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第三章 笑う宝石
もう一つの融合1
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ナイト
「人間の神様が来る前に、あと一つだけ教えて欲しいんです」
ルキルくんがファミドの瞼の傷を撫でながら言った。
「ファミドがこの傷つけられた夜、僕、イチョウの木の下で人間に会ったんです。あの人間には僕が見えていました。僕は簡単に人間に姿を見れらたりしない、滅多にないことなんで良く覚えています」
「シロキさんとは大違いだね」
カドが俺と視線を交えて呟いた。
「あの人間は最終で、神様に近い魂を持っていたんじゃないかと考えていました。だから僕のことが見えたんです」
「イサリのやつ、ルキルくんに会っていたのか……ということは、予想はしていたけどやっぱり――」
鏡の欠片がまた一つ嵌った気がした。
「そうなんです。ファミドはそのイサリくんを助けて、この傷を負ったんです」
カドが自分の胸を押さえている。
「イサリくん……俺の中で消えた子のお兄さんで、今、ここにある魂か」
「人間の神様が来るまであまり時間がないけど、最後にマツリとイサリのことを話すよ。ファミドの傷も、今、あいつらの魂を持ち歩いているカドにも、深く関係のあることだものな、言わないわけにはいかない」
「人間の神様が来る前に、あと一つだけ教えて欲しいんです」
ルキルくんがファミドの瞼の傷を撫でながら言った。
「ファミドがこの傷つけられた夜、僕、イチョウの木の下で人間に会ったんです。あの人間には僕が見えていました。僕は簡単に人間に姿を見れらたりしない、滅多にないことなんで良く覚えています」
「シロキさんとは大違いだね」
カドが俺と視線を交えて呟いた。
「あの人間は最終で、神様に近い魂を持っていたんじゃないかと考えていました。だから僕のことが見えたんです」
「イサリのやつ、ルキルくんに会っていたのか……ということは、予想はしていたけどやっぱり――」
鏡の欠片がまた一つ嵌った気がした。
「そうなんです。ファミドはそのイサリくんを助けて、この傷を負ったんです」
カドが自分の胸を押さえている。
「イサリくん……俺の中で消えた子のお兄さんで、今、ここにある魂か」
「人間の神様が来るまであまり時間がないけど、最後にマツリとイサリのことを話すよ。ファミドの傷も、今、あいつらの魂を持ち歩いているカドにも、深く関係のあることだものな、言わないわけにはいかない」
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