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第十八話 朝食はサービス
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翌朝、食堂は静かだった。
いつもであれば朝からそれなりの賑わいを見せているが、昨日の反動で食材が少ないことと、料理人やウェイトレスの疲労から朝は宿泊客限定で開くことになった。
その決断を下した女将も久しぶりにあれだけの仕事をこなしたため、いまだ自室で休んでいた。
「朝は空いてていいな。好きな席に座れる」
「そうですね、窓側の席が眺めがいいようですからそちらにいきましょう」
昨日の事態の元凶である二人はそんな事情などつゆ知らず、空いている食堂でのんびりと座る席を決めていた。
「軽く食事を済ませたら、少し街で買い物をしていくか」
席につくとガレオスたちは今日の予定について話し合う。
「そうですね、ゆっくりしていられるうちに色々と準備をしておいたほうがいいかもしれません。正直なところ我々はいつ揉め事に巻き込まれるかわかりませんからね」
フランの言葉は、お尋ねものであるからというわけではなくガレオスの体質によるものだった。
彼の見た目によるものなのか、性格によるものなのか、そういう運命のもとに生まれたからなのか、とにかく彼は色々なトラブルに巻き込まれることが多かった。結果として周りを巻き込むこともあるが、それは大抵彼個人のトラブルであることが多かった。
「うーむ、すまんな。今のところは平気そうなんだがな」
それでも、全ての問題をなんなく解決する彼だからこそ、警備隊長や騎士隊長というものが務まっていた。
「いえいえ、隊長の部下になった時からそれくらいのことは覚悟していますから」
フランはそれを悪くは思っておらず、むしろ楽しいとすら思っている。トラブルをトラブルと思わない彼の人柄を気に入っているからこそついてきていたからだ。
「ふむ、助かっている。それで、買い物を終えたらすぐに次の目的地へ出発するか?」
ガレオスの質問にフランは頷く。
「それがいいでしょう。急ぐわけでもありませんが、必要以上にゆっくり行くこともないですからね」
こういう時にガレオスは彼女の助言を仰ぐことが多かった。常に冷静についてきてくれる彼女がいるからこそ、自分が自由にやっていられるのだとわかっているからだ。
「フランがそう言うならそうしよう。道中で食べられそうなものを買って、昼前には出発しよう」
ガレオスは朝食を食べる前から昼食の心配をしていた。昨日の夕食前の腹の音を思い出せば当然のことかもしれなかった。
「隊長の武器も買わないとですね」
元々使っていた大剣はゴーレム戦で壊れてしまっており、かといって普段隠している腕輪からほいほいと武器を出すわけにもいかないので、フランはそれを費用計算に組み込んでいく。
ガレオスの財布はフランに預けられており、彼女が支払いを一手に引き受けていた。
「拳で、というわけにもいかないからな。また安物の大剣でいいぞ、片手剣は使いづらくてかなわん」
武源解放して取り出した二刀はガレオスの手の大きさにフィットしていたため、問題なく使えていた。だがそれ以外となると同じようにはいかないようだ。
「わかりました。他に希望はありますか?」
念のためフランは確認をとる。
「うーん、いや特には思いつかんな。他に必要なものがあればフランの裁量で買ってくれ」
ガレオスは金の使い方をフランに一任する。彼女を信頼しているからこその判断だった。
「了解しました」
これはいつものことのようで、フランは迷いなく返事をした。
それと同じタイミングで二人のテーブルには料理が届けられる。
「あれ? まだ注文していませんが?」
料理を届けたウェイトレスにきょとんとした表情のフランが質問をする。
「こちらはサービスとなっております。お二人のおかげで昨日は大繁盛しましたから」
