奇跡の神様

白木

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第四章 鳥像の門

作戦2

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 みんな僕の魂の周りでそれぞれの表情を浮かべている。

 僕に懐いてくれるルキルくんはさっきからワクワクしているように見えるし、雷の神様はいつも通り穏やかだけれどつかみどころのない表情。人間の神様が未だ僕の目を見れないのが痛々しい。

 ナイトが僕から一番離れたところで、斜め下を向いて座っている。

 さっきここに着いた時はは誰よりも早く僕に駆け寄り、魂に触れ「前よりもきれいになったんじゃないか」なんて言ってくれたのに、今はすっかり自分の世界に入ってしまった。

 僕の声など届いているのだろか。でも、話さないと。

 まずはあの事からだ。

「僕はね、再成に入る前まで、本当にたくさんの事を忘れていたんだ。作成者が理想の僕を永遠に眺めているために、都合の悪い記憶を全て捨ててしまっていたから。中途半端に残していたのは何故だろうと考えたよ。でも簡単なことだった。忘れたくなかったんだ。僕の中にあの人の面影を残しておきたかったんだね」

 エンドがキョロキョロしている。

 あ、彼はあの人のことを知らないのか。作戦を伝えてから改めて話そう。

 するとカドがエンドに短く耳打ちをした。エンドがびっくっとして硬直する。

 そうだよな。僕も記憶を取り戻した時はそうだった。

 カドはいつから知っていたんだろう。

「僕は今まで、作成者をおびき出して、極楽を壊そうと考えていた。トリプガイドとガジエアを奪い、あいつを拒絶した。それなのにあいつはまだ、頑なに極楽から出て来ない。怯えているんだと思う。僕はもう待てない。あいつは最後の一本のガジエアと永遠に極楽に籠るつもりだと思う。そんなの僕は許さない。だからこっちから回収に行ってやることにした。この鏡の空間の天井が極楽に続いているのは知ってるだろう。これから、鏡の空間を上昇させて、門ごと極楽に行く」

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