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第四章 鳥像の門
命の本源1
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ルキル
僕が説明するなんて申し出たは良いけれど、どうしようか。
鏡の床に身を寄せ合って座るカドさんとエンドさんの横に腰を下ろしながら考えた。
この光景、昨日の昼間の草原と同じだ。
あの時はシロキさんが僕の前からいなくなるまでの事を話したんだっけ。
今、また二人の目が不安の色に染まっている。僕はこの二人が好きだ。
「ルキルくんの話やすいところから聞かせてくれ」
エンドさんの声が優しい。
「はい」
僕は深呼吸をして目を閉じた。
何でだろう。全然美しい思い出じゃない方が真っ先に心に浮かんだ。さっき会ったばかりだからかな。
目を開く。
「僕が最初に思い出すのが――」
雷が近くで落ちました。内臓を振動させるような大きな音です。
「やってらんねえな」
雨を待ち、重い空を見上げていると、いつの間にか隣に立っていた人間の神様が気怠そうに言いました。
「相変わらずガラが悪いですね」
「この雷、またわたしのせいかね?」
人間の神様が溜息をついて、雨粒が躍り出した草の上に座り込みました。
「あなたのせい……ってことになりますね」
正確には人間の神様のせいではないのだけれど、僕は少し意地悪をしたくなって言いました。
その頃、太古の神様たちが怒りを噴出する事が増えていました。その熱量は雷の神様が受け取り、放出します。
神様たちの怒りの原因は命を投げ出す人間に対するものでした。もちろん、人間の神様がそう仕向けていたわけではありません。
ただ『求められて存在している』、この神様の存在理由、それそのものが、僕には羨ましてく仕方なかったのです。
「わたしはむしろ、気楽にやりなさい、といつも言ってるんだけどね。真面目でやだね、人間は。あ、でも人間たちに悩みが無くなったらわたしも消えちゃうのか。それならそれで、どうでも良いけど」
寝転がったまま足を組み、飄々と言う横顔が贅沢を持て余しているように見えて、また胸がずきん、としました。
僕が説明するなんて申し出たは良いけれど、どうしようか。
鏡の床に身を寄せ合って座るカドさんとエンドさんの横に腰を下ろしながら考えた。
この光景、昨日の昼間の草原と同じだ。
あの時はシロキさんが僕の前からいなくなるまでの事を話したんだっけ。
今、また二人の目が不安の色に染まっている。僕はこの二人が好きだ。
「ルキルくんの話やすいところから聞かせてくれ」
エンドさんの声が優しい。
「はい」
僕は深呼吸をして目を閉じた。
何でだろう。全然美しい思い出じゃない方が真っ先に心に浮かんだ。さっき会ったばかりだからかな。
目を開く。
「僕が最初に思い出すのが――」
雷が近くで落ちました。内臓を振動させるような大きな音です。
「やってらんねえな」
雨を待ち、重い空を見上げていると、いつの間にか隣に立っていた人間の神様が気怠そうに言いました。
「相変わらずガラが悪いですね」
「この雷、またわたしのせいかね?」
人間の神様が溜息をついて、雨粒が躍り出した草の上に座り込みました。
「あなたのせい……ってことになりますね」
正確には人間の神様のせいではないのだけれど、僕は少し意地悪をしたくなって言いました。
その頃、太古の神様たちが怒りを噴出する事が増えていました。その熱量は雷の神様が受け取り、放出します。
神様たちの怒りの原因は命を投げ出す人間に対するものでした。もちろん、人間の神様がそう仕向けていたわけではありません。
ただ『求められて存在している』、この神様の存在理由、それそのものが、僕には羨ましてく仕方なかったのです。
「わたしはむしろ、気楽にやりなさい、といつも言ってるんだけどね。真面目でやだね、人間は。あ、でも人間たちに悩みが無くなったらわたしも消えちゃうのか。それならそれで、どうでも良いけど」
寝転がったまま足を組み、飄々と言う横顔が贅沢を持て余しているように見えて、また胸がずきん、としました。
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