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第二章 鏡の地獄
閉じた地獄10
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「こいつらを、救ってくれるか?」
ナイトが愛おしそうに紫の魂に顔を埋める。
「これからはその子たちもお前も、僕が守ってあげる。ごめんね、今まで気がつかなかったことを心から悔やんでる」
僕は今度はカドに向かって言った。
「カド、僕が指示する扉を開けていって。僕にはこの子たちの弱さの色は見えてる。行くべき本当の地獄へ連れて行ってあげる。今度やり直す時には弱さが暗闇に呑まれないように、弱さが光に当たって輝けるように、祈ってあげる」
扉が再度次々と開きだし、僕が片手で誘導した方へ、紫色の魂が舞っていく。不規則なようで計算した通りの方角へ。
最後の魂が水の地獄へと引き込まれると僕はナイトの方を見た。自分を慕う紫の魂たちが他の地獄へ吸い込まれて行く様を見て、本当のところどう感じているのだろう。さっきの罪人の魂のように、ただきれいだ、と感心していられるとは思えない。
ナイトは僕の懸念をよそに、安心した顔をしていた。いつも冷たく凍っているような美しい目が温もりで溶けて滲んでいる。
「ありがとう」
ナイトが笑った。こいつが自分より幼く見えたことなんて初めてだった。
ナイトが愛おしそうに紫の魂に顔を埋める。
「これからはその子たちもお前も、僕が守ってあげる。ごめんね、今まで気がつかなかったことを心から悔やんでる」
僕は今度はカドに向かって言った。
「カド、僕が指示する扉を開けていって。僕にはこの子たちの弱さの色は見えてる。行くべき本当の地獄へ連れて行ってあげる。今度やり直す時には弱さが暗闇に呑まれないように、弱さが光に当たって輝けるように、祈ってあげる」
扉が再度次々と開きだし、僕が片手で誘導した方へ、紫色の魂が舞っていく。不規則なようで計算した通りの方角へ。
最後の魂が水の地獄へと引き込まれると僕はナイトの方を見た。自分を慕う紫の魂たちが他の地獄へ吸い込まれて行く様を見て、本当のところどう感じているのだろう。さっきの罪人の魂のように、ただきれいだ、と感心していられるとは思えない。
ナイトは僕の懸念をよそに、安心した顔をしていた。いつも冷たく凍っているような美しい目が温もりで溶けて滲んでいる。
「ありがとう」
ナイトが笑った。こいつが自分より幼く見えたことなんて初めてだった。
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