分の師匠、そのことに驚きっぱなしでおめでとうと声をかけてなかったことに気づいた彼女はアレクシスの成した功績を称賛する。
「ありがとう。自分でも少しできすぎな結果かなとは思っているけどね……あぁ、そうだ。それで昨日報酬をもらえたんだけど、それで武器を買いに来たんだよ」
ここにきて、やっと今日はどんな用事で出かけていたのか? という本題に戻ることができる。
「おぉ! お師匠様がどんな武器を選んだのか気になります! あれ? でも、武器を持っているようには見えませんね?」
アレクシスが持っているのは、さほど大きくないリュックが一つだけであるためリーゼリアが首を傾げる。
「あぁ、そうだね。これも今日買ったものの一つなんだけど、マジックバッグ」
そう言うと、アレクシスはカバンから武器の入った箱を取り出す。
「わあ、すごい! その年齢で自分の力で買った人なんて、恐らくお師匠様だけだと思います!」
貴族であれば親の金で購入する者も少なくないが、自分で稼いだ金で、しかもたった一日の収入でそれを買った者など世界広しといえども恐らくはアレクシスだけである。
「そ、そうかな? まあ、武器は武器屋の店員さんが父さんの友達で譲ってくれたのもあってお金がかからなく、マジックバッグのお店でも安くしてもらえたからなんだけどね……うん、僕は周りにすごく恵まれているよ。こんな眼だから友達もできないと思っていたけど、リーゼと仲良くなれたしね」
ニカッとアレクシスが笑うと、リーゼリアは胸の前で手を組んでドキッとして頬が火照っていくのを感じていた。
「そ、そそ、そう言ってもらえると、う、嬉しいです。そ、その、私も友達がいなくて」
「へえ、リーゼは明るいし可愛いし、みんなとも話しているとこを見かけたから友達がいっぱいいるんだと思っていたよ」
「かわいっ!」
アレクシスは素直に思ったことを口にするが、このことによってリーゼリアは顔を真っ赤にさせていた。
「えっと、ここのお店はシチューがすごく美味しいんです。なので、私はこのシェフのお勧めセットを注文しますね。シチューをメインに、提携しているパン屋さんの美味しいパンが食べ放題なんですよ!」
リーゼリアは慣れた様子で注文を決めていく。
「それじゃあ、僕もリーゼのお勧めをいただこうかな。リーゼは美味しいものを食べているみたいだから、きっとこれも美味しいはずだね!」
アレクシスは注文を決めると、飲み物を選んでいた。
「うふふっ」
そんなアレクシスを見て、リーゼリアは笑顔になっている。自分の好きなものを選んでくれたことを彼女は喜んでいた。
二人は店員を呼ぶとそれぞれ注文をする。
注文を取りに来たのはさっきの店員であり、去り際に意味深なウインクをリーゼリアに投げかけており、再びリーゼリアは顔を赤くすることとなる。
「そ、それで、お師匠様はどういった御用でおでかけしていたんですか?」
それをごまかすように、リーゼリアは質問することで話を自分から逸らす。
「あぁ、昨日冒険者登録をして依頼を達成したんだけど……」
「ええっ!?」
まだ話の序盤だというのにリーゼリアは驚いて立ち上がってしまう。
彼女が聞いている話では、学院生は一学期のうちは授業で基本的なことを学んで戦う力を身に着けていく。
その中で実力を認められた者のみが冒険者登録できるということだった。
「ぼ、冒険者登録って、できるんですか? 確か、一学期のうちはできないとかって……」
その疑問をリーゼリアはストレートにぶつける。
「あー、なんかまだ早いとかって言われたけど、別に決まりじゃないみたいだよ? 力を見せろって言われて、なんだっけかな、多分Bランクだったかの人を倒したら許可おりたよ」
さも普通のことであるようにアレクシスは語る。
「……はあ」
それを聞いたリーゼリアは力が抜けて、すとんと腰を下ろしていた。
目の前にいるアレクシスという人物。彼はクラスメイトであり、自分が教えを受けている師匠であり、そもそもが驚異の結果を残している人物である。
「お師匠様のことを私の尺度で計ろうとしたのが間違いでした……お師匠様なら当然のことでしたよね。あの、話を中断させて申し訳ありませんでした。続きをお願いします」
何やら達観したのか、諦めたのか、いちいち驚いていては身が持たないと判断したリーゼリアは気持ちを切り替えて続きを促すことにする。
「えっと……そうそう、冒険者登録して依頼を達成したんだ。依頼は薬草採集の依頼で最低五束からだったんだけど、ちょっと多めに納品したんだ」
このアレクシスの話に、リーゼリアは内心でホッとしていた。
思っていたよりも普通の依頼を受けて、それを達成したという普通の話に安堵する。
「三十束全部が質が良いっていうことで少し多めにお金をもらえたんだよね」
「な、なるほど」
(三十! お、思っていたよりも多いです! で、でもこれくらいお師匠様なら当然のことです……!)
