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思い出の砂浜
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「暑い!!」
あまりの暑さに飛び起きた。
すると、フサフサとした犬の毛が自分のカラダを包んでいる。
「あちっあちぃーっ」
パジャマ代わりのティーシャツが汗でビショビショに湿ってる。
気持ち悪さに、裾から持ち上げて脱ぎ捨てた。
部屋の空調は夏を忘れさせる心地良さなのに、オレは犬(狼)の腹に抱えられるように寝させられてるせいで、オレの体温だけが異常に上昇していた。
犬は汗を掻かない。
汗を掻かないかわりに舌、口で、調節する。
オレは犬の足の間から自分の足を抜いて怒鳴った。
「テメー起きろ!!犬!!」
犬の足をガンガン足の裏で蹴ってやる。
犬は敏感だから、たぶんそんな事しなくても、
オレが起きた事で目は覚めてたと思うけど、オレは暑くて夜中に目が覚めたという苛立ちから、アオオオカミ様を蹴りつけてやった。
「イタイ。蹴るな」
犬の顔が、オレの顔を覗き込む。
犬の口から長い舌が伸ばされて、オレの首筋から目の下までを、べロンと舐めた。
「わーーー!!」
こっコイツ!オレが顔舐められんのヤダって知ってるクセにっ・・・!
「汗っかき」
アオオオカミが笑ってオレの背中にも舌を伸ばした。
裸の背中、背骨に沿ってペロペロと舌で舐められる。
「やっやめ・・!!」
ゾクッと、オレの背筋が引き攣った。
「全部舐めてやろうかシアン」
「いっいい!!やめろってば!ってか、犬が人型で寝てれば、オレだってこんな汗かかないんだよ!」
オレは犬の顔を両手を突っ張って遠ざけさせる。
「そうか。気が抜けてた。寝る前は人型だったハズだったんだけどな」
犬は自分の口の周りもペロリと舐めて。
それから。
首を仰け反らせて、手足を踏ん張る。
と、みるみると蒼っぽい毛が短くなり、人肌が現れていく。
犬の手足から滑らかで細い指先が覗く。
カラダがしぼむように小さくなると、そこには長身の黒髪の端正な顔立ちの男が、裸で横たわっていた。
「これなら暑くないか?」
「う、うん・・って、下なんか履けよ・・っ」
「いい、めんどい」
なんか、またとんでもない変身シーンを見させられたせいで、目がぱっちりと覚めてしまった。
もう暑いとかそんな問題じゃない。
なのに。
イヌはオレを背中から抱き締めて、足を絡ませて再び寝入ろうとする。
長い腕がオレの前で交差してる。
その指に触ってみた。
そしたら、その指がオレの指に絡み付いてくる。
指を一本ずつ組み合わせられて、掌を握られた。
頭上からはイヌの寝息。
なんか恥ずかしくって、オレはドキドキしてしまう。
もう何回もイヌとはセックスしてる。
だけどあの時って、とにかく切羽詰まってて、こんなにじっくり、イヌの裸とかカラダとか感じた事なんか無い。
いつも終る時はオレ、意識飛ばしてるしさ。
気が付いたら、だいたいイヌは犬になってて横で寝てるし。
なんか。
なんか、照れる。
イヌの胸板が、オレの背中にピッタリとくっつけられてる。
いや、ちょっと待て!オレ!
普通、こっちが普通なんだよ!
(↑それでもホモ前提の普通)
いつも裸で犬と寝てる方がオカシイっつーの!
そんな事を考えてるせいで、心臓はバクバク言うし、目は覚めちゃってるし、緊張してカラダ動かせないしで、オレはまた汗をかき始める。
そっと足を抜こうとした。
もう膝の裏とか汗かいてる。
その足をまたイヌの足が捉える。
・・・っ暑いんだってばぁ・・!
もう一度足を抜こうとする。
また、イヌの足が追っかけてきて、イヌの股へと封じ込められてしまう。
「イ、イヌ。あ、ついって・・」
ついに、堪えられなくなって弱音を吐いた。
すると、クスクスとイヌが笑ってる。
「汗っかき」
また言われて、イヌがオレのうなじを舐めた。
「な、舐めるなっ」
「舐めたい。シアンを舐めたい」
「わっわかったからっフロ!シャワー浴びさせてっ頼む!」
「だめ」
「いっイヌ・・・!アッは、はずかしいぃからっ」
後ろから圧し掛かられて、イヌの手がオレの顎を上に上げさせる。
唇が上下逆さまにくっついた。
「なにが恥ずかしいんだ?」
「オレ、汗臭い・・シャワー・・」
顔を背けながら小声で訴えた。
「臭くない。シアンはどこも臭くない。この匂い、好きだ。オレを興奮させる」
それで、またイヌがオレにキスした。
今度はディープなヤツ。
イヌの舌は長くていつも上顎チロチロやられて、むずがゆくなる。
ソコ、触んないでっソコ擽られると、オレ、めちゃくちゃベロ動いちゃうっ・・・!
