奇跡の神様

白木

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第四章 鳥像の門

鏡の悪魔1

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 鏡の門が地獄の中央に戻ってくる独特な機械的な音がした。

 数ヶ月ですっかり自分の身体のように動かせるようになったことがその音からもわかって、ほっとした。

 出て行く時はあちこちにぶつかって、せっかく作った地獄を—―この頃付けた浄化場の総称だが、壊してしまうのではないかと心配した。

 今、目の前に横たわる悪魔を見て、あの二人はどんな反応をするだろう。

 こいつを造っている間、二人に外の世界に行っていてもらったのは正解だった。

 形作っては嫉妬に狂い、崩して、壊して、潰して、自分を戒めて、造り直す。

 人間の世界ではこいつを前に、どうやって自分の感情を押し殺していたかが不思議なくらいだ。

 わたしの神様がのめり込んでいたこと、わたしの神様が気にかけていたこと、そんなことはどうでも良い。

 わたしより特別なことが問題なんだ。

 造りながらも金色の魂からあの男の面影が滲んできて、消そうにも消えない。その上、わたしの手が勝手に自分の神様を恋しがって形を似せてしまう。

 何度造りなおしても、二人が混ざりあったような、わたしにとっては最悪で最高のものしか出来ない。

 ――誰か、助けて。

 そう思った時、地獄が震え、それに共振して空が形を変えた。

 無意識にシロキを呼んでしまった。呼び戻してしまったからにはこの状態を完成形としよう、そう決めた。どうせ何度造り直したってきれいになってしまうんだから。

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