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第四章 鳥像の門
嫉妬の影2
しおりを挟むレーベ・モルン王国が管理しているダンジョン
このダンジョンでは階層主を攻略すると他のダンジョンでは手に入らない【特別】な報酬が手に入る
その為、このダンジョンでの攻略は禁止されていた、
このダンジョンが現れたのは、今から50年前の事だった。
人間の王国と魔族の支配する領域が別れる境界線の、
そこから3日程の距離を真っ直ぐレーベ・モルン王国へと歩いた所、
ちょうど境界線と王国のある都市の半分ほどの位置に、
突如としてダンジョンの巨大な入り口が現れた。
境界線を守る守備隊が任務を終え、帰る途中で、
ダンジョンの入り口に気がついたレーベ王国の守備隊は、
すぐにダンジョンの探索へと向かった。
出現してからは早ければ早い程、攻略の難易度が下がるのが一般的な為、
レーベ王国は、探索隊はすぐにダンジョンへ差し向けた。
探索隊が調査を始めると普通のダンジョンと大体同じだが、
階層によって出現されるモンスターが固定されている様だった
次の階層に進む為には階層主を倒さなければならない、
階層主はそれまで倒したモンスターに『エルダー』の名を冠しており
名前通りに確かに強くなっていた。
最初の階層主は『エルダースライム』
普通のスライムよりは確かに強いし大きいが、守備隊から選抜された探索隊の敵ではなく、
それは直ぐに攻略された
階層主が倒され次の階層へと進む扉が壁に出現された時に
階層主の広間の中心が光に包まれた
「なっなんだ?全員警戒しろ!」
探索隊のリーダーを務めていた男がそう叫ぶと
他の探索者や騎士達も剣や魔法の杖を構え、
溢れる光に対して何が起こっても対応できる距離を保つ
やがて…徐々に光が収まり、そこから現れたのは…【人間】だった
「え……ここは……もしかして異世界に来たのか?」
「人間?……とにかく、一度国に連れ帰って報告しよう」
階層主の攻略後に光と共に現れた【人間】は何故か召喚と同時に隷属の紋章を付与されていて、
それに探検者達は直ぐに気がつく事になる
黒髪黒目で、この世界では余り見ない、変な格好をした若い男が声高く聞いてくる
「なっなぁ…ここは異世界なんだよなぁ?剣とか持ってるって事はもっモンスターとか居るのか?教えてくれよっおっおい!」
「五月蝿い!喋るな!」
探索隊のリーダーがそういうと男は話さなくなった
「ぐ…………」
「急に静かになったな…胸になにか光ってる?……おいその男の服を脱がせ」
「っ!っ!」
召喚された人間は話せないが必死に抵抗する
「おい!抵抗するな!」
探索隊のリーダーまたそう命令すると
「…………」
男は動けなくなり、服を脱がすと胸の中心に隷属を示す首輪の紋章が付与されていた
【隷属の紋章】は召喚されると同時に隷属の紋章を付与されていた様で
探索者が主人として登録されていた
探索隊からの報告を受けたレーベ王国は調査の継続を続けると次々と色々な事が分かっていく
召喚された者の殆どは黒髪で黒目を持ち、この世界の住民とは何処か様子が違う
何処から来たのか訪ねると、皆が同じように日本という国から来たと言う
調べてみると階層を深く潜れば潜る程、戦闘や生産など、有用なスキルを持ち
階層が低ければ低いほど召喚は発生しなかったり、召喚してもスキルを持っていなかったりした
この世界の住人達は………召喚された【人間】を【奴隷】として扱う事にした
王国民にとって、モンスター溢れるこの世界で有効な【奴隷】を生み出し続けるこのダンジョンの効果を知った王は当然のように号令を発令する
号令の内容は
『あのダンジョンを攻略する事を禁じる』
攻略とはダンジョンコアの破壊、及びダンジョンマスターの討伐を意味する
この号令に、貴族、探索者、王国の住民達の誰もが賛成した
王国民ではない、この黒髪・黒目の人間を生み出すダンジョンを人々は
【奴隷ダンジョン】
と呼ぶようになり、レーベ王国の便利で、強力で、決して逆らわない【奴隷】を召喚する為に、
探索者達は命を賭けて、日々奴隷を連れてダンジョンに挑戦するようになっていく
~~~~~~
09/19:冒険者を探索者に訂正しました。
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