奇跡の神様

白木

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第二章 鏡の地獄

祈りの鳥7

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 あいつ、俺に赤い魂を渡さないためにわざわざ出てきたのか?

 ああやって鏡の地獄に干渉できるなら、毎回自分で魂を受け取りに来ればいいじゃないか。

 俺は暗い雪になだれ込み顔を埋めた。

 月はどこに行ってしまったんだろう。

 作成者は俺を苦しめるためだけにこんなことをさせているのか。あいつの悪趣味は死なないと治らない。

 その時、作られてから初めて憎しみの感情を知った。どうして今まで知らずにこれたのか不思議なくらいの激しさで。

 作成されたことに恩でも感じていたのか。こっちから作ってくれと頼んだわけじゃない。あいつが勝手にやったことだ。

 込み上げる気持ちだけで身体の周りの雪が解け、その上に降り積もる雪すらも解け続けた。一晩中、一つのことだけ唱えていた。

 ――あいつを消してやる。

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