思い当たる節のないフランはなんのことかとガレオスの顔を見るが、彼もわかっていないようで首を横に振っている。
「……そういえば、俺たちが飯を食ってる時、まわりが騒がしかった気がするが……もしかして、それか?」
少し考え込んだガレオスは唯一もしかしたら、と思い当たることを口にした。
「そうです! お二人の食事の様子を見た他のお客様がどんどん追加注文をして、私たちも注文取りが間に合わないくらいでしたよ!」
ウェイトレスは嬉しそうに興奮していたが、もう一人が追加の料理を持ってくることでその語り口は止められる。
「もう、お客さんが少ないとはいっても仕事はあるんだからすぐに戻ってきてよ」
二人が持ってきた料理でテーブルの上はいっぱいになっていた。ガレオスたちの昨日の注文ぶりから追加を頼まれる前に持ってきたほうが早いと思われたのだろう。
「あ、ありがとうございます、でいいんですかね?」
戸惑っているフランだったが、ガレオスも同様だった。
「本当にいいのか? 俺たちは飯を食っただけだぞ?」
「もちろんです、女将にもしっかりもてなすようにと言われていますので、お二人は料理を楽しんで下さい」
後からきたウェイトレスは笑顔でガレオスとフランに告げると、丁寧にぺこりと頭を下げて厨房に戻っていった。
「あ、待ってよ。失礼しました」
そのあとをもう一人のウェイトレスが慌てて追いかけていった。
「……よくわからんが、ごちそうになるか」
「そう、ですね」
二人とも困惑しながらも料理に手をつけていく。好意を無駄にするわけにはいかないし、なによりお腹が空いていたのだ。
「うむ、美味い!」
「美味しいです!」
二人とも食べ始めると戸惑っていたのはどこかへ吹き飛び、並べられたたくさんの料理を楽しんでいた。
朝食後
食事を済ませた二人の姿は武器屋にあった。様々な種類の武器がたくさん壁や棚に並べられたそこでガレオスにあうものを見て回っていた。
探しているのはガレオスが希望した大剣で、ただ大きければいいというものでもないので満足のいくものを探していた。
「うーん、どれがいいやら」
この街の武器屋の中でも最も大きい店に入ったガレオスは品ぞろえの豊富さに決められずにいた。
「値段的にはどれでも大丈夫ですよ」
警備隊での報酬だけでなく、武源騎士団にいた頃の給料にもほとんど手をつけていないガレオスの財布は武器の一本や二本ではダメージを受けることはなかった。
「どれも悪くないんだが、悪い言い方をすると似たり寄ったりってとこだな……」
その声にカウンターにいた店主がピクリと反応する。誰か客が見て回っているのはわかっており、それを邪魔しないようにそれとなく聞き耳を立てるだけにしていたのだが、気になる発言が耳に入ったことで意識が一気に彼らに向いた。
「どれも軽すぎる、これじゃあ簡単に壊れてしまいそうだ」
店の品ぞろえに自信のあった店主は聞き捨てならないと怒りのままに立ち上がる。
「おい、うちの店の商品に文句をつける、とは……」
いい度胸だと続けようと思った店主だったが、ガレオスの姿を目にして思わず言葉を飲み込んだ。
「ん? なんだ?」
ガレオスは傍にあった一本の大剣を持ったまま店主に振り返るが、対する店主は口をあけて呆然としていた。
大柄、という言葉では収まらない筋肉隆々のがっしりとした大男が強面のまま軽々と大剣を持っていたことで、先ほどの簡単に壊れてしまいそうという言葉が嘘ではないと分かったからだ。
「お店の方ですかね。もしかして聞こえてしまいましたか? 申し訳ありません、この方……この身体のため、結構武器の使い方が荒いのでしっかりとした武器を探しているんですが……」
店主は申し訳なさそうなフランの言葉にはっと正気に戻る。
「そ、そうか。確かにあんたくらいでかければそういうこともあるのか……だったら、こっちに来てくれ!」
二人の返事を待たずに店主は思い当たるものがあるのか、急いで店の奥に入っていった。