ついでにうつ伏せでぺしゃんこになってたチンポまで硬くなっていく。
「かわいいシアン。もう、勃ったろ?するか?シアン」
「しっしないっしないっ」
オレは一生懸命、首を横に振った。けど。
「シアン、どうしていつも『するか』って聞くと、『しない』なんだ・・?何かシャレなのか?こんなにカラダは、したがってるのに・・・どうして反対の事言うんだ?」
言いながらイヌがオレの勃起したチンポを触る。
「ヤッ・・・!!」
お前にオレの気持ちなんかわかるかよ!!
誰が好き好んで、犬のチンポ挿入したがるか!!
お前が、ヤルから、オレはヤラれるだけで・・!
「気持ちいいだろ?」
イヌの手が上下してる。
オレは心持ち、ケツ上げちゃって、イヌの手が動き易くしちゃってる。
「なぁ。シアン?気持ちいい?」
耳元で掠れた声が鼓膜に響く。
「う、んっ・・」
もうダメだぁ・・・って、目を閉じようとしたら、
「目開けてて。ちゃんとイク時の顔、オレに見せて」
だって。
オレ、薄目なんとか開けてイヌの顔を見つめた。
なんて、エロい事言うんだろう・・、この神様・・。
ああ、でもホント気持ちいい・・。
出ちゃう。
出ちゃうよ。
イヌがフッと笑った。
霞む視界の向こうに口角を上げるイヌの顔が見えた。
「こんな顔するんだな。いつもいつも見逃してた。シアンをゆっくり見てる余裕いつも無かったからな。お前、いつもオレに犬になるなって怒るから、オレ必死で」
ウソ吐くなよ・・・。オレに挿れたらすぐ犬に戻っちゃう
クセに・・・っ
イヌが唇を開いてキスした。
オレも口開けて受け入れる。
口が綺麗に噛みあって。
舌が交じり合った。
「好きだシアン。食っちまいたいシアン」
「やだよ、今は・・。もっと一緒居たいよオレ・・」
額を合わせてイヌが溜息を吐く。
「食いたい。シアン」
「ダメ。食べるな・・舐めてもいいから、まだ、食べるな」
「うん。じゃ、全部」
「う・・ん」
イヌの大きい掌が、オレの背中を撫でる。片手はオレのチンポをゆったりと扱きながら。
カラダ中をまさぐられて。
オレは小さく呻いた。
「いつか・・・喰えるんだな・・お前を・・」
イヌの囁きが舌の感触と一緒に降りていった。
イヌの髪を掴みながら。
「いつか・・・食べていいよ・・イヌ・・蒼狼様・・」
それでイヌがクスリと笑った気がした。
真夜中にそんな事やってるから、モチロンオレ達はぐうたらな夏休み。
イヌはもともと何にも縛られない生活してたけど。
時計も気にならない。今が朝か昼か夕方かもわかんない。
ただ、イヌの腕の中でまた手を握られて眠ってた。
そこで、気づいた。
アレ・・?イヌ、人のままだ・・。
でも、アレ?昨日は・・・あのままシて・・それでイヌは。
そっと振り返ってみた。
そこに。
・・・・・!!!
そこに寝ているのは。
オレの手を握って、背中からオレを抱いて寝ているのは!!
「彦・・・!!!!」(七夕にて・参照)
白っぽい金髪に日焼けした肌。切れ長の目がオレを見て笑う。
「オヒサー」
オレは慌てて、ベッドから飛び降りた。
そんなオレの慌てぶりに彦が噴出した。
「なんも、してねえって」
「な、な、なん、なんで!?」
オレは自分が素っ裸だってのも忘れて彦を指差したまま立ち竦む。
それに彦は肘ついてオレを見て笑った。
「おーい。丸見えだぞ。さすがにそれ見せられるとオレも我慢できなくなるぞ」
「おワッ」
オレは急いで、クロークの中へ飛び込んだ。
「いっイヌーーーー!!!イヌ何処行った!?」
オレは叫びながらシャツをひっかぶった。
「イヌなら電話してるぞ」
クロークの入り口に彦が寄りかかってオレを見てる。
「デ、デンワ!?」
オレはまだ丸出しだったケツを出来るだけ彦の視線から引きながらパンツに足を突っ込んだ。
「そ。今日お出かけの日だからな」
「っていうか、なんで彦がいんの!?もう七夕終ったじゃん!」
「失礼な。オレだって一応集まりとか出なきゃならない位にはエライ神様なんだぜ?いつもは鎖で繋がれてっけどな」
こんなどう見てもガテンなニイチャンが・・!?
