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第三章 笑う宝石
孤独な神様2
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人間の神様がガジエアを受け取った時の反応は意外だった。「気をつけろよ」と注意深く手渡したのに「大丈夫だよ、大切に扱う」と言ってすっとためらいもなく自分の方へ寄せた。
この神様の性格なら手に取った直後に、小枝の様にぶらぶら振り回しだすのではないかと不安になったが、手の中のガジエアを見つめたまま、しばらく動かなかった。
そして驚いたことにガジエアに唇をそっとつけると、宝石のような目から涙を一筋流した。
しばらくの間、怪しく青い光を放つガジエアに顔を近づけた神様を見守っていた。どうして泣くんだ? 何かそうは聞けない雰囲気があった。だが限界もある。そろそろ戻らないとシロキが不安がるだろう。
「なあ、浸っているところ悪いんだが、俺はそろそろ行くよ」
「ふへ?」
「何だ、ふへって。本当にシロキみたいだな。俺は行くよ、とにかくそれを預かっておいてくれ、いつとは約束できないけど必ず取りにくる」
やっと我に返った神様が涙声で言った。
「あなた、人を探しているんでしょ。そっちはいいの?」
「人?」
「金色の魂を持った人間だよ、探してるんじゃないの?」
どうして知っているんだろう。
「その人もあなたに会いたがっていたよ」
「知ってるのか? そいつのこと」
思わず身を乗り出してしまう。くぅんっと言ってジャックが膝から落ちた。
「近い、近い。あなたきれいだから良いけど、人間ならひっぱたくところだよ」
人間の神様のくせに、自分の信者にそんな乱暴なことをするなんて信じられない。だがそれよりも今は金色の魂のことを聞きたい。
「明後日の深夜にここに来なよ。金色の魂の人間も呼んでおくからさ。昨日の今日じゃあの子も都合あるでしょ。人間って忙しいし。金曜の夜なら大丈夫じゃないかな。次の日休みだから。あなたはその……シロキさんにちゃんと断ってね。わたしがそそのかしたと思われたら益々立場無くなっちゃうから」
言っていることの半分は理解できなかったが、とりあえず頷いた。
「そうか、ありがとう。でもおかしいな。金色の魂が、地獄から人間の世界に堕とされてそんなに日が経っていないのに、もう一人で出歩けるほどに成長しているのか」
「本人に聞いてよ」
もっともだな。間もなくあいつに会える。そう思うとそわそわするのと安心するので胸がいっぱいになった。人間の神様から離れ、敢えてゆっくりと立ち上る。
「わかった、じゃあ明後日の夜、また来るよ」
「絶対来てよ。ジャックも喜ぶから。あとわたしもあなたのこと好きになったし」
この神様にどう思われようがあまり興味はないが、ジャックはかわいかった。また会いたい。
「うん、色々ありがとう。じゃあまたな」
着物の裾を噛んで離さないジャックを何とかなだめてその場を去った。
この神様の性格なら手に取った直後に、小枝の様にぶらぶら振り回しだすのではないかと不安になったが、手の中のガジエアを見つめたまま、しばらく動かなかった。
そして驚いたことにガジエアに唇をそっとつけると、宝石のような目から涙を一筋流した。
しばらくの間、怪しく青い光を放つガジエアに顔を近づけた神様を見守っていた。どうして泣くんだ? 何かそうは聞けない雰囲気があった。だが限界もある。そろそろ戻らないとシロキが不安がるだろう。
「なあ、浸っているところ悪いんだが、俺はそろそろ行くよ」
「ふへ?」
「何だ、ふへって。本当にシロキみたいだな。俺は行くよ、とにかくそれを預かっておいてくれ、いつとは約束できないけど必ず取りにくる」
やっと我に返った神様が涙声で言った。
「あなた、人を探しているんでしょ。そっちはいいの?」
「人?」
「金色の魂を持った人間だよ、探してるんじゃないの?」
どうして知っているんだろう。
「その人もあなたに会いたがっていたよ」
「知ってるのか? そいつのこと」
思わず身を乗り出してしまう。くぅんっと言ってジャックが膝から落ちた。
「近い、近い。あなたきれいだから良いけど、人間ならひっぱたくところだよ」
人間の神様のくせに、自分の信者にそんな乱暴なことをするなんて信じられない。だがそれよりも今は金色の魂のことを聞きたい。
「明後日の深夜にここに来なよ。金色の魂の人間も呼んでおくからさ。昨日の今日じゃあの子も都合あるでしょ。人間って忙しいし。金曜の夜なら大丈夫じゃないかな。次の日休みだから。あなたはその……シロキさんにちゃんと断ってね。わたしがそそのかしたと思われたら益々立場無くなっちゃうから」
言っていることの半分は理解できなかったが、とりあえず頷いた。
「そうか、ありがとう。でもおかしいな。金色の魂が、地獄から人間の世界に堕とされてそんなに日が経っていないのに、もう一人で出歩けるほどに成長しているのか」
「本人に聞いてよ」
もっともだな。間もなくあいつに会える。そう思うとそわそわするのと安心するので胸がいっぱいになった。人間の神様から離れ、敢えてゆっくりと立ち上る。
「わかった、じゃあ明後日の夜、また来るよ」
「絶対来てよ。ジャックも喜ぶから。あとわたしもあなたのこと好きになったし」
この神様にどう思われようがあまり興味はないが、ジャックはかわいかった。また会いたい。
「うん、色々ありがとう。じゃあまたな」
着物の裾を噛んで離さないジャックを何とかなだめてその場を去った。
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