ガレオスとフランは一度顔を見合わせたが、店主のあとについていくことにして店の奥に続いた。
いつもであれば朝からそれなりの賑わいを見せているが、昨日の反動で食材が少ないことと、料理人やウェイトレスの疲労から朝は宿泊客限定で開くことになった。
その決断を下した女将も久しぶりにあれだけの仕事をこなしたため、いまだ自室で休んでいた。
「朝は空いてていいな。好きな席に座れる」
「そうですね、窓側の席が眺めがいいようですからそちらにいきましょう」
昨日の事態の元凶である二人はそんな事情などつゆ知らず、空いている食堂でのんびりと座る席を決めていた。
「軽く食事を済ませたら、少し街で買い物をしていくか」
席につくとガレオスたちは今日の予定について話し合う。
「そうですね、ゆっくりしていられるうちに色々と準備をしておいたほうがいいかもしれません。正直なところ我々はいつ揉め事に巻き込まれるかわかりませんからね」
フランの言葉は、お尋ねものであるからというわけではなくガレオスの体質によるものだった。
彼の見た目によるものなのか、性格によるものなのか、そういう運命のもとに生まれたからなのか、とにかく彼は色々なトラブルに巻き込まれることが多かった。結果として周りを巻き込むこともあるが、それは大抵彼個人のトラブルであることが多かった。
「うーむ、すまんな。今のところは平気そうなんだがな」
それでも、全ての問題をなんなく解決する彼だからこそ、警備隊長や騎士隊長というものが務まっていた。
「いえいえ、隊長の部下になった時からそれくらいのことは覚悟していますから」
フランはそれを悪くは思っておらず、むしろ楽しいとすら思っている。トラブルをトラブルと思わない彼の人柄を気に入っているからこそついてきていたからだ。
「ふむ、助かっている。それで、買い物を終えたらすぐに次の目的地へ出発するか?」
ガレオスの質問にフランは頷く。
「それがいいでしょう。急ぐわけでもありませんが、必要以上にゆっくり行くこともないですからね」
こういう時にガレオスは彼女の助言を仰ぐことが多かった。常に冷静についてきてくれる彼女がいるからこそ、自分が自由にやっていられるのだとわかっているからだ。
「フランがそう言うならそうしよう。道中で食べられそうなものを買って、昼前には出発しよう」
ガレオスは朝食を食べる前から昼食の心配をしていた。昨日の夕食前の腹の音を思い出せば当然のことかもしれなかった。
「隊長の武器も買わないとですね」
元々使っていた大剣はゴーレム戦で壊れてしまっており、かといって普段隠している腕輪からほいほいと武器を出すわけにもいかないので、フランはそれを費用計算に組み込んでいく。
ガレオスの財布はフランに預けられており、彼女が支払いを一手に引き受けていた。
「拳で、というわけにもいかないからな。また安物の大剣でいいぞ、片手剣は使いづらくてかなわん」
武源解放して取り出した二刀はガレオスの手の大きさにフィットしていたため、問題なく使えていた。だがそれ以外となると同じようにはいかないようだ。
「わかりました。他に希望はありますか?」
念のためフランは確認をとる。
「うーん、いや特には思いつかんな。他に必要なものがあればフランの裁量で買ってくれ」
ガレオスは金の使い方をフランに一任する。彼女を信頼しているからこその判断だった。
「了解しました」
これはいつものことのようで、フランは迷いなく返事をした。
それと同じタイミングで二人のテーブルには料理が届けられる。
「あれ? まだ注文していませんが?」
料理を届けたウェイトレスにきょとんとした表情のフランが質問をする。
「こちらはサービスとなっております。お二人のおかげで昨日は大繁盛しましたから」
思い当たる節のないフランはなんのことかとガレオスの顔を見るが、彼もわかっていないようで首を横に振っている。
「……そういえば、俺たちが飯を食ってる時、まわりが騒がしかった気がするが……もしかして、それか?」
