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精霊術師フィーナ

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ヴァードはレフィリアに引っ張られながら
人々が賑わう目抜き通りを歩いた

「もう!袖の下くらい、さっと渡せばそれで終わるじゃないですか
私を面倒ごとに巻き込まないでください」

「出す必要のない金を渡すつもりはない」

「偏屈は身を滅ぼしますよ」

「まだ滅んでない、なら大丈夫だ」

「ああ言えばこう言う
他人を不機嫌にさせる練習でもしてるんですか?」

「昨日はずっと喜んでたじゃないか、裸で」

レフィリアの顔がみるみるうちに真っ赤になった

「あああぁ!人の見てるところでぇ!……もう勝手にしてください!
私は失礼しますから!」

「そうか、縁があればまた会おう」

「私は会いたくないんです!」

レフィリアはヴァードの手を離し、足早に雑踏の中に消えていった。

「国王に会いに行くとするか」

ヴァードは宮殿の方角へ歩いた
ところが道はあっちへ曲がり、こっちへ入り組んだりで
宮殿が向こうに見えているというのに一向にたどり着けないのだった
夕暮れが居並ぶ瀟洒な建物を照らした

「レフィリアに行き方を訊いておくんだったな……」

「やっほー、おにーさん!」

「なんだ」

おさげ髪の少女が話しかけてきた
小動物のように愛らしい笑顔を見せ
先端に深紅の宝玉を拵えた杖(ロッド)を持ち
紋様をあしらった装束を着ている

「わたしはフィーナって言います!」

「いくつだ?」

「花の14歳!」

「ご職業は?」

「精霊術師です!」

「俺になんの用だ」

「その……路銀がなくなっちゃって……えへへ……」

「金ならよそへ行け」

ヴァードはきびすを返した

「ちょっとちょっとちょっと!待ってくださいよう、ああぁ……!水の精霊術っ!ろくろ!」

フィーナが杖で地面を叩くと何もないところから水が湧き出た
瞬く間に大きな水溜りになり、そこから大量の水飛沫が飛び出してヴァードに向かってきた
水は巨大な手のひらの形に変わって、ヴァードの全身をがっしりとつかみ
ぐるんと回転させて雲散霧消した。

「一緒に……泊めてくれませんか?」

「水浸しにしておいてねだるとはなかなか肝が据わってるな」

「もちろんタダとはいいませんよ……その……」

「その?」

「く……口とか……なら」

「俺の子を産めるか?」

「ええええ!?……そこまでするのは……
あ、でも……おにーさん、けっこうかっこいいし、まあ、いいのかな……
いやいや!子供はさすがに!」

「独り言いってないで、泊まる場所を探すぞ」

ヴァードが周囲を見渡すと旅館らしきひときわ大きな建物があった
「オテル・ドゥ・ラ・シルエール」と入り口には掲げられてていた

「シルエールか……名前が同じだな、よし」

「え!ここ……すごい高そうですよ!?」

「大丈夫だろう」

「だろう!?」

旅館に入ると、老紳士が二人を迎えた

「お客様、申し訳ありません、
あいにく当館はご紹介をいただいていらっしゃらない方には……」

「あんたが支配人か?、レフィリア嬢から空いている部屋を使って良いと言われたんだが
いけるか?、護衛で今日王都に着いたんだ、あとなにか拭くものを」

「なんと!お嬢様ご直々の申し付けでございますか
承りました、すぐにお部屋とお着替えをご用意させていただきます」

「二階の部屋は空いてるか?」

「よろしいのですか、もっと良い部屋もご用意できますが」

「最悪、落ちても死なん」

「はぁ」

「あぁ、ほら、火事とか」

「取り越し苦労でございましょう、
当館は安全面はとりわけ気を遣っておりますゆえご心配は無用です」

「おにーさん、こうまで言ってくれてるんだし
おじいちゃんの好意に甘えましょ」

言い終えた後フィーナはしまった!というふうに口を押さえた

「おにーさん……?
ご兄妹にしては……あまり顔が……」

「義理の妹だ、水の精霊術が使えるので同行してもらっていた
訓練に付き合って、それで濡れてしまったんだ」

「さようでございましたか」

「では、一番いい部屋を頼む」

二人は最上階のもっとも豪華な部屋に案内された
ヴァードは濡れた服を脱いだ

「あの……さっきはごめんなさい
よけいなこと言っちゃって」

「済んだことだ」

「おにーさん……あ、ヴァードさんでしたね」

フィーナが紐を解くと装束がするりと床に落ちた

「わたしが……からだ冷やしちゃったから」






 
 ヴァードはフィーナの小さな体に後ろから覆い被さっていた
の未熟な蜜壺に何度も何度も押し入る

「ふああっ!こんなの、こんなの、おおきすぎるよぉ、はぁん!」

荒々しい侵入に精一杯応えるような、かわいらしい喘ぎをヴァードは楽しんだ
フィーナの全身は薄桃色に染まっていた
ヴァードが陰茎を引き抜くと小さな体は弓なりに反って、
フィーナはひときわ高い嬌声をあげた
ヴァードは脈打つ欲望をフィーナの口元に寄せた

「あ、待って……こっちに、さいごまで……ほしいです……」

フィーナはゆっくりと足を開いてヴァードを招いた
ヴァードはフィーナを抱き寄せて激しく動いた
にちゃにちゃといやらしい音が部屋の中に響いた

「あぁ!あっ、あっ、きちゃう、おにーさんのが、わたし……あぁ!」

フィーナはヴァードに力一杯しがみ付いてきた、フィーナの太ももに薄く濁った雫がたれた

「あっ、ああ、あったかい……よぉ、はぁ、はぁ」

フィーナは泣いていた、ヴァードは頭をそっと撫でた

「あ……ヴァードさん……」

「フィーナはここで休んでいろ、少し外に出てくる」

  新しい服に着替えたヴァードは一階に降り、家具を拭いていた支配人に声をかけた

「支配人、日が落ちるまでに宮殿を見ておきたいんだが地図を貸してもらえるか?」

「お安い御用ですとも」

「それと預けておいた武器はあるか」

「ここに保管してございます」

支配人が頑丈そうな扉を開くと、
そこには槍や大剣など長尺の武器が収められていた
ヴァードはその中にあった戦斧を持ち上げ背負った

「そこまで警戒する必要がありますかな?」

「転ばぬ先の、というやつだよ」

ヴァードは旅館から路地に出た
地図を見ながら宮殿へ足を進めた
そのとき、どん、とヴァードは何かにぶつかった

「ごめんなさい」

声の主と目が合った、黒い外套を着た小さな少年だった
宝石のように輝いて優しさと悲しみをたたえた瞳、
上品な長いまつ毛、すっと通った鼻、なまめかしい唇
風になびく金色(こんじき)の髪
あまりの壮絶な美しさにヴァードは呆然と立ち尽くしていた
少年は頭巾を目深に被り、足早に去っていった

ヴァードは我に帰った

「やられた!金が無い!」
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