内心では驚いていたが、リーゼリアはなんとか動揺を抑え込んで表には出さないようにしている。
「で、その依頼の最中にレイクサーペントに襲われたから倒したんだ。その素材を……あれ? どうかした?」
「……!」
リーゼリアは驚いた表情でパクパクと口を動かしている。声にならない声を出しているようだった。
「えっと、続けていいかな?」
反応に困っているアレクシスが確認をすると、リーゼリアは口元に手を当てながら勢いよく頷いていた。
先ほどは驚きから声がでなかったが、今はこみあげてくる声が出そうになるのを抑えていた。
「それじゃあ……レイクサーペントを倒してその素材を持ちこんだら、かなりの金額になったんだよね。その時になんだかよくわからないけど、冒険者ランクもFからDに上がったんだ。で、そのお金を持って今日は買い物に来たんだ」
ここまでの情報でリーゼリアはさすがに突っ込まざるを得なくなり、口を開く。
「あ、あの……」
「なんだい?」
質問したくてたまらない様子のリーゼリアに対して、アレクシスは笑顔でいる。
「薬草ちょっと多めにって、それでも三十束は多すぎです! それにレイクサーペントってなんですか! 確か、あのモンスターは強力でBランクパーティでなければ太刀打ちできないって聞きましたよ? 単独撃破するならAランク以上の冒険者でもなければ無理だって……それにそれに、なんでいきなりDランクにあがっているんですか! 上がりすぎです! 以上!」
立ち上がった状態でそこまで一気にまくしたてると、リーゼリアは息を切らしながらゆっくりと腰を下ろした。
その表情は言いたいことを全て言えたことで、どこか満足そうだった。
奥の部屋に案内されたことが幸いし、二人の声は他の客や店員の耳には届いていなかった。
「ふふっ、リーゼリアは元気だね」
その様子を見たアレクシスは自然と笑顔になる。
笑われてしまったリーゼリアは今になって自分が何をしたか思い返して、顔を赤くしていた。
「まあ、薬草はたくさんあったからついつい集めちゃったんだよね。レイクサーペントに関しては、お弁当を食べていたら急に出てきて戦わざるを得なかったんだよ。大変だったけど、なんとか倒して素材を集めて帰ってきたと。で、レイクサーペントを倒した記録は冒険者カードに残って、アレを倒す実力があるならFランクのままにはしておけないってことで一気にランクアップすることになったんだ」
彼女の疑問に答えたアレクシスは、彼女とは正反対に落ち着いた口調で説明していた。
「……なんだか、やっぱりお師匠様はすごいです。すごいから、驚かないようにしようって決めていたんです。でも、その予想をはるかに超えてしまったので驚かないようにするのは無理でした。でも、うん、改めてですが冒険者登録、依頼達成、ランクアップおめでとうございます! すごいです!」
規格外の自分の師匠、そのことに驚きっぱなしでおめでとうと声をかけてなかったことに気づいた彼女はアレクシスの成した功績を称賛する。
「ありがとう。自分でも少しできすぎな結果かなとは思っているけどね……あぁ、そうだ。それで昨日報酬をもらえたんだけど、それで武器を買いに来たんだよ」
ここにきて、やっと今日はどんな用事で出かけていたのか? という本題に戻ることができる。
「おぉ! お師匠様がどんな武器を選んだのか気になります! あれ? でも、武器を持っているようには見えませんね?」
アレクシスが持っているのは、さほど大きくないリュックが一つだけであるためリーゼリアが首を傾げる。
「あぁ、そうだね。これも今日買ったものの一つなんだけど、マジックバッグ」
そう言うと、アレクシスはカバンから武器の入った箱を取り出す。
「わあ、すごい! その年齢で自分の力で買った人なんて、恐らくお師匠様だけだと思います!」
貴族であれば親の金で購入する者も少なくないが、自分で稼いだ金で、しかもたった一日の収入でそれを買った者など世界広しといえども恐らくはアレクシスだけである。
「そ、そうかな? まあ、武器は武器屋の店員さんが父さんの友達で譲ってくれたのもあってお金がかからなく、マジックバッグのお店でも安くしてもらえたからなんだけどね……うん、僕は周りにすごく恵まれているよ。こんな眼だから友達もできないと思っていたけど、リーゼと仲良くなれたしね」
ニカッとアレクシスが笑うと、リーゼリアは胸の前で手を組んでドキッとして頬が火照っていくのを感じていた。
「そ、そそ、そう言ってもらえると、う、嬉しいです。そ、その、私も友達がいなくて」
「へえ、リーゼは明るいし可愛いし、みんなとも話しているとこを見かけたから友達がいっぱいいるんだと思っていたよ」
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