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28、明るい男々交際
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28、『明るい男々交際』
壊した膝に軽く巻くサポーター。
腰履きのジーンズ。
メンズブランドのロゴが見える下着。(一応勝負下着)
上はアーセナルの真っ赤なユニフォーム。
部屋に転がるサッカーボールを爪先から上げて膝で二回リフティングして頭の上に乗せる。
バランスを取ってストップ!
その球を落として、ゴールよろしくベッドへ蹴り込む!
もち、それだけじゃ済まなくて、ドカドカと壁とか机とか周りにも色々当たって、妹にウルサイ!って怒られた。
さて、行きますか。
晴れの日曜、気分は上々!
いつものエナメルバッグに球一つ。
チャリに股がり、目指すは、河原のサッカーグラウンド!
ずっと楽しみにしてた個人レッスン。(うわーヒワイっ)
そんなわけで浮かれまくってオレはチャリを猛スピードで走らせる。
駅までチャリで10分弱。その向こうのでっけー川の土手。
最後の坂道がオレを泣かせたけど、昇りきった坂の上からは、ワタヌキとアキタさんの姿。
二人は芝の上に座り込んで、オレに気づくと手を上げた。
坂道をノーブレーキで降りるオレ。ヤベッこえーー!!
もうなにもかもが楽しい!
そんなオレにアキタさんが、ワケェーな~って言う。
今日のアキタさんは濃紺のツナギの上を腰に巻いて、白のタンクトップ。
「一個しか変わんないっすよ」
「いや、その情熱はオレにはもうねぇーよ、マジで。ほら、あっちのヤツなんて、んな感情すら持ち合わせちゃいねーぞ。既に悟りの境地イってるからな」
見ると黙々とリフティングしてるワタヌキ。
ぶかぶかのウィンドブレーカーと上はパーカー。
確かに、コイツ、楽しそうとかじゃないよな。
部活の時だって、そんな嬉しそうな顔とかしないし。
だから、皆、コイツの事怖がるんだよ。
無表情極まり無いから。
「オレだって喜ぶ時は喜ぶだろ。点入れた時とか」
「あとは、相手刈った時な」
ワタヌキがアキタさんのケツを蹴る。
「イテッテメーそれ今裏で蹴ったろ!刺さったぞ」
「ナギ、来いよ」
「え、ちょ待って」
急いで立ち上がってオレは、走ってくワタヌキを追った。
ゴール前まで走って、ワタヌキが余裕の笑み。
オレを待って、球を足元で転がす。
右に左に転がして、オレが足を出すとヒールで引っ込める。
キタネェ!
足の甲に一度乗っけて弾ませて、オレの周りをくるって回る。
慌てて振り向くけどスピードが違いすぎる。
あ~~~~!!クソッッ
オレはワタヌキの袖を掴んだ。
ワタヌキは笑って、その腕をオレに掴ませたままで足を動かす。
チクショ!
ちっとも球に足が触らないっ
ワタヌキは口元吊り上げて余裕の顔。
焦って焦ってオレはワタヌキのシャツを両手で握って、ワタヌキの動きを止めて球を蹴り出す。
やった!!
オレは手を放して、ダッシュ!
と、今度はオレの肩をワタヌキが掴んできてよろけた。
その上にワタヌキが圧し掛かってくる。
「わーーーーー!!」
仰向けのオレの胸にワタヌキが顔をうずめてる。
荒い息する度にワタヌキの重さがキた。
そこへあの淡々とした声が降る。
「どっちもファウルだろ今の」
「オレのどこがファウルなんだよ」
ワタヌキが顔を上げる。
「オマエのは狙いすぎなんだよ。わざとらしい。モリヤに引っ付いて貰いたいだけだろ」
えええっ!
なんて恥ずかしくなる事この人サラっと・・!
「しょうがねーじゃん。ナギ、かわいーんだから」
ドクンッと心臓が跳ねた。
顔が熱くなる。
やばいって、こんな体勢の時になんでそんな事言うかな?
「重い!どけよ!」
それに、ワタヌキはちょっと目を細めてボソっと言った。
「半ダチのくせに」
ギャーーーーーーーーッッ
アキタさんに聞こえるっ
オレは思わずうつ伏せになった。
「抜くならアッチな」
と、アキタさんはフツウにゴールの向こうを指差した。
もう、ヤダ。
コイツら、もう、ヤダ!