少し考え込んだガレオスは唯一もしかしたら、と思い当たることを口にした。
「そうです! お二人の食事の様子を見た他のお客様がどんどん追加注文をして、私たちも注文取りが間に合わないくらいでしたよ!」
ウェイトレスは嬉しそうに興奮していたが、もう一人が追加の料理を持ってくることでその語り口は止められる。
「もう、お客さんが少ないとはいっても仕事はあるんだからすぐに戻ってきてよ」
二人が持ってきた料理でテーブルの上はいっぱいになっていた。ガレオスたちの昨日の注文ぶりから追加を頼まれる前に持ってきたほうが早いと思われたのだろう。
「あ、ありがとうございます、でいいんですかね?」
戸惑っているフランだったが、ガレオスも同様だった。
「本当にいいのか? 俺たちは飯を食っただけだぞ?」
「もちろんです、女将にもしっかりもてなすようにと言われていますので、お二人は料理を楽しんで下さい」
後からきたウェイトレスは笑顔でガレオスとフランに告げると、丁寧にぺこりと頭を下げて厨房に戻っていった。
「あ、待ってよ。失礼しました」
そのあとをもう一人のウェイトレスが慌てて追いかけていった。
「……よくわからんが、ごちそうになるか」
「そう、ですね」
二人とも困惑しながらも料理に手をつけていく。好意を無駄にするわけにはいかないし、なによりお腹が空いていたのだ。
「うむ、美味い!」
「美味しいです!」
二人とも食べ始めると戸惑っていたのはどこかへ吹き飛び、並べられたたくさんの料理を楽しんでいた。
朝食後
食事を済ませた二人の姿は武器屋にあった。様々な種類の武器がたくさん壁や棚に並べられたそこでガレオスにあうものを見て回っていた。
探しているのはガレオスが希望した大剣で、ただ大きければいいというものでもないので満足のいくものを探していた。
「うーん、どれがいいやら」
この街の武器屋の中でも最も大きい店に入ったガレオスは品ぞろえの豊富さに決められずにいた。
「値段的にはどれでも大丈夫ですよ」
警備隊での報酬だけでなく、武源騎士団にいた頃の給料にもほとんど手をつけていないガレオスの財布は武器の一本や二本ではダメージを受けることはなかった。
「どれも悪くないんだが、悪い言い方をすると似たり寄ったりってとこだな……」
その声にカウンターにいた店主がピクリと反応する。誰か客が見て回っているのはわかっており、それを邪魔しないようにそれとなく聞き耳を立てるだけにしていたのだが、気になる発言が耳に入ったことで意識が一気に彼らに向いた。
「どれも軽すぎる、これじゃあ簡単に壊れてしまいそうだ」
店の品ぞろえに自信のあった店主は聞き捨てならないと怒りのままに立ち上がる。
「おい、うちの店の商品に文句をつける、とは……」
いい度胸だと続けようと思った店主だったが、ガレオスの姿を目にして思わず言葉を飲み込んだ。
「ん? なんだ?」
ガレオスは傍にあった一本の大剣を持ったまま店主に振り返るが、対する店主は口をあけて呆然としていた。
大柄、という言葉では収まらない筋肉隆々のがっしりとした大男が強面のまま軽々と大剣を持っていたことで、先ほどの簡単に壊れてしまいそうという言葉が嘘ではないと分かったからだ。
「お店の方ですかね。もしかして聞こえてしまいましたか? 申し訳ありません、この方……この身体のため、結構武器の使い方が荒いのでしっかりとした武器を探しているんですが……」
店主は申し訳なさそうなフランの言葉にはっと正気に戻る。
「そ、そうか。確かにあんたくらいでかければそういうこともあるのか……だったら、こっちに来てくれ!」
二人の返事を待たずに店主は思い当たるものがあるのか、急いで店の奥に入っていった。
ガレオスとフランは一度顔を見合わせたが、店主のあとについていくことにして店の奥に続いた。
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