マジでエライのか・・!?
っていうかいつも鎖で繋がれてるのに・・・神様って・・あり?
そこへイヌが顔を出した。
「誰が偉いって?」
「お、人狼」
「テメーいつの間に入った?・・シアン、何もされて無いか?」
イヌがクロークの中へ入って来てオレを抱き寄せた。
「だ、大丈夫・・。びっくりしたけど・・」
「オレだってな約束ぐらい守るぜ?百年くれー待ってやるよ」
そのセリフに、イヌが笑う。
「なんだよ」
彦が方眉を上げる。
「お前、相変わらず馬鹿だな。人間はな、百年生きたら死ぬんだよ」
「なに!?じゃ、オレが待つ意味ねえじゃねえか!!」
「やっと気づいたのかお前、バカ」
イヌがこれ見よがしにオレの頭を撫で回した。
「んだよっもうやーめたやめた!待つのなんかヤーメタ!」
「なら、お前の腕を貰おうか。オレとの約束を破るってんだからな」
イヌがニヤリと笑うと、彦がウッと顔を歪ませた。
イヌは得意そうに笑って、オレから手を離した。
「海に出掛けるぞシアン」
「海!?」
「なんだ、知らなかったのか?どうりでこんな真昼間まで寝てるわけだ」
彦が呆れた顔でクロークから出て行く。
と、イヌがオレに軽くキスした。
「急に悪いな。海に住んでるヤツが来い来いってうるさくてな。すっぽかすつもりだったんだが、アイツが迎えに来たんで仕方ない。一緒に行こうな?」
すっぽかすって・・・友達じゃないの?・・イヌって結構面倒くさがりだよな。
「オレは全然いいよ海。つーか行きたかったし」
言うと、イヌがオレの唇をペロッと舐めた。
「いい子だ」
と、その後ろから彦の声が掛かかった。
「なぁいい加減にして行こうぜ」
あまりの暑さに飛び起きた。
すると、フサフサとした犬の毛が自分のカラダを包んでいる。
「あちっあちぃーっ」
パジャマ代わりのティーシャツが汗でビショビショに湿ってる。
気持ち悪さに、裾から持ち上げて脱ぎ捨てた。
部屋の空調は夏を忘れさせる心地良さなのに、オレは犬(狼)の腹に抱えられるように寝させられてるせいで、オレの体温だけが異常に上昇していた。
犬は汗を掻かない。
汗を掻かないかわりに舌、口で、調節する。
オレは犬の足の間から自分の足を抜いて怒鳴った。
「テメー起きろ!!犬!!」
犬の足をガンガン足の裏で蹴ってやる。
犬は敏感だから、たぶんそんな事しなくても、
オレが起きた事で目は覚めてたと思うけど、オレは暑くて夜中に目が覚めたという苛立ちから、アオオオカミ様を蹴りつけてやった。
「イタイ。蹴るな」
犬の顔が、オレの顔を覗き込む。
犬の口から長い舌が伸ばされて、オレの首筋から目の下までを、べロンと舐めた。
「わーーー!!」
こっコイツ!オレが顔舐められんのヤダって知ってるクセにっ・・・!