オレは必死に世界史の授業を思い出す。
べらぼうに長い名前を頭の中で回転させて、先生の顔を思い出す。
なぜなら一風変わってるヒトだからだ。
見るだけでツボ。着てくる服がツボ。
いつも履いてる変なジャージはいつもケツに食い込んでるし。
ある意味オレら(オレとキタムラ)のアイドル。
よし。
収まった。
ホッとして二人を探すと、得意そうにノーバウンドのパス合戦。
オレも芝と土を落として、加わる。
パスがワタヌキから回ってきて、蹴った球は僅かに方向が逸れて、アキタさんがダッシュでバックして掬う。
「スミマセッ」
「おう!言ってなかったけど。落としたら一枚ずつ脱ぐんだぞ」
「は!?」
ナニソレ!?
ヤキュウケンじゃないんだから・・!
ワタヌキを見ると楽しそうに笑ってる。
コイツって賭けとか本当好きだよな・・。
いや、誰かを貶めるのが好きなんだよ、結構。
と、思ってると、ワタヌキがイキナリ速い球をアキタさんに蹴りこんだ。
もち、トラップなんて難しい球。
体引いてクッションしたって間に合わない。
アキタさんは後ろにコケながら、高く上がった球を追った。
けど、足がついてってなかった。
球がアキタさんの少し向こうで跳ねた。
その瞬間、ワタヌキがガッツポーズした。
すげーウレシソウ・・・。
「オラ、脱げ。脱ぎやがれ!」
「テメーな、オレを脱がしてどうすんだよ?せっかくオレがモリヤを簡単に剥いてやろって」
「ナギの裸がそうそう見れると思うな」
「ロッカーでいつも見れるっつーの。あったまキタ」
アキタさんは勢い良くタンクトップを脱いだ。
それを遠くに投げる。
リフティングで球を遊んでから、ワタヌキの頭上高く上げた。
うわー・・・アレ、ヘディングするの痛そう・・。
ワタヌキはリクエスト通り、ヘディングしたが、その勢いを殺さないままアキタさんへ、トスした。
もちアキタさんは、わって驚きながらも球をコッチへ蹴った。
それもすごいスピードで。
顔面!
と思った瞬間思わず手が出てた。
「ハンド!!」
二人がオレを指差した。
「取れるわけねーだろ、あんなの!」
ゆっくりと時間が動いてる。
オレの前でワタヌキが笑って、アキタさんが球蹴って、蹴り返して。
バテバテのオレを置いて、二人はまだ走り回ってた。
その背後に人影を感じて振り返った。
「!い、イズミサワ先輩・・」
「オス。相変わらず、すげー足してるなワタヌキは」
ざっくり首の空いたシャツにジーンズ。コンバースの紐靴は赤。
オレの隣にイズミサワ先輩が座った。
「・・・・」
どうしよ。
なんも話す事ねーよ。
オレとイズミサワ先輩は暫くそのまま、走り回る二人を見てた。
「元気だな~」
ポツリとイズミサワ先輩が言う。
「それ、さっきアキタさんに言われましたオレ」
そのオレをちょっと見てからまた視線を戻して言ったんだ。
「アキタ、貰ってってイ?」
「え、あ、はい」
「アリガト」
言ってイズミサワ先輩は立ち上がって叫んだ。
「セージー!帰ろう!」
カエロウ・・・。帰ろう・・?
一瞬妙な違和感。
目だけで見てるとイズミサワ先輩も目だけコッチを見て笑った。
「もう、時間か」
ワタヌキとアキタさんが歩いて来る。
「じゃ、帰るワ。また明日なモリヤ」
アキタさんが自然にイズミサワ先輩の肩に手を廻した。
それを、オレは呆けて見てた。
その頭。
ゴンッ
「イタッ!」
頭を押さえて見上げると、ワタヌキがタオルをバッグから出して拭いている。
「見すぎ」
「・・・スミマセン・・」
すっげー複雑な感じ。
「おし、飯喰いに行こうぜ」
「うん。腹減った」
「なぁ、キスするか?」
え、と思う暇も無い。
アンタっていつもそうなんだよ。聞いといて、返事いらねーんだ。
ま、オレも逆らわないけど。
少しだけ触れた唇。
すげー、モノタリナイ。
ワタヌキが川風に顔を向ける。
「キモチいー」
いい顔しちゃって・・・。
オレ達も肩組んで歩いた。
すっげー天気いい日だった。
壊した膝に軽く巻くサポーター。
腰履きのジーンズ。
メンズブランドのロゴが見える下着。(一応勝負下着)
上はアーセナルの真っ赤なユニフォーム。
部屋に転がるサッカーボールを爪先から上げて膝で二回リフティングして頭の上に乗せる。
バランスを取ってストップ!
