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第三章 笑う宝石
孤独な神様1
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ナイト
「それが、この場所なんですね。やっぱり僕は来るべきじゃなかったんでしょうか」
ルキルくんが心配そうに言った。窓に貼りついた薄い雪と氷が外灯を阻んで、顔に不思議な模様を作っている。そう、俺たちが今いるのが人間の神様の住む場所だ。
「いいんだ。ルキルくんが来ることは伝えてある」
「何をそんなに怯えているんだ、人間の神様は。自分とは無関係の極楽やそれを壊そうとしているシロキさんに怯えるのも変だが、こんなにかわいいルキルくんを怖がるなんて」
エンドが聞いてきた。あまり表情に変化はないが、俺にはわずかな不安を感じとることができた。静かに燃えていた炎が、場違いにぱちっと音を鳴らすような、一瞬の変化だったが。
「僕に人間の世界を破壊される、とでも思っているんでしょうね」
ルキルくんが悲しい顔で言った。
「僕は実際世界を壊してしまったことがあるので、また同じことをされると思われていても仕方ないです」
エンドとカドが「今何て言った?」という顔で、素早くルキルくんを見た。聴き間違えかと困惑している。
目を伏せるルキルくんの頬をファミドが舐めている。あれから何度も人間の神様を訪ねているうち、聞きもしないのに、何故ルキルくんが怖いのかを勝手に話始めたので俺もその事を知っていたが、いよいよ本人の口から語られるのかと息を呑んで待った。
――しばらく待ったが、聞こえてくるのはファミドのぺろぺろという音だけだった。
「僕は時が来れば世界を破壊する神様です。だから親しい神様もあまりいないんです。海だけは僕を慕ってくれるけれど、それは特別です。僕のことを話していたら夜が明けてしまう。早く蜘蛛を助けた男がそれからどうなったのか、教えて下さい」
「それが、この場所なんですね。やっぱり僕は来るべきじゃなかったんでしょうか」
ルキルくんが心配そうに言った。窓に貼りついた薄い雪と氷が外灯を阻んで、顔に不思議な模様を作っている。そう、俺たちが今いるのが人間の神様の住む場所だ。
「いいんだ。ルキルくんが来ることは伝えてある」
「何をそんなに怯えているんだ、人間の神様は。自分とは無関係の極楽やそれを壊そうとしているシロキさんに怯えるのも変だが、こんなにかわいいルキルくんを怖がるなんて」
エンドが聞いてきた。あまり表情に変化はないが、俺にはわずかな不安を感じとることができた。静かに燃えていた炎が、場違いにぱちっと音を鳴らすような、一瞬の変化だったが。
「僕に人間の世界を破壊される、とでも思っているんでしょうね」
ルキルくんが悲しい顔で言った。
「僕は実際世界を壊してしまったことがあるので、また同じことをされると思われていても仕方ないです」
エンドとカドが「今何て言った?」という顔で、素早くルキルくんを見た。聴き間違えかと困惑している。
目を伏せるルキルくんの頬をファミドが舐めている。あれから何度も人間の神様を訪ねているうち、聞きもしないのに、何故ルキルくんが怖いのかを勝手に話始めたので俺もその事を知っていたが、いよいよ本人の口から語られるのかと息を呑んで待った。
――しばらく待ったが、聞こえてくるのはファミドのぺろぺろという音だけだった。
「僕は時が来れば世界を破壊する神様です。だから親しい神様もあまりいないんです。海だけは僕を慕ってくれるけれど、それは特別です。僕のことを話していたら夜が明けてしまう。早く蜘蛛を助けた男がそれからどうなったのか、教えて下さい」
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