「汗っかき」
アオオオカミが笑ってオレの背中にも舌を伸ばした。
裸の背中、背骨に沿ってペロペロと舌で舐められる。
「やっやめ・・!!」
ゾクッと、オレの背筋が引き攣った。
「全部舐めてやろうかシアン」
「いっいい!!やめろってば!ってか、犬が人型で寝てれば、オレだってこんな汗かかないんだよ!」
オレは犬の顔を両手を突っ張って遠ざけさせる。
「そうか。気が抜けてた。寝る前は人型だったハズだったんだけどな」
犬は自分の口の周りもペロリと舐めて。
それから。
首を仰け反らせて、手足を踏ん張る。
と、みるみると蒼っぽい毛が短くなり、人肌が現れていく。
犬の手足から滑らかで細い指先が覗く。
カラダがしぼむように小さくなると、そこには長身の黒髪の端正な顔立ちの男が、裸で横たわっていた。
「これなら暑くないか?」
「う、うん・・って、下なんか履けよ・・っ」
「いい、めんどい」
なんか、またとんでもない変身シーンを見させられたせいで、目がぱっちりと覚めてしまった。
もう暑いとかそんな問題じゃない。
なのに。
イヌはオレを背中から抱き締めて、足を絡ませて再び寝入ろうとする。
長い腕がオレの前で交差してる。
その指に触ってみた。
そしたら、その指がオレの指に絡み付いてくる。
指を一本ずつ組み合わせられて、掌を握られた。
頭上からはイヌの寝息。
なんか恥ずかしくって、オレはドキドキしてしまう。
もう何回もイヌとはセックスしてる。
だけどあの時って、とにかく切羽詰まってて、こんなにじっくり、イヌの裸とかカラダとか感じた事なんか無い。
いつも終る時はオレ、意識飛ばしてるしさ。
気が付いたら、だいたいイヌは犬になってて横で寝てるし。
なんか。
なんか、照れる。
イヌの胸板が、オレの背中にピッタリとくっつけられてる。
いや、ちょっと待て!オレ!
普通、こっちが普通なんだよ!
(↑それでもホモ前提の普通)
いつも裸で犬と寝てる方がオカシイっつーの!
そんな事を考えてるせいで、心臓はバクバク言うし、目は覚めちゃってるし、緊張してカラダ動かせないしで、オレはまた汗をかき始める。
そっと足を抜こうとした。
もう膝の裏とか汗かいてる。
その足をまたイヌの足が捉える。
・・・っ暑いんだってばぁ・・!
もう一度足を抜こうとする。
また、イヌの足が追っかけてきて、イヌの股へと封じ込められてしまう。
「イ、イヌ。あ、ついって・・」
ついに、堪えられなくなって弱音を吐いた。
すると、クスクスとイヌが笑ってる。
「汗っかき」
また言われて、イヌがオレのうなじを舐めた。
「な、舐めるなっ」
「舐めたい。シアンを舐めたい」
「わっわかったからっフロ!シャワー浴びさせてっ頼む!」
「だめ」
「いっイヌ・・・!アッは、はずかしいぃからっ」
後ろから圧し掛かられて、イヌの手がオレの顎を上に上げさせる。
唇が上下逆さまにくっついた。
「なにが恥ずかしいんだ?」
「オレ、汗臭い・・シャワー・・」
顔を背けながら小声で訴えた。
「臭くない。シアンはどこも臭くない。この匂い、好きだ。オレを興奮させる」
それで、またイヌがオレにキスした。
今度はディープなヤツ。
イヌの舌は長くていつも上顎チロチロやられて、むずがゆくなる。
ソコ、触んないでっソコ擽られると、オレ、めちゃくちゃベロ動いちゃうっ・・・!
ついでにうつ伏せでぺしゃんこになってたチンポまで硬くなっていく。
「かわいいシアン。もう、勃ったろ?するか?シアン」
「しっしないっしないっ」
オレは一生懸命、首を横に振った。けど。
「シアン、どうしていつも『するか』って聞くと、『しない』なんだ・・?何かシャレなのか?こんなにカラダは、したがってるのに・・・どうして反対の事言うんだ?」
言いながらイヌがオレの勃起したチンポを触る。
「ヤッ・・・!!」
お前にオレの気持ちなんかわかるかよ!!
誰が好き好んで、犬のチンポ挿入したがるか!!
お前が、ヤルから、オレはヤラれるだけで・・!
「気持ちいいだろ?」
イヌの手が上下してる。
オレは心持ち、ケツ上げちゃって、イヌの手が動き易くしちゃってる。
「なぁ。シアン?気持ちいい?」
耳元で掠れた声が鼓膜に響く。
「う、んっ・・」
もうダメだぁ・・・って、目を閉じようとしたら、
「目開けてて。ちゃんとイク時の顔、オレに見せて」
だって。
オレ、薄目なんとか開けてイヌの顔を見つめた。
なんて、エロい事言うんだろう・・、この神様・・。
ああ、でもホント気持ちいい・・。
出ちゃう。
出ちゃうよ。
イヌがフッと笑った。
霞む視界の向こうに口角を上げるイヌの顔が見えた。
「こんな顔するんだな。いつもいつも見逃してた。シアンをゆっくり見てる余裕いつも無かったからな。お前、いつもオレに犬になるなって怒るから、オレ必死で」
ウソ吐くなよ・・・。オレに挿れたらすぐ犬に戻っちゃう
クセに・・・っ
イヌが唇を開いてキスした。
オレも口開けて受け入れる。
口が綺麗に噛みあって。
舌が交じり合った。
「好きだシアン。食っちまいたいシアン」
「やだよ、今は・・。もっと一緒居たいよオレ・・」
額を合わせてイヌが溜息を吐く。
「食いたい。シアン」
「ダメ。食べるな・・舐めてもいいから、まだ、食べるな」
「うん。じゃ、全部」
「う・・ん」
イヌの大きい掌が、オレの背中を撫でる。片手はオレのチンポをゆったりと扱きながら。
カラダ中をまさぐられて。
オレは小さく呻いた。
「いつか・・・喰えるんだな・・お前を・・」
イヌの囁きが舌の感触と一緒に降りていった。
イヌの髪を掴みながら。
「いつか・・・食べていいよ・・イヌ・・蒼狼様・・」
それでイヌがクスリと笑った気がした。
真夜中にそんな事やってるから、モチロンオレ達はぐうたらな夏休み。
イヌはもともと何にも縛られない生活してたけど。
時計も気にならない。今が朝か昼か夕方かもわかんない。
ただ、イヌの腕の中でまた手を握られて眠ってた。
そこで、気づいた。
アレ・・?イヌ、人のままだ・・。
でも、アレ?昨日は・・・あのままシて・・それでイヌは。
そっと振り返ってみた。
そこに。
・・・・・!!!
そこに寝ているのは。
オレの手を握って、背中からオレを抱いて寝ているのは!!
「彦・・・!!!!」(七夕にて・参照)
白っぽい金髪に日焼けした肌。切れ長の目がオレを見て笑う。
「オヒサー」
オレは慌てて、ベッドから飛び降りた。
そんなオレの慌てぶりに彦が噴出した。
「なんも、してねえって」
「な、な、なん、なんで!?」
オレは自分が素っ裸だってのも忘れて彦を指差したまま立ち竦む。
それに彦は肘ついてオレを見て笑った。
「おーい。丸見えだぞ。さすがにそれ見せられるとオレも我慢できなくなるぞ」
「おワッ」
オレは急いで、クロークの中へ飛び込んだ。
「いっイヌーーーー!!!イヌ何処行った!?」
オレは叫びながらシャツをひっかぶった。
「イヌなら電話してるぞ」
クロークの入り口に彦が寄りかかってオレを見てる。
「デ、デンワ!?」
オレはまだ丸出しだったケツを出来るだけ彦の視線から引きながらパンツに足を突っ込んだ。
「そ。今日お出かけの日だからな」
「っていうか、なんで彦がいんの!?もう七夕終ったじゃん!」
「失礼な。オレだって一応集まりとか出なきゃならない位にはエライ神様なんだぜ?いつもは鎖で繋がれてっけどな」
こんなどう見てもガテンなニイチャンが・・!?
マジでエライのか・・!?
っていうかいつも鎖で繋がれてるのに・・・神様って・・あり?
そこへイヌが顔を出した。
「誰が偉いって?」
「お、人狼」
「テメーいつの間に入った?・・シアン、何もされて無いか?」
イヌがクロークの中へ入って来てオレを抱き寄せた。
「だ、大丈夫・・。びっくりしたけど・・」
「オレだってな約束ぐらい守るぜ?百年くれー待ってやるよ」
そのセリフに、イヌが笑う。
「なんだよ」
彦が方眉を上げる。
「お前、相変わらず馬鹿だな。人間はな、百年生きたら死ぬんだよ」
「なに!?じゃ、オレが待つ意味ねえじゃねえか!!」
「やっと気づいたのかお前、バカ」
イヌがこれ見よがしにオレの頭を撫で回した。
「んだよっもうやーめたやめた!待つのなんかヤーメタ!」
「なら、お前の腕を貰おうか。オレとの約束を破るってんだからな」
イヌがニヤリと笑うと、彦がウッと顔を歪ませた。
イヌは得意そうに笑って、オレから手を離した。
「海に出掛けるぞシアン」
「海!?」
「なんだ、知らなかったのか?どうりでこんな真昼間まで寝てるわけだ」
彦が呆れた顔でクロークから出て行く。
と、イヌがオレに軽くキスした。
「急に悪いな。海に住んでるヤツが来い来いってうるさくてな。すっぽかすつもりだったんだが、アイツが迎えに来たんで仕方ない。一緒に行こうな?」
すっぽかすって・・・友達じゃないの?・・イヌって結構面倒くさがりだよな。
「オレは全然いいよ海。つーか行きたかったし」
言うと、イヌがオレの唇をペロッと舐めた。
「いい子だ」
と、その後ろから彦の声が掛かかった。
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