その球を落として、ゴールよろしくベッドへ蹴り込む!
もち、それだけじゃ済まなくて、ドカドカと壁とか机とか周りにも色々当たって、妹にウルサイ!って怒られた。
さて、行きますか。
晴れの日曜、気分は上々!
いつものエナメルバッグに球一つ。
チャリに股がり、目指すは、河原のサッカーグラウンド!
ずっと楽しみにしてた個人レッスン。(うわーヒワイっ)
そんなわけで浮かれまくってオレはチャリを猛スピードで走らせる。
駅までチャリで10分弱。その向こうのでっけー川の土手。
最後の坂道がオレを泣かせたけど、昇りきった坂の上からは、ワタヌキとアキタさんの姿。
二人は芝の上に座り込んで、オレに気づくと手を上げた。
坂道をノーブレーキで降りるオレ。ヤベッこえーー!!
もうなにもかもが楽しい!
そんなオレにアキタさんが、ワケェーな~って言う。
今日のアキタさんは濃紺のツナギの上を腰に巻いて、白のタンクトップ。
「一個しか変わんないっすよ」
「いや、その情熱はオレにはもうねぇーよ、マジで。ほら、あっちのヤツなんて、んな感情すら持ち合わせちゃいねーぞ。既に悟りの境地イってるからな」
見ると黙々とリフティングしてるワタヌキ。
ぶかぶかのウィンドブレーカーと上はパーカー。
確かに、コイツ、楽しそうとかじゃないよな。
部活の時だって、そんな嬉しそうな顔とかしないし。
だから、皆、コイツの事怖がるんだよ。
無表情極まり無いから。
「オレだって喜ぶ時は喜ぶだろ。点入れた時とか」
「あとは、相手刈った時な」
ワタヌキがアキタさんのケツを蹴る。
「イテッテメーそれ今裏で蹴ったろ!刺さったぞ」
「ナギ、来いよ」
「え、ちょ待って」
急いで立ち上がってオレは、走ってくワタヌキを追った。
ゴール前まで走って、ワタヌキが余裕の笑み。
オレを待って、球を足元で転がす。
右に左に転がして、オレが足を出すとヒールで引っ込める。
キタネェ!
足の甲に一度乗っけて弾ませて、オレの周りをくるって回る。
慌てて振り向くけどスピードが違いすぎる。
あ~~~~!!クソッッ
オレはワタヌキの袖を掴んだ。
ワタヌキは笑って、その腕をオレに掴ませたままで足を動かす。
チクショ!
ちっとも球に足が触らないっ
ワタヌキは口元吊り上げて余裕の顔。
焦って焦ってオレはワタヌキのシャツを両手で握って、ワタヌキの動きを止めて球を蹴り出す。
やった!!
オレは手を放して、ダッシュ!
と、今度はオレの肩をワタヌキが掴んできてよろけた。
その上にワタヌキが圧し掛かってくる。
「わーーーーー!!」
仰向けのオレの胸にワタヌキが顔をうずめてる。
荒い息する度にワタヌキの重さがキた。
そこへあの淡々とした声が降る。
「どっちもファウルだろ今の」
「オレのどこがファウルなんだよ」
ワタヌキが顔を上げる。
「オマエのは狙いすぎなんだよ。わざとらしい。モリヤに引っ付いて貰いたいだけだろ」
えええっ!
なんて恥ずかしくなる事この人サラっと・・!
「しょうがねーじゃん。ナギ、かわいーんだから」
ドクンッと心臓が跳ねた。
顔が熱くなる。
やばいって、こんな体勢の時になんでそんな事言うかな?
「重い!どけよ!」
それに、ワタヌキはちょっと目を細めてボソっと言った。
「半ダチのくせに」
ギャーーーーーーーーッッ
アキタさんに聞こえるっ
オレは思わずうつ伏せになった。
「抜くならアッチな」
と、アキタさんはフツウにゴールの向こうを指差した。
もう、ヤダ。
コイツら、もう、ヤダ!
オレは必死に世界史の授業を思い出す。
べらぼうに長い名前を頭の中で回転させて、先生の顔を思い出す。
なぜなら一風変わってるヒトだからだ。
見るだけでツボ。着てくる服がツボ。
いつも履いてる変なジャージはいつもケツに食い込んでるし。
ある意味オレら(オレとキタムラ)のアイドル。
よし。
収まった。
ホッとして二人を探すと、得意そうにノーバウンドのパス合戦。
オレも芝と土を落として、加わる。
パスがワタヌキから回ってきて、蹴った球は僅かに方向が逸れて、アキタさんがダッシュでバックして掬う。
「スミマセッ」
「おう!言ってなかったけど。落としたら一枚ずつ脱ぐんだぞ」
「は!?」
ナニソレ!?
ヤキュウケンじゃないんだから・・!
ワタヌキを見ると楽しそうに笑ってる。
コイツって賭けとか本当好きだよな・・。
いや、誰かを貶めるのが好きなんだよ、結構。
と、思ってると、ワタヌキがイキナリ速い球をアキタさんに蹴りこんだ。
もち、トラップなんて難しい球。
体引いてクッションしたって間に合わない。
アキタさんは後ろにコケながら、高く上がった球を追った。
けど、足がついてってなかった。
球がアキタさんの少し向こうで跳ねた。
その瞬間、ワタヌキがガッツポーズした。
すげーウレシソウ・・・。
「オラ、脱げ。脱ぎやがれ!」
「テメーな、オレを脱がしてどうすんだよ?せっかくオレがモリヤを簡単に剥いてやろって」
「ナギの裸がそうそう見れると思うな」
「ロッカーでいつも見れるっつーの。あったまキタ」
アキタさんは勢い良くタンクトップを脱いだ。
それを遠くに投げる。
リフティングで球を遊んでから、ワタヌキの頭上高く上げた。
うわー・・・アレ、ヘディングするの痛そう・・。
ワタヌキはリクエスト通り、ヘディングしたが、その勢いを殺さないままアキタさんへ、トスした。
もちアキタさんは、わって驚きながらも球をコッチへ蹴った。
それもすごいスピードで。
顔面!
と思った瞬間思わず手が出てた。
「ハンド!!」
二人がオレを指差した。
「取れるわけねーだろ、あんなの!」
ゆっくりと時間が動いてる。
オレの前でワタヌキが笑って、アキタさんが球蹴って、蹴り返して。
バテバテのオレを置いて、二人はまだ走り回ってた。
その背後に人影を感じて振り返った。
「!い、イズミサワ先輩・・」
「オス。相変わらず、すげー足してるなワタヌキは」
ざっくり首の空いたシャツにジーンズ。コンバースの紐靴は赤。
オレの隣にイズミサワ先輩が座った。
「・・・・」
どうしよ。
なんも話す事ねーよ。
オレとイズミサワ先輩は暫くそのまま、走り回る二人を見てた。
「元気だな~」
ポツリとイズミサワ先輩が言う。
「それ、さっきアキタさんに言われましたオレ」
そのオレをちょっと見てからまた視線を戻して言ったんだ。
「アキタ、貰ってってイ?」
「え、あ、はい」
「アリガト」
言ってイズミサワ先輩は立ち上がって叫んだ。
「セージー!帰ろう!」
カエロウ・・・。帰ろう・・?
一瞬妙な違和感。
目だけで見てるとイズミサワ先輩も目だけコッチを見て笑った。
「もう、時間か」
ワタヌキとアキタさんが歩いて来る。
「じゃ、帰るワ。また明日なモリヤ」
アキタさんが自然にイズミサワ先輩の肩に手を廻した。
それを、オレは呆けて見てた。
その頭。
ゴンッ
「イタッ!」
頭を押さえて見上げると、ワタヌキがタオルをバッグから出して拭いている。
「見すぎ」
「・・・スミマセン・・」
すっげー複雑な感じ。
「おし、飯喰いに行こうぜ」
「うん。腹減った」
「なぁ、キスするか?」
え、と思う暇も無い。
アンタっていつもそうなんだよ。聞いといて、返事いらねーんだ。
ま、オレも逆らわないけど。
少しだけ触れた唇。
すげー、モノタリナイ。
ワタヌキが川風に顔を向ける。
「キモチいー」
いい顔しちゃって・・・。
オレ達も肩組んで歩いた。
すっげー天気いい